今までとは違うIVFのステップ

今日、38歳のWさんは、体外受精(IVF)の最後のステップである「胚移植」をされています。私達も何だかドキドキした1日を過ごしました。

その「胚移植」のステップに行くまでには、いくつかのステップがあります。

まずは、「排卵のコントロール」。月経前、点鼻薬「スプレキュア」により排卵をコントロールし、次に「排卵の誘発」。月経後、排卵誘発剤(HMG)を注射し、月経開始後約2週間程経過したら、超音波検査などにより卵巣内の卵子の成熟度を確認します。卵子が十分に成熟していると確認してからHCG(妊娠時に分泌されるホルモンのヒト絨毛性ゴナドトロピン)を注射します。

次に「採卵」。卵巣に針を刺し、できるだけ多くの卵子が採取され、次に「受精」。試験管の中で行われます。

そしていよいよ「胚移植」。受精した卵のうち最良のものを子宮内に戻します。妊娠したかどうかは、2~3週間後にわかります。

Wさんは、今までにも何度も体外受精を行おうとしてきましたが、「採卵」の段階で卵子が採れず断念したことが何度かあり、「採卵」できたとしても、受精後の分割が全く起こらず、「胚移植」まで至りませんでした。

それが、今回、質の良い卵子がいくつか「採卵」でき、そして「分割」も確認できたのです!

Wさんは今日、今までには進むことのできなかった次のステップに進むことができた日なのです。

そして次の感動のステップまで、あと2~3週間!

その間も漢方が強い味方となり、Wさんを支えてくれることでしょう。

パキシルの副作用

「抗鬱剤」として使用される「パキシル」。「パニック障害」にも使用されます。

「パキシル」は一般的に知られている副作用としては、「吐き気」「食欲不振」「下痢」などがありますので、そのような症状がある場合は、消化機能異常治療薬である「ナウゼリン」を一緒に服用するように指導されます。

「パキシル」により、「鬱」や「パニック障害」の症状による「突然の動悸」や「緊張性の頭痛」「眠りが浅い」などの症状が治まるのですが、長い期間の服用にはお気をつけください。

43歳Hさんの旦那様。

1年程前に仕事のストレスにより動悸や頭痛に悩まされ、会社の診療所より「パキシル」と「ナウゼリン」を処方され、服用されていました。

動悸や頭痛の症状は軽減したものの、思えばその時期を境にして、「射精障害」が出始めたと言われます。それまではどちらかと言うと早い方だったのに、奥様が不妊治療中である上に、その新たな症状はまた精神的にも辛いものとなりました。

今は「パキシル」を服用していないにも関わらず、その症状に悩まされておられますので、漢方薬としては「冠元顆粒」と「イーパオ」を服用するようにおススメしています。

病院では「そのような副作用はない」と言われますが、服用される期間に応じてその症状を伴うことが多いです。

できれば、西洋薬に頼らずに「生活改善」や「漢方薬」などの自然の力により、ご自身の回復力を引き出してほしいものです。

コーヒーがダイエットに良い?

昨日放送された「あるある発掘大辞典」は、「コーヒーで痩せる!」というテーマでした。

コーヒーに含まれる成分が「褐色脂肪を燃焼させ、痩せやすくする」というものでした。さらにただ単に飲むのでは駄目で「飲み方」も重要なポイントである、ということでした。

そしてその飲み方とは・・・!

 ☆ブラックコーヒー(もしくはカフェオレ)で

 ☆ホットで

 ☆1日に4~5杯飲む

というものでした。その4~5杯のコーヒーは、3度の食後と3時のおやつ時、お風呂に入る前(もしくは運動する前)ということでした。

確かに食後にコーヒーを飲むと脂肪を流してくれ、消化を助けますので良いでしょう。「運動する前に、ブラックコーヒーを飲むと脂肪燃焼が良くなる」といったことは、以前ブームになりましたね。

ただコーヒーの「苦味」や「カフェイン」は、一時的には体を温めますが、結果的には「体を冷やす」ように働き、「冷え性」の方には良くありません。もちろん「妊娠中の方」や「妊娠を望む方」にも良くありません。

そういった方は、1日1杯程度ならともかく、1日に4~5杯などとは論外です。

確かに誤った情報ではありませんし、原理としてはダイエットに良いのでしょう。

しかし番組内でも「こんな方には注意が必要」ということで、「妊娠中の方」「胃腸の弱い方」「貧血の方」など注意書きが出ていたように、タイトルだけで飛びつかないように気をつけてください。せっかくの「恵まれるもの」も恵まれなくなってしまうかもしれません。

体調崩した2年間

34歳Tさん。何に対しても一所懸命になってしまうタイプ。

2年半前にかなりの期待をかけられて、責任ある仕事を任されました。Tさんは張り切って、自分のことは犠牲にしても朝から晩まで寝ている間も仕事のことばかり考えて、仕事に没頭していました。

結果としてTさんの任されたプロジェクトは1年で軌道に乗り、売り上げも確実に上がってきていました。

ところが気がつくとTさん自身は、生理が飛ぶ月があったり、生理が月2回来ることもあるような体になっていました。今となってはその仕事はTさんにとって、「生きがい」のようになってしまっているために、その仕事があるとがんばってしまう、しかしがんばりすぎると体調がどんどん崩れていく・・・という筋書きができあがってしまっていました。

仕事が軌道に乗った33歳くらいから「子供」のことを考え始めたのですが、こんな状態で恵まれるはずもなく時は過ぎていきました。

「仕事が軌道になったからそのうち体調も良くなるだろう」と思っていたのが、「がんばりすぎてしまう」筋書きから抜け出せず、基礎体温も波状型で全体的に高めになってきました。

「全体的に高め」というのは、つまり「陰虚」がどんどん進んでいるという証拠です。

心身ともに「先天の気」を使いすぎたために「陰虚」が進んでしまったのです。

「2年間」という年月は、体調を崩すには十分すぎました。

Tさんは崩した体調を取りもどすために、半年前よりそのプロジェクトから外れました。そして2ヶ月前より「瀉火補腎丸」と「杞菊地黄丸」の漢方薬を服用されています。

「2年間」かけて崩した体調は、同じだけの時間をかけないと取り戻せません。しかし、漢方薬や鍼灸治療により、その取り戻す時間は短くすることは可能でしょう。きっと2年もかからずに良い結果が得られることでしょう。

冠元顆粒の作用

現代人には『「冷え性」で困っている』と言われる方が多くいらっしゃいます。

原因は人により様々ですが、

 ☆夏に暖かい「陽気」を養うはずの時期に「クーラーの効き過ぎた室内で過ごす時間が半日以上ある」

 ☆適度な運動を毎日行っていない(つまりは運動不足)

 ☆季節に外れた食べ物を採る

 ☆バランスの良い食事が出来ていない

などが主な原因でしょう。

そのような人は、特に「抹消の血流」が悪く、滞っているために「冷え性」という症状が出ていることが多くあります。この場合には、「婦宝当帰膠」と「冠元顆粒」をセットでお勧めします。

これらの組み合わせはとても相性が良く、相乗効果で「冷え性」を改善してくれます。生理不順で生理が来ないような人にもこの処方は使われます。

ただこれらを紹介したときに、「婦宝当帰膠」の商品の説明は「貧血・冷え症 / 生理不順」となっているので良いのですが、「冠元顆粒」に関しては「高血圧・動悸・息切れ」となっているために、

「私は高血圧でもないのに、こんな薬は必要なのでしょうか」

といったことをよく聞かれます。

ある商品の説明に関して、様々な症状に対しての万能の記述をすることはできません。従って「冠元顆粒」のように「冷え性」には全く関係ない症状が記述されているものは多くあります。「冠元顆粒」はその他の症状として、「月経期」や「排卵期」にも使用されますが、ますます関係ないお薬のように思えるでしょう。

このように症状の記述とご自分の症状を比べられると、首を傾げたくなるものは多くあることでしょう。決して間違った処方をしているわけでもなく、記述が間違っているわけでもありません。疑問を感じられたら、どうぞお尋ねください。

にきびと脾経のお灸

33歳Yさん。青春時代に「にきび」で悩まされることがなかったのに、25歳を過ぎたくらいから顔全体に出る「にきび」に悩まされるようになりました。

出産後に体質が変わり、そのようになることがありますが、Yさんの場合は結婚前からのようですので、何らかのことがYさんの体質を変えてしまったことが原因のようです。(出産後に体質が変わった結果、出てきた症状は原因がわかりやすいですので、是非早めにご相談ください。)

ではその「何らかのこと」とは一体何だったのでしょうか?

Yさんには見覚えがないようですのではっきりとは言い難いのですが、東洋医学的に言えば、「脾経」の「運化作用」が衰えた結果、血の流れが悪くなり、悪いものが溜まりやすい体質になってしまったと考えられます。

また、五行の表に当てはめると、母である「脾経」が衰えると、その子である「肺経」も弱ってしまい、その「肺経」の症状の現れるところの「皮膚」に「にきび」という症状が出たのでしょう。

Yさんの「脾経」はペコペコして力がありません。Yさんの場合は、「にきび」をまず根本から治すには、「脾経」を強めることが大切です。ただ皮膚表面の「にきび」の部分は、「熱」を持っているので熱を冷まさないとなりません。

従って、Yさんに行った治療は2点です。

 ☆「黄柏」「黄連」などの入った煎じ薬を服用してもらうこと

 ☆「脾経」の「三陰交」に毎日お灸をしてもらうこと

以上の2点を行ってもらい2ヶ月目。

「脾経」に力が出てくると同時に、顔のお肌の赤みもなくなり、酷かったほっぺたの真ん中以外は「にきび」のない白い肌が見え始めてきました。

以前のようなツルツルのお肌を取り戻せる日は近いです!もう少し続けて行きましょう!

海外居住の思わぬストレス

アメリカ在住の35歳Yさん。4歳になるお子様を出産された時は日本に在住されていましたが、その後ご主人のアメリカ赴任のため家族でアメリカに居住することとなりました。

アメリカに居住され、上のお子様が2歳になったのをきっかけに2人目を計画されましたが、なかなか恵まれず約2年が経ちました。

病院に行くのも抵抗があり、迷っていた矢先に当店のサイトを見つけられ、お問合せをいただきました。

そんなYさんの基礎体温は、低温期が高めで長め、波状型で安定せず、高温期は少し短めです。このことより、「多嚢胞性卵巣の疑い」「排卵がスムーズに行っていない」「黄体機能不全」ということがわかります。

ただ、Yさんの場合だと、病院に行って検査をされても検査自体には悪い結果は出ないほどの乱れです。

後は、東洋医学的な見立てでYさんは、「冷え」「むくみ」「だるい」「血色が悪い」「舌に歯痕がある」「便秘」「寝つきが悪い」「生理痛が酷い」などの症状より、「気血不足」「腎陽虚」「お血」と捉えられます。

Yさんには、 婦宝当帰膠、 血府逐お丸、杞菊地黄丸 などを使っていただきました。

ただYさんの場合は、アメリカに居住されたことがストレスとなり、それがかなり体調に影響されていると思われます。本人は気が付かなくても「環境が変わる」ということだけでも体にはかなりのストレスとなります。ましてや言葉の通じにくい外国となると尚更です。

そのような本人が気付かないストレスが原因で、毎晩TVを見ているリラックスした状態であるにも関わらず心臓鼓動が激しくなり、冷や汗が出る「パニック様症状」が出て困っているという日本に5年間在住していたオーストラリアの方がおられました。

そのような症状が出てしまった方には、感応丸気などを服用したりします。

「気付かないストレス」にも気をつけてください。体は必ずそのストレスに反応して信号を発しているはずです。それに気付いてゆったりと過ごせるようにしてください。

いろいろなことが心配で

昨年春にご結婚された30歳のAさん。秋くらいから子供のことを考えたのですが、すぐに出来ると思ったのになかなか妊娠しないので、悶々とされていました。

病院での検査はかなりの抵抗があり、行くのをためらい、半年たった今年の5月より

「ホルモンバランス調整には豆乳が良い」

とどこかに書かれていたのをきっかけに、豆乳を飲み始めましたが、今まで28日周期だったものが31日と遅れ気味になり、生理前よりお腹の張りが出るようになってしまいました。

ますます心配事が増え、どうしたら良いのかわからないという「悶々」を解消すべく、7月末にネットの「相談票」へのご記入により当店に相談をされました。

「相談票」と「基礎体温表」より、Aさんは「冷え性」、「卵胞期がやや長め(16日目くらいに排卵)」「排卵がスムーズにいっていない」ということがわかりました。

「豆乳」による影響は、「大豆イソフラボン」が多少悪さをしたのかもしれませんし、「豆乳」の「冷たさ」がAさんの「冷え性」を増強していたためかもしれません。ただ、影響が出るほど食により摂取することの方が難しいと思われますので、ここ最近の2周期が、31日周期になってしまったのは、偶然でしょう。

Aさんの基礎体温表は、ホルモン調整の力はあり、少し補充をするように漢方薬で調整をすれば良くなるような型でした。

ただAさんのご予算が合わなかったので、初めは「婦宝当帰膠」と「冠元顆粒」で1ヶ月試していただくことになりました。

婦宝当帰膠」を初めて飲まれた次の日の朝、

「まだ低温期のはずなのに今朝は高温期の体温になった!」

とのメールが入りました。「婦宝当帰膠」を8ml服用しただけで「即排卵」ということは考えられませんので、そのまま様子を見ていただく事に。その後、その日だけが高温になっただけで、次の日から低温に戻っていたとの報告を受けました。

そこで次の周期は、低温期に「杞菊地黄丸」、高温期に「至宝三鞭丸」を追加しました。(予算が多くなってしまいましたが。)

すると、この周期はきれいな低温期になり、排卵もしっかりしていて高温期も安定するようになりました。このことから「卵の育ちが良かった」と言えます。

徐々に「いろいろな心配事」も「体質」も改善されている様子が手に取れるように見えるのが、Aさんご本人も私達にとっても大きな喜びとなっています。このまま続けていけば、「体質の改善」も「喜び」も早く得られることでしょう。

イソフラボンの力

イソフラボン」が最近健康によい成分として注目を集めています。

日本人には馴染みのある「豆腐」、「味噌」、「納豆」、「油揚げ」、「五目豆」などのいわゆる「大豆を使った食品」に多く「イソフラボン」は含まれています。

「イソフラボン」の化学構造が、女性ホルモンの「エストロゲン」に似ていることから、『「エストロゲン」の不足や過剰を調整する作用がある』、と考えられています。

ホルモン治療を長く続けていた人が、ホルモン治療を止めた途端に、生理が来なくなり、そのまま「更年期」に突入された、という話は良くあります。また、「生理がそろそろなくなるかな」という時期を迎えようとされている人は、「のぼせる」「だるい」などなどの症状が出てきます。

そんな時は、「イソフラボン」の力を借りると良いでしょう。52歳のTさんは、「イソフラボン」を服用されて、「足のだるさがなくなった」とおっしゃっていました。

ただ、「イソフラボン」にはエストロゲンの作用として、「働きを邪魔すること」と「働きを強めること」の2つの面があるため、「良い」と思って摂取していたことが、反対の作用になっていることもあるかも知れません。

くれぐれも錠剤になったものは、摂取量には気をつけてください。食品から摂取する分には、過剰摂取は考えにくいですが、錠剤のものは過剰摂取になる可能性があります。「イソフラボン」はなるべく食品から摂るように、日本人に馴染みの大豆料理をしっかり食べて、いつまでも元気を保ってほしいものです。

ノアルテンとルトラール

「ノアルテン」は、女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬です。いわゆる“ピル”と呼ばれる薬の仲間で、「中用量ピル」にあたります。

卵巣機能不全による不妊症の治療薬として、通常、月経周期5日目より約3週間連続服用し、次の周期に妊娠成立を期す目的で使用されます。

副作用で多いのは、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、予定外の出血などです。

「ルトラール」は、黄体ホルモンとして働く「黄体ホルモン薬」です。黄体ホルモンの不足による不妊症などに使用されます。

副作用は、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、頭痛などです。

5年前から4年間に渡り、無月経だった36歳のYさんは、上記のお薬を1年前から飲み始め、月経を起こす治療を病院で受けています。

結婚は2年前。

当初は、月経7日目でFSHが50、LHが25とかなり高めでしたので、その治療は有効ではあったのですが、今は正常値になっていて、しかもこの治療により卵巣が腫れてるにも関わらず、「月経が来ない」という恐怖から抜けきれずに、これら2つの薬を止めることができません。

今年の春より漢方薬も併せて治療に加えたい、とのことなのですが、今の治療のままでは副作用によりどんどん子宮内膜も薄くなっていて、もし受精したとしても受精卵が育つ柔らかなベッドがないために育たないでしょう。

Yさんには、しばらくホルモン剤を休み、質の良い卵とふかふかのベッドを作るために、漢方薬のみの治療にするように説得しているのですが、なかなか「月経が1月でも来ない」恐怖から逃れられずにおられます。

今、来ている「月経」は自分の力ではないこと、どんどん赤ちゃんが育たない子宮内膜になっていること、などなど。

これらのことの方が「月経が来ない」ことよりも重大であり、取り返しがつかないことにならないうちに自分の力を目覚めさせる「体質改善」をされた方が良い、ということをもっと認識してほしいです。