大豆イソフラボン

ここ何年か日本で起きている「健康ブーム」の背景には、「サプリメントの過剰摂取」という危険が忍び寄っていることは既に想像できたことでしょう。

昨日、食品安全委員会が「大豆イソフラボン」についての摂取量の上限案を厚生労働省に答申し、以下の点が了承されました。

★食事以外の特定保健用食品として上乗せして摂取する場合、1日当たりの上限は豆腐半丁に含まれる量に相当する「30㎎」までとすること

★妊婦や乳幼児などには上乗せ摂取は推奨できないとすること

今まで「骨粗鬆症」などの予防効果があるとして人気があった「大豆イソフラボン」。イソフラボンは女性ホルモンに似た構造を持つために、期待されてきたものでしたが、一方で「発癌の危険性を高める可能性がある」とされているのです。

不規則な生活の人には力強いサプリメントですが、その過剰摂取により健康を維持するどころか害することもあるのです。

過剰摂取を避けるためには、容器に記されている1日の摂取量を良く知ること、栄養素の量をよくチェックすること、体調の異変には敏感になること、毎日の食事から不足しがちな栄養素を知っておくこと、などをきちんとチェックするようにしてください。

ただ今回は「食事以外の大豆イソフラボンの摂取量の上限」が決まっただけで、「大豆イソフラボンが悪い」ということになったわけではありません。

尿中のイソフラボンの量が多いほど心筋梗塞などになりにくい、という研究結果もでています。心筋梗塞による死亡率が高いのは女性。それは女性ホルモンであるエストロゲンの働きに深く関わるからなのです。中国の大豆を日常的によく食べている地域で、閉経後の女性の血圧、コレステロール値を調べると、全く問題なし!あまり大豆を食べない地域に比べ、格段の差があったといいます。

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと良く似た化学構造を持ち、それが心臓病予防、更年期障害の軽減に関わっていることは長寿の里にて立証されていることなのです。

サプリメントではなく、しっかり食事で「大豆イソフラボン」を食べ、「ぷれ更年期」、「更年期」、「生活習慣病」の予防を心がけましょう!

助成金のいろいろ

不妊治療をしている人には、是非申請をおススメしたいのが「不妊治療助成金」。住んでいる自治体によって、金額や申し込み方法は異なりますので、詳しくはご自分の住んでいる市役所で尋ねてください。

例えば、京都府宇治市では、

「保険適用の不妊治療の場合」は、助成金額は「保険診療費の自己負担額の2分の1以内【限度額は、年度毎の診療につき3万円(夫婦とも治療を受けている場合は各3万円)】」で、

「保険適用外の不妊治療(特定不妊治療)の場合」は、対象となる治療は「体外受精及び顕微授精」、対象者は「府指定の医療機関で特定不妊治療を受けていること、前年度所得が650万円未満(夫婦合算)」、助成金額は「1年度当たり上限額10万円【通算2年度に限る】」です。

これによれば、3万円か10万円は助成されるようですが、10万円の助成金に関しては、所得の制限があること、通算2年しか助成されないこと、など治療にかかる費用と期間に比べたらもらえる金額が少ないにも関わらず、結局もらえないことになりそうな規制になっているように思われます。

この辺を「少子化社会を考える政策」として、もっと国や自治体に頑張ってほしいところです。

一方、少子化社会が進む中、社会ではますますペットブームが広がっています。1人の子供のように可愛がる人々の思いが自治体に伝わったのでしょうか、ペットの「不妊・去勢手術」に補助金がでるそうです。

これも自治体によって補助金額や申請方法は異なりますが、指定の病院に申請した証明書を持って行けば、一定額を引いた金額で手術が受けられます。

しかし実はこのペットの助成金は、「可愛がる親心」から実施されるようになったものではなく、去勢していないペットが出産し、多くの子犬や子猫が保護され致死処分されるための結果のようです。

このように人間の不始末の処理のために補助金を出すのではなく、人間の明るい未来のための助成金にもっと力を入れてほしいものです。

漢方治療の良いところ

不妊や生理不順、更年期障害などの治療のために、婦人科で使用されるホルモン剤はたくさんあります。

大きく分けた分類でも「性ステロイドホルモン剤」「排卵誘発剤」「GnRHアゴニスト」「ドーパミン製剤」「甲状腺ホルモン剤」があります。こんなにも多くの種類があるかと思うほどのホルモン剤が用意されています。

そしてそれぞれを月経周期に合わせて「何を」「どのくらい」使用するか、は医師の「匙加減」に寄り異なり、「それが技術なのだ」とある婦人科医は言っています。この医師は、あらゆるホルモン剤を細かく使用していくことで、妊娠へと導いていくようです。

41歳Sさん。新しく掛かった婦人科医より「脳下垂体機能不全」であることが不妊の原因だ、と言われました。

今まではそのようなことを言われたことがなく、原因不明の不妊症だと思っていたのが、この病院で初めて病名がついたのです。

そこでSさんから「この病名がついたのですが、漢方薬は変わるのでしょうか?」との問い合わせ。

西洋医学では「脳下垂体機能不全」であれば、「FSH(卵胞刺激ホルモン)」や「PRL(乳汁分泌ホルモン)」「LH(黄体刺激ホルモン)」のどれのバランスが悪いかを血液検査でチェックし、それに対して「HMG剤:ヒュメゴン・パーゴナルなど」「抗PRL剤:テルロン・パーロデルなど」「HCG剤:ゴナトロピンなど」を投与することになります。

しかし漢方では、Sさんの不妊の原因はあらゆる症状や望診、舌診などより「腎虚」として捉えているために、その病名がついたからといって、漢方の処方を変えることはありません。

「腎」がしっかりすれば、先天の気が強くなると共に、体の生殖機能が回復し、結果として衰えてきた下垂体の機能も回復するのです。

どんな場合でもこれは言えることで、体のバランスが崩れたことで、機能が衰え、何かの症状が起きるわけですが、その「崩れたバランス」を整えるようにしていくことで全ての機能が回復していくものです。

「病気」を追うのではなく、「体全体のバランスの崩れ」を見つけ、それを改善していくように持って行くのが東洋医学であり、漢方治療です。従って、「病名」がつかなくても治療ができ、体を元気にすることができるのです。これからの予防医学には見逃せない治療法です。

アヒル

毎週土曜日に放映されている宮廷女官「チャングムの誓い」。チェゴサングン(ハンサングン)様とチャングムが重い罪を着せられた原因となった「鴨【ヤー】(アヒル)」。

その効能は、清涼作用があり、肝陽上亢を抑えるものです。具体的な治療としては、「鼻血」「頭痛」「浮腫」「慢性腎炎」などです。

番組では「毒を下すもの」とされていましたので、同じカモ科の鳥でも、どちらかと言えば「鵝【オー】(ガチョウ)」のことではないかと思います。

その効能は、「血」は解毒薬となり、咽喉のつかえを治し、「胆嚢」は解熱、咳止め、痔の治療に用い、「油」はあかぎれを治し、「涎」は骨が咽喉に刺さったのを治すようです。

番組では、誰が考えてもおかしいことが王様までもが信じてしまい、2人を含める関係者が次々と尋問され、終には命までも落としてしまう納得のいかないことになってしまっています。

「アヒル」も「ガチョウ」もフランスの食卓ではその「肝」は「フォアグラ」で有名ですが、あまり日本の食卓では馴染みのないものですので、もう少し馴染みのあるもので「鶏【ジチー】(ニワトリ)」について見てみましょう。

鶏の薬用部分は「卵」「卵の殻」「肝」「胃膜」「鶏冠(とさか)」「血」など様々です。

その効能は、五臓の補益、脾胃虚弱の治療に用い、「卵白」は熱っぽく腫れているものに外用し、「卵黄」は心悸亢進を治し、「卵黄油」は筋肉を育成する、「卵殻」は骨を丈夫にし、胃酸を抑制する、「孵化して胚になった卵」は補益し、めまいを治す、「肝」は視力快復、「胆嚢」は百日咳を治す、「胃膜」は消化を助け、「鶏冠」は月経異常を治す、「血」は出血、喘息を治す、ようです。

それらの効能の中で、「月経不順」について。

 ★毎日「鶏冠(とさか)」を2個煮て食べ、毎月3~5回服用する。

「機能性不正出血」について。

 ★健康な雄鶏の血を20ml取り、毎日2回熱くして服用する。

馴染みのある「鶏」ですが、「鶏冠」や「血」は一般の日本の食卓にはやはり馴染みのないものですね。

男性不妊症など

男性不妊症の改善薬として使用されるものはいくつかあります。

「なぜその症状があるのか」はその人の体質によるものですので、全ての人がそれらの薬を服用すれば良いというものではありません。手当たり次第にたくさんの健康食品や薬を服用されるよりも、ご自分に合ったものを選んで服用された方が効率が良いものです。

例えば少し太り気味である人であれば、「温胆湯」と「イーパオ」をおすすめします。

また、「疲れやすい」「やる気が出ない」などの症状を持っている人であれば、「海馬補腎丸」により底力をつけ、改善を計ります。

男性不妊症のご相談は、女性の不妊相談に比べて少ないのですが、実際はその症状で悩んでいる人は多くおられます。是非、そのままにせずにご相談ください。今お飲みの健康食品やお薬も、せっかく服用されるのであれば、ご自分の症状に合ったものを飲んで欲しいですから。

春に多い便り

周期療法による不妊治療を行っている漢方薬局店で、「おめでた」の便りがいつ頃多いかは、なぜか店によって異なります。

当店ではその便りを多く受けるのは、ずばり今の時期の「春」です!

やっぱり「春」はうきうき気分も晴れるからでしょうか。

気分が鬱積して「肝鬱」「気滞」の症状が起こり、それが原因で気血のめぐりが悪くなり、結果として「冷え性」や「イライラ」が起こり、「良い便り」に繋がらないようなことになっている他の季節に比べ、「春」は「うきうきする」ことで、気血のめぐりが良くなり、「良い便り」に繋がるのは自然の流れのような気がします。

しかしそうであれば他店でも同じように「春に良い便り」が多くなるはず。

ところが、現実は異なるので興味深いものです。ある店は「夏」に多いようです。「夏」は夏バテしたりと大変な時期のような気がするのですが、所変われば何かが変わるのでしょうか。しかし全国ネットで対応している当店では、「所」は海外も含め、日本は北海道から沖縄まで、方々に「所」が散らばっていますので、何とも言えませんが何かがあるのでしょう。

今年も「春の良い便り」が多く寄せられています。

一般的に、妊娠7週目、9週目、11週目・・・は流産しやすい週と言われています。

くれぐれも気をつけて、GW中ですが、あまり乗り物に長い時間乗りすぎて振動が体の負担とならないようにしてください。そして、「衛益顆粒」にて、危険な時期を乗り越えてください。

車酔いに

これから日本はゴールデンウィークに入ります。休みの長い人では、今日から来週末まで10日間の休みとなっているようです。

ここ最近、テロ事件により海外へ行く旅行客が少なくなっていましたが、今年は同時多発テロ以来最高の出国者数となる予定だそうです。

海外だけでなく、国内でもUターンラッシュを含めて、車や電車で移動する人が増える時期です。

「飛行機」「電車」「車」「船」・・・これらの乗り物は、まだ耳の三半規管が発達していない子供にとっては辛いものです。「揺れる」ことで、その動きについていけない子供達の三半規管の働きが、「乗り物酔い」を引き起こしてしまいます。

GW中、常備しておきたいお薬はこれです!

 ★「半夏瀉心湯」(商品名:ハンゲコー)

 ★「五苓散」(商品名:ゴレーン

毎年、この時期になったら、この2つのお薬をお子様のために買いに来られるママがたくさんおられます。旅行の日数分と何回か余分目のお薬を購入され、いつもお子様の辛い顔を見ることなく旅行ができる、と言われています。

家族みんなが楽しい旅行となるために、これらは必需品です!

たんぽぽ

春の陽気が溢れる中、その陽気をいっぱい吸い込んでしまったかのような黄色の花で、勢い良く咲いている「たんぽぽ」。咲き終わったあとの綿帽子も私達を楽しませてくれます。

このキク科の「たんぽぽ」は、見るだけではなく、味でも私達を楽しませてくれます。

「花」は「酢の物」、「てんぷら」に、「葉っぱ」は「サラダ」に、「根っこ」は水にさらして「きんぴら」に、乾燥し炒ったものは「コーヒー」に。

薬理的には「抗菌作用」、臨床的には「健胃」「利胆」「利尿」作用、漢方的には「清熱」「解毒」の効果があり、「乳腺炎」の治療薬などにも使用されます。

「乳腺炎」の初期には、「たんぽぽ(蒲公英)」に「金銀花」「連翹」などを配合したり、患部には全草の汁を貼り付けたりして冷やします。

野に咲く「たんぽぽ」も花から根まで全て食用になり、「清熱」「解毒」「利尿」「健胃」作用により私達の健康を支えてくれます。ワンちゃんの散歩道になっていないところに咲く「たんぽぽ」で、是非、お試しください。

病院選び

医者だからいえる「行ってはいけない病院」・・・現役の医師が書いた本です。

良い医師の条件は、「病状や手術方法を十分に説明できること」「セカンドオピニョンを求めた際に、適当な病院を紹介してくれること」だと記されています。

最近「インフォームドコンセント」「セカンドオピニョン」と盛んに言われているにも関わらず、説明を渋ったり、質問をしにくい雰囲気を醸し出していたり、セカンドオピニョンの話をすると機嫌が悪くなったり・・・といった医師がまだ多くいるのには驚かされます。

子宮筋腫と卵巣嚢腫を持っていたYさん。不妊治療では有名なある病院を訪れましたが、セカンドオピニョンの選択に難色を示され、紹介状をなかなか書いてもらえなかったようです。そこの病院では、Yさんの望む手術は行っていなかったので、Yさんにしてみれば経過観察も他の病院で行いたかった、というのにも関わらず「経過観察の間であれば、ここで行えば良い」との理由によるものだったようです。次に行かれた病院はとても良い医師がおられ、良かったのですが、手術方法がYさんの望むものとは少し異なったために、また別の病院へ。

結局最終的にYさんが手術を行ったのは、3つ目の病院でした。

子宮筋腫を持っていたAさん。初めは総合病院にてMRIを撮り、そこで「これは難しい手術です。筋腫を取っても妊娠できる確率はかなり低いです。」と言われたために、手術は別の病院で行うことに決めました。次に訪れたのは知り合いが「良い腕の医師だ」といった病院。しかしその医師は我が強く、治療に関する質問をすると機嫌が悪くなるような医師でした。「本当にこの医師が腕が良いのか?」と疑問に感じ、別の病院へ。

その病院で知り合いが進めてくれた病院ではAさんの望む方法で手術を行ってくれる設備はない、ということを知らされました。それなら初めから伝えてくれたらよいのに・・・。

結局Aさんが手術を行ったのは多くの症例があり、さらに設備のある4つ目の病院でした。

病院を転々とすることは、精神的にも金額的にもかなりの負担がかかるものです。しかし、自分に合った、自分の望む医師と病院の設備に出会うためには最低でも3箇所を巡った方が良いような気がします。同じような症状を持つ仲間からたくさんの情報をもらって病院を訪ねたとしても、最低3箇所は巡った方が良いです。

そうすれば、自分で納得して治療を受けることができ、良い方向へと進めるような気がします。

切迫流産

最近、妊婦さんで「切迫流産」と診断される人が多いようです。

妊娠22週までに赤ちゃんが母体から外に出てしまうことを流産といいますが、出血や下腹部痛のような症状がありながら、流産にはなっていない状態のことを「切迫流産」といいます。

一般的には胎児が正常に発育しているにもかかわらず出血があるケースを指すことが多く、適切な治療により正常の妊娠経過に戻ることができるようです。投薬治療としては、「止血剤」「子宮収縮抑制剤」「HCG」「黄体ホルモン剤」になります。漢方薬では「衛益顆粒」「帰脾錠」を服用することが多いです。

この「切迫流産」になってしまう妊婦さんが多く、治療方法は「安静にすること」であるために、仕事を突然休職しないといけなくなったり、家事が何もできなくなってしまいます。最近の夫婦は共働きが多く、妊娠してもいつものように仕事を続けて無理をしてしまうから「切迫流産」が多くなっているのでしょうか。

「安静にすること」ができれば問題がないので良いのですが、このような状態になるまでに何とか無理をしないように、冷えないように、気をつけて欲しいものです。

昨年夏から漢方の周期療法をしている33歳Mさん。

「排卵障害」があるとのことでしたので、「排卵期」に「冠元顆粒」「爽月宝」などをしっかり使用し、それに加え、「卵胞期」に質の良い卵ができるように工夫を重ねていました。

そして、自然妊娠で今月に妊娠の報告を受け、順調に順調に時が経ち、やっと先日心拍が確認できた矢先のことです。

「出血したので病院に行ったら、『切迫流産』との診断を受けた」とのこと!

今のところ、心拍も確認できていますので、出血したのは赤ちゃんからのものではなく胎盤からのものですので大丈夫でしょう。安静にしていれば大丈夫なのですが、「安静以外に何かするべきことはないでしょうか」との質問をMさんから受けました。

もちろん、「保胎の漢方薬」はそのまま服用をつづけてもらい、その上で、無理をしないこと、お腹や足を冷やさないこと、に気をつけてもらうようにするとともに、もし余裕があれば、お腹に繋がっている「三陰交」と「至陰」の「お灸」をススメました。

これで無理をしなければ無事出産まで辿り着けるはずです。不安定なこの時期は、まだまだ長い道のりのように思えますが、安胎期に入ればトントンと進んで行くことでしょう。それまではゆっくり安静にしていてください。