カウンセリング養成講座に参加しました・その2

カウンセリング養成講座より
<最近のART(高度生殖補助医療)の臨床成績について>
と題して、国際医療技術研究所 IMT College 理事長荒木重雄先生が講演されました。

それによりますと、
わが国での最初の体外受精(IVF)は1983年東北大学でありました。
1988年から凍結融解胚移植が初めて実施されました。
1993年には顕微授精(ICSI)が導入され今は急速な進歩を遂げています。

1)生産分娩数は
IVFでは1997年には4000例
     2003年には5000例
     2007年では5000例を下回っている。

ICSIでは1994年~上昇し2004年には5000例
    2007年では5000例を下回っています。

凍結融解胚移植では2007年には8000例を越えてきました。

この数字からは最近は凍結融解胚移植が多く実施され、生産分娩数は最近は延びず
頭打ちになっていることが分ります。

2)ARTの実施状況と治療成績は
  総治療周期数は161,980
  胚移植周期数は105.842
  妊娠数は29.156
  生産分娩数は17.644

上記の数字から意外と低い妊娠数、そして更に低い分娩数(10%)と厳しい数字です。
やっと妊娠しても分娩にいたるのが厳しいものになっていることが分ります。

3)年齢別に見たARTの治療結果
  20代の治療周期あたりの妊娠率は28%前後
  30代前半から緩やかな下降を示し
  30代後半からは急激に低下し
  41歳では10%未満になっています。

比較的高齢の女性がARTを望む場合は
40歳以降では生児出産率は10%を下回ります。。
43歳で生児出産率は極少数である。
と厳しい数字を挙げています。

そのほかにも、移植胚数に見た妊娠率、多胎妊娠率、新鮮分割胚移植、
新鮮胚盤胞移植の妊娠率、凍結融解胚移植の成績、年齢別にみた流産率
ARTに伴う年齢別先天異常率など詳しい報告がありました。

<そしてこれからの医療は、2年以内にはiPadに出てくる時代になるでしょう>と結ばれました。

2007年度の行われたARTの詳細な結果が初めて日本婦人科学会から出されました。
これでやっと、皆様に適切な情報が提供できるようになりました。