無月経

25歳Oさん。初潮は17歳の時。始まったときから1ヶ月前後で月経が来たことがなく、何ヶ月かに1回来る程度で、20歳を過ぎてからは全く来なくなってしまいました。

最初は「楽だなぁ」と月経が来ない月日を楽しんでいました。しかしそのまま2年間来なかったので、さすがに心配になり、婦人科を受診。その結果、お薬で月経を起こしました。その時、もともと胃が強くないOさんにとって、ホルモン剤のお薬は、吐き気を伴うなどとても辛く、嫌な思いをしたのです。

その時に1回、薬で月経を起こしてから3年が経ちました。自然のまま月経が来ることを望んでいたのですが、結局3年間月経を見ることはなく、時は過ぎてしまいました。

25歳になった夏、人生の大きな選択とそのとき抱えていた大きな仕事が重なり、身体に過度のストレスがかかりました。その結果、起こったことは、思いも寄らない「痛み」でした。それは下腹部から下にかけての陰部の痛みだったのです。

場所が場所だけになかなか親にも告げることができず、婦人科にも行く勇気もなく、しばらく様子を伺っていました。しかし痛みは一向に良くならず、酷くなるばかり。意を決して親に告げ、婦人科を受診。ところが原因不明ということで、痛み止めと軟膏が処方されましたが、1ヶ月経っても良くならず、困り果てて漢方を求めて来られました。

まずはOさんの無月経というホルモンバランスが崩れている状態をまずは改善することを考えます。次に1ヶ月以上も続く痛みにより、緊張してしまった身体と気持ちをほぐすことも考えなければなりません。

婦人科でも次にドオルトンやテルロンの薬により、月経を起こす治療を始めるようですので、共に「婦宝当帰膠」「爽月宝」などを併せていくことにしました。

また緊張した身体と気持ちをほぐすため、また月経と関係のある経絡の「任脈」を調整するために、鍼灸治療も併せて行っていきました。

治療を始めてまだ2週間ほどですが、以前は常に痛かったのが、時に忘れることがあるようになってきました。もうすぐ月経が来る予定です。月経が来て、ホルモンバランスがもう少し整えば、痛みは軽減することでしょう。

月経はまだ若い女性にとっては大切なものです。Oさんの場合は、たまたま過度のストレスにより、ホルモンバランスが崩れていることが、下腹部付近の「痛み」として現れたのですが、何らかの形で症状が現れてくるものです。

月経が来ないまま何年も経過するのは良くありません。楽だと思わずに、恥ずかしがらずに、邪魔くさがらずに、婦人科を受診してください。もし婦人科に行くのに抵抗があるのであれば、漢方薬から始めてみてください。きっと良い方向に向かうはずです。

心の病

子供は成長していく過程で、様々な病気に罹ります。

生後4週間までの新生児期では「先天性の疾患」など、1歳までの乳児期では「下痢」「発熱」「湿疹」「嘔吐」など、6歳までの乳児期では「はしか」「水疱瘡」「腹痛」「自閉症」「多動性障害」など、12歳までの「学童期」には「感染症」「外傷」「事故」「多動性障害」「不登校」など、15歳までの思春期には「神経性疾患」「不登校」などのようです。

しかし最近の傾向としては、「心の病気」「肥満」が増えてきていると言われています。

感染症などは情報が多く提供されるこの現代では、予防することへの意識の高まりにより、それが広がることを防ぐことができるようになってきていますし、感染しても初期発見により、命を失うようなことは数少なくなりました。

ここ最近では、ノロウィルスへの感染が広がり問題になっていますが、感染源であるカキを生で食べない、手洗い、うがいをしっかりする、ことにより予防は可能です。またこれから流行るインフルエンザにも手洗い、うがいは欠かせません。この時期、当店でもすすめ、需要のあるうがい薬に「板藍茶」があります。是非「板藍茶」にて、元気に冬を過ごせるようにしてください。

さて一方で、どんどん増える子供の「心の病」。

少子化が進み、親の子供1人にかける時間が多くなっているはずなのに、なぜ「心の病」が増え続けるのでしょう。反対に1人にかける時間やお金が多くなっているがために、子供に知らず知らずのうちにプレッシャーを与えてしまっているのかもしれません。

また兄弟が居ないことにより、集団生活での自分のあり方がわからなくなってしまうのかもしれません。

しかし心に病を持ち始めたときは、必ず子供に何らかの変化が現れているはずです。「なかなか起きられない」「ぐずる」「呼吸がおかしい」「うとうとすることが多い」など、そのサインである変化を素早く察知し、対処してあげることができるのは親です。

小さなサインも見逃さず、しっかり受け止めてあげてください。心に空いた大きな穴に一度はまり込んでしまったら、なかなか抜け出せなくなってしまいます。大きな穴を覗き込んでいるときに、救い出してあげてください。

親の温かい眼差しと大きな手が必要です。それでも足りない分は、漢方薬でも助けが可能です。是非ご相談ください。

顎ラインのにきび

37歳Sさん。20歳過ぎ頃には、頬やTゾーンにプツプツできていたニキビ。その頃はちょうどお化粧を始めた時期でもあり、若い肌には化粧が合わなかったのか、プツプツできるニキビに悩まされていました。

しかしそれも25歳を過ぎる頃には、食事会などで夜遅く食事をしたり深酒をした後に、プツッとできる程度になりました。それでも気をつけていないとプツッとできるニキビに時に悩まされ、全くニキビの痕すらない人の肌を羨ましく見つめていたようです。

しかしここ1ヶ月ほど前より、顎ラインにブツブツたくさんのニキビが出始めました。今までのものとはタイプが異なり、ブツブツとたくさんでき、なかなか治らず、消えることなく次のものが出始める有様。生き生きしている部分はとても痛く、白く膿を持つものもたくさん出来ているのです。

いつもなら1週間ほどで治まるのが、1ヶ月経っても生き生きしたままのため、周期療法をしているついでにニキビ対策の相談を受けました。

ちょうどニキビが出始めた1ヶ月ほど前より、職場でストレスを感じることがあること、そして周期25日目にもなるのに低温期のままで、婦人科の先生にも「今周期はまだ卵胞が見えていませんね」と言われたこと、FSHがかなり高い数値を示していること、などから過度のストレスによりホルモンバランスが崩れてしまっていることが見て取れました。

そしてそれが原因でニキビが出てきたのです。

特に顎ラインのニキビは、ホルモンのバランスをとても反映しています。その部分に何かトラブルがある場合は、月経周期は一定でもホルモンバランスは崩れ、それを現す基礎体温表がきれいなニ相性にはなっていないことが多いものです。

Sさんの場合も今周期は、二相性にならず、このまま無排卵のまま月経が来ることになるかもしれません。そうならないために、「婦宝当帰膠」「瀉火補腎丸」などにて補気補血をしながら、卵胞期の体温が少し高めになっているのをまずは下げ、良い卵胞を作るために「陰」を強めるお薬を調整することで、間接的にニキビの症状を治すことにしました。

しっかり卵胞が育ち、排卵がスムーズに行けば、停滞していた「気血」の流れが良くなり、肌の調子も良くなります。

顎ラインになかなか治らないニキビを見つけたら、危険信号です!早めにその信号を察知し、対処してください。

言わなくても

「今周期は何か大きなストレスがあったのですね。」

34歳Yさんの基礎体温表は、ここ最近では見られなかった大きな波状型をしていました。まるで2年前のように・・・。

辛い出来事をまた思い起こして話をすると、またYさんの心は乱れてしまいます。話を聞かなくても心が乱れてしまうようなことがあったというのは、基礎体温のグラフをみれば明らかなのです。

「何もなかった・・・って言っても、バレバレですね。」とYさん。

2年前、身も心もボロボロになって、鍼灸治療に来られたYさん。その頃は、心から来る病が体を蝕み、体のあちこちが痛み、痺れ、掌や足裏は火照るのに手足は冷たく、心も身体もアンバランスの状態になっていました。不妊のためのホルモン治療、内膜症の腹腔鏡検査による傷跡、そして神経障害・・・。

様々な事柄にYさんの心身は疲れ果て、同レベルのショックな出来事があると、すぐにその時期のアンバランスな身体に陥ってしまいます。

今回は身近な人の家庭問題。直接自分には関係ないのだけれども、心の優しいYさんはすぐに同調してしまい、心配しすぎてアンバランスに。

せっかくガタガタだった基礎体温表がここ最近落ち着き、とてもきれいな高温期を保てるようにまで落ち着いてきたのですが、今回は仕方ないですね、また次から整えていくことにしました。

今回来店された時は、とてもくらい顔をされていましたが、帰るときには明るく笑っていつものYさんに戻っていたのでひとまず安心です。きっと次周期はきれいな体温に戻ることでしょう。

基礎体温表は、いろんなことを映し出します。ホルモンのアンバランスだけでなく、ストレス、気持ちのアンバランス、寝不足などなど。

赤ちゃんを望んでいなくても女性であれば、基礎体温をつけることをおすすめします。自分では気づかなかった「内に潜む何か」を見つけることができるかもしれません。口に出さなくてもその「何か」は体温に現れます。

もしそれが強すぎて、自分の力で対処できないくらい身体のバランスを崩してしまっているのであれば、是非漢方や鍼灸の力を借りてください。きっと心の支えになってくれることでしょう。

感染する中耳炎

保育所などで感染が広がってしまう「急性中耳炎」。2歳以下の子供がよく罹るものです。

以前は治るのも早かったこの病気ですが、最近は抗生物質が効きにくい難治性のものが増えてきているようです。これは容易に新しい抗生物質を使ったためのようです。またその罹患率が増加している背景には、働く女性が増え、保育所に子供を預ける機会が増えたこともあるのかもしれません。

乳児は生まれてしばらくの母親の免疫力がまだある時期であれば良いのですが、それがなくなる頃に、保育所での集団生活をし感染していくのでしょう。

重症に陥らないためには早くに乳児の症状を察知することが大切です。乳児は症状を伝える術がありません。母親が代わってしっかり観察する必要があります。

「熱がなかなか下がらない」「鼻がぐずぐずしている」「よく耳を触る」などがあれば、中耳炎かもしれません。早めに小児科に行くことで、軽症で抗生物質も使わずに完治するかもしれません。放っておいて、重症そして慢性にならないように気をつけてあげたいものです。

抗生物質を投与せずに経過を見ている最中、また抗生物質を投与している最中でも漢方薬の併用は可能です。お子様の体の大きさ、熱がどれだけあるか、耳はどれだけ痛むか、などによって使うお薬と量が異なります。

もしお子様のそのような症状でお悩みの人は、まずは小児科へ行き、そして漢方を併用してください。

また感染していないけれども感染予防をご希望であれば、より漢方をおすすめします。強い子で、トラブルなしで成長していってくれるように応援します。

妊娠中の出血

妊娠中に出血すると、危険事態です!妊娠初期、後期を問わず、出血したら早めに産科を受診してください。

問題なければ漢方の「田七人参」「衛益顆粒」などをお勧めしますが、時として重篤な疾患である場合がありますので、注意が必要です。

妊娠初期の出血は、着床出血や不要な内膜が剥がれ落ちた出血や流産の可能性など、割合としては高いものですが、妊娠後期の出血は今まで順調だったところに突然「出血」と「下腹部痛」が起こり、そう頻繁に起こるものではありませんので、注意が必要です。

妊娠後期の出血の原因として多いものは、「子宮頚管ポリープ」、「腟炎」などですが、重篤なものとしては、「早産」、「前置胎盤」、「常位胎盤早期剥離」などの疾患がありますので、早くに診てもらう必要があります。

早産は37週未満で分娩が始まることですが、その後の新生児のケアは新生児集中治療室(NICU)にて行われることになります。

通常は2,500g未満を低出生体重児と言いますが、その出生体重が300gを超えた場合は、NICUにて蘇生を行いケアしていく必要があります。300gと言えば、小さすぎる大きさです。その手の大きさは10円玉ほど。それでも命があるのです。母親にとってはかけがえのない命なのです。

晩婚・晩産化で35歳を過ぎて出産する女性、また不妊治療による多胎出産が多くなっているために、超未熟児での出産、疾病をかかえての命、など多くのリスクが付きまとってきます。しかし以前なら救えなかったその命も、NICUの進歩により助かる割合が9割になったと言われています。

いろんなリスクを乗り越えてこの世に産まれようとしている命。その命を無駄にしないように、妊娠中のあらゆる変化には耳を傾けて、問題なくこの世に出てこられるようにしてあげてください。

進むべき道

36歳Oさん。ヒューナー検査で抗精子抗体の免疫性不妊と診断され、可愛い我が子に会うためには、進むべき道は「人工授精」か「体外受精」しかありませんでした。

結婚してすぐに我が子に会いたかったOさんは、10回の人工授精、そして2回の体外受精後、やっと巡り会うことができました。

そして2年後、「2人目を」と今度は初めから体外受精を行いました。しかし3回トライしても1人目のようには行きませんでした。

もともとLH値が高く、多嚢胞性卵巣だったOさんは、その治療としてのフェルティノーム排卵誘発剤、そして内膜症もあったためにスプレキュアを使用しての治療にて、Oさんの卵巣は疲れ果てていたに違いありません。

その結果として、採れる卵はグレードの低いものばかり。卵巣は少し腫れかけていました。いわゆる卵巣過激刺激症候群(OHSS)です。

困り果てたOさんは、何とかこの状態を改善し、2人目の笑顔に会いたいと漢方を併用しての治療の道を選ばれました。漢方のみでは抗精子抗体があるために妊娠する可能性が極めて低いために、体外受精を進めていく上で、漢方にてその副作用を抑えつつ、質の良い卵が育つような体質改善を希望されたのです。

その分野は漢方薬は得意とするところで、今までにも多くの人が漢方を併用することで妊娠に成功されています。

まずOさんは「活血作用」のある「水快宝」や「冠元顆粒」を主に使用し、さらに「シベリア霊芝錠」「参茸補血丸」「帰脾錠」「衛益顆粒」などを組み合わせることで、次の体外受精に向けての調整を行っていきました。

1周期の漢方による調整後、Oさんの希望により、体外受精を行いました。しかし1周期の調整ではやはり早かったのでしょう、良い結果には繋がらず、また次の機会を伺うことにしました。

今までのOさんの薬による治療歴からして、次のトライは最低でも半年、漢方による調整を行ってからの方が良い結果が生まれます。Oさんにも半年の調整を約束してもらい、半年かけて活血剤と「シベリア霊芝錠」を使って体の調整と卵の質の向上を目指していきました。

そして待ちに待った半年を迎えるこの冬に、体外受精を行いました。

結果、陽性反応!

さらに心拍確認!

もう安心です。小さな鼓動はやがて大きくしっかりとしたものになることでしょう。

もっと早くに漢方に出会っていれば、こんなにも何回も体に負担をかけることなくこの鼓動を聞くことができたことでしょう。焦ってしまって何回ものチャンスを無駄にするよりも、然るべき「進むべき道」を間違ず進んでいくことができるように、私達はこれからも手を差し伸べていくつもりです。

39歳で思うこと

39歳Aさん。今まで何の問題もなく進んできた人生。

32歳で結婚。仕事も責任あるポストを任されるようになってきたために、面白く遣り甲斐があり、仕事も家庭も充実した生活、しばらく子供は作らずに夫婦2人で楽しく過ごしていた毎日。

35歳になったとき、「そろそろ子供を」と考えたけど、ちょうど新プロジェクトの立ち上げで、途中で抜けるわけにもいかず、また2年間先送りに。

37歳になったとき、「今年中になんとか!」と計画したけれども思うように行かず、38歳で初めての婦人科検診に。そして粘膜下筋腫を発見。子宮内に突出しているもののために、それが確実に着床を妨げ、妊娠しない原因であることが判明。

子供のない人生も考えたけれども、やはりやれることはやってみよう、と手術を決意。あまり仕事に支障のないように腹腔鏡下手術を行い、4ヵ月後からまたタイミングにて挑戦。

しかし半年経っても良い結果にならず、仕事のストレスと、そのストレスとに挟まれ、はたと立ち止まったら39歳を迎えていました。

これからどういう道を進んでいけば良いのだろうか。

病院での本格的な不妊治療を始めるのか、体質改善の漢方薬を始めるのか、それとも子供のいない人生を送るのか・・・。

薬や病院の嫌いなAさんは、「あくまでも自然で行きたい」「自然でできなければそれはそれまで、子供のいない人生を送ろう」と漢方の道を選ばれました。

ただ何が原因で「妊娠しやすい母体」にならないのか、それは知る必要があります。ですので、病院でFSH、PRLなどのホルモン値を血液検査にて確認してもらい、定期的に卵胞のチェック、排卵のタイミングを診てもらいながら漢方の調整をしていくように計画中です。

その数値により、もし、プロラクチン値が高いのであれば、プロラクチンを下げるようにするもの、卵胞が育たないのであれば、卵が育つようにするもの、排卵がなかなか行われないのであれば、排卵をスムーズにするもの、高温期が継続しないのであれば、高温を維持するようなもの・・・など、それに見合った漢方薬を調整していきます。

今のAさんの子宮にはもう何も問題はなく、卵管も正常で、癒着などもないために、ホルモンバランスが少し乱れているためになかなかたどり着けないのだと思われます。

少し漢方薬で調整してあげれば、きっと今まで通りの問題ない人生を送ることができるに違いありません。39歳だからといって、まだ諦めることはありません。今まで通りこれからも有意義な人生を送るためにも、「今しか出来ないこと」を求め、進んで行ってください。

今、与えられた人生は、一度しかないのですから。

黄体機能不全

33歳Oさん。5年前に子宮内膜症、チョコレート嚢腫が判明、腹腔鏡下手術を行い、その後無事に一人目を出産されました。

そして2人目を・・・と挑戦し、やっと5年後の今年の春に授かりました。しかしその喜びも束の間、2ヵ月持たずに流産する結果となってしまったのです。

Oさんは、ホルモン剤などの治療をする前に、少し時間がかかっても、まずは自分の体を整えることを考えよう、と漢方薬による体質改善を次の進む道に選びました。

その時点でのOさんの基礎体温表は、高温期が波状型をしていて、「黄体機能不全」であることが見て取れました。何とか高温期を安定させ、持続させることができれば、またの望みもそう遠くないと思われました。

もともと子宮内膜症があったことにより「お血体質」の可能性があることから、「水快宝」と「冠元顆粒」を重きにして調整しました。

そして、1周期が経過しました。

基礎体温表は、今まで波状型だった高温期がとても安定し、その長さもしっかり14日間あるようになったのです。早い改善です!このことからOさんには、常に多少活血する必要があることがわかります。

Oさんにはもう1周期、同じ活血剤を中心とした漢方薬で体の調整を行います。

この調子で行けば、きっと嬉しい便りも近いことでしょう。

更にもっと早くに目標に近づくためにも、Oさんには漢方薬を服用するとともに、血の流れが悪くならないように生活スタイルに気をつけてもらうことも大切です。

これからの時期、寒くなってきますので、「冷えること」「運動不足になること」「甘いものの食べすぎ」などには気をつけて、常に「血液サラサラ」を心がけて生活していくことをおすすめします。

低用量ピル

日本で「低用量ピル」が認可されたのは1999年のこと。欧米では多くの人が使用するのに対して、日本ではまだまだ安全性に対する疑問などからその使用を躊躇する人が多くいます。

そこで今年2月に日本産婦人科学会が、ピルのガイドラインを改訂しました。今まで「避妊目的」のための効用しかなかったものが、生理痛の改善、子宮内膜症・子宮筋腫の予防などの効用も記されました。

低用量ピルを服用中は、卵巣が休眠状態となるために、子宮内膜が薄くなるのです。治療中は妊娠できないために、治療しながら妊娠を望んでいる人には向かない治療方法ですが、子宮内膜が厚くなることで酷くなる症状の改善には効果的です。

低用量ピルにより、月経をコントロールできるわけですが、だからといって「旅行に行くので月経を遅らせたい」という目的で使用するなどは、あまり賛成できません。せっかく正常である月経を無理やり薬で遅らせてしまうのですから、やはり体に負担をかけてしまいます。

安全な使用方法をしっかり把握し、閉経前の女性ホルモン減少によるプレ更年期障害を軽減するためや、骨粗鬆症、子宮体がん防止などにうまく使用することをおすすめします。

漢方では、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫などに対しては、活血剤・破血剤を使用して改善を計りながら、調整していきます。妊娠を希望している場合でも、それらの漢方薬は使用することができ、それらを使用することで、妊娠率も高まります。

また更年期予防のためには、「当帰」「川きゅう」がたくさん入った「婦宝当帰膠」がおすすめです。これを日頃から服用していれば、ピルのお世話にならないでもよくなるかもしれません。

様々なことに対応できる漢方薬。もしピルを使用するのに躊躇したら、是非ご相談ください。