3割の確率

「先週体外受精をしてきたんですよ」と41歳Tさん。とても若く見えるTさんが今年41歳を迎えるなどと思っても見ませんでした。

「特に何に気をつけるということもなく、普通の生活をしてください」と医師から言われたので、いつものように仕事をされていました。しかしその職場、足元がとても寒く、健康な人でも手足が冷えてしまうような環境です。

足はお腹に繋がっています。冷えは女性の大敵とも言うように、冷えることが一番駄目なのです。特に体外受精をして、お腹に受精卵が存在し、それが着床するか否かの微妙な時期は尚更のこと、冷えることは避けたいことです。

「医師からは特に何も指示がでていないので、今、何をしたら良いのかを聞きに来ました」とのこと。

まずは職場で足腰が冷えないように工夫すること、そして自宅で温灸に努めること、お腹を冷やすようなものを食べないこと、早寝をすること、自転車などに乗らないこと、などです。

「何かお腹が張って張って・・・」とTさん。きっと冷えてしまったのでしょう。足のツボをしっかり温めて間接的に下腹を温めてください。逆子のお灸の時に使用する「右至陰」と「右三陰交」です。また「八りょう穴」付近にやさしくカイロを当てておくのも良いでしょう。

そして漢方薬は補腎・補血・補気作用を考え「双料参茸丸」「衛益顆粒」「帰脾錠」が良いです。

せっかくここまで育ち受精した卵です。きちんと着床し、育つように、今できることをしてもらうように指導しました。

「成功の確率は3割」と言われる体外受精。Tさんはこの2年間でできるところまでする予定だと覚悟をしておられますが、何回も続けホルモン漬けで体のバランスが崩れてしまわないように、早くに3割の確率に入りたいところです。

今回Tさんにとっては初めての体外受精。あと1週間以上保つには、どれだけ子宮内の環境が整っているかにかかってきます。今できることを精一杯おこなって、この最初の回で決められるよう、願っています!

なすび

「親の意見と茄子の花 千に一つも空(むだ)はない」

これは、なすびの花には1つも無駄がない、つまり花が咲くと必ず実が成る、というところから生まれた俗謡です。

この俗謡の意味は、経験を積んだ親の意見に間違いはなく、子たるものはこれに従うべし、です。

そのなすびの花ですが、「空花(あだばな)(=むだばな)がない」ために、なすびの描かれた茶碗が子宝祈願の品物として、授からない家にあったりします。

昔は一族の繁栄のために、男子を授かることはとても重要なことでした。授からずに悩んでいる人は多かったことでしょう。それを祈願する神社がたくさんあることが、そのことを物語っています。

鍼灸治療に来られている75歳Fさん。

2人の娘さんがおられます。妹さんの方は3人のお子様がいるのですが、お姉さんには子供ができませんでした。

「あの頃、ここの漢方のことを知っていれば良かったのに」

と娘さんが不妊治療を続けていた頃のことを思い出されていました。

人工授精も体外受精もありとあらゆる不妊治療をして、挙句の果てには卵巣が腫れ、片方の卵巣を取ってしまうことになったようです。卵巣を取った何年か後、娘さんは夫婦2人で生きていく道を選ばれました。

娘さんが不妊治療をしている間、Fさんは、あらゆる神社に祈願に行ったり、なすびのお茶碗も揃えたり・・・されたようです。

「でも結局駄目だったわ」

とポツリとこぼす言葉から、親の子供に対する愛情がたくさん感じられました。

きっと不妊治療をされている人は、もちろん本人も自分の子供に会いたいけれども、それ以上に待っている親が居るから、喜ばせてあげたいから、頑張ってしまっている人もいることでしょう。

空花のない「なすび」のように、人間もしっかりとした卵が実れば、空(むだ)にはならないはず。「なすび」に見習って、無駄なく実を結べるような体作りをおすすめしています。是非漢方をお試しください。

生殖医療を考える

近年高度医療技術が進む中で、「技術的にできること」と「法的に認められていること」の差が大きく、法律が現実に追いついていないことは、近年伝えられるニュースにてよくわかることです。

例えば、「代理出産」です。代理出産には2つのパターンがあります。1つは、妻の卵子が使えない、かつ妊娠も不可能である場合、夫の精子を第3者の子宮に入れ、代わりに妊娠・出産する場合で、もう一方は、夫婦の卵子と精子を使用し、第3者の子宮に入れ、代わりに出産する場合です。

アメリカの一部の州ではこの代理出産が認められていますが、日本ではどちらの方法も認められていません。

しかしこの代理出産、人工授精や体外受精などと行っていることはさほど変わらないように思えるのですが、なぜ「代理出産」のみ認められていないのでしょうか。

それはそれがビジネスに繋がってしまうからなのです。また、医学的にも安全性の面からでもまだまだ課題があり、技術的にも確率していない部分が多いからです。

このような状況下で、日本で代理出産にて子供を持つことは、子供の将来にとってあまり良くないことのように思えます。認められている国で成長していくのであれば、問題はないでしょうが、日本ではまだまだ壁が高く、それが認められるようにはなるまでにはかなりの時間がかかりそうだからです。

そんな日本での法律の壁はこのことに限りません。

30歳Sさん。どうしても名字が変わることに納得できず、夫婦別姓を通し、結婚式を挙げました。式は挙げたものの戸籍上は夫婦ではなく単なる同棲ということになってしまいます。夫婦で生活をしていく上で、保険や税金など様々な面で夫婦別姓で居ることの利点がなく、そのことが原因ではないでしょうが、結局7年の夫婦生活の末、離婚してしまいました。夫婦の間に子供がいなかったことが幸いでしたが、もし子供が産まれていたら、名字はどうなったのでしょう?未婚の母・・・という登録になったことでしょう。これも子供にとって良いことでしょうか・・・?

現在漢方の周期療法歴2年の34歳Yさん。婦人科通いの歴史は長く、かれこれ13年ほど。そのうち不妊治療歴は10年ほど。あらゆる治療を行い、多くの病院に通いました。Yさんの中で治療は35歳まで、と決めているようです。ご主人は長男で跡継ぎ息子。きっとお義母さんからは養子を考えるように言われるだろう、とのこと。Yさんは、それだけはしたくない、と言います。なぜなら自分が子供を可愛がってあげる自身がないから。それはその子供にとって、幸せではないことになるから、です。

27歳Nさん。婦人科でホルモン治療を行い、体外受精を繰り返しつつ漢方を併用されています。漢方薬はまだ服用されて1年満たないくらい。まだまだお若いのですが、養子をもらうことを考えているそうです。

養子に関しては、日本ではそれほど件数が多くはありませんが、海外では良く行われていることです。養子をもらった結果、それがきっかけとなって、何年も授からなかった子供が授かったということもよく聞かれる話です。初めの子が後の子をもたらしてくれた、と考えることができれば、愛情は偏ることはなく、子供達にとっても幸せでしょう。

一方、何年も不妊治療をし、やっと授かったのに、何年後かに離婚した、というケースもよく聞かれます。

何が幸せなのか・・・。親にとっての都合ではなく、子供にとってどうなのか・・・?住む社会の法律や待遇も含めて、良く考えた上で、進む道を選んでほしいです。

プレマリンを使わなくても

31歳Kさん。結婚5年。不妊治療歴2年。

もともと生理不順があり、周期が一定でないために、少しお薬の助けを借り周期を整えることで、妊娠へ繋がるように治療が続けられ、2年が経過しました。

漢方の周期療法を始めたのはこの秋からで、2周期目になります。

婦人科で使用されているお薬は、卵胞ホルモン剤の「プレマリン」、中用量ピルの「プラノバール」など。

しかしKさんの卵胞や内膜などの状態を聞く限り、クロミッドなどの排卵誘発剤を使用するだけで良いのではないかと感じるのです。なぜならば、Kさんの卵巣にはきちんと育った卵胞が見えていて、それがしっかり排卵すれば、黄体ホルモンが自然に出てくるのではないか、と考えるからです。

それらのお薬も必要なのかもしれませんが、少しでも体への負担を軽減させることを考えると、お薬は極力少なくし、Kさん本来の自分の力を引き出せるように持っていくことの方が、良いのではないでしょうか。もし2人目のことも考えるのであれば、尚更です。

しかし、処方されているものは飲まないわけにはいきませんので、その処方されているお薬の副作用を軽減するように、また排卵期には、「シベリア霊芝錠」「爽月宝」などの漢方薬を調整しました。

少しでもKさんの自然の力を引き出し、赤ちゃんが授かっても大丈夫なように健康な母体をつくる手助けができるように努めています。

新薬の調整だけで授かった場合は、どうしても母体の保胎力が弱く、流産の可能性が高いものです。その可能性を低くするための、母体の健康づくりは必須です。そして健康な母体の準備ができれば、新薬による調整もうまくいきます。まだ31歳と若いKさん、その効き目が現れるのも近いことでしょう。

39歳で思うこと

39歳Aさん。今まで何の問題もなく進んできた人生。

32歳で結婚。仕事も責任あるポストを任されるようになってきたために、面白く遣り甲斐があり、仕事も家庭も充実した生活、しばらく子供は作らずに夫婦2人で楽しく過ごしていた毎日。

35歳になったとき、「そろそろ子供を」と考えたけど、ちょうど新プロジェクトの立ち上げで、途中で抜けるわけにもいかず、また2年間先送りに。

37歳になったとき、「今年中になんとか!」と計画したけれども思うように行かず、38歳で初めての婦人科検診に。そして粘膜下筋腫を発見。子宮内に突出しているもののために、それが確実に着床を妨げ、妊娠しない原因であることが判明。

子供のない人生も考えたけれども、やはりやれることはやってみよう、と手術を決意。あまり仕事に支障のないように腹腔鏡下手術を行い、4ヵ月後からまたタイミングにて挑戦。

しかし半年経っても良い結果にならず、仕事のストレスと、そのストレスとに挟まれ、はたと立ち止まったら39歳を迎えていました。

これからどういう道を進んでいけば良いのだろうか。

病院での本格的な不妊治療を始めるのか、体質改善の漢方薬を始めるのか、それとも子供のいない人生を送るのか・・・。

薬や病院の嫌いなAさんは、「あくまでも自然で行きたい」「自然でできなければそれはそれまで、子供のいない人生を送ろう」と漢方の道を選ばれました。

ただ何が原因で「妊娠しやすい母体」にならないのか、それは知る必要があります。ですので、病院でFSH、PRLなどのホルモン値を血液検査にて確認してもらい、定期的に卵胞のチェック、排卵のタイミングを診てもらいながら漢方の調整をしていくように計画中です。

その数値により、もし、プロラクチン値が高いのであれば、プロラクチンを下げるようにするもの、卵胞が育たないのであれば、卵が育つようにするもの、排卵がなかなか行われないのであれば、排卵をスムーズにするもの、高温期が継続しないのであれば、高温を維持するようなもの・・・など、それに見合った漢方薬を調整していきます。

今のAさんの子宮にはもう何も問題はなく、卵管も正常で、癒着などもないために、ホルモンバランスが少し乱れているためになかなかたどり着けないのだと思われます。

少し漢方薬で調整してあげれば、きっと今まで通りの問題ない人生を送ることができるに違いありません。39歳だからといって、まだ諦めることはありません。今まで通りこれからも有意義な人生を送るためにも、「今しか出来ないこと」を求め、進んで行ってください。

今、与えられた人生は、一度しかないのですから。

男性の診断

男性不妊と言えば、その検査が大変なので、男性はクリニックに行くことを拒みがちです。

休みの日ならともかく、仕事前や後に、検査をするために採取することに、気分が乗らないのは当然のことでしょう。

それが大阪大学の研究結果により、1年以内には血液検査によりその判別が可能になるかもしれない、というのです!これは吉報です!

よく不妊の原因は、「女性にある」と思われがちですが、近年は女性ばかりではなく男性も不妊の確率は多くなっていますので、検査や治療は夫婦共に行うべきものです。しかし男性は仕事が忙しかったりと、なかなかクリニックに行く時間がなく、しかもあまり気乗りしない検査であれば、尚更足が遠のくものです。

これが血液検査で済むのなら、足を運んでくれそうではないでしょうか。

さてその検査とは・・・、

男性不妊の血液中の遺伝子を解析すると、一部欠損や変異が起きていることがわかっており、それを検査しよとするものです。

患者の血液中の遺伝子を読み取り装置により読み取ることで、原因遺伝子が存在すれば、男性不妊と診断可能となるようです。この遺伝子読み取り装置を開発し、実用化するように計画中のようです。1年後のクリニックでは、この装置が使用され、男性も足を運びやすくなっていることでしょう。

もしそれと診断された場合、診断されていないけれども自身のない人は、是非、漢方をお試しください。

その人のタイプにあった漢方薬を服用することで、結構効果が早くに現れるものです。代表的なものとしては「イーパオ」や「参馬補腎丸」「温胆湯」「補中益気丸」などがありますが、自分に合ったものを見つけ、悩みから早くに開放されてください。

幸せの輪

42歳Sさん。卵胞刺激ホルモン(FSH)もプロラクチン(PR)も高く、西洋医学的な治療を続ける中、なかなか恵まれない日々に嫌気と焦りを感じ、「何とかしたい!」と昨年漢方薬での周期療法の相談をされました。

卵胞刺激ホルモン(FSH)は卵胞に作用し、発育を促進します。エストロゲンとプロゲステロンの女性ホルモン量は、常に脳の中の間脳にてチェックされ、ホルモン量が少なければLHとFSHを増やすようにするのです。このFSH値が高いということは、卵巣が働いていない、ということなのです。更年期近くなれば、そのような状態になるのです。

また、プロラクチン(PR)が多量に分泌されると、排卵が抑えられてしまい、その結果生理が止まってしまうことがあります。プロラクチンの分泌が多くなると、出産していなくてもお乳が出てきます。

このようなことから妊娠するためには、それらの数値は正常である必要があります。またSさんの基礎体温は全体的に低いものでした。

それらのことを改善するために、卵胞期には「杞菊地黄丸」と「炒麦芽」を高温(黄体)期には「双料参茸丸」を組み合わせた処方を少しずつ調整しながら続けていきました。

そして、早くも3周期目、何と「おめでた」の報告を受けたのです!

今までの辛かった治療をきっぱりと止め、漢方の体質改善一本にした甲斐がありました。

「こんなことならもっと早くに始めていれば・・・。」という思いから、

「こんな良いことに出会えるのならば、もっと人にもすすめてあげよう!」

とふっとSさんが周りを見渡すと、意外と不妊で悩んでいる友人が多いことに気づいたのです。早速Sさんは体験談を語り、「やってみたら!」とたくさんの不妊で悩んでいる友人に紹介してくださいました。

今、Sさんの体験を聞かれたご友人達が、どんどん続いてご相談をされています。

もっともっと多くの人に微笑みが訪れるように、私達もこの幸せの輪を大切に広げていきたいと思っています。

焦る気持ち

37歳Aさん。

「焦らないでゆっくり体の調子を整えましょう!」と言われ、それまでの病院のホルモン治療も休み、漢方の周期療法に治療を一本化され、1年。

1年前、ホルモン治療を始めてから常に張っている下腹とガタガタ波状の基礎体温表を目の前にして、Aさんはそのことを決意されました。

しかしあれから1年。同じ不妊仲間にはどんどん妊娠の話が出てくるのに自分にはなかなかそれがやってこない、このまま続けていて効果があるのだろうか・・・、また病院の治療を始めたら良いのだろうか・・・。不安と焦りが自分の奥底から込み上げてくるのが感じられました。

そんな風に感じている人が多くいるのはないでしょうか。そして「効き目がない」と止めてしまう人もいるのではないでしょうか。

確かに「妊娠」そして「出産」という結果がゴールなのですが、そこまでたどり着くまでには今までの長い人生を振り返り、バランスが崩れてしまったところから原因を探り、調整し、立て直さなければなりません。

1年間という期間は、37歳の歳から考えると長く重要な期間です。こんなにも長い期間をかけたのにゴールにたどり着かない、という気持ちは、必然的に焦りに繋がってしまうことでしょう。

しかし、1年前を振り返ると、その時点でのAさんの体が明らかに今とは異なり、下腹の症状、基礎体温の乱れなどは、比べものにならないくらいのものだったはずです。今まで体に多くの負担をかけてしまったこと、妊娠しにくい体になってしまった歴史、から考えるとたった1年間でかなり改善されているとも言えるのです。

「1年間」の区切りの時に、「焦らないで」の言葉を使うのは難しいことだと感じます。年齢や今までの治療の歴史を考えると、焦ってしまって当たり前なのですから。

焦って、迷っているときは、まずはどうしたら良いのか、ご相談ください。その人の体質や症状によって、西洋医学の良いとこ取りをして、反対に漢方の良いとこ取りをして、治療を併用してすすめていくこともおすすめできます。

何をするのが自分に良いのか、共にゆっくりと考え、自分なりの答えを見つけ、また次のステップを踏めるようにしていくのが最適です。

秋の便り

春にも多かった「便り」が今年は秋にも多くあるようです。秋が近づいてきたここ最近、「おめでたかな?」という微妙な便りと「おめでたです!」という便りが多く寄せられています。

この「おめでたかな?」と「おめでたです!」の違いは、「妊娠陽性反応がでた」と「心拍が確認された」の違いです。やはり「妊娠陽性反応」だけでは安心できず、胎嚢が見えて、心拍が確認されて始めて、ホッとします。

「陽性反応が出た」時に、今後の生活で何に気をつけたら良いのか、という質問を良く受けます。不妊治療や周期療法をしているから高温期が少し長めになった時にそのことに早くに気がつくのですが、通常は何も気がつかずに自然に生活している時期のはずです。

ですので、自然体で生活されるので良いのです。ただなかなか妊娠に至らなかった体のバランスが少し崩れている人は、保胎力が少し弱いものですので、なるべく飛んだり跳ねたり、振動のあるものに長時間乗っていたり、冷えるようなことをしたりすることには気をつけて欲しいものです。

また気持ちの安心とそれが確固とした結果になるために、心拍が確認されるまでは続けて高温期の漢方薬か保胎薬の漢方薬を続けてもらうのが一番です。病院ではほとんどすることがないのですから。もちろん抗リン脂質抗体を持っている人などは病院の治療も必要ですが、基本的には病院での受診が可能になるまでの期間はハラハラドキドキするだけです。

是非「婦宝当帰膠」「補血丸」「帰脾錠」「参茸丸」「衛益顆粒」などを組み合わせたお薬をお守りとして飲み続けてください。妊娠中も安心して飲めるばかりか、赤ちゃんを賢く丈夫にするためのお手伝いをしてくれます。

周期療法による体の調整の末に妊娠し、漢方を飲み続けていると「母親に『薬なんて飲んだら胎児に悪い影響を与えるから止めなさい』と言われた」と心配されて、お問い合わせがありました。

漢方薬は自然のものからできているもので、昔から保胎薬として飲み続けられ、何千年も問題なく現代まで受け継がれたものです。心配なく安心して飲み続けてください。元気な赤ちゃんと出会うためにも。

漢方と共に

1年以上前に、ネットにて不妊の漢方相談をされた34歳Tさん。

ご結婚3年でなかなか恵まれないために、ご自分でネット漢方の処方を調べ、半年ほど「婦宝当帰膠」を飲まれ、生理に血塊があることから「月経期」には「冠元顆粒」、体温が低いことから「補血丸」、胸が張るので「炒麦芽」を服用されていました。

しかし良い結果に繋がらないために、自分には何がまだ足りないのかを教えて欲しい、とのご相談でした。

確かにTさんの体温は高温期でも36度5分、低温期になると36度前後ととても低い体温で、腎の陽虚不足であることが見て取れました。それを補うものを加えられたら良いでしょう、との返事をしました。

それから約1年半後、Tさんから授乳中で「乳腺炎」予防の漢方についてのご相談がありました。乳腺が細いのか、すぐに詰まってしまうようで、困っておられました。

1年半前にいろいろとご自分で漢方にて体質改善をされ、妊娠し、ご出産されたようです!良かったですよね!Tさんの傍にはいつも漢方があるようです。今回も私達のことを思い出して、お問い合わせをくださいました。

今回のご相談でおすすめしたのは「婦宝当帰膠」と「牛蒡子」です。ただ「牛蒡子」は苦くて、Tさんにとっては飲みにくいと感じられるようでしたので、それに「大棗」を少し混ぜて煮出すと苦味が少しまろやかになるために、それも併せておすすめしました。

いつもどんなときも力になってくれる漢方薬。時も場所も離れていても、いつでも、ご相談ください。お待ちしています。