ふあまり溜め込まないで

この現代社会で生きている私達にはストレスはつきものです。しかし反対に全くストレスがない状態も刺激がなく、おもしろくないものです。少しのストレスは、生活のスパイスになり、良いものなのです。

ただ、ストレスがあり過ぎて、発散せずに溜め込んでしまうと、体に様々な症状が起こってしまいます。

最近多く耳にするのが20代の「自律神経失調症」。そしてそれに伴う「生理不順」。

働き始めたばかりの新人で、社会の職場環境に慣れず、気がつかないうちに無理をしてしまった結果です。責任感が強く、完璧主義者である人がその状態に陥ることが多いように感じます。

また30代から多くなる「子宮筋腫」や「卵巣嚢腫」。

これが生じる原因としては、「お血」「痰湿」が根底にあることが考えられます。そしてその「お血」や「痰湿」はまさにストレスが積み重なることで生じるものなのです。もちろん全てがそれが原因であるとは限りませんが、それが多くある人に多く存在していることは確かです。

夫への不満、子供への苛立ちが激しかった数年間で卵巣嚢腫が出来てしまった、という例や、同居するようになってから子宮筋腫が大きくなってしまった、という例もあるほどです。

ストレスを溜め込むのはよくありません。それを発散させる方法を身につけておくことが、今の世の中で逞しく健康に生きていくためにはとても必要なことでしょう。

もし発散させる方法がなかなか身につけられない人、発散しきれない人、は少し漢方の力を借りてみるのも良いでしょう。

生理前に良く使われるお薬は、「逍遥丸」「血府逐お丸」「きゅう帰調血飲」「爽月宝」「水快宝」などがあります。

それらの漢方の力を借りることで、ストレスが引き起こす不調を体から追い出したり、寄せ付けないようにできるのです。

ストレス発散が苦手な人、発散が不十分な人は、体の中に溜め込まないで是非早めにご相談ください。後で、辛い思いをしないためにも。

今度こそ!

初潮を迎えたときから生理不順。20歳を超えた時には、もう既に自力で生理が来ない状態になっていた36歳Mさん。不妊改善の漢方薬はサボりつつも2年半前から続けています。

しかし35歳になった昨年、サボっていてはいけないと、自分にムチを打ち、本腰を入れて飲むようになるとともに、鍼灸治療も取り入れていきました。

鍼灸治療にてMさんが常に持っている「胃の不快感」、「肩こり」、「偏頭痛」を改善することで、ストレスを解消でき、体への負担が軽くなる分漢方薬の効き目もアップすることでしょう。またもちろんのこと、鍼灸治療でも周期に合わせてツボを変え、調整していきますので、それとの相乗効果によりますます薬の効き目が良くなります。

Mさんの場合は、卵巣がなかなか働かないために、頭から卵巣への刺激が過剰になっています。刺激が過剰になるだけで卵胞は育たないので排卵もせず、卵巣刺激ホルモン値が過剰になった卵胞期が長く続くのです。そのまま放っておくと、卵巣が刺激過剰になりますので、カウフマン療法により、生理を無理に起こすように持って行くのです。

しかし、しっかりと卵胞が育つと、排卵が起こり、高温期となるのです。その機会がMさんの場合は年に2、3回ほど。

そんな中、本腰を入れ治療を始めた3ヶ月目の昨年6月に、何と妊娠陽性反応が出たのです!Mさんにとって、今まで「妊娠」の「に」の字も聞けなかった自分に、まさかそんなことが起こるとは思っても見ませんでした。

それから大事に大事に・・・と育てていくはずだったのですが、結局心拍が確認できず、残念な結果となってしまいました。

あれから1年。

冷え性のMさんにとって、冬は体も冬眠状態。春に一度完全でない卵胞が育ったようですので、雪解けと共に体も動き出したようです。

また本腰を入れた治療を始めようと、先月から鍼灸治療を再開しました。先月は結局カウフマン療法のお世話になりましたが、今月はなかなか良さそうです。

今が大切な卵胞期。しっかり「滋陰」のお薬を服用し、良い卵胞が育つように持っていきたいものです。年に少ない機会ですから、今を大切に、でも焦らずに体調を整えていこうとしています。今度こそ、微笑むことができるように。

ダラダラ出血

37歳Oさん。周期療法による不妊治療を漢方のみで続けて3周期目。

いつも月経期間が1週間以上続くために、子宮内の環境が早くに整わないのか、卵胞期が20日以上と長く、その卵胞期に育つ卵の質に問題があるためか、黄体期が短いという月経周期となっています。

Oさんの場合の質の良い卵が育たない原因としては、月経期が長いということばかりでなく、卵胞期も少し体温が高めであることもあげられます。

Oさんにはそれらの原因を徐々に改善していくために、周期により漢方薬を調整しました。

子宮内に小さな子宮筋腫が存在することもあり、前周期までは月経期に「水快宝」を使っていましたが、その破血作用によりより出血が続くものと思われるために今回は「冠元顆粒」と「田七人参」を調整し、ダラダラと続く出血の改善を計りました。人によっては、「帰脾錠」を使用して調整することもあります。

また卵胞期の安定には「杞菊地黄丸」などを使用しました。

まだ今、卵胞期途中ですが、今のところダラダラ出血は前周期ほどもなく、安定した卵胞期を保っています。今周期は「質の良い卵」が期待できそうです。

しっかりと「質の良い卵」ができれば、排卵もスムーズに行われ、高温も安定することに繋がります。この卵胞期の時期にストレスを少なくし、無理なく過ごすことが大切です。ちょうど今週末より仕事もお盆休みの期間に入りますので、ちょうど良い時期なのではないでしょうか。楽しみです。

もう更年期?

45歳Hさん。ここ最近だるくて何もやる気が起こらず、足はむくみ、お腹は張るし憂鬱で、代謝が落ちてきてちっとも痩せない。少し運動をしようと歩き始めるけれども昔痛めた膝が痛み、長時間アスファルトの道を歩くことができない。

昔からある「肩こり」「頭痛」「腰痛」はますます酷くなる一方。それに加えて貧血症状があるので、何がどうなって、だるくて憂鬱な今の症状が起こっているのかわからないくらいの様々な症状。

「更年期なのでしょうか?」

そう尋ねられたHさんは、更年期というにはまだ早いお歳です。当店では47歳の人も不妊のための周期療法にて頑張っておられるくらいですから、45歳だと「まだまだ」といった部類に入ります。

「だるい」のは今の梅雨の時期、湿気のために健康な人でも多少だるく感じ、それが酷くなると「むくむ」「足だけ冷える」といった症状が起きるものです。

よくお話を伺うと、「子宮筋腫」を持っているとのことですので、おそらく「貧血」が進み「だるい」症状に拍車をかけているのだと思われました。

まずは「貧血チェック」のために血液検査に行くことをススメました。もし鉄の数値が10未満であれば、新薬の力を少し借りて鉄の補充をすると回復が早いでしょう。

10以上であれば漢方の力(「婦宝当帰膠」「参茸補血丸」「双料参茸丸」「ヘム鉄アスリーブ」など)で補充して回復させることも十分に可能です。

そして全ての代謝が低下し、だるい症状を亢進しているようですので、「ケイギョク膏」をオススメしました。
代謝が低下すると、巡りも悪くなり、足の先に行った血、水分が戻りにくくなり、足に溜まります。それが「むくみ」です。

水は冷たいものですので、水が溜まってむくむと、足が冷えます。

ケイギョク膏」にて、徐々に症状が改善されることでしょう。

45歳はまだまだ若いです!

「更年期だ」と思ってしまっている人は、もっと元気に輝いて過ごせるように漢方で是非ケアしてください。

3つの黄色の力

「大黄」「黄芩」「黄連」の3つの「黄色」からなる「三黄瀉心湯」。単に「瀉心湯」ともいいます。

「黄色」の名のつく生薬は、ほぼ熱を冷ます作用があるものです。

「夏至」も過ぎた今の時期、「梅雨」ですので季節は「土用」になりますが、治療としては「土用の治療」も入れつつ、季節を先取りした「夏」の治療をするのが良い時期です。

ちょうど「夏至」の今週水曜日、月1回行われる「不妊治療の相談会」では、「卵胞期」に季節の先取りの処方が多くなされました。

外気の気温が上がっていくと、それにつれ、やはり体も同調し体温が上がります。しかし卵胞期の体温が36度5分以上になってしまうと、卵の育ちが悪くなる、と言われています。

なるべく暑い外気と同調しないように、体の中は卵の居心地が良いような低温にすべきなのです。

そこで使われたのが「三黄瀉心湯」です。

ただし、「貧血」「出血が続いている」「脈が弱い」「腹に力がない」などの症状を持つ人には使用できませんので、注意が必要です。

体内の湿気

ここ最近 梅雨でもないのに雨がしとしと降る毎日。5月末の梅雨前のこの雨を「卯の花くたし」や「走り梅雨」などと言いますので、雨がしとしと降るような気候になるのは仕方のないこと。

「卯の花くたし」の呼び名は、この時期に咲く「卯の花」を腐らせてしまうほど、しとしとと雨が降るために付けられたもの。でも雨にうたれた「卯の花」(左の写真)は水を浴びて生き生きとして、腐るどころか真っ白に美しく咲いています。

しかしこう毎日雨が続き、湿気が多いと、体の中も湿気が多くなり、「だるい」「むくむ」などの症状が現れます。人間も自然の一部。この時期、自然と同調して湿気状態になりがちです。

「体に湿気が溜まる」・・・中医学では「痰湿」の症状と言います。

「痰湿」はネバネバしたイメージで、それが体内に存在すると、気血水の流れが悪くなり、悪さを引き起こします。

現れる疾患としては「帯下病」「閉経」「眩暈」「頭痛」「口臭」「不眠」などです。

その改善としては体の中の「湿」を取り、「水はけを良くする」ことです。その働きをしてくれるものは「瀉火利湿顆粒」です。

そのお薬をうまく使うことで、体の湿気を取り、それが原因で起こっている様々な症状を取ることができます。

自然界でも少し乱れの起きているこの季節、自然と連動している体にも何か乱れが起きているはずです。少しでも何か乱れを感じたら、乱れが歪みまで発展しないように早めに対処してください。

念のために

不妊治療を続けて半年のI さん。

3月に念願の新築の我が家が建ち引越をし、4月初めから職場の環境が変わり、それについていくのに気を使い、バタバタしているうちにゴールデンウィークに入りました。

ゴールデンウィーク中は片付いていない家を片付けつつ旅行に行き、またバタバタする毎日。そしてホッとした次の週、ここ最近の天候不順も兼ね合ってか、風邪をひいてしまいました。

「もしかして妊娠していたら嫌だから」

と高熱が出ていたにも関わらず、西洋薬の解熱剤を飲まずに寝床で我慢していたようです。

そして4日目、やっぱり熱が下がらないので、「漢方薬の解熱剤を」とヘルプの声がかかりました。

まずは熱を下げないとなりませんので、出したのは「麻黄湯」。何日も続く熱ですので、体力を使いだるさが出ているようですので、体力回復に「清心丸」を4/1個ずつ。

そして「麻黄湯」の服用は夜に1回のみで、次の日には熱は下がりましたが、まだ「だるさ」は残ったままでした。

次に、熱は下がったので出したのは「柴胡桂枝湯」。「清心丸」はそのまま体力回復のために4/1個ずつ服用を続けてもらいました。

そして次の日にはすっかり熱は下がり、体力も回復しました。長い間寝ていたために、だるさが少し残っているようですが、もう大丈夫です。

初めからそんなに我慢しないで、もっと早くに声をかけてくれれば良かったですよね。

漢方から見たPMS

PMS(生理前緊張症候群)に悩む女性は多くいます。この症状は、ご主人などの男性には理解してもらいにくく、辛いものです。

生理前に起こる様々な症状は、ホルモンのアンバランスによるものです。女性は月経周期があるために、その周期によりホルモンのバランスが変わっていきます。誰にでも多少のPMSはあるものですが、それが生活上支障を来たすほどになると、コントロールが難しくなってしまいます。

PMSにも様々な症状があり、「だるい」「むくむ」「過食気味になる」といった症状であれば、「黄体ホルモン」のちょっとした悪さで、さほど問題なないのですが、「我を忘れてあたり散らす」「自虐的行為がエスカレートする」「朝起きられない」などのきつい症状が起こると、自分自身も周りの人間もどうしたら良いのかわからなくなってしまいます。

何とか改善したい症状です。

漢方ではその症状は、「肝陽上亢」であると捉え、その状態がさまざまな症状である「過食」「イライラ」「落ち込み(うつ的症状)」などに陥りやすくなると考えます。

また「肝脾不和」になっているとも捉えられ、それを改善するための漢方薬は「逍遥丸」や「加味逍遥散」などを使用します。

それらの漢方薬により、「肝陽上亢」「肝脾不和」を調整し、PMSを起こりにくくなるように体調を整えていきます。

本日お問い合わせのあった25歳のMさんは、内膜症もお持ちでしたので、「婦宝当帰膠」「逍遥丸」に加えて「爽月宝」もおススメしました。

漢方薬は、1つのものの働きよりも、相互作用によって症状を改善していくことが多いものです。Mさんの場合も、これらの3種類を併用することにより、「肝陽上亢」を鎮めるばかりでなく、生理前には血流が悪くなることを改善し、内膜症の炎症を抑えるようにすることで、「お血」を生じさせないようにし、全体としてPMSを改善することを目的とした治療方法です。

一言にPMSと言っても、人それぞれに体質や症状も違うはず。是非、ご自分に合った改善方法を見つけてください。

着床しかけ

32歳Tさん。昨年秋より周期療法の漢方を服用されています。

Tさんは内性子宮内膜症を持っています。これは、子宮筋層に子宮内膜症病変が認められるものを言い、内膜組織と共に周囲に筋線維の増殖を伴っているために子宮腺筋症と呼ばれています。

それがあると、症状としては「下腹痛」「腰痛」「過多月経」「不妊」があり、子宮が硬く、均等に増大し表面は比較的平滑であることが特徴的な所見となります。通常、子宮筋腫を合併することが多いようです。しかし、筋腫と異なり被膜をもたないために、病巣の核出は困難なために、妊娠を希望する人に対しては、プロゲステロン療法やタナゾール療法が行われます。

Tさんの場合は、2年前に、腹腔鏡下での子宮腺筋症の摘出手術を受けておられました。しかし、子宮の内膜は肥厚気味ということで、月経困難症の症状は残ったままでした。

それらのことを改善しつつ、Tさんのもともとの体質である「胃腸が弱い」こと、「月経前症候群(PMS)」の軽減も計るための漢方薬が処方されました。

低温期には「桂枝茯苓丸」「爽月宝」「立君子錠」「シベリア霊芝錠」などを、高温期には「炒麦芽」「帰脾錠」「紫石英」などのお薬を使いました。

そして漢方薬を服用してから約半年経った今月、高温期の5日目くらいにかなり良い変化が見られました。

「とても気持ちが悪かった」

と言われたその日の朝の体温は、37度以上。Tさんは風邪を引きかけたのだと思っていました。

次の日の朝も37度以上。

その日は来店予定でしたので、早速脈をチェック!

とても微妙な脈でした。ビリビリとした脈ですが力が弱く、まだはっきりとは判断できませんが、「着床しかけの脈」とでも言うのでしょうか、微妙な脈でした。Tさんには安静にすることを指導し、しばらく様子を見てもらうことにしました。

Tさんはそんなことを言われたのは初めてで、どうしたらよいのかわからず、そわそわして、次の日もその次の日も心配で電話にて報告をしてこられました。

結局高温期15日目に体温が下がりましたので、今回のは「着床しかけ」で終わってしまったのですが、微妙なところまで来ることができました。しかし今回は、少し「そわそわ」させ過ぎてしまったかもしれません。この次は、Tさんが焦ることのないように、そっと心の中で呟くようにしないといけませんね。

PMSが改善されるとともに

26歳Tさん。生理が始まった12歳の頃より、時々落ち込むようになりました。しかし、その頃は、生理とその「落ち込み」は無関係なもので、少し自分には「欝(うつ)」の気があるのだと思っていました。

それが大学の頃に、自分の身体と良く向き合ってみると、その「欝症状」が生理前にあり、生理が始まると治ることに気づきました。

そして、ネットにてPMSを検索・・・。

時々起こる鬱症状は「まさにPMSだ」ということがわかったのです。

しかし、なす術もなく26歳に。

たまたま「腱鞘炎」の鍼灸治療に来店された際に「婦宝当帰膠」を知ることになりました。

もともとはPMSのことは何も伺っていず、「冷え性」というので「婦宝当帰膠」をススメたことに始まります。

3ヶ月「婦宝当帰膠」を服用され、「冷え性の改善」はもちろんのこと、PMSの「欝症状」も全くなくなり、おまけに今まで太腿は硬く張っていたのが、柔らかみが出始めたと言われました。今まで太腿のみ太くて、なかなか痩せなかったのが、気血の循環が良くなったことで、筋肉が柔らかくなり、むくみが取れたことで、少し細くなったとも。

思わぬ効果にTさんの喜びと感動は大きなものでした。

まさに「婦」人の「宝」のお薬です!

是非「宝の瓶」をお試しください。どんな「宝物」が運ばれてくるでしょうか?