環境ホルモンの影響

「環境ホルモン」つまり「内分泌撹乱物質」は、知らず知らずのうちに私達の体に悪影響を及ぼすものです。

「知らず知らず」というのが一番恐ろしく、気がついたときにはそれにより体が侵されていて、何らかの障害として現れている、といったことになりかねないものです。

今、世の中は様々な「内分泌撹乱物質」に溢れています。代表的なものとしては「ダイオキシン」がそれに当たります。女性ホルモンである「エストロゲン」に似た作用や拮抗する作用と示すと言われています。

最近若い女性に多い「子宮内膜症」。これは、子宮内膜と呼ばれる組織が子宮内膣以外の部位に発生し増殖する病気です。

子宮内膜は、「エストロゲン」の作用で増殖するものですが、

『今の世の中で撹乱している「内分泌撹乱物質」による影響で、子宮内膜症が増えているのではないか?!』

いう見方もあるようですが、これほど化学や医学が発達したこの世の中でも「知らず知らず」の現象に対してはまだまだ確信には至らずにあるのです。

しかし、確信に至らずとも、明らかに可能性の大きい「危険」に対しては、避けられるものであれば避けていきたいものです。

子宮筋腫の新治療法

最近「子宮内膜症」や「子宮筋腫がある」と言われる女性が多くなってきているように思われます。これは、晩婚社会、晩産社会の現れでしょうか?それとも食生活でしょうか?

「子宮筋腫」とは、良性の腫瘍が子宮壁の内側、壁の中もしくは外側にできて、特に内側にできた場合は、月経過多などの症状が出て、時に過度の貧血に陥ったりし、生活に支障を来たします。

今までは、このように出来た腫瘍は、手術にて摘出するのが一般的でした。どんな小さな手術にしても「体を切る」ということは、体に負担がかかります。

そこで最近は、薬により腫瘍に栄養が行かないようにし、腫瘍を縮小させたり、腫瘍に超音波を当てて治療をする方法が取られ、体に負担の少ないようにする新治療法が行われてきています。

薬による治療法が「子宮動脈塞栓術(UAE)」といい、超音波による治療法が「MRガイド下集束超音波手術(FUS)」といいます。

それらの治療法は、体への負担が少なく治療時間も短いために、時間のない人にはかなり助かる治療法であると言えます。

ただ、今のところ、保険が適用されないために、それぞれ何十万もの治療費が掛かってしまいます。また、この治療法が「妊娠を希望する人の体」にどの様な影響があるのかも今のところわかっていません。

まだまだ課題の残る「新治療法」ですが、体を切らずに治す方法は画期的です。「体を切る」ことで、「体に負担がかかる」というだけでなく、東洋医学でいう「経絡(けいらく)」を寸断してしまうことになります。切った部分は、見かけ上はくっつきますが、経絡は寸断されたままになってしまいます。つまりその経絡の「流れ」が悪くなってしまうわけです。

なるべく切らないでいけるものであれば、大切な経絡は切らないでいてほしいです。「流れ」を寸断すると、今まで通りにはいかなくなってしまいます。

10年間の子宮内膜症治療を経て

38歳、結婚暦15年Kさん。結婚後5年間妊娠しなかったために、婦人科を受診したところ、「子宮内膜症」と診断されました。

それから半年間、生理を止める治療を行い、その後生理不順を整えるためにクロミッドとhMG-hCGによる不妊治療を受け(排卵はしていたのですが)、人工授精も何度も行ったけれども嬉しい結果には繋がりませんでした。

気が付くと、月日は10年間も経っていました。

10年経ったある日、婦人科の医師より「卵胞の中に卵が見えないので、人工授精ができません」と告げられたのです。

あまりにも長く続けてホルモン治療をした結果です。一般に、ホルモン剤による治療を続けていると体が慣れてしまい、だんだんホルモンに対しての反応が悪くなってきます。

そうなった場合当店では、しばらく3ヶ月程度、ホルモン治療を休み、漢方により体の調子を整え、体からホルモン剤をなくすようにすることをオススメしています。もしご本人がホルモン治療を続けたい、とお思いであれば、3ヶ月程度休んだ後にまたホルモン治療をされることを勧めています。

Kさんは「卵がない」と言われるまで、漢方薬には出会っていませんでした。

途方にくれたKさんが、漢方薬店に足を運んでから約1年後、嬉しい便りを聞くことができました。

漢方薬での治療は、初めの4ヶ月は「生理痛が酷いこと」、「冷え性がきついこと」、「内膜症であること」より、Kさんに処方したお薬は、「血の巡りを改善すること」に焦点を当てた活血剤でした。それにより生理痛が改善したことで、5ヵ月後より本格的に周期療法によるお薬を処方しました。

この様に、根本に存在する「生理痛」や「冷え」などの体質を改善することで、結果として「妊娠しやすい母体つくり」に繋がっていくのです。どうしてもホルモン治療が「近道」だと思いがちで、それを「休むこと」や「完全に漢方薬に切り替えること」に抵抗を持たれる方が多いですが、返って「遠回り」であったということが多いのです。

「遠回りだ」と思われがちな漢方薬の「近道」を是非歩んでほしいです。

「痛み」の原因

10年間「頭痛」が続いているという30歳のSさん。併せて「生理痛」が酷く、「冷え性」がきついことの相談で来店されました。

「子宮内膜症」「卵巣嚢腫」「子宮筋腫」をお持ちですので、Sさんは「お血(おけつ)」症状が強いと捉えられます。

まずは、その「お血」を取り除くようにし、血流がよくなれば「お血」に伴う「痛み」や「冷え性」が和らいできます。「内膜症」や「嚢腫」「筋腫」などに関しては「完全に治る」とは言いがたいですが、それらの原因は「お血」があることに寄りますので、「お血」がなくなっていくにつれ、それらも改善することが期待されます。

Sさんにお勧めしたものは、「婦宝当帰膠」、「冠元顆粒」、「爽月宝」、「CPL」です。

Sさんは上記の漢方薬を3ヶ月服用され、「生理痛が」以前のような酷いものではなくなってきました。同時に「頭痛」も徐々に緩和してきています。

病院では、ホルモン治療をすすめられたようですが、Sさん自身もその治療に不安で疑問を持っているために、今はその治療をせずに漢方薬による更なる改善を期待されています。

「痛み」と一言で言っても、人それぞれに寄って「どの様な痛み」なのかは異なります。キリキリ痛むものには「お血」が関連していることが多いものです。「お血」の処理をすると、緩和されることが多くあります。是非自分に合った「痛み」の解消方法を見つけてください。

「にきび」との関係

28歳のTさんは4年ほど前から「にきび」が増えてきて、月経が不順になってきました。

思春期には全く「にきび」で悩まされることはなかったのですが、思春期と言われる時期を過ぎてから顔全体に「にきび」が出始めました。その頃より少し毛深くなったようです。

このような症状は、多嚢胞性卵巣症候群で良く見られるものです。

「多毛」や「にきび」は美容の面でも問題となりますが、何らかの疾患の兆候であることに注目しないとなりません。男性ホルモンが優位になるためにそれらの症状が出てきますので、男性ホルモンを生み出す卵巣や副腎の機能に異常が見られる可能性が大きいのです。

若年性の「月経異常」、思春期を過ぎてからの「多毛」や「にきび」は、少し気をつけてください。命に関わるような深刻な疾患ではありませんが、将来に糖尿病や子宮体癌を患う可能性が高いと言われていますし、「妊娠」にターゲットを当てると、やはり妊娠しにくい体質ということになってしまいます。

こういった症状をお持ちの方は、西洋医学的な治療、もしくは漢方による治療など早めの治療をおススメします。