お血・痰湿症

28歳Oさん。156cmの58Kgとちょっとぽっちゃり気味の体質。むくみがちで、ここ数年はどんどん冷え症になってきたと言われていました。

2年前に子宮内膜症と子宮筋腫、チョコレート嚢腫の開腹手術を行い、その半年後より、妊娠に向けて人生設計を立てようとされていました。

手術後は、卵管造影も、精液検査も、フューナーテストも、排卵の検査も何も問題なかったのですが、妊娠の兆しも見えず何周期も時だけが過ぎていきました。

内膜症が再発しない前に早くに妊娠したい、と思う気持ちが先走るだけ。半年間も排卵誘発剤とタイミングにより様子を見続けてきましたが、結果として得られたものは、月経血が減少したこと。これは明らかに、誘発剤により子宮内膜が薄くなったという副作用です。

悲しくなったOさんは、この治療を休み、「妊娠しやすい母体作り」を手伝ってくれる漢方薬を試してみようと問い合わせをされました。

Oさんは、「内膜症」「筋腫」「嚢腫」などがあることから「お血」「痰湿」タイプであると捉えられ、漢方では、まずはそれを改善するように処方をしました。

それと同時にOさんにも生活面で、ある程度努力をしてもらうようにしました。

★食べ物は、「油っこいもの」や「甘いもの」を控えること。これが「痰湿」の誘因となります。

★食事は、野菜中心ににて、キャベツ、ほうれん草、小松菜などの野菜を1食に100g程度とるようにすること。野菜ジュースで代用してもO.K!これにより内臓脂肪が減り、滞っている痰や湿、血の流れがよくなります。

徐々に上記の生活面を改善しつつ漢方薬を服用されたOさんは、2ヵ月後には体重は変わらないけれども腰周りがすっきりとし、ベルトも緩くなったようです。それとともに低温期が安定しだし、徐々に高温期の安定も見られるようになりました。

「お血」と「痰湿」の体質が徐々に改善されたために、卵の育ちもよくなり、体調が整ってきたのです。

4ヶ月漢方薬と生活改善をされたOさんは、次周期より、ホルモン療法をされる予定です。これだけ整ったOさんの体調は、すっかり「妊娠しやすい母体」に生まれ変わっていることでしょう。

次周期の療法の結果が楽しみですね。