心の病から

心の病は身体をも蝕み、そのことがまた心を深い病へと引きずり込んでしまうことは多くあります。

30歳、Aさん。

胃の不調により、胃カメラなど様々な検査を受けてみたものの西洋医学的な問題点は見つからず、その原因は神経的なものだと言われ、心療内科の受診をすすめられました。

それ以降Aさんは心療内科のお薬から離れることができない日々が続きました。

服用している薬はスルピリドとメダゼパム 。

どちらも女性に対する副作用として、生理不順を引き起こしてしまいます。特に「統合失調症」の改善薬として使用されるスルピリドは、ホルモン異常による生理不順や乳汁分泌、無月経となることがあります。

とても繊細なAさんはふとしたきっかけから胃の症状が出始め、それから抜け出せない生活を送ることになってしまいました。しかも今では副作用の生理不順、高プロラクチン血症に陥ってしまったのです。

しかし子供に囲まれた家族を夢見ているAさんにとって、今の自分の状態は許せなく、それがまた自己嫌悪となり、胃の状態が悪くなり、お薬に頼る・・・といったその繰り返しでした。

何とか西洋薬ではなく漢方薬で今の状態から抜け出し、Aさんの夢見る家族計画を実現できる身体に戻したい、と希望され求めてこられました。

ただここまで薬に頼ってしまった心を早くに取り戻すことは難しく、長い期間をかけてゆっくりと改善を計っていく姿勢がなくてはそれを実現することは困難です。

まずはAさん本人の強い意志と心療内科の医師の助けと理解も必要です。お薬から離れられるように徐々に薬を変更してもらい、その部分を漢方薬で補っていくことができればAさんの改善も早いことでしょう。

Aさんの改善の手助けをしてくれる漢方薬は、「婦宝当帰膠」「炒麦芽」「開気丸」「救心感應丸氣」など。

まだ30歳。回復・妊娠・出産・子育てには十分時間はあります。

Aさんの強い意志があり、漢方薬と西洋薬をうまく使っていけば、夢見る家族は実現できることでしょう。焦らずにじっくりゆっくり整えていきましょう。