残念な知らせ

漢方を服用して1年、やっと授かった小さな命。

あまりにも小さすぎて、弱すぎて・・・、10月10日は持ちそうにない、と小さな命が思ってしまったのか、流産しやすい6週目で明るい世界に出る前に、逝ってしまいました。

「持ちそうにない」なんて思わなくてもよかったのに。

でも一度流産すると、妊娠しやすくなりますので、初めて妊娠経験された時の流産はそれほど心配されなくても大丈夫です。

妊娠して10月10日までの間、何回か流産しやすい危険な時期というのがあります。その時期は、「冷えること」「落ちるようなものに乗ること(自転車やバイク、飛行機など)」「振動などのストレスをかけること(長時間のドライブ、過度の運動など)」などに、注意してください。

特にこの時期は、外気が暑いために室内や乗り物の中は冷房によりかなり冷えています。足元が冷えないように「素足にサンダル」といった格好は、避けてください。

せっかく授かった小さな命に「危険だ」と思われないように。

心と体

治療に関わるようになって、「心」と「体」は決して離して考えることはできない、とますます感じるようになりました。

特に女性は、「心」が乱れると「月経周期」という体のバランスが多く乱れます。無理をすると、月経が早まったり、遅くなったり、飛んでしまったりします。その「無理」は「心」の部分で無理をしてしまった時に、多く関わるようです。

本日鍼灸治療に来られた35歳のSさんもそれが原因で、ここのところ周期が遅くなっています。原因は職場を変わり、その職場環境があまりにも酷いことに耐えられず、4ヶ月我慢したけれどもちょうど4ヶ月前より月経周期が乱れてきた、と言われています。

これにはまずは、「心」の部分の調整と、「肝経(かんけい)」と「脾経(ひけい)」の経絡の調整を行います。後は、Sさんの「心」が「その職場でも大丈夫!」と思えるようになるか、「転職するか」に掛かってきます。

「心」と「体」は一体です。「体」の異変は「心の乱れ」が関わっているかもしれません。「体」の異変を感じたら、一度自分の「心」に訊ねてみてください。

年に数少ないタイミング

年に2、3回しか卵が出来ず、先日今年に入って初めて自力で排卵できたという記事を書いた35歳のMさん。

「いつ排卵したか不明で気がついたら高温期になっていた」というので、年に2、3回という数少ないタイミングを逃してしまったか、と懸念していたのですが、何とかタイミングを合わせることができていた様子。

それも今春より鍼灸治療に週1回のペースで来られていましたので、脈に「排卵前」というザワザワした脈が現れており、そのことをMさんに告げていたからでした。Mさんも半信半疑でしたが、「そう言われるなら!」といつもなら病院に行って、低温期の薬を注射してもらい、人工的に生理を起こさせるようにする頃でしたが、それを止めて、タイミングを取られました。

その結果、タイミングが合い、今日で妊娠6週目を迎えられました。

結婚6年目。新薬に寄る生理不順の治療を始めてから10年以上。漢方薬に寄る不妊治療を始めてから3年。鍼灸に寄る不妊治療を加えてから3周期目。

ようやく嬉しい結果がでました。長い道のりでした。もう少し早くに何かに気づいておられたら、こんなに長くは掛からなかったかも知れません。

授かった小さな命。まだまだ大きく育つには時間が掛かります。安定するまで、油断できません。まだしばらく漢方薬と鍼灸に寄る治療が続きます。

しっかり元気に育ち、来年3月に会えるように。

漢方薬の値段

漢方による不妊治療を1年間、続けて来られた35歳のBさん。

何とか早く子供が欲しいために、高くても続けようと無理をしてお薬を購入されていました。

「どれくらいお薬に費用が掛かるのか」はその方個人個人に寄って異なりますし、「その費用が負担になるか否か」の基準もその方個人個人に寄って異なります。

ただ、言えることは、「妊娠しやすい母体」へ近づくように、無理なく「体質改善」に至るまで治療を続けられることが大切です。続かない治療は、もしかしたらあと少しで「改善」に至ったかもしれない今までの「積み重ね」を放棄してしまうことになりかねません。

「続かないから止めよう」と決断される前に、費用の相談をしてください。「積み重ね」が無駄にならない様に費用を調整し、処方することが可能です。もちろん、初めから「予算」をお知らせいただければ、できるだけそれに合った体質改善のプランを立てます。

是非、「漢方薬は高いから」と敬遠せずに相談してください。

流産の後

妊娠13週目で稽留流産をされた26歳Tさん。

掻爬手術を受けられて、術後順調と言われたようですが、3回目の生理から出血量がかなり多く、血の塊が出て、基礎体温表も二相性にならず排卵もされていない様子で、流産後半年経った今もまだ妊娠しないので、心配されてのお問合せです。

漢方では、月経期の出血量の多さや塊は、「お血(おけつ)」として捉え、子宮内に古い血や汚れたものが溜まっているとみなし、十分な排泄をするように調節します。

掻爬の際、どうしても内膜を傷つけてしまうため、「お血」ができてしまうのは仕方がありません。従って、流産後の掻爬手術をされた後は、漢方ではまずは「お血」処理を行います。

しっかり「お血」の処理をしておかないと、内膜症を起こしたりする可能性も出てきます。

基礎体温表が二相性になっていないのは、卵の育ちが少し不十分であるためでしょう。漢方にて「お血」の処理をして、卵胞期を整え、しっかり卵が育つように体調を整えることをおススメします。

クロミッドとhcgの副作用

不妊暦3年。33歳Nさん。

無排卵のためにクロミッド1錠とhcgのホルモン剤にてタイミング療法の治療を続けておられ、その結果、最近、生理の量が減り、粘液も少なくなってきた様子。クロミッドの反応も悪くなってきたとのことで、hmgの注射も検討されています。

クロミッドの排卵誘発剤を使用すると、子宮内膜が薄くなり、頚管粘液がすくなるという副作用があります。それに加え、生理の量も減少してきます。

また、hmgのホルモン剤をされると、卵巣に対して過剰刺激になってしまいます。卵巣が腫れてきたり、酷くなると、腹水が溜まってきたりします。

現代医学では、無排卵にはホルモン治療が主体になり、その方個人の体質が無視されており、副作用が出てきます。

漢方では、その方の体質に合わせて、月経周期を整えることを第一に考え、お薬を決めていきます。神経質すぎたり、胃腸が虚弱であったり、冷え性がきつかったりと、その方の体調を整えつつ、月経のリズムを整えていくと、ホルモン治療を併用しても、漢方による治療をされる前にホルモン治療を受けられた時よりも良い反応を得ることができます。

是非、何度もホルモン治療をされても良い結果が得られない方は、漢方治療による改善をされてから、また治療を併用されてはいかがでしょうか。

心療内科の薬

29歳のAさんからの問合せ。

5年前から「無月経」。食べたくても食べられない、胃のむかつき、倦怠感。

よく伺ってみると、身長が159cmで39Kg。5年前より何らかの原因により心療内科にお世話になり、お薬を服用し続けておられます。

不安や緊張感を和らげる「抗不安作用」、「鎮静・催眠作用」、「抗痙攣作用」としてよく使用されるお薬に「デパス」があります。

不安感や緊張感が多くあり、気持ちが落ち着かない状態であれば、このお薬の力を借りた方が良いこともあります。

しかし、これを女性が服用し続けることにより、体質が「高プロラクチン血症」に傾いてしまうという事実があり、その結果、「不妊症」を招く結果となってしまいます。

もし、ご結婚前であったり、これから出産の予定がある方は、あまり長く「デパス」を服用することはおススメできません。できるだけお薬に頼らず、自力で立ち直れるように、もっと自然の力を借りるべきです。

このAさんの場合であれば、まずは、食生活の改善を重きにし、美味しく食べられるように胃の力をつけ、食を太くすることで後天の元気をつけるように方向付けをしました。

後天の元気が心の元気を導き出してくれるはずです。

「当帰」の名の由来

「当帰」は血を増し(補血作用)、血を巡らし(活血作用)、体を温める働きが優れているので、漢方にはなくてはならない生薬です。

「冷え性」を治す妙薬のひとつとしても知られています。

その「当帰」の名前の由来はいくつか説があり、

「不妊」で悩んでいたお嫁さんが、セリの根を煎じてせっせと飲んでいたところ、病弱な体も元気になり、子宝にも恵まれ、一時は実家に帰されていたのが当(まさ)に帰るべくして帰ったことから、この植物を「当帰」と呼ぶようになった、という説、

月経不順で「不妊症」のお嫁さんが当帰を用いると、気穴が生き生きし、月経も順調となり、生育もできるようになり、ちょうどそのあたりに夫が帰宅する(当に帰る)と妊娠する可能性が高いという話から、この植物を「当帰」と呼ぶようになった、という説、

など、少しずつ違えども、「当帰」の薬効が女性特有の生理と病理的変化に合致するために、婦人科の要薬として珍重され、「不妊症」を治すお薬には欠かせないことが名前からもわかります。

高温期17日目

漢方服用3周期目、鍼灸治療2周期目。

初めて高温期が13日続いた43歳Kさんは、その後、高温期が17日間続いていました。やはり、妊娠の脈継続中。お薬がなくなったので来店されたのですが、妊娠チェッカーにて確認することをおススメしました。Kさんは、早速帰宅後チェッカーにてチェックをされました。

その結果を次の日に電話にて報告を受けました。

結果は「陽性」!妊娠です!おめでとうございます!

妊娠された方には、安胎のために

* 当帰がたくさん入って補血をしてくれる「婦宝当帰膠」、

* 補気剤の「衛益顆粒」、

* 補腎剤の「双料参茸丸」

を服用していただいています。

これからしっかり10ヶ月間、元気な赤ちゃんをお腹の中で育てていただけるように私達もサポートしていきます。早く元気な赤ちゃんの顔を見たいですね。

水イボ

今月より幼稚園では、プールが始まっています。

プールなどで感染してしまうのが、「水イボ」。一度うつると、知らないうちに引っかいたりして、その汁が飛び、違うところにまた出来てしまいます。これを防ぐには、爪をよく切っておくことが重要です。

幼稚園では、他の園児に移さないように水イボが出来ている子供は、プールが始まるまでの時期に、皮膚科に行って、取ってくるように言われます。通常は、皮膚科に行くと、ピンセットで水イボをつまんで取られます。

ただ、この行為はピンセットで皮膚をつねられるのと同じですから、とても痛いものです。皮膚科に寄っては、絆創膏タイプの麻酔テープを治療の1時間前に、ピンセットでつまむ水イボに貼ってくるよう言われます。これですと、テープを貼った部分は麻酔が聞いているのでそのままするよりも痛くないですが、やはり痛い様子。

これが、その麻酔テープを貼ったところは、「お灸」だとそれほど熱く感じないようです。親玉の水イボにお灸をすると、汁が飛び散ったりして他に移ることもなく、完治します。麻酔テープがあれば、是非お試しください。

ただこれは漢方にて治すにはプールまで時間がない場合で、通常は、ヨクイニンなどで内から治していきます。