疲労回復

ここ最近、ギラギラ日差しが照りつけ暑くなったり、突然涼しくなったり、激しく雨が降ったり、突風が吹いたり・・・、どうやら地球がおかしくなってきているようです。

今までは「地球温暖化」とそれに伴う異常気象を直接肌で感じることが少なかったために、人間はそれに対する危機感をあまり持っていなかったかもしれません。しかしここ最近は、実際に異常なことが起こりすぎています。

もともと人間は宇宙で生かされているものですから、宇宙に存在する地球の環境と共に生きなければならない存在です。春が来て暖かくなると、人間の身体も温かくなり、肌も柔らかく心も和やかになり、梅雨になると、天空もじめじめするように、人間の身体の中もじめじめしますので、だるくなったり疲れやすくなったりします。

本来は入梅してからそのような症状が出てくるのですが、ここ最近のおかしな気象により、「だるい」「疲れやすい」「風邪が治りきらない」「やる気がでない」などの症状が出ている人が多いようです。

人間を取り巻く天空がこんな状態ですから、そこに生かされている人間の調子が狂うのも当然でしょう。しかし体調だけでなく、精神面にもそれは影響し、最近の事件は耳を疑うようなものばかり起きています。悲しくなってきます。これから地球は、人間は、どうなっていくのでしょうか・・・?

そこで、ここ最近の天空の不調と身体が同調しないように、「疲れやすい」「だるい」などを是非解消して欲しいと思います。

よく不妊の周期療法を始めた人達が、「漢方を飲み始めてから朝がすっきり起きられるようになった」「疲れにくくなった」「夜がぐっすり眠れるようになった」といったことをよく言われます。不妊で悩む人の多くは「脾」の働きが弱っていて、「気」や「血」が不足しています。それらを調整するために「補中益気湯」「十全大補湯」「帰脾湯」などを使います。

周期療法では、個人個人に合わせて、何が不足しているのか、何が多すぎるのか、を判断した上で、漢方薬を調整していきますので、伝えていなかったはずの症状なのに漢方を服用しているうちに改善してくる、ということは良くあることです。

これが体質改善の根本治療で、東洋医学の強みなのです。

出ている症状や数値だけを追って治療を行っていても、それを受け入れる身体の中身が用意されていなければ、何もなりません!受け皿となる体質をある程度改善しておくことがとても大切なことなのです。

また「疲れやすい」という症状は、食事のバランスにも大きく関係しています。糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがバランス良く摂れているか、今一度再確認してください。多くはそのバランスが崩れているときに「疲れやすい」という症状は起こります。

今旬の「えんどう豆」などの豆類は、胃腸の働きを整えてくれます。また水分代謝も高めますので「胃もたれ」「だるい」などの症状にも良く、疲労回復にとても役立ちます。

是非今が旬の「えんどう豆」にて疲れを取り、それでも力不足のときは少し漢方の力を借りて、この不安定な時期を乗り越えましょう。

力のある証拠

30歳Nさん。不妊治療は1年ほど。ホルモン検査ではプロラクチンが少し高めで多嚢胞卵巣気味と診断されていました。治療は排卵促進剤とhcgの注射によるものです。漢方薬は、「養命酒」を飲んだくらいで、しっかりと処方されたものを服用したことはありません。

33歳Cさん。子宮内膜症の症状が酷く、急激な下腹部痛により緊急手術を行い癒着を剥したようですが、全ては剥しきれず、その改善かつ妊娠希望で漢方薬を半年ほど服用されています。

43歳Oさん。そろそろ自力での初妊娠はタイムリミットかと考え、体外受精を行いました。今までOさんは病院での不妊治療を受けたことも漢方薬も服用したこともありません。

NさんもCさんもOさんも、その後妊娠発覚し、心拍まで確認されました。

初めて感じる何とも表現しがたい大きな喜び。「母になる」という夢の実現。急にお腹が愛しく感じられるその瞬間・・・!

しかし、それぞれ8週ほど経ったとき、心拍が停止してしまっていたというのです。ついこの間まで動いていた小さな心、宿っていた小さな命、はどこか静かに消え去ってしまったのです。出血など何もなく、とても静かに居なくなってしまいました。

束の間の喜び。しかし忘れられない母となった瞬間。あの感動をもう一度!

半年かけて漢方薬にて体を調整し、初めての妊娠となった今回、Cさんはまた新たなスタートを切ることを決意されました。

流産後初めて相談されたNさんは、今回の妊娠が発覚する前に既に漢方による体の調整を考え、問合せをしようとしていたところだったのです。今回は残念ながら流産をしてしまいましたが、妊娠できるという自信がつき、今度は小さな命が安心できるように、もっと元気な身体になって迎えたい!という思いがより強くなったようです。

体外受精が残念な結果となったOさん。しかし受精卵が着床し、心拍まで確認することができたのですから、まだまだ妊娠できる可能性があります。年齢的にも1周期1周期を大切にしていきたい!そのためにもより一層元気な母体つくりが大切です。

NさんもCさんもOさんも、今回は残念な結果となりましたが、「妊娠できる力がある」ということがこれで証明されたのです!これからも自信を持って、共に進んでいきましょう!

幸せメール

メールを開けると、そこにはプクプクほっぺの可愛い笑顔!ピンクの服を着せてもらったEちゃんは、笑いながらも何かを言いたそうにしています。

しっかりした顔立ちのTくん。産まれたときから5Kg近くもあったNくんは、。まるでもう3ヶ月であるかのように、眼も眉も口も凛々しくもう既にスマートボーイになる予感!

「不妊」の文字を背負って今まで辛い道を歩んできた人達。そして漢方薬に出会い、共に進んできた道のり。

それは今だから短かかったと感じられるものですが、歩んでいるときはとても長く感じていた道のりだったことでしょう。振り返るとそのスタート地点は霞がかかって見えず、その代わりに蜃気楼のように蘇るたくさんのシーン・・・。それを見ると、やっぱり長かったんだなぁって思うのです。

私達も間接的でも共に歩み、見守っていたからこそ、他人の赤ちゃんとは思えず、孫、姪や甥のようにとても可愛く感じてしまいます。

この笑顔に会えて良かった・・・。いつもそう感じ、もっともっとたくさんの笑顔に会いたい、と欲が出てきます。

送られてきたメールの中の写真を見ながらいつも、一緒に笑顔で写るパパとママの写真も欲しいのだけどなぁ、と思うのですが、なかなかその写真が送られてくることはなく、あっても年賀状の小さな写真くらいなので寂しいものです。

パパとママの顔はなくてもこんな幸せなメールは、いくつ来ても、毎日来ても、心をほっと和ませてくれ、安らぐことができます。メールを開けるのが楽しく、とても嬉しくなります。

今、このママ達の仲間入りをしようと懸命に治療を進めているぷれぷれママ達も、早くにこんな幸せメールを毎日送るようになって欲しい、と日々願うばかりです。

月経過多

36歳Aさん。「私は月経が多い方なのでしょうか?」との質問です。

症状は、月経血にレバーのような塊が見られること、量は漏れてしまうことが多々あること、周期7日目以降も出血が続き、また月経が始まったかと思うくらいの量になる周期もあること、です。

これらの症状から考えられることは、「子宮筋腫」です。身長に比べて体重が軽いAさんですので、毎月のそれだけの月経血により、おそらく貧血にもなっていることかと思われます。

いずれにしても、「月経過多」には間違いありませんので、その原因を追究するためにもまずは婦人科の受診と血液検査をされた方が良いでしょう。

その結果により、Aさんの今後を考えて西洋医学と東洋医学でいかにして治療をすすめていくべきか、を提案していきます。

しかしこの様な貧血の症状を持っている人に限って、健康食品として「酢」を摂っている人が多く見られます。Aさんも健康食品として「黒酢」を摂っておられました。貧血や冷え症である人は、「酢」などの「酸味」のものは控えた方が良いのです。「酸味」により血管が締まり、余計に症状を強くしてしまいます。

適量であれば「肝経」のバランスを整え良いのですが、健康食品として摂る際は多くの場合、摂取量が過ぎるようになってしまいます。何でも適量、ほどほどに、がポイントです!

漢方薬ではAさんのような月経過多の場合、血が漏れることをカバーするために補気・健脾作用のあるもの、過剰な出血を止めるもの、血を補うもの、を使います。代表的なものとしては「帰脾錠」「田七人参」「婦宝当帰膠」です。これらを続け、もしヘモグロビンが10未満であれば鉄剤を飲みながら調整して行くと良いでしょう。

きっと今の状態であれば、Aさんは力が出ず、疲れやすくなっていることでしょう。早く治療を始め、元気になってほしいものです。検査が終わったら早くに漢方を始めましょう。

茶葉

「夏も近づく八十八夜♪」、立春からかぞえて八十八日目にあたる日が八十八夜です。今年は5/2がその日です。

その日は、春から夏に変わる節目で、縁起の良い日とされてきました。またその頃から霜もなく、安定した気候となるために、茶摘などの農作業の準備が始まるようです。

そして縁起の良い日の八十八夜に摘まれたお茶は、昔から不老長寿の縁起物の新茶として珍重されています。

茶葉は、乾燥茶の緑茶・発酵茶の紅茶・半発酵茶の烏龍茶に区別されます。日本の煎茶・玉露・番茶は、緑茶です。

茶にはカフェイン、タンニン、ビタミンC、フラボノイドなどが含まれています。ただビタミンCは、緑茶には含まれますが、発酵させて茶にはほとんどありません。

もちろん漢方でも使われている茶葉ですが、最近はカテキンなどの茶ポリフェノールに口臭抑制、ウィルス感染阻止、抗コレステロール、抗癌などの作用が確認され、「カテキンブーム」を生み、あらゆる緑茶が各メーカーから発売されたことは記憶に新しい出来事です。

ただ緑茶は「涼」の性質がありますので、夏などは良いですが、冬には「温」の性質の紅茶の方がおすすめです。また冷房で冷えてしまった人やもともと冷え性でむくむような人、貧血の人、などは緑茶は控えた方が良いでしょう。きちんと発酵させた紅茶がおすすめです。ただカフェインは含まれるために、不眠症の人などは寝る前の服用には注意してください。

もし周期に合わせてお茶を飲むとすれば、月経期~卵胞期の「低温期」には「緑茶」(冷え症や低体温でない場合)を、「高温期」には「紅茶」を、もしPMSがあるようであれば月経前には「ジャスミン茶」で気の流れを良くする、といった組み合わせはいかがでしょうか。

またそれを使った茶粥を朝食にすれば、胃腸にやさしいばかりでなく、一日のスタートに良いでしょう。是非お試しください。

まだ早い

今年36歳になるAさん。結婚歴10年。もう8年近くも不妊治療を続けています。

生理は自力では来朝せず、カウフマン療法にて起こさないとなりません。先周期、排卵誘発剤を使ったにも関わらず排卵しなかったこと、とそれに対する婦人科医の言葉より、「もう諦めなさいということかな」とAさんは感じたと言われました。

そのような話は良く耳にします。

43歳のSさんも、医師より「もう卵ができないから諦めなさい」と言われたこと、45歳Tさんも、「両側の卵管がもう閉塞しているから無理です」と言われたこと、など。その後、漢方薬を飲み体質改善をされたSさんもTさんも卵が出来、体外受精をすることができました。Sさんの医師もTさんの医師もかなりびっくりしていたようです。

そんな例もたくさんあるように、まだ30代のAさんは尚更のこと、諦めるなんて早すぎることです!

確かに35歳を過ぎると高齢出産になり、東洋医学的にも身体は衰えてくる年齢となります。

しかし、人に寄って実際の年齢よりも若く見える人、年を取っているように見える人、が様々いるように、卵巣の年齢も実年齢とは異なるものです。元気な卵を作ることのできる若い卵巣があれば、妊娠・出産は可能なのです!

Aさんにも決して諦めずに前に向かって進んで欲しいものです。

自力で来潮しないために10年間ホルモン療法にて生理を起こしていた34歳Oさんも、2年前に漢方薬のみに切り替え、3周期後に自力で生理が来るようになりました。今は西洋医学的不妊治療は全て止め、自然周期での妊娠を希望し、漢方とともに挑戦されています。

まずは自分の身体の持つ力を信じて、漢方薬にて体調を整えることをおすすめしたいです。

8年近くもお薬に頼り不妊治療を続けてきたので、なかなかそれから離れられず、離れるにはかなりの勇気が必要かもしれません。しかしこのまま8年も続けた今の治療を続けても、同じことを繰り返すだけでしょう。路線を変更する最後のチャンスかもしれません!是非、ここで立ち止まって今一度考えてみてください。

改善計画

26歳Hさん。初潮を迎えた頃からずっと生理不順。

しかし昨年の春に起こった不正出血は今までのものとは異なるものでしたので、婦人科を受診されました。その結果、「卵巣が少し腫れている」との診断を受け、しばらく様子を見るように言われたようです。

ところが半年後、また不正出血があり下腹部に違和感を感じたために別の婦人科を受診。

そこで何と卵巣嚢腫と診断され、MRIにより5cmほどの嚢腫が確認されたのです。Hさんはまさかの現実に呆然とし、さらに医師より手術を勧められ、ショックを受けたのでした。

まだ26歳であること、未婚であること、にこの現実は辛いことでしょう。手術は最後の手段にしたく、今は手術せず改善のためにできることを、と漢方による症状治療と体質改善をしたい、と希望されたのでした。

Hさんには、生理痛、冷え症、頭痛、肩こり、などの「お血」の症状、むくみ、尿やおりものが黄色、吹き出物、夢を良く見る、などの「痰湿」の症状、イライラ、怒りやすい、などの「肝鬱」の症状がありました。

さらに冷たいもの、甘いもの、油っこいもの、辛いもの、肉を良く好み、食しているようです。これらはHさんの症状の原因となる「お血」「痰湿」を増強してしまうものばかりです。

Hさんには、それらの食事をなるべく控えるようにしてもらいつつ、漢方薬にて「お血」「痰湿」「肝鬱」を改善するように今後の計画をたてました。

まず初めの1ヶ月間に服用をおすすめした漢方薬は「桂枝茯苓丸」「星火逍遥丸」です。

それらを1ヶ月続け、「生理痛が軽減した」「吹き出物が少なくなった」など何か変化があるか、全く変化がないか、を確かめます。それは人によって、漢方薬に対する反応が様々であるからです。もう少しお薬を加えた方が良いのか、変えた方が良いのか、を状況によって判断するのです。

そして徐々にたくさんある症状が改善していけば、体質が改善され、それが元となって出来てしまった卵巣嚢腫も進行を止め、手術の対象にならなくなるかもしれません。途中で諦めずに年単位で続けていくことができれば、その改善も現実のものとなります。

まだ若いHさんには、この改善計画はしばらく続けて欲しいですね。

舌の状態

東洋医学では舌の状態をみて、その人の健康状態を判断する「舌診」というのがあります。

5つの診断方法の「望診」「問診」「聞診」「脈診」「舌診」の中の1つです。それだけで全てを判断することはできませんが、とても参考になる診断方法です。

東洋医学だけでなく、一般的にも舌は健康状態を現すバロメーターとも言われています。

体調が悪いと舌の表面に白い苔のようなものが付着し、時にはそれが黄色くなったり黒くなったりし、口臭の原因となったりします。よくそれを気にして歯ブラシなどで擦る人がいるのですが、あまり強くしたり使い方を誤ると、反って舌に刺激を与えすぎて傷つけてしまいますので、要注意です。

もともと舌の苔は、舌に存在する糸状乳頭という組織に口腔内で繁殖した細菌が付着し、白くなるのです。健康状態の場合は、食事をすれば擦れて適度に剥れるのですが、体調が不良だったり、年を取るにつれ唾液の分泌量が減ってくると、白苔ができやすくなります。

白苔もうっすらとあるのは健康です。反対に全く存在しないのも体調不良の証です。

糸状乳頭が伸びると表面に細菌が付きやすくなります。そしてそれは栄養供給のバランスが崩れると伸びてくるようですので、胃腸の健康状態と密接に繋がっていることは西洋医学的にも立証されていることなのです。

東洋医学的には、舌を様々な角度から観察します。不妊相談の中で良く見られる舌を紹介しましょう。

まずは「質」をみます。「淡白」であれば、「陽気虚弱」「気血不足」であり「虚寒証」「血虚」などが疑われます。「紫」であれば、「陰液損傷」「陰寒内盛」「血脈お滞」などが疑われます。

次に舌の形です。「胖(はん)」と言って膨れてぼってりとした感じの舌であれば、「脾虚」「痰湿」などが疑われます。「痩せていて薄い」舌であれば、陰血が虚していることを現し「気血両虚」などに良く見られます。「歯型がついている」舌であれば、「脾気虚」「湿盛」に見られます。

そして舌の苔をみます。主として「白」「黄」「灰」「黒」の4色があります。その中でも、色味がなく白っぽい」舌は「寒証」に見られます。「黄色い」場合は「熱証」「裏証」に見られます。

また苔の質もみます。「薄いか厚いか」は、「表から裏へ」「軽症から重症へ」の状態を意味します。「潤っているか乾燥しているか」は、津液の状況を現します。「ねっとりしているか(膩)、おからのように剥離しやすいものか(腐)」は、「痰飲・湿温」「食積・痰濁」を判断します。「苔があるか、ないか」は、正邪の闘いの状態を現します。

東洋医学ではそれらと「望診」」「問診」「聞診」「脈診」の情報を併せて、体質を把握し、よりその状態に合った治療法を決めていきます。

あまり舌の状態を気にしすぎるのもよくありませんが、朝一番と夕方にでも舌のチェックをしてみてください。自分でも気づいていない自分の健康状態を垣間見ることができるでしょう。

ストレスは禁物!

34歳Tさん。BMIが16というとてもスリムな体形です。いくつになっても日本女性の憧れの「痩せていること」、しかしTさんのように太りたくても太れない体質の人は、それはそれなりに悩みなのです。

無理に太ろうとしても顔だけ変に太ったりするだけ。女性の美しさの1つでもある「肌肉がふっくらしている」という見かけには、なかなか近づけないのが現実です。しかも妊娠するための条件として、BMIは最低でも18はあってほしいものなのです。

どちらかと言うと、気を遣うタイプで神経が細やかな性格のTさん。今年のお正月に親戚が集まった際に「子供はまだ?」の問いかけに、気づかないうちに自分で自分を責め、1年ほど前からタイミング指導にて試みてはいるものの、なかなか恵まれないストレスが日に日に大きくなってきていたようです。

思い悩むうちに、睡眠も浅くなり、そのために疲れが取れきれずに体も頭も疲れ果てていました。疲れすぎると気血のめぐりが悪くなりますので、「むくみ」「冷え症」「生理痛」などの症状も出やすく、悪化します。

疲れ果てたTさんは、「体質改善」の近道はないものかとネットで検索し、結果、眼に飛び込んできたものが「漢方」の文字だったのです。

早速ネットの相談票にて問合せをされました。Tさんからのその問合せには、今Tさん自身が抱えている悩み、そしてこれから望む方向性など詳しく記されていました。

今の悶々としたストレスから脱するためには、何か一歩進みたい!その1つの方法として、漢方薬を試したい!との思いが伝わってきました。しかし「漢方」といえば「高い」イメージがあります。実際保険が適用されないものを使うために1ヶ月に2万~3万円ほどかかってしまいます。Tさんには限られた予算がありました。

しかし予算に合わないものを無理して1ヶ月続けても、その後続かず体質改善まで至らずに終わってしまうことの方が悲しいことです。なるべくTさんの要望に沿うように、しかし漢方薬の効き目が緩くなりすぎることのないように、予算を極力抑えての処方になりました。

婦宝当帰膠」「冠元顆粒」「加味逍遙散」「六君子湯」などを周期やTさんの症状に合わせて組み合わせ、続けて服用することで体質改善が出来るように処方されました。

そして1周期間が過ぎました。

Tさんから「イライラすることがなくなり、夜がぐっすり眠れるようになった」との報告を受けました。とても良い傾向です。その情緒の安定を物語るように、Tさんの基礎体温表はきれいに整い、とても良い状態になっていることがそれからも見て取れました。

そして2周期が過ぎ、3周期を迎えようとしていたとき、妊娠陽性反応の報告を受けたのです!

これはかなり早い改善です!

もともと神経過敏で不安をたくさん抱え、身体も精神も疲れ果て、ストレスだらけのTさんでしたので、漢方薬を服用することで、その働きの安神作用が効果を発揮し、ストレスを軽減してくれた結果、気血が巡り、これほどにも早い結果を得ることができたと言えるでしょう。

ストレスは禁物です!気血の巡りを悪くし、マイナス志向に陥りやすくなってしまいます。現代人は何らかのストレスを抱えて生活せざるを得ない状況にあることがほとんどですが、それを解消したり軽減する自分に合った「術」を身につけることが大切です。Tさんもこの術を身につけていれば、もっと早くに授かることができていたことでしょう。しかし今後のためにも「術」を見つけてくださいね。

知る権利

「インフォームド・コンセント(説明と同意)」。1970年代のアメリカで広まった医療思想で、日本では1980年代半ばにその思想が伝わったとされています。

その思想は、患者は自分の疾患と受ける医療行為について「知る権利」があり、その治療方法を決める「決定する権利」を持つというものです。つまり医師が患者に対して、受ける治療内容の方法や意味・効果・危険性・その後の予想や治療にかかる費用などについて、十分にかつ分かりやすく説明をし、そのうえで治療の同意を得ることをいいます。

1990年が日本でのインフォームド・コンセント元年ですが、それから15年以上経った今、果たしてそれは医療現場で浸透しているのでしょうか。

今、高度生殖医療が進む中、不妊治療で婦人科に通っている人達は、どれだけ自分に処方されている薬や治療方針・計画の説明を受け、認識できているでしょうか。

当店に問合せされる人達の多くは、高度生殖医療を受け、迷路に入り込んでしまっています。

なぜその医療を受けるのか、また同じ治療を1年以上も続け改善の兆しが見られないのにまた続けているその治療方針はどういったものか、治療を続ける際に体温が乱れてしまったその理由はなにか、突然の不正出血の原因はなにか、今までの経過より果たして自分は良い方向に向かっているのか・・・。

様々な疑問や不安を抱えながら治療を受けている人達に多く出会います。そして問合せをする際に、たくさんのそれらの質問を投げかけてこられます。その度に「なぜ医師が答えてくれないのだろうか。説明はないのだろうか。」と感じるのです。

確かに、待ち時間は1時間以上、対応は5分程度の婦人科病院では、後に待っている人達や忙しくしている医師の姿を見ると、聞きたいことも聞き損ねてしまうことも多くあるのは現実です。しかし、患者は「知る権利」があり、医師はそれに対して分かりやすく「説明する義務」があるのです!

「質問をすると機嫌を損ねる」という話、「私の言うとおりにすれば妊娠するから」などといったことを言われ、なぜその薬をここで使用するのかといった詳しい薬の説明がなかった、ということも良く耳にします。

患者は、何らかの不安を抱えて病院に通っているわけですから、それを解消してくれるまで説明は必要であり、実はそれが治療には一番大切なことなのです。特に「不妊」という分野では、精神的安心感がホルモンバランスにかなりの影響を与えますので、大切なのです。

漢方薬をたった1周期服用されただけで、妊娠された人達も多くいますが、それは漢方の力だけでなく精神的安心感を得られたことも大きく関わっていると思われます。

何でも疑問や不安に感じたことは、自分1人で悩まずに、その処方をした医師・薬剤師に確認し、納得の上で治療を進めることが必要で、妊娠への近道です。