少子化社会
本日、衆議院選の公示がされました。日本の選挙が世界で注目されるのは、珍しいことですが、今回の選挙は世界で注目されているようです。
一番問われているのは「郵政民営化」ですが、その中でも「少子化社会」も争点にあげられています。
「なぜ少子化が進むのか」
その問題分析を徐々に行いつつあるらしいですが、その「分析」そして「対策」に大いに期待したいです。
いくつか挙げられている中でも、「子供ができない」のではなく「作らない」夫婦が多くなっていること、があります。この原因として、「子供を育てながら共働きがしにくい」「教育費の負担」「産婦人科の減少」などがあります。
また、「子供が出来ない人」への「不妊治療費」の補助がまだまだ十分ではない、ことも挙げられるでしょう。
これらの問題点をこの機会にしっかり把握し、もっと子供を持つことが負担にならない社会を作ってもらいたいですね。
選挙後の政治に、より「不妊治療が安価で受けられるように」、また「出産後の教育費なども負担にならないように」、「出産後も働きやすいように」・・・、などの期待をかけたいものです。
幸運をもたらす出来事
今の日本では「子供が出来なかったから養子をもらう」といったことは、あまりしませんが、他の国では「養子をもらう」ことはよくあることです。
「不妊治療で大変だ」という話をした人が、「なぜ養子をもらわないのか」と他国の人から言われた、という話を聞いたことがあります。
先日の新聞の記事に、こんなことが書かれていました。
あるモンゴル人の女性の話です。
彼女が23歳のときに妊娠中にも関わらず、ラクダに乗って寺参りをした帰り道、気分が悪くなり、双子を死産。それ以来、7年間妊娠しなかったので養子をもらいました。養子をもらってから5年目に娘が生まれ、続いて2人の息子に恵まれました。
わが家に迎え入れた子供が「幸運」を運んでくれたのです。「別の命」をこの世に運んでくれたのです。ですので、モンゴル人の彼女は養子の息子を一番大切にしているのだそうです。
養子でなくても、こういった「こうのとり」のような役目をしてくれる「キー」があるものです。その幸運の「キー」を是非見つけてください。
ノアルテンとルトラール
「ノアルテン」は、女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬です。いわゆる“ピル”と呼ばれる薬の仲間で、「中用量ピル」にあたります。
卵巣機能不全による不妊症の治療薬として、通常、月経周期5日目より約3週間連続服用し、次の周期に妊娠成立を期す目的で使用されます。
副作用で多いのは、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、予定外の出血などです。
「ルトラール」は、黄体ホルモンとして働く「黄体ホルモン薬」です。黄体ホルモンの不足による不妊症などに使用されます。
副作用は、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、頭痛などです。
5年前から4年間に渡り、無月経だった36歳のYさんは、上記のお薬を1年前から飲み始め、月経を起こす治療を病院で受けています。
結婚は2年前。
当初は、月経7日目でFSHが50、LHが25とかなり高めでしたので、その治療は有効ではあったのですが、今は正常値になっていて、しかもこの治療により卵巣が腫れてるにも関わらず、「月経が来ない」という恐怖から抜けきれずに、これら2つの薬を止めることができません。
今年の春より漢方薬も併せて治療に加えたい、とのことなのですが、今の治療のままでは副作用によりどんどん子宮内膜も薄くなっていて、もし受精したとしても受精卵が育つ柔らかなベッドがないために育たないでしょう。
Yさんには、しばらくホルモン剤を休み、質の良い卵とふかふかのベッドを作るために、漢方薬のみの治療にするように説得しているのですが、なかなか「月経が1月でも来ない」恐怖から逃れられずにおられます。
今、来ている「月経」は自分の力ではないこと、どんどん赤ちゃんが育たない子宮内膜になっていること、などなど。
これらのことの方が「月経が来ない」ことよりも重大であり、取り返しがつかないことにならないうちに自分の力を目覚めさせる「体質改善」をされた方が良い、ということをもっと認識してほしいです。
東洋医学から見た不妊症
東洋医学の古典では、妊娠経験のない人を「全不産」または「無子」といい、一度妊娠経験があるけれどもそれ以後妊娠しない人を「断緒」といいます。
その原因は、先天的な染色体異常などを除くと、「腎気不足」と「衝任脈の気血不足」がほとんどです。
もう少し詳しく原因を見てみると、以下の4タイプに分けられます。
☆腎虚による不妊:
先天的に虚弱で腎気が不足している。または不摂生により精血を消耗し、衝任脈が栄養されずに腎精を失ってしまった。
つまり、虚弱体質の人や、夜な夜な遊びまわっているなどの不摂生が長年続いた人は、腎精を失ったことで不妊になってしまったのです。
☆血虚による不妊:
体質が虚弱で陰血が不足していたり、脾胃が虚弱で気血を生化できない。または、過度の血や津液を消耗してしまった。
つまり、虚弱体質の人や、胃腸が丈夫でない人、過度のダイエットをしたことがある人は、血虚が体の中で起こっているために不妊になってしまったのです。
☆胞寒による不妊:
月経期間中は胞宮が開いていて、この時期に房事を行うと、気血を損傷して風寒を受けやすくなる。外寒、内寒により寒邪が胞宮を凝滞させてしまった。
つまり、月経中に子宮を痛めることをし過ぎた人、月経中にも関わらず過度の運動などをしてきた人、は気血を損傷してしまったために不妊症になってしまったのです。
☆痰お互結による不妊:
肥満体質の人、または油物や味の濃い食べ物を好む人は、痰湿が内生して気機の運行が悪くなりやすい。また、イライラしたり、憂鬱になったりすることが多くて肝気欝結となり、疏泄が失調すると気血不和になる。このような人は、痰湿と血おが交互に阻滞して、胞宮を閉塞してしまった。
つまり、太っている人、油物・味の濃い物を食べ続けた人、いつもイライラしている人、憂鬱になることが多い人は、痰湿と血おが体の中に生じ、それにより不妊症になってしまったのです。
ご自分のタイプはどれでしょうか?
東洋医学は、個人個人の原因を究明し、それに対して治療を行っていきます。個人の原因を取り除くように持って行くことで、体本来の機能を目覚めさせ、今まで乱れていたホルモンを自力で整えようとしていくのです。
妊娠しやすい体温表分析
今日は月1回行っている「不妊相談会」の日。
昼の1時から5時までの時間帯で25人が訪れます。当然のことながら予約時間はかなりずれ込み、いつも1時前から相談会を始めますが、終わる時間は6時過ぎ。それでも妊娠されて喜ばれる顔が見たい一心で、じっくりと相談を受けています。
何人か妊娠されていますので、今までの妊娠された人のデータも含め、今一度、基礎体温表を分析してみました。
全体として言える事は、
☆ 低温期が安定している
ということです。
「低温期が安定している」ということは、卵胞がしっかり育っている、つまり卵の育ちが良い、ということです。
卵の育ちが良ければ、排卵後、高温期もしっかりとした高温期になりますし、「流産すること」も「胎膿の中の育ちが悪いこと」もまずはありません。もちろん、排卵障害であればこれには当てはまりません。
高温期が安定することも、まず根底にあるのは「安定した低温期」なのです。
低温期が「波状型」であったり、「高めの体温」であったり、「短め」であったりする場合は、まずは、低温期安定の治療を目指してください。
高温期時の整体
不妊治療をされている33歳Kさんからの問合せです。
「高温期1週間目なのですが、ボキボキ鳴る整体や鍼は受けても良いのでしょうか?整体の先生は続けた方が良いと言われているので行きたいのですが、どうなのでしょうか?」
高温期は基本的にデリケートな時期です。排卵し、もし着床でもしかけているのであれば、そんな時期に骨(腎)を揺るがすようなボキボキ鳴るような整体やマッサージは避けた方が良いです。
また、鍼灸治療もやさしい鍼刺激や温灸などに留めた方が良いです。
ただ鍼灸治療に関しては、本人にとってそれが「強刺激」なのか、「やさしい刺激」なのか、判断できないかもしれません。
そう言った場合は、その鍼灸の先生が周期によって治療方法を変えられているか、によって判断してください。つまり治療する際に「基礎体温表」を確認されているか、否か、ということです。基礎体温表を確認されて、それにより治療をされているのであれば大丈夫でしょう。
特に妊娠しにくい体である(不妊治療をされている)Kさんのような場合は、より一層高温期の時期を大切にしてもらいたいものです。少しの刺激でも経絡のバランスを崩すものです。そうでなくでも不安定であるのに、その刺激により駄目になる可能性は大きいものです。
整体は受けるのであれば、卵胞期にしてください。鍼灸治療は確かな治療所をお探しください。
10月10日は長い道のり?
35歳のNさん。当店にて漢方を服用され始めたのは昨年の6月。その時点で結婚5年目。
結婚4年間は避妊をしていましたが、5年目より「子作りを!」という計画でしたが、なかなか恵まれず。せっかく妊娠した昨年の4月に7週目で流産をしてしまいました。
ショックからまだ立ち直れない流産後2ヵ月の昨年6月に、漢方薬の力を借りようと来店されました。
漢方薬を服用されてから半年後の11月末。妊娠検査薬にて陽性反応。
しかし、12月初めの検査にて、「胎嚢は確認できるが、中で出血している」との報告を受けました。
大変です!まずは、「きゅう帰膠艾湯」と「当帰芍薬散」をお勧めしました。
その後、12月半ばには中での出血は治まりましたが、かなりの「悪阻」と「お腹の張り感」に悩まされる毎日。
あまりにも食べられない毎日が続いているようですので、「衛益顆粒」などを服用してもらいました。
そのうち、悪阻は治まりましたが、年明けには風邪をひき、西洋薬は服用できないために漢方薬を服用し、また何とか難を逃れました。
安定してすっかり安心していた4月半ば、出血が起き、また漢方薬の止血剤を。
そして、8月初め、待望の元気な女の子を出産されました。臍の緒が体に巻き付いていたようで、かなりの難産でしたが、元気に産まれてきてくれて、ホッとしました。
いろんなことがあった10月10日でしたが、これからのことを考えると、こんな期間なんて短い道のりなのでしょうね。
順調に
6月に当店で妊娠チェックをされ、感動の瞬間を共に味わった32歳のNさん。
あれから3ヶ月が経ちましたが、順調にお腹の中の赤ちゃんは育っています。
しかし、今日までの3ヶ月間に、いろんなことがありました。
6月半ばの7週目の検診で、胎嚢が通常の半分ほどの大きさで、昼と夕方には出血する毎日。産科医にはこの出血は子宮口のポリープのもので、大丈夫と言われましたが、心配する気持ちに拍車をかけて、吐き気やムカムカ感に負われる日々が続きました。
6月末には血塊が下り、病院へ。
心音は聞こえているということでしたので、赤ちゃんには問題はなかったようですが、「田七人参」などをお勧めしました。
7月初め、8週目の検診で、小さい胎嚢の中で小さい赤ちゃんが育っている、との報告を受けました。今はすっかり出血も止まりました。
7月半ば、10週目の検診にて赤ちゃんは3cmに育っていました。出血もあれ以来なくなり、ひとまず安心。
そして、現在、順調に育っているとの報告を受けています。
でもまだまだ油断は禁物。安胎の漢方を飲みつつ、安静にしてゆっくり育てて行きましょう。
高温期の出血
高温期の出血には気をつけてください。
「出血」と言っても「鮮血」ではなく「少し茶色い血」の出血です。
高温期で「出血したから生理になったので月経期の薬をください」と言われる人がおられます。もちろん、月経が始まったのであればその薬で良いのですが、「茶色いもの」であれば、それは「着床出血」であるかも知れませんので、月経期のお薬を服用してもらっては大変です。
せっかく着床しかけているのに、それを「きれいに流してしまおう」とする月経期の薬を飲むわけですから、大変です!
お薬を飲まれる際にはその「出血」がどの様なものなのか、しっかり把握してからお飲みください。
今まで流産を3回繰り返されて、今月うっすらと陽性反応が出られたAさんは、高温期後半に少し出血したために確認せずに、月経期のお薬の「冠元顆粒」と「爽月宝」を服用されていました。
そのためだけではありませんが、今まだ高温期は続いているものの胎嚢はあるけれども中身がまだしっかりと見えず心音も聞こえない状態です。残念ながらそのまま育たないかも知れません。
もともと「不育症」でいらっしゃるAさんは、特に着床してからが問題で、充分に気をつけてもらいたいのです。こういった人はしっかりご自身の体調をチェックし、せっかくの着床を無駄にしないように心掛けてください。