無駄ではないお薬

カウフマン療法による治療をしつつ漢方薬を服用されている28歳Aさん、体外受精に向けて体の調整をしている36歳Tさん、プレマリン、プラノバール、にて生理を起こしながら治療をすすめています。

今周期は明らかに調整だけの周期で、周期の終わり頃にお薬により生理を起こすことになっているAさん、採卵はしたものの、今回は戻さずに次の周期を待つことになったTさん、どちらも口を揃えて「今周期は妊娠には至らない周期なのに高温期の漢方薬は飲まないといけないのですか?」と尋ねられました。

確かにどうせ流れてしまう内膜なのに、それをふわふわに育てるために高温期にはそれ様のお薬を飲むわけですから、もったいないように思えます。

生理が来たときには、望みをかけて飲み続けた漢方薬が全て流れていってしまうように感じます。「またスタート地点でやり直しか・・・」と思ってしまいます。

しかしこれは無駄なことではないのです。美しい高温相を作ることは、黄体ホルモンが十分に出て、内膜がしっかり育った証拠なのです。それを整えることは、次の周期を良い状態に導くことに繋がるのです。決して無駄ではないのです!

次の良い結果に繋がる源と捉え、「参茸補血丸」「参馬補腎丸」「帰脾錠」などの高温期の丸い玉をしっかり飲んでください。それを口に入れた分、しっかり体に返ってくるものです。是非お薬を飲む際には、次の周期、そしてその次の周期・・・と変わっていく体を期待して、楽しみながら飲んでください。きっと良いことがあるはずです。

納豆挽回!

正月太りをした人に受け入れられやすかった「納豆ダイエット」。しかしそれが偽りだと判明してから、以前より棚に残っているように見えてしまう納豆たち。納豆たちには罪はないのに、それ自体が悪者にされてしまったかのようです。

確かに納豆は放映されたほどはダイエットには効果がないかもしれませんが、健康のためにはとても良いものだということは、伝えておかなければなりません!

その原料となる大豆は、大地のタンパク質でその栄養価は高いものとして知られています。また、大豆の中にはイソフラボンが多く含まれ、それには女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、骨粗鬆症、更年期障害の改善に効果があるといわれています。

しかもその大豆を原料とした納豆は、大豆以上の栄養価と薬効を持っているのです。疲労回復に必要なビタミンB群の含有量はその親である大豆の10倍にもなっていて、さらに納豆菌が腸の中の腐敗菌や病原菌などの悪玉菌をやっつけ、善玉菌を増やす働きがあるのです。

また発酵食品は、「冷え症」の人にも良いものです。蓄えた熱量を徐々に小出しにしてくれるために、体が温まっている時間を長く保つことができます。是非朝に食べることをおすすめします。

漢方でも納豆によく似たもので「豆し(ずし)」というものがあります。それは大豆の種を蒸して発酵させたものです。よく中華料理でも使われていて、その何とも言えない味が病み付きになってしまうほどです。

漢方では、解表・除煩の効能があるために、熱性疾患や熱病後の不眠・煩燥などに用いられます。

この様に納豆は、幅広く私達の健康維持のために使われるべきものです。批判され、俄かブームが去っても、納豆を傍に置いてくださいね。

不眠と更年期

52歳Nさん。もともとのどは弱い方で、よく痰が絡んだりしていました。昨年の秋、風邪をひいたことがきっかけで長引く咳に悩まされ、病院に行くと「気管支炎」と診断されました。

そしてその薬を飲むこと半年、舌が痺れるような感覚が生じ、味覚障害に陥りました。味がわからなくなり、食事も作れなくなってしまいました。さらに今度は寝られなくなってきたのです。入眠もスムーズでない上に、中途覚醒してしまう毎日。

今までそのようなことがなかったために、Nさんはこの症状はお薬の副作用だと思い、病院にてそのことを主張しましたが、気管支炎の薬がストップされただけで、後は、安定剤と睡眠薬が出されました。

それからはデパスの安定剤を朝・晩に飲み、寝る前には睡眠薬を服用しないと寝られなくなってしまいました。しかも睡眠薬を服用しても3時間ほどすると覚醒し、それ以降寝られなくなる毎日。

これらの症状が起こったきっかけが薬だったため、余計に薬への不信感と恐怖を感じ、飲みたくないけど飲まないといられない葛藤で毎日苦しんでおられました。

そんなとき、息子さんから漢方薬をすすめられたのです。西洋薬と異なり自然のもので、それがないといられないような依存性はなく安全だということだからです。それならやってみようと、遠くからお電話をくださいました。

気持ちを和らげるように柴胡剤の入った「柴胡竜骨牡蛎湯」をベースといtし、気滞を散じ気分を明るくする「半夏厚朴湯」、大黄・黄ごん・黄連の力により心下のつかえを取る「三黄瀉心湯」を調合したものでしばらく様子をみてもらいました。

そして「感応丸気」を頓服として使って。

初めの2ヶ月間、あまり症状に変化がないために、漢方薬に対する不信感が出てきたようで、電話口にて訴えられるNさんの言葉には力がなく、不安がとても伝わってきました。

しかしここで漢方薬を止めてしまうと、また副作様症状の出た西洋薬に頼らざるを得なくなるために、それだけはしたくないというNさんのお気持ちを感じ、のんびりと構えて「何とかなるわ」といった気持ちでもう少し漢方薬を続けるように説得しました。

そして3ヶ月。

その頃を境にNさんの睡眠に変化が現れました。

夜に睡眠薬を使って寝るものの、途中で覚醒することが無くなってきたのです。今まで西洋薬を1年ほど続けていたのに全く症状に改善が見られず、それどころかますます薬に頼っていた時のことを思えば、かなりの進歩だと言えるでしょう。

そして5ヶ月。

今では安定剤のデパスをほとんど飲むこともなくなり、とても調子が良いようです。まだすっかり漢方薬を止めるには不安が残りますので、もう少し安定するまで続けてもらうことにしました。Nさんもとても喜んでおられ、以前の明るさが戻り、家族も明るくなって、円満に過ごされているようです。

Nさんのように、治療の迷路に入り込み、出られなくなった人は、是非、お問い合わせください。きっと出口が見つかるはずです。

なすび

「親の意見と茄子の花 千に一つも空(むだ)はない」

これは、なすびの花には1つも無駄がない、つまり花が咲くと必ず実が成る、というところから生まれた俗謡です。

この俗謡の意味は、経験を積んだ親の意見に間違いはなく、子たるものはこれに従うべし、です。

そのなすびの花ですが、「空花(あだばな)(=むだばな)がない」ために、なすびの描かれた茶碗が子宝祈願の品物として、授からない家にあったりします。

昔は一族の繁栄のために、男子を授かることはとても重要なことでした。授からずに悩んでいる人は多かったことでしょう。それを祈願する神社がたくさんあることが、そのことを物語っています。

鍼灸治療に来られている75歳Fさん。

2人の娘さんがおられます。妹さんの方は3人のお子様がいるのですが、お姉さんには子供ができませんでした。

「あの頃、ここの漢方のことを知っていれば良かったのに」

と娘さんが不妊治療を続けていた頃のことを思い出されていました。

人工授精も体外受精もありとあらゆる不妊治療をして、挙句の果てには卵巣が腫れ、片方の卵巣を取ってしまうことになったようです。卵巣を取った何年か後、娘さんは夫婦2人で生きていく道を選ばれました。

娘さんが不妊治療をしている間、Fさんは、あらゆる神社に祈願に行ったり、なすびのお茶碗も揃えたり・・・されたようです。

「でも結局駄目だったわ」

とポツリとこぼす言葉から、親の子供に対する愛情がたくさん感じられました。

きっと不妊治療をされている人は、もちろん本人も自分の子供に会いたいけれども、それ以上に待っている親が居るから、喜ばせてあげたいから、頑張ってしまっている人もいることでしょう。

空花のない「なすび」のように、人間もしっかりとした卵が実れば、空(むだ)にはならないはず。「なすび」に見習って、無駄なく実を結べるような体作りをおすすめしています。是非漢方をお試しください。

震災の日

今日は「阪神淡路大震災」のあった日。あれから12年も経ちました。ちょうど13回忌になります。

13回忌にもなれば、思い出はやがて薄らいで来る頃です。しかし、この日の記憶は決して薄らぐことなく、今年もその日が巡ってきました。

6,434人の尊い命があの日、失われました。奪って欲しくなかったその命。まだまだその世で生きて欲しかったその命・・・。

ここ最近、「命」の尊さを忘れてしまうような事件が多く起こっています。せっかくこの世に生まれるべくして生まれた命なのに、どうしてそれほど粗末にすることができるのでしょうか?

簡単に子供が出来てしまう人にとっては、その命は虫けらのようにちっぽけなものなのでしょうか?どうして子供が邪魔になったり、兄弟が邪魔になったり、親が邪魔になったり感じ、その命までも奪ってしまう結果となるのでしょうか??

考えられません・・・!

小さな命を生み出そうと、懸命に改善を目指している私達にとって、その産まれた命を粗末にする事件を耳にするだけで、胸が痛みます。事件を起こす人は、その命が生まれ、無事にこの世に産まれるまでどんな難関を突破してきた存在であるか、なんて考えられたことがないのでしょう。

多くの命を失った今日の日に、今一度、今後宿る小さな命、今宿っている命、産まれた命、自分の命・・・について考えてみませんか。

中断して気づいたこと

33歳Yさん。Tくんはもうすぐ4歳。

Tくんも弟か妹が欲しいと言うので、そろそろと思っているのだけれども、Tくんの時のようには行かず、毎月生理が来てしまっています。しかしその生理の量もだんだんと量が少なくなってきて、あまり多くないのに2日間で終わってしまうほど。

この場合、漢方薬は多くの場合は「婦宝当帰膠」をすすめるのですが、温めすぎるとYさんは顔に吹き出物がでるために、「当帰芍薬散」の服用の方が適切です。しかし、育児や仕事の両立をする生活の中で、お薬の飲み忘れが多く、真面目に服用することができないためにすぐに断念。それをすることで、気持ちが良い、リラックスできる、などの要素がないと続ける気になれないようです。

Yさんは、その症状とは別に5ヶ月ほど前より腱鞘炎、肩こり、ストレスからくる頭痛があり、その改善のために鍼灸治療を始めていました。Yさんからは生理の量が少なくなってきていること、極度の冷え症であること、そろそろ2人目を考えていること、も伝えられていました。

鍼灸治療は、Yさんがストレスを溜め込みやすいために「気滞」が生じ、それにより血流が悪くなっていること、またホルモンバランスが乱れていることに重点を置き、調整を行っていきました。

また鍼灸治療に併せてYさんには、自宅での就寝前の「棒灸による施灸」を行ってもらいました。ツボは「三陰交」と「関元」です。それを行うことで、Yさんは寝つきが良くなったと言われていました。根本に「冷え」があるからでしょう。

そして4ヶ月続けていくうちに、徐々に月経期が伸び、量もそこそこあるようになってきました。

しかし年末年始の期間、Yさんは家庭も仕事も忙しく、治療に通う機会を失い、約1ヶ月間治療が抜けてしまっていました。

徐々に腱鞘炎症状が出てくるようになり、頭痛が起こり、背中もつっぱってきました。おまけに基礎体温表も波状型になり、頬や顎には大きなニキビが出現してきたのです。

これがもし毎日続けられる漢方薬を服用していたのであれば、そこまで酷くはならなかったでしょうが、今まで鍼灸治療にて取り除かれていた「気滞」が、治療を中断してしまったことで生じ、それがあらゆる部分に悪さをした結果となってしまいました。

やっと治療に来られたYさんの頚、肩、背中、肘、足首などには多くの気滞が生じ、それがあることで筋肉が緊張し、頭痛などの痛みや冷えを生じさせていました。

もう1週間でも早くに処置できたら、回復も早かったでしょう。今回Yさんは治療を中断したことで、自分にはこの物理療法が必要だったのだと気づかされたようです。

何でも「止めて初めて気づくこと」ってありますよね。同じ治療が長引き、倦怠期に入っている人は、少しそれから離れてみても良いかもしれません。それの「有り難味」もしくはそれの「無意味さ」がわかるかもしれません。

五穀の1つ

昔の人は体に良いもの、悪いものを良く知り、それをいつの時期に食べたら体に良いのか、も良く知っていたのです。

今日は「あずき粥」を食べる日です。もう食べられましたか?

あずきは五穀の1つで、その赤い色がお祝い事ものとしてお赤飯などに使われますが、その栄養価はとても高く、薬効も優れたものです。漢方薬では「赤小豆(せきしょうず)」といい「清熱燥湿」「利水消腫」作用を利用し、使われています。

あずきにはビタミンB1、たんぱく質、食物繊維が豊富です。皮の渋みに利尿作用や便通を良くする作用のあるサポニンがたくさん含まれています。従って、糖尿病、下痢、浮腫、肥満、リウマチなどの症状に効果があると言われています。

例えば「妊娠中のむくみ」や「お乳の出をよくするため」に、むくみによく効くとされる「鯉」を「あずき」と一緒に煮込むと効果的!・・・という具合に応用もできます。

そこで、むくみ解消「あずき粥」の作り方を紹介しましょう!(薬食同源より)

<はとむぎ入りあずき粥>

★材料(4人分)

 あずき・大豆・はとむぎ ・・・各1/4カップ

 玄米 ・・・1/2カップ

 鶏モモ骨付き肉 ・・・1本

 山芋 ・・・100g

 塩・こしょう ・・・各少々

 白ねぎ・刻んだセリ ・・・各適量

★作り方

 ①あずき、大豆、はとむぎ、玄米は1晩水に浸してもどしておく

 ②鶏肉で10~12カップのスープを取る

 ③②に①を入れ火にかける。煮立つまで強火、そのあと弱火にして1時間煮込む

 ④山芋の髭をあぶって焼きとり、皮付きのまま乱切りにして③に加え、さらに10分煮て、塩・こしょうで味を調え、ねぎとセリを散らす

この時期、冷えることで、血液循環が悪くなり、結果として「むくみ」になり、またそれが「冷え」を生むといった悪循環によく陥ります。こういった場合、「冷え」を改善するためには「むくみ」も解消しなければなりません!是非、栄養満点のあずきで「むくみ」を解消し、「冷え」も改善しましょう。

当然のこと

2年間の漢方による体質改善の末に、妊娠そして出産された36歳Kさん。

妊娠までも辛く長い道のりでしたが、妊娠後も酷い悪阻に悩まされ、出産時も可愛い泣き声を聞くまでに2日間もかかってしまったほど、この我が子に会うには山あり谷あり崖あり・・・の人生でした。

どちらかと言えば辛いことが多かった道のりでした。しかし今、目の前に居る我が子の笑顔を見れば、そんなことは全て吹っ飛んでしまうのです。

途中で諦めず、ここまで漢方を先生を信じて良かった・・・。

いつもその笑顔を見るたびにそう感じ、辛い道のりを思い出しては涙することは今でもあるのです。

そして辛い道のりの間飲み続けた「婦宝当帰膠」は、産後も今もずっと飲み続けています。

今改めて、妊娠前のKさんの体調を思い出すと、もっと体調が悪い日が多くありました。めまい、ふらつき、生理痛、冷え症など・・・。しかし今はほとんどと言って、それらの症状はありません。Kさん本人が一番そのことに気づいておられ、元気に子育てができる幸せに浸っておられます。

Kさんは出産までの辛い日々を思い出すと、それを繰り返すことの自信がなく、2人目のことを考える余裕もありませんでした。しかしどんどん体調が良くなっていく自分に、少しずつ自信が付きはじめたようです。

1人目がもうすぐ2歳を迎える頃、KさんがHちゃんを連れて来店されました。

基礎体温表を見せながら微笑むKさんの顔には、更なる自信と強さが見えました。お2人目、おめでたです!

「妊娠しやすい体つくり」・・・これが東洋医学、漢方薬の目的です。妊娠しやすい体になれば、2人目、3人目・・・も当然のことです。

Kさんの家庭にまた新しい笑顔がやってきます。長い山や谷の道のりを経て得られたものは、大きかったですよね。

冷え性対策

今年は暖冬・・・といえども冬は冬。やはり手足が冷えて、寒いものです。冷え性持ちの人は、この時期は辛いものでしょうね。

しかしこの冬は、次の季節が訪れるためには必要なもので、この自然界で生かされている私達人間にとっても大切な時期なのです。今の季節は「陰」を養う時期。今の時期に「陰」を損なうことをしていれば、やがて訪れる暑い夏を元気に過ごすことができません。

「冬」は冬らしく、旬の温まるものを食べ、睡眠を長めに取って、あまり激しい運動はせずに過ごしてください。

さて、「冷え」ですが、「冷え」が根底にある人は、「生理痛」「不妊症」に繋がることが多いです。大切だけれども厳しいこの冬の時期は、特に腰やお腹を冷やさない工夫をしながら過ごしたいものです。

そこで「冷え症改善」としてまずおすすめしたいのは、「婦宝当帰膠」です!これは補気補血作用により、体を温め、また「阿膠」などの力により、補腎もしてくれますので、生殖器系の働きが良くなります。とても優れもので、女性にとって大切なものがたくさん含まれていますので、いくつの女性にもおすすめです。

次に生活の中で、冷えない工夫を取り入れましょう。腹巻、タイツ、レグウォーマー、カイロなどなど。また湯冷めが一番冷えてしまいますので、お湯には必ず入浴剤を入れ、お風呂に入ったらすぐに寝るようにしてください。最近流行りの「湯たんぽ」をして、寝るのも良いでしょう。電気アンカより優れものです!

後は、余裕があれば足浴をするのも良いです。是非アロマオイルを効能に合わせて使ってみてください。ホルモンバランスが乱れているときには「ゼラニウム」「クラリセージ」、気分的に不安定なときには「プチグレン」「ラベンダー」、かなり冷えてしまったときには「ビターオレンジ」「ペッパー」などをうまく利用すると気持ちが良いものです。もちろんこれらは足浴だけでなく、全浴の場合にも使うと気持ち良いです。

さらにもっと余裕があれば、最近流行りの「岩盤浴」もおすすめです。サウナのように無理やり汗を搾り出すのではなく、岩から出る赤外線により体の奥から温め、緩やかに汗を出してくれる岩盤浴は、血流を良くする助けをしてくれます。週に1回続けて「冷え症」が改善したという話をよく耳にします。

よく似たもので、「酵素風呂」というのもあります。これは酵素の力でおがくずが温まり、その中に潜って休むことで体全体から汗や汚れが出てきます。おがくずに包まっていると、まるでカブト虫になった気分になりますが、檜のおがくずの香りが気持ちよく、そのアロマの効果も期待できます。

いろんな方法がありますが、是非自分なりの冷え症対策を見つけてください。

ある程度、寒い風に当ることで皮膚を強め、かつ冷えないようにすることで、冬の「陰」を体に蓄えることで、元気に芽生えの季節を迎えることができます。もしかしたらその芽生えは、自分の中に起こるかもしれません。そのことを願いつつ、「冷え対策」をしていきましょう。

生殖医療を考える

近年高度医療技術が進む中で、「技術的にできること」と「法的に認められていること」の差が大きく、法律が現実に追いついていないことは、近年伝えられるニュースにてよくわかることです。

例えば、「代理出産」です。代理出産には2つのパターンがあります。1つは、妻の卵子が使えない、かつ妊娠も不可能である場合、夫の精子を第3者の子宮に入れ、代わりに妊娠・出産する場合で、もう一方は、夫婦の卵子と精子を使用し、第3者の子宮に入れ、代わりに出産する場合です。

アメリカの一部の州ではこの代理出産が認められていますが、日本ではどちらの方法も認められていません。

しかしこの代理出産、人工授精や体外受精などと行っていることはさほど変わらないように思えるのですが、なぜ「代理出産」のみ認められていないのでしょうか。

それはそれがビジネスに繋がってしまうからなのです。また、医学的にも安全性の面からでもまだまだ課題があり、技術的にも確率していない部分が多いからです。

このような状況下で、日本で代理出産にて子供を持つことは、子供の将来にとってあまり良くないことのように思えます。認められている国で成長していくのであれば、問題はないでしょうが、日本ではまだまだ壁が高く、それが認められるようにはなるまでにはかなりの時間がかかりそうだからです。

そんな日本での法律の壁はこのことに限りません。

30歳Sさん。どうしても名字が変わることに納得できず、夫婦別姓を通し、結婚式を挙げました。式は挙げたものの戸籍上は夫婦ではなく単なる同棲ということになってしまいます。夫婦で生活をしていく上で、保険や税金など様々な面で夫婦別姓で居ることの利点がなく、そのことが原因ではないでしょうが、結局7年の夫婦生活の末、離婚してしまいました。夫婦の間に子供がいなかったことが幸いでしたが、もし子供が産まれていたら、名字はどうなったのでしょう?未婚の母・・・という登録になったことでしょう。これも子供にとって良いことでしょうか・・・?

現在漢方の周期療法歴2年の34歳Yさん。婦人科通いの歴史は長く、かれこれ13年ほど。そのうち不妊治療歴は10年ほど。あらゆる治療を行い、多くの病院に通いました。Yさんの中で治療は35歳まで、と決めているようです。ご主人は長男で跡継ぎ息子。きっとお義母さんからは養子を考えるように言われるだろう、とのこと。Yさんは、それだけはしたくない、と言います。なぜなら自分が子供を可愛がってあげる自身がないから。それはその子供にとって、幸せではないことになるから、です。

27歳Nさん。婦人科でホルモン治療を行い、体外受精を繰り返しつつ漢方を併用されています。漢方薬はまだ服用されて1年満たないくらい。まだまだお若いのですが、養子をもらうことを考えているそうです。

養子に関しては、日本ではそれほど件数が多くはありませんが、海外では良く行われていることです。養子をもらった結果、それがきっかけとなって、何年も授からなかった子供が授かったということもよく聞かれる話です。初めの子が後の子をもたらしてくれた、と考えることができれば、愛情は偏ることはなく、子供達にとっても幸せでしょう。

一方、何年も不妊治療をし、やっと授かったのに、何年後かに離婚した、というケースもよく聞かれます。

何が幸せなのか・・・。親にとっての都合ではなく、子供にとってどうなのか・・・?住む社会の法律や待遇も含めて、良く考えた上で、進む道を選んでほしいです。