第12回ひよこママの会

■「気になること」、「聞きたいこと」の質問の回答

Q:成長・発達が順調なのか?不安になる。

A:一般的な成長曲線と同じカーブで成長していれば、時期的な早い遅いがあっても問題ない。著しくカーブからずれていれば小児科に相談に行く。

Q:子供との過ごし方、この月例でもっとやってあげたほうが良いことを知りたい。

A:小さい頃の「良い思い出」は、成長し大人になった後の「原風景」として残ります。そしてこの「原風景」こそが、何か問題が生じた際に、それを乗り越える力の「源」となります。よって、一緒に良い思い出を作れるように、人と人との交流を楽しむようにしましょう。2歳まではTVをつけっぱなしにしない。

Q:熱や風邪を引いたときの対応などを知りたい。

A:赤ちゃんの体温で、37.2~3℃(夏場では、37.5~6℃)はまだ平熱。また、1日に±1℃は日内変動する。たとえ39度あっても元気に遊んだり寝ていれば、体温を下げる必要は無い。ただし、ぐったりしたり母乳が飲めない場合は下げたほうが良い。発熱反応は、体の免疫系が活性化している証拠である。原則として、家庭内では「熱冷まし」は用いない。心配な場合は、小児科に来院し医者の指示を仰ぐ。

■「診察室からみた赤ちゃんの発達」と「ありふれた病気」

(1)1~2ヶ月の赤ちゃん・・・泣く・笑う・眠るのもマイペース

  自分の内なるリズムで生きています。お母さんの顔はしっかり見て、顔を覚えてる時期です。

(2)4ヶ月・・・人の顔を見つけたらにっこり笑顔、家族でも家族以外の人でも、あやしてもらうのが大好きな笑顔の時期。

(3)6ヶ月・・・人の顔を、じーっと見つめる

  家でいつも見る家族の顔と、初めてあう人の顔の違いが分かってくる時期です。

(4)8ヶ月・・・なんだか不安

  顔の違いが認識でき、人見知りが当たり前の時期です。

  *自閉症の子供は、人見知りをしないことが多いです。 

(5)1歳・・・人の仕草を観察し、真似したい

  何回も何回も同じことを繰り返す、また繰り返してほしい時期です。

  *もっと、もっと」が素晴らしい発達のためのエネルギーです。

(6)1歳半・・・駄々こねと、「いや!」が大好き

  自分で「選択」する時期です。少し待って、本人の選択を待ちましょう。

  *ダダこねしだすとOK!!

(7)2~3歳・・・新しい場所では、恥ずかしくてもじもじ

  人や場所に慣れるとやんちゃ

(8)4歳・・・我慢ができる

  発達段階での大きな節目の時期です。

■赤ちゃんの時期に大切なことは

1、笑う・声を出す・泣くなどすると、お母さんは答えてくれる

 ⇒生涯にわたって人への安心感が育つ

2、人と人との交流を楽しむ

 ⇒2歳までは、TVをつけっぱなしにしない!想像力が育ちません。

3、赤ちゃんや子供が一所懸命に考えてるときは、まわりの大人は待ってあげる。

⇒ 育児において「待つ」ことはとても大切、考える力を育ててあげて

心の発達を促し、想像力を育ててあげましょう。

■乳幼児の食生活

母乳か人工乳か?・・・人工乳の改良は進んでいる

初乳には、感染症の発症を抑える分泌型LgA抗体、白血球、ラクトフェリンなどが含まれます。しかし、最近の人工乳には感染防御因子も含まれてきています。感染症に関しては、大きな差はなくなりつつあります。

飲みすぎの傾向は「人工乳」のほうにあります。

「 to know your own child 」 (あなた自身の子供のことをよく知る) が基本!

 

■ありふれた病気

 『第11回ひよこママの会』の内容と同様ですので、参照ください

■「ワクチン接種」について

予防接種の種類は前回の説明にあったが、これに加えMRワクチンは、1回の接種で98%以上が抗体を獲得するが、ある時期から抗体価が低下する。そのために、小学校に上がる前か小学1年生の時期に2回目の接種を行う。

■育児を考える上で一緒に考えてほしいこと

 河合隼雄 著 「子どもと悪」 岩波書店 の中に掲載されている

 鹿島和夫・灰谷健次郎 「1年1組 せんせいあのね」 理論者 1981年より

う そ

ごうだ なおと

ぼくは学校やすみました

おかあさんにうそをついたからです

なんのうそかというといえません

おかあさんをなかしてしまいました

ぼくもなきました

おかあさんは

こんなおもいやりのない子とはおもわんかった

こんなくやしいおもいをしたのは

はじめてやといいました

ぼくはあほでまぬけで

ばかなことをしたとおもった

ぼくもかなしくてこころがいたい

それでもおかあさんは

なおちゃんのことがだれよりもすきやでと

だきしめてくれました

もうにどとしません

この詩で伝わる1つの考えは、「子どもは悪いことをするもの」という認識で、「いい子に育てよう」と意気込みすぎないこと。また、とった行為は否定しても、子どもを叱りっ放しにせずに、痛みを共感し愛情を伝えて、子ども自身は受け入れてやること。

☆☆「第11回ひよこママの会」からの伝言☆☆

育児では、待つことがとても重要です。それぞれの月例に応じて、子どもとふれあっていき、子どもが一生懸命考えているときは、待つことで考える力や選択力を育ててあげて、心の発達を促しましょう。