春野菜でデトックス

冬の間は体が固まり、あまり気を外に発散させないために、老廃物が溜まっています。春になって、体内の老廃物を出すために、これからは肝臓の機能を高め、胃腸を整えることが大切です。

「春」は「肝」の季節ですので、他の季節よりも「肝」が高ぶり、自律神経が乱れることで情緒が不安定になったりします。また生理不順の人であれば、いつもより不順が激しくなってしまうこともあります。

そこで、これから迎える「春」と仲良く付き合っていくために、春野菜をたくさん摂って、調整していきましょう!

自律神経の乱れには、「セリ」や「三つ葉」。さっぱりした口当たりや味が気持ちを安定させ、血の流れを良くし、肝臓に働きかけ、解毒もしてくれます。同じ「セリ科」の「当帰」は調経作用、「川きゅう」は活血作用により月経不順を改善しれくれます。漢方薬ではそれらを含んだ「逍遥散」「加味逍遥散」「婦宝当帰膠」などが良いでしょう。

解毒、デトックスには、「キャベツ」。古代ギリシャ・ローマ時代から薬効のある野菜として知られているこの野菜は、成分の「ビタミンU(キャベジン)」が胃の粘膜を再生し保護する働きをするために、胃潰瘍のお薬に使用されています。ビタミンCも淡色野菜の中ではトップクラス!免疫力が高まります。また消化吸収が良くなることで、体内の老廃物を排出し、新陳代謝を高めてくれますので、デトックスに良いものです。

漢方薬では、胃腸の機能を高めるようにしたり(六君子湯・平胃散など)、血流を良くしたり(冠元顆粒など)、腸内のお掃除を手伝ったり(ラクシュミ・ハーベルシーなど)することで、デトックスのお手伝いができます。

「医食同源」!まずは日常の「食」を整えることが健康の第一歩です!春から始めてみましょう!

雪解け

今年の旧正月は、昨年の閏月があったために、少しずれて昨日が元旦。中国では例年の如く、民族大移動が始まっています。

そして今日は24節気の1つの「雨水(うすい)」。雪が雨に変わり、雪が解け始める頃で「陽気地上に発し、雪氷解けて雨水となればなり」と記されている時期です。

今年の「雨水」は、雪解けどころか、それを通り越し、「啓蟄」そして「立春」を思わせるばかりの陽気に溢れた日となりました。

日本では昔からこの日から農耕の準備を始めるようです。またこの日に雛人形を飾り付けると良縁に恵まれる、といわれているようです。この「良縁に恵まれる」というのを大きく解釈して、「雛人形を飾ってあげる可愛い女の子に恵まれる」ってのにしてはだめでしょうか・・・?

陽気がどんどん増えてくるこれからの時期、冬の間は「陽虚」にて「参馬補腎丸」などをしっかり処方に入れていた人達も天の陽気が助けてくれるようになってきますので、「陽虚」の部分のお薬を少なくしたりして調整するようになってきます。

また血の巡りが悪く、活血剤がたくさん入っていた人達も陽気のおかげで少し巡りが良くなってきますので、処方も他の部分に力を入れることができるようになります。

結婚してから無排卵で婦人科に通っていたOさん。病院でのホルモン剤治療に疲れ果て、4周期前より病院での治療を止め、自力で生理が来るように漢方薬を飲み始めていました。100日過ぎても低温期が続いていましたが、Oさんは待ちました。

そして125日目にして、高温期が来たのです!感動の高温期です!結婚後5年間自力で高温期が来たことがなかったのが、今、ようやく「雨水」の季節の陽気に持ち上げられ、Oさんの体も高温になったのです!これで生理がやって来ます。自力での生理です。

今からもっと陽気は増えてきますので、Oさんの体調もどんどん良くなることでしょう。これからのOさんの経過が楽しみです。きっと良い結果につながることでしょう。

節目のとき

今年の2月3日は24節気の1つ「立春」の前日の「節分」です。

人間と宇宙と自然のかかわりを重視する「天人感応」の思想は、東洋医学の核心です。中心に太陽があり、その周りに地球の軌道があり、その周りに10個の干支の方位、そしてまたその周りに24節気があり、さらにその外側に三陰三陽の軌道があり、これが地球の所在の方位を示していることになります。

今の時期に地球がどこの位置にあり、どんな季節だからこのような養生をして生活をしていれば、健康で長生きできる、という生き方を東洋医学に基づき生きていた人達は知っていました。

「立春」の今の時期は、「厥陰」から「太陽」に移り変わる時期ですので、春の準備をしないとなりません。今までの時期はあまり汗をかかず、ゆったり過ごしてきましたが、これからは少し体を動かし、陽の気を取り入れていくのが良いのです。

天の気とともに体内の気の流れも春に転化していく時期です。今までタイミング、AIH、IVFにて新しい命に巡り会おうと懸命に進んできたけど未だ会えていない皆様、これからが本番です!春の陽気とともに芽が吹き始めるこの時期からは、体内でも芽が吹き始め良い条件が揃う、絶好のチャンスです!

今日の節目のときから、再スタートです!

産科減少の裏側

日本全国から「産科」が減少している理由は、出産率が減少したからだけではありません。出産時間が夜中を問わずやっているために、常にその体制を整えておかなければならないことに加え、他の科に比べて訴訟問題になる率が大きいというリスクがあるためです。

本日初公判が行われた福岡県の県立大野病院での事故は、産科を行っている医師にとって衝撃的な事件でした。2004年に帝王切開手術を受けた29歳の女性が死亡した医療事故で、その産婦人科医師が、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われているというものです。

医師が逮捕、起訴されたこの事故を期に、産科を取りやめた個人病院が続発しました。

出産時に医師が1人で立ち会う勤務体制は、個人病院では良くあることです。その体制も罪に問われるとなると、その勤務体制を行っている病院は「産科」に対して消極的にならざるを得ません。

しかし、利用する立場からすると、緊急時の体制ができていない病院は利用したくありません。「出産」は一大事で母体は危険にさらされるわけですから、あらゆる事態に対処できる体制はとっておいてほしいものです。ある個人病院で出産した33歳Yさんは、院長不在のために、帝王切開になってしまったとか。切らずに行けたかも知れないのに、複雑な心境です。

ある県の総合病院では、続く個人病院の産科離れから、出産を希望する妊婦が殺到し、医師不足に悩んでいました。その改善策として出された案は、産科を止めた病院の医師を交代で勤務させることでした。しかも個人病院から回された妊婦にはその個人病院の医師が担当医となり、総合病院にて出産に立ち会うようになるのです。

これは妊婦にとっても嬉しい対策です。今まで出産まで見てくれていた医師が、場所は違えども出産に立ち会ってくれるのですから、見捨てられた感がありません。さらにもし緊急事態があったとしても、総合病院での医師の体制が整っているために、対処することが可能です。こんな心強いことはありません!

今後、減り続ける産科ですが、この総合病院のように、安心して出産できる場を提供してもらえるようになれば、良いことです。これは産婦人科医にとっても心強い対策でもあるでしょう。もっと多くの病院がこの取り組みを模範として、体制作りをしてほしいものです。

納豆挽回!

正月太りをした人に受け入れられやすかった「納豆ダイエット」。しかしそれが偽りだと判明してから、以前より棚に残っているように見えてしまう納豆たち。納豆たちには罪はないのに、それ自体が悪者にされてしまったかのようです。

確かに納豆は放映されたほどはダイエットには効果がないかもしれませんが、健康のためにはとても良いものだということは、伝えておかなければなりません!

その原料となる大豆は、大地のタンパク質でその栄養価は高いものとして知られています。また、大豆の中にはイソフラボンが多く含まれ、それには女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、骨粗鬆症、更年期障害の改善に効果があるといわれています。

しかもその大豆を原料とした納豆は、大豆以上の栄養価と薬効を持っているのです。疲労回復に必要なビタミンB群の含有量はその親である大豆の10倍にもなっていて、さらに納豆菌が腸の中の腐敗菌や病原菌などの悪玉菌をやっつけ、善玉菌を増やす働きがあるのです。

また発酵食品は、「冷え症」の人にも良いものです。蓄えた熱量を徐々に小出しにしてくれるために、体が温まっている時間を長く保つことができます。是非朝に食べることをおすすめします。

漢方でも納豆によく似たもので「豆し(ずし)」というものがあります。それは大豆の種を蒸して発酵させたものです。よく中華料理でも使われていて、その何とも言えない味が病み付きになってしまうほどです。

漢方では、解表・除煩の効能があるために、熱性疾患や熱病後の不眠・煩燥などに用いられます。

この様に納豆は、幅広く私達の健康維持のために使われるべきものです。批判され、俄かブームが去っても、納豆を傍に置いてくださいね。

震災の日

今日は「阪神淡路大震災」のあった日。あれから12年も経ちました。ちょうど13回忌になります。

13回忌にもなれば、思い出はやがて薄らいで来る頃です。しかし、この日の記憶は決して薄らぐことなく、今年もその日が巡ってきました。

6,434人の尊い命があの日、失われました。奪って欲しくなかったその命。まだまだその世で生きて欲しかったその命・・・。

ここ最近、「命」の尊さを忘れてしまうような事件が多く起こっています。せっかくこの世に生まれるべくして生まれた命なのに、どうしてそれほど粗末にすることができるのでしょうか?

簡単に子供が出来てしまう人にとっては、その命は虫けらのようにちっぽけなものなのでしょうか?どうして子供が邪魔になったり、兄弟が邪魔になったり、親が邪魔になったり感じ、その命までも奪ってしまう結果となるのでしょうか??

考えられません・・・!

小さな命を生み出そうと、懸命に改善を目指している私達にとって、その産まれた命を粗末にする事件を耳にするだけで、胸が痛みます。事件を起こす人は、その命が生まれ、無事にこの世に産まれるまでどんな難関を突破してきた存在であるか、なんて考えられたことがないのでしょう。

多くの命を失った今日の日に、今一度、今後宿る小さな命、今宿っている命、産まれた命、自分の命・・・について考えてみませんか。

五穀の1つ

昔の人は体に良いもの、悪いものを良く知り、それをいつの時期に食べたら体に良いのか、も良く知っていたのです。

今日は「あずき粥」を食べる日です。もう食べられましたか?

あずきは五穀の1つで、その赤い色がお祝い事ものとしてお赤飯などに使われますが、その栄養価はとても高く、薬効も優れたものです。漢方薬では「赤小豆(せきしょうず)」といい「清熱燥湿」「利水消腫」作用を利用し、使われています。

あずきにはビタミンB1、たんぱく質、食物繊維が豊富です。皮の渋みに利尿作用や便通を良くする作用のあるサポニンがたくさん含まれています。従って、糖尿病、下痢、浮腫、肥満、リウマチなどの症状に効果があると言われています。

例えば「妊娠中のむくみ」や「お乳の出をよくするため」に、むくみによく効くとされる「鯉」を「あずき」と一緒に煮込むと効果的!・・・という具合に応用もできます。

そこで、むくみ解消「あずき粥」の作り方を紹介しましょう!(薬食同源より)

<はとむぎ入りあずき粥>

★材料(4人分)

 あずき・大豆・はとむぎ ・・・各1/4カップ

 玄米 ・・・1/2カップ

 鶏モモ骨付き肉 ・・・1本

 山芋 ・・・100g

 塩・こしょう ・・・各少々

 白ねぎ・刻んだセリ ・・・各適量

★作り方

 ①あずき、大豆、はとむぎ、玄米は1晩水に浸してもどしておく

 ②鶏肉で10~12カップのスープを取る

 ③②に①を入れ火にかける。煮立つまで強火、そのあと弱火にして1時間煮込む

 ④山芋の髭をあぶって焼きとり、皮付きのまま乱切りにして③に加え、さらに10分煮て、塩・こしょうで味を調え、ねぎとセリを散らす

この時期、冷えることで、血液循環が悪くなり、結果として「むくみ」になり、またそれが「冷え」を生むといった悪循環によく陥ります。こういった場合、「冷え」を改善するためには「むくみ」も解消しなければなりません!是非、栄養満点のあずきで「むくみ」を解消し、「冷え」も改善しましょう。

流行の防風通聖散

「痩せたい!」

多くの人がそう思ったことがあるでしょう。

メタボリックシンドロームが言われるようになった昨今、女性だけでなく、むしろ男性にその願望が強く現れてきているようです。

そして、最近流行っているのが「防風通聖散」の入ったお薬です。「お腹周りの脂肪を取る!」というので売り出しているようです。

この「防風通聖散」ですが、本来は「便秘」「水毒」「肥満」といったタイプの人の体質改善のために使用されるものです。従って、そのようなタイプの人で、お腹は張っている人には良いのですが、便秘や水毒のない人で肥満の人には効き目はない訳です。

また漢方薬はあくまで体質を改善することが目的で、「痩せる」ことが目的ではありません。バランスが崩れたことで太ってしまっているのをちょうどよい状態に整えてくれることで、結果として痩せることに繋がるというものです。

「不妊」の原因の1つとして、「肥満である」ということもあげられます。かなり太っている人には、まずはある程度痩せることをオススメします。しかし食事をコントロールしても「便秘」「水毒」により、なかなか痩せないという人には、周期療法の中で「防風通聖散」を使用しています。

どんなことでも体にとって「ちょうど良い状態」にしてあげることが、結果として、太ってしまう体質改善もでき、妊娠しやすい母体をつくっていくこともできるのです。

さて、ご自分の体は「ちょうど良い状態」になっていますか?

低用量ピル

日本で「低用量ピル」が認可されたのは1999年のこと。欧米では多くの人が使用するのに対して、日本ではまだまだ安全性に対する疑問などからその使用を躊躇する人が多くいます。

そこで今年2月に日本産婦人科学会が、ピルのガイドラインを改訂しました。今まで「避妊目的」のための効用しかなかったものが、生理痛の改善、子宮内膜症・子宮筋腫の予防などの効用も記されました。

低用量ピルを服用中は、卵巣が休眠状態となるために、子宮内膜が薄くなるのです。治療中は妊娠できないために、治療しながら妊娠を望んでいる人には向かない治療方法ですが、子宮内膜が厚くなることで酷くなる症状の改善には効果的です。

低用量ピルにより、月経をコントロールできるわけですが、だからといって「旅行に行くので月経を遅らせたい」という目的で使用するなどは、あまり賛成できません。せっかく正常である月経を無理やり薬で遅らせてしまうのですから、やはり体に負担をかけてしまいます。

安全な使用方法をしっかり把握し、閉経前の女性ホルモン減少によるプレ更年期障害を軽減するためや、骨粗鬆症、子宮体がん防止などにうまく使用することをおすすめします。

漢方では、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫などに対しては、活血剤・破血剤を使用して改善を計りながら、調整していきます。妊娠を希望している場合でも、それらの漢方薬は使用することができ、それらを使用することで、妊娠率も高まります。

また更年期予防のためには、「当帰」「川きゅう」がたくさん入った「婦宝当帰膠」がおすすめです。これを日頃から服用していれば、ピルのお世話にならないでもよくなるかもしれません。

様々なことに対応できる漢方薬。もしピルを使用するのに躊躇したら、是非ご相談ください。

大切な女性ホルモン

どんどん進む高齢化社会。しかしいくつになっても元気な女性の姿。これには何か訳がありそうです。

男性の方が神経が繊細で無理をして働いているから、女性よりも早くに亡くなってしまう・・・といったことも言えるかもしれませんが、それだけではなく、最近「女性ホルモン」が大きく寿命に関係していることが分かってきたようです。

「女性ホルモン」の「エストロゲン」は、脂肪の代謝に関与していて悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすのです。つまり女性ホルモンが「動脈硬化」「高血圧」「心筋梗塞」を防いでいる、ということなのです。

実際に今までは低血圧であることが悩みだったのに、閉経してから高血圧を気にしなければならなくなったということは、よく聞かれることです。

また「女性ホルモン」は「睡眠」との関わりもあるようです。

これも実際に更年期の症状でよくみられるのが「不眠」であることは、よく耳にすることではないでしょうか。

またこれは良く言われる「骨」との関係。閉経後に「骨粗鬆症」になりやすくなるので、よく市の取り組みなどで予防を指導されています。多い事故が転倒による骨折です。骨折が原因で、寝たきり、認知症へ繋がってしまいます。

健康で長生きしていくために女性を助けてくれていた「女性ホルモン」。いつまでも元気で美しくあるために、その減少は徐々に進んでいって欲しいものですよね。

中国の先生が「『婦宝当帰膠』を飲んでいると、女性はみんな美しく、元気、元気!」と言われます。確かにその先生は、もう50歳近くなるのにお肌ぴちぴちでとても美しいのです。その美しさは「婦宝当帰膠」の力だけではないでしょうが、もしかしたらずっと飲み続けている「婦宝当帰膠」のおかげかもしれません!

これは試してみる価値がありそうです!