FSHが高いのに妊娠・出産の奇跡!

39歳のKさんはFSHが高くて月経が来ないと相談に来られました。お聞きすると30代中頃に子宮内膜症の手術を受け、その後低用量ピルを服用していたそうです。お医者様より早く結婚して子供を産まないと再発しますよ!と言われていましたが、なかなか伴侶が決まらず、つい1年前に結婚され、早く自然妊娠をと希望していましたがなかなか授からず、思い切って不妊クリニックを受診しました。血液検査でFSHの値が97もあり、「更年期ですよ」と言われ、ご夫妻でショックをうけられ、漢方薬で何とかFSHを下げて妊娠したいと来店されました。基礎体温表(BBT)はもちろん高温で一相性。漢方用語では「陰虚火旺」の状態です。病院からはプレマリンが投与されています。

FSHが高いことは卵巣に対しての刺激が強く、卵巣がうまくその刺激に応えられなくなって「瀕死の卵巣」になっていることです。卵巣早衰(POF)にもなります。何とか卵巣の働きを助けてあげなければなりません。

漢方では「陰血を補う治療」が主になります。
Kさんに治療期間が長くなることを了解してもらい、漢方薬だけでは不十分なので西洋薬も併用してもらうこともお勧めしました。いわば東洋、西洋医学の合作です。プレマリンと漢方薬薬を併用して97→74まで下がりましたが、一度月経を起こしましょうとルトラールを服用し月経を起こしました。FSHは60くらいに下がり、やはりプレマリンと漢方薬で卵巣の働きを復活させていきました。しかし、なかなか卵巣はご機嫌を取り直してくれません。また、ルトラールを服用して月経を起こし、次周期にかけました。
この時点でFSHは56。「漢方薬のみでしばらくやってみたい」との本人の希望で漢方薬のみにしました。それから2ヵ月後Kさんは「先生妊娠したんです!」と嬉しそうに報告してくれました。
Kさんも主治医も私も驚きました。なんとFSHが下がってE2が上昇し卵が育って、しかも妊娠に至ったのです。まったく奇跡です。
それからKさんは「漢方薬で授かった命ですからずっと服用します」と妊娠期間中も漢方薬を服用し、38週で無事元気な女児を出産されました。素晴らしいです!
とても丈夫な子で、お肌ツルツルです。これで賢い子に育ったら申し分ないですね。