公費負担

先日「不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座」に参加しました。

医師、看護師、カウンセラー、エンブリオロジスト、薬剤師など、毎回500~600名を超える方々が参加し、2日間にわたって、各分野で活躍するわが国の第一人者の講師の方のお話を聴くことが出来るのです。参加するたびに、新鮮な知識にワクワクして充実感を得ています。

今回は「生殖医療の基礎知識」として<荒木重雄>先生のご講演の中から諸外国における胚移植の状況が話されました。

諸外国に比して日本は多胎妊娠、多胎分娩が多く、そのため胚移植数の制限が見直されているとのこと。中でも印象的だったのは、ART(高度生殖補助医療ーIVF-ETなど)先進国のスエーデン、ベルギーなどは、不妊カップルの経済的負担を軽くするため公費負担が明文化されているとのことです。

スエーデンはARTは公費で施行され、ベルギーでは6周期まで公費で受けることができるとのことです。さて、わが国はどうでしょう!

わが国では547施設でART(高度生殖補助医療ーIVF-ETなど)が実施されているようですが、まだまだ先進国には及びません。全て自費!各自治体によりいくらかは補助を受けられるようですが微々たるものです。

厚生労働省では特定不妊治療費助成事業として、年収730万円以下、1回につき10万円、年2回まで、通算5年間までの助成金が支給されるそうですが、それも各自治体により取り扱いが違うようです。

経済的に苦しい若いカップルが、ARTの費用、漢方薬の費用と工面している姿には、早く公費で治療が受けられるようになって欲しいとつくづく思うのです。

牡丹の花 

前回に続き、当店の庭に咲いた<牡丹>の花を紹介します。

「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿はゆりの花」と美しさをなぞらえる牡丹の花。

漢方薬には、生薬名「牡丹皮」として、根の皮が使われます。元々中国から渡来したもので、奈良あるいは平安時代に入ってきたとも言われています。

牡丹皮として使う場合は、開花させずに出来るだけ蕾を摘んで根の発育をよくし、苗から4~5年目の秋に根を掘り起こして水洗いし、皮を剥いて硬い芯を抜き取ってから日陰干しをして薬として使います。

漢方薬では有名な「桂枝茯苓丸」「大黄牡丹皮湯」などに入って婦人薬として使われ、周期療法では月経血の排泄に多く使います。また月経困難症、月経不順、子宮内膜症、便秘、痔疾に無くてはならない生薬でもあります。

ハマナスの花

夏のオホーツク海岸原野に咲き誇る<ハマナス>の花を、当店のある宇治の庭で咲かそうと植えてから4年。

毎年5月に咲いて北国の情緒を出して楽しませてくれています。しかし北国とは気候が違って暖いため、背丈だけはぐんぐん伸び、枝には鋭い棘が生え、剪定に支障をきたしています。

このハマナスの花の香り成分を取り出してローズ油を作り、化粧品の香料としても使われています。ハマナスの果実にはビタミンCが多く含まれ、根は秋田八丈の染料として有名。

中国では日本産のハマナスの変種である<まい瑰花:まいかいか>がお茶にも使われ、また<まい瑰花酒>としても有名。

漢方薬では、気のめぐりを良くし、ストレスによる腹痛や下痢、月経不順に良く使われ、月経期に精神的に乱れる方、ストレスが原因で月経が不規則になる方に、お茶がわりに服用するなど、とても重宝される草花なのです。

人生はマラソンです

先日名古屋で女子マラソンがありました。北京五輪の女子マラソン代表がきまるとあって、皆さんの注目を集めていました。

中でもQちゃんこと高橋尚子選手の走りぶりが興味をそそりました。結果は想像だにしなかった「失速」で終わってしまいましたが、色々考えさせられました。

絞り込んだ身体、走りこんだ足腰、精彩が無いような表情、走る前から不安がよぎります。走れるのかな?大丈夫かな?スタートしてから走れない身体でよく頑張っていましたね。途中棄権するかな?とハラハラさせられましたが、最後まで走りとおした強い意思には敬服します。

「マラソンはよく人生にたとえられます」山あり谷あり、レースには「起承転結」があり、自分の一生に重ねてみることも出来ます。

「不妊」で悩まれている方々も今マラソン・ランナーのようです。お2人の人生は起承転結のどの位置でしょうか?スタートから15キロ付近のの起点でしょうか?2人で歩む道のりはまだまだ続きます。辛いこと、うれしいこと、悲しいこと…色々ありますがこれから新しい命を育むための基礎作りを「承」として、辛くて苦しい治療の山場を「転」として乗り越え、願いが叶う「結」に向かって完走してほしいと思うのです。

基点になる関門には漢方薬のスペシャルドリンク用意されています。それぞれのランナーにあった「マイ・漢方薬スペシャルドリンク」を飲んで、皆が完走し、喜びのテープを切ってほしいとマラソンをみながら思うのでした。

ヨモギの話

昨日のヨモギの話を補足しておきます。

ヨモギは野山や土手、道端や空き地など至る所に群生している馴染みの草です。

草全体に独特の香りがあり、春先の若葉は草もちの材料として知られ、若葉や若芽は天ぷらにしても少し苦味があって美味しいものです。

ヨモギの主成分のタンニンには消炎作用や止血の収斂作用があり、切り傷の時には生の葉を揉んで貼っておくと効果があります。これは手負いの熊もヨモギの生葉を使って傷口の手当をしているといわれます!

その他、生葉を浴剤として、神経痛や湿疹・肌荒れ・保温などに用いられます。乾燥したもの<艾葉・ガイヨウ>を煮出して、痒みがある皮膚トラブルに浴剤として使われます。今はヨモギが含まれる入浴剤<ご湯っくり>も出ています。

漢方薬では止血薬として有名、不正出血などに<きゅう帰膠艾湯>を用います。

なにかと利用価値の高い野草ですが、いくら刈り取っても所構わず地下茎でぐんぐん繁殖して行くので、人によっては嫌な野草の一つでもあります。

社内研修会に草もち?

先の日曜日は20回目の社内研修会でした。

テーマは<頭痛>で、元病院長を講師とする直伝の勉強会です。すでに6年目となりました。

知識を詰め込んで賢くなった頭?にちょっと休息。滋賀県から参加されている先生の差し入れ「老舗の草もち」です。がぶっとかじると独特な香りが広がる春の味、この上ない美味しさです。

春の野山や土手、道端や空き地などの「よもぎ・蓬」が浮かんできます。これを乾燥したものが生薬名<艾葉・ガイヨウ>です。

なお、

草もちには若菜を用い

もぐさには乾燥葉を用い

止血薬には生の葉を揉んで用い

入浴剤としては端午の節句に昌蒲と一緒に入れる

温シップには乾燥した葉を用いる

などなど、利用価値の高い「よもぎ」ですが、やっぱりこの時期は草もちが一番!

これでまたカロリーオーバー、メタボが近付いてきました。

おめでとうございうます

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

今年もさらに研鑚を積み、皆様の願いを叶えられるよう一緒に取り組みます。

お正月には赤ちゃんの写真入り賀状がたくさん届きました、ありがとうございました。

漢方薬を服用され、中途で切れて気になっていたSさん、Mさん、Aさん、に赤ちゃんが生まれていたんです。「おかげさまで元気な赤ちゃんが授かりました。感謝しています」と。うれしいですね!

また、なかなかお目にかかれない遠くの赤ちゃんたち。成長した姿を賀状で見せていただきました。「ああこんなに大きくなっている」「もう七・五・三だったんだね」「弟ができてすっかりお姉ちゃんだ~!」「ポッター症候群でなくてよかった!」一枚一枚に、漢方薬を飲まれていたときの状況が思い起こされ、そこに私の思いが重なり感慨に浸り、至福の時を頂きました。本当に良かったと思います。

今年は、「赤ちゃんがほしい」と願う方たち全員に授かってほしいと切に望んでいます。昨年は漢方BABYが100人を越えました。今年はもっともっと漢方BABYが誕生しますように!

コウノトリに会ってきました

昨日は研究会グループで兵庫県豊岡市にある<コウノトリの郷公園>に行く機会を得ました。

http://www.stork.u-hyogo.ac.jp/

<コウノトリ>は幸せを呼ぶ鳥として知られ、特に<赤ちゃんを運んでくる>という言い伝えがありますが、元々はドイツ伝わる伝説から始まったようです。

しかし年々生息数が減少し、一時は日本の野生種は絶滅したのですが、昭和40年からの人工飼育によって復活し現在は100羽を超えるまでになり、自然への放鳥も行われています。当日は飼育場所にある田んぼのエサを啄ばむコウノトリや小雨の中をはばたくコウノトリ見られました。この近隣の農家では、農薬の使用を制限し、ドジョウやフナなどが住む田んぼつくりが行われています。

失われつつある自然と動植物は無数にあり、一旦失われると簡単には再生しないもので、その点コウノトリは『幸せを運ぶ』 『幸せ者』かもしれませんね。 

コウノトリの人工巣搭の上はこんなのです

セミナーご参加、ありがとうございました

先日、10日に開催しました<不妊症を克服するセミナー・妊娠力を育む>には多数ご参加いただき、ありがとうございました。おかげさまで会場はほぼ満員になり、また講演の内容もすばらしいもので、私どもスタッフにとっても勉強になりました。

最初にご講演いただきました<足立病院・中山先生>のお話は、生殖医療の技術は年々高度になっていますが、その中でも体外受精や顕微授精などの生殖補助医療における妊娠成功率は、三つの要素

<個人の妊娠能力> <胚培養技術> <医師の技量>

が一定レベル必要であり、このいずれかが低いと妊娠率は低くなるとのことでした。そして

<漢方や鍼灸> <運動> <ストレス解消>

なども妊娠率を高める要因となるとのことでした。

また、続いて中医学の立場から<劉怜先生>のお話では、正しい生理周期が妊娠力の基礎となり、その周期ごとにベストな状態をつくる周期療法の考え方、またそのために必要な

<肝腎の働きを高める>ことが妊娠力を高めることになる

というお話でした。さらに、妊娠に最も必要な生薬が<当帰>であり、その当帰がたくさん含まれる<婦宝当帰膠>が優れたお薬であることも説明いただきました。

その後の質問コーナーでは、たくさんのご質問に対し、先生方が丁寧に回答いただき、皆様もしっかりメモをされているという真剣さを実感しました。

ご参加いただきました皆様にとって、大変有意義なセミナーであったと思います。当店も今回学んだことを生かし、実践してまいりたいと思います。