春を迎える前に

今日は、二十四節気の大寒の最後の日で、「節分」です。新しい春を迎える前の厄払いの行事の「豆まき」が各地で行われています。

豆をまくのは、厄年の人。その厄年の人が節分の夜に厄払いをし、翌日には春が訪れるという慣わしです。

その豆ですが、「五色豆」と「福豆」があります。

「五色豆」はその名の通り、5色の豆なのですが、「青・赤・黄・白・黒」の色は、陰陽五行に基づく「木・火・土・金・水」つまり「春・夏・土用・秋・冬」の色なのです。この自然界の5つの色で邪気を祓い、福を招くのです。

そして「福豆」。

これは「福は内、鬼は外」との掛け声と共に撒かれるもので、これも邪気を祓い、福を呼ぶのです。豆は「魔滅(まめ)」の意味より、「鬼やらい」に使われるようになったとか。

また年の数より1つ多い数の豆を食べるのは、来る年の福を願う心を託したためだそうです。

この「鬼は外」の「鬼」ですが、何も悪いものの象徴ばかりではないのです。

その昔は「疫病」などが流行り、そのなす術もなかった人々の命を奪う奇妙な病は、すべて鬼や怨念などのせいにされていたために、「鬼」と言えば「恐い顔」となってしまったのですが、恐い顔になってしまったのも室町時代からとのこと。

鬼は人々の生活を脅かす妖怪ですが、悪霊を抑える力強い「善鬼」として「鬼瓦」としても扱われてきましたし、今でも古いお家の屋根には「鬼瓦」が睨んでいる姿も見られることでしょう。

平安時代では、その「鬼瓦」も愛嬌のある顔で家を守っていたようです。

節分の日の「豆まき」の時、いつもお父さんが「鬼」のお面を被っていると知っているのに、泣いてしまう4歳のTくん。平安時代の「愛嬌のある鬼」だったら泣かなくても良かったかもしれませんね。Tくんは今年も泣いてしまったのかな?