言わなくても

「今周期は何か大きなストレスがあったのですね。」

34歳Yさんの基礎体温表は、ここ最近では見られなかった大きな波状型をしていました。まるで2年前のように・・・。

辛い出来事をまた思い起こして話をすると、またYさんの心は乱れてしまいます。話を聞かなくても心が乱れてしまうようなことがあったというのは、基礎体温のグラフをみれば明らかなのです。

「何もなかった・・・って言っても、バレバレですね。」とYさん。

2年前、身も心もボロボロになって、鍼灸治療に来られたYさん。その頃は、心から来る病が体を蝕み、体のあちこちが痛み、痺れ、掌や足裏は火照るのに手足は冷たく、心も身体もアンバランスの状態になっていました。不妊のためのホルモン治療、内膜症の腹腔鏡検査による傷跡、そして神経障害・・・。

様々な事柄にYさんの心身は疲れ果て、同レベルのショックな出来事があると、すぐにその時期のアンバランスな身体に陥ってしまいます。

今回は身近な人の家庭問題。直接自分には関係ないのだけれども、心の優しいYさんはすぐに同調してしまい、心配しすぎてアンバランスに。

せっかくガタガタだった基礎体温表がここ最近落ち着き、とてもきれいな高温期を保てるようにまで落ち着いてきたのですが、今回は仕方ないですね、また次から整えていくことにしました。

今回来店された時は、とてもくらい顔をされていましたが、帰るときには明るく笑っていつものYさんに戻っていたのでひとまず安心です。きっと次周期はきれいな体温に戻ることでしょう。

基礎体温表は、いろんなことを映し出します。ホルモンのアンバランスだけでなく、ストレス、気持ちのアンバランス、寝不足などなど。

赤ちゃんを望んでいなくても女性であれば、基礎体温をつけることをおすすめします。自分では気づかなかった「内に潜む何か」を見つけることができるかもしれません。口に出さなくてもその「何か」は体温に現れます。

もしそれが強すぎて、自分の力で対処できないくらい身体のバランスを崩してしまっているのであれば、是非漢方や鍼灸の力を借りてください。きっと心の支えになってくれることでしょう。

感染する中耳炎

保育所などで感染が広がってしまう「急性中耳炎」。2歳以下の子供がよく罹るものです。

以前は治るのも早かったこの病気ですが、最近は抗生物質が効きにくい難治性のものが増えてきているようです。これは容易に新しい抗生物質を使ったためのようです。またその罹患率が増加している背景には、働く女性が増え、保育所に子供を預ける機会が増えたこともあるのかもしれません。

乳児は生まれてしばらくの母親の免疫力がまだある時期であれば良いのですが、それがなくなる頃に、保育所での集団生活をし感染していくのでしょう。

重症に陥らないためには早くに乳児の症状を察知することが大切です。乳児は症状を伝える術がありません。母親が代わってしっかり観察する必要があります。

「熱がなかなか下がらない」「鼻がぐずぐずしている」「よく耳を触る」などがあれば、中耳炎かもしれません。早めに小児科に行くことで、軽症で抗生物質も使わずに完治するかもしれません。放っておいて、重症そして慢性にならないように気をつけてあげたいものです。

抗生物質を投与せずに経過を見ている最中、また抗生物質を投与している最中でも漢方薬の併用は可能です。お子様の体の大きさ、熱がどれだけあるか、耳はどれだけ痛むか、などによって使うお薬と量が異なります。

もしお子様のそのような症状でお悩みの人は、まずは小児科へ行き、そして漢方を併用してください。

また感染していないけれども感染予防をご希望であれば、より漢方をおすすめします。強い子で、トラブルなしで成長していってくれるように応援します。