遠く離れていても

遠く離れたアメリカやイギリスなどの国からも、HPの検索により当店に出会い、相談を受けています。

何年も海外にお住まいでも体のことを相談する医師は、日本人でないと不安だと言われます。日本人特有の体質や特徴は、やはり日本人でないとわからない部分がたくさんあるのです。病院に行くのも抵抗がある、と言われる方も多くおられます。

そんな中、「漢方薬を買いたい。どんなものが自分に合っているのか相談したい。」と思っても近くの中国人の経営する漢方薬店に行くのも抵抗を感じ、ネットで当店に相談をしてこられるのです。

国内でも海外でも遠く離れていても、詳しく相談票に体質や検査数値などを記入し、基礎体温表をFAXやメールで送ってもらうことで、よりその方に合った漢方薬を処方できるようにしています。

アメリカからこのような形で漢方薬の治療を始められたCさん35歳。今回で3周期目になります。1周期目は、高温期が安定し、2周期目は低温期も安定しだし、生理も今まで量が少なかったのが、きれいな血で量もしっかりあったとのことでした。3周期目はもっと高温期を安定させるために高温期のお薬を少し変更しました。

遠く離れていても、毎周期毎にしっかり基礎体温表をチェックし、その周期がどうなったか、オリモノがどうなったか、生理痛がどうだったか、などの経過報告をしてもらい、総合した情報より、次周期のお薬の処方を決めています。都度、必要であればお薬を変更し、今の状態に合ったお薬を出しています。

安心して遠くからでもお問い合わせください。きっと力になれることと思います。

10年間の子宮内膜症治療を経て

38歳、結婚暦15年Kさん。結婚後5年間妊娠しなかったために、婦人科を受診したところ、「子宮内膜症」と診断されました。

それから半年間、生理を止める治療を行い、その後生理不順を整えるためにクロミッドとhMG-hCGによる不妊治療を受け(排卵はしていたのですが)、人工授精も何度も行ったけれども嬉しい結果には繋がりませんでした。

気が付くと、月日は10年間も経っていました。

10年経ったある日、婦人科の医師より「卵胞の中に卵が見えないので、人工授精ができません」と告げられたのです。

あまりにも長く続けてホルモン治療をした結果です。一般に、ホルモン剤による治療を続けていると体が慣れてしまい、だんだんホルモンに対しての反応が悪くなってきます。

そうなった場合当店では、しばらく3ヶ月程度、ホルモン治療を休み、漢方により体の調子を整え、体からホルモン剤をなくすようにすることをオススメしています。もしご本人がホルモン治療を続けたい、とお思いであれば、3ヶ月程度休んだ後にまたホルモン治療をされることを勧めています。

Kさんは「卵がない」と言われるまで、漢方薬には出会っていませんでした。

途方にくれたKさんが、漢方薬店に足を運んでから約1年後、嬉しい便りを聞くことができました。

漢方薬での治療は、初めの4ヶ月は「生理痛が酷いこと」、「冷え性がきついこと」、「内膜症であること」より、Kさんに処方したお薬は、「血の巡りを改善すること」に焦点を当てた活血剤でした。それにより生理痛が改善したことで、5ヵ月後より本格的に周期療法によるお薬を処方しました。

この様に、根本に存在する「生理痛」や「冷え」などの体質を改善することで、結果として「妊娠しやすい母体つくり」に繋がっていくのです。どうしてもホルモン治療が「近道」だと思いがちで、それを「休むこと」や「完全に漢方薬に切り替えること」に抵抗を持たれる方が多いですが、返って「遠回り」であったということが多いのです。

「遠回りだ」と思われがちな漢方薬の「近道」を是非歩んでほしいです。

離乳食のレストラン

大阪は心斎橋筋に、リニューアルオープンした「そごう」。

その9階に赤ちゃんにもママ達にも嬉しいレストランがあります。

その名は「モグモグきっちん」。

乳幼児対象の離乳食を中心としたメニューが並ぶレストランなのです。

もちろん、ママも楽しめるように、授乳中でも安全な「ノンカフェインのたんぽぽコーヒー」や不足しがちなビタミンが含まれた「葉酸クッキー」などもあり、赤ちゃんと一緒に楽しく過ごせるようになっています。

赤ちゃんの離乳食も、アレルギーに配慮して原材料が全て書かれているのも安心です。また、野菜も有機野菜を使用するなどの配慮も嬉しいことです。

離乳食はこれから大きくなっていくための大切な食事です。また、今後好き嫌いなく食べられるようにしてあげるのはママの役目です。

もし、「あまり食べてくれない」「アレルギーがあるから大変」といったことがあれば、ちょっと「モグモグきっちん」を覗いてみてください。楽しく食べてくれる秘訣を見つけることができるかもしれません。

母乳と馬乳

母乳が乳児の免疫力を高めたり、成長する上で必要なものであることは、良く知られていることです。

さて、「馬乳」という「馬のお乳」は、もちろん馬の子供にとっては必要なものですが、人間にとってはどうなのでしょうか?

マルコポーロの旅行記には「馬乳酒」が遊牧民の夏の食糧として記されています。「馬乳酒」は、医学的にも効用が確認されていますが、「馬乳」はまだ確認されていないとのこと。「馬乳酒」は、アルコール度数は2%程度で、「ビタミンCを多く含むこと」で知られています。

以前「夏の養生法」ということで、「馬の肉を食べること」をメルマガにて書きました。

http://kanpou.cocolog-nifty.com/kanpou/2005/08/index.html

「馬の肉」は体を冷やす作用が強いですので、体が涼しくなるのですが、「馬乳酒」が「遊牧民の夏の食糧」として扱われていることから考えると、「馬は夏に良いもの」ということになるかもしれません。

馬乳は、牛乳よりも乳糖が多く含まれていて、その割合は「母乳」に近いそうです。

『夏に食欲がなくて困っていた遊牧民が、「馬乳」を飲んだら10日で元気になった』らしいですので、夏に火照った体を冷やしつつ、バテた体に不足しがちなビタミンCや乳糖を補って、体を元気にしてくれるに違いありません。

日本の街中に住んでいる人には、「馬の肉」にはありつけても、なかなか「馬の乳」まではありつけません。

これらの馬の効用を応用して、夏ばてには「馬の肉」を食べつつ「乳糖」のたっぷり入った乳製品や「ビタミンC」をたっぷり含んだフルーツを取れば、良いでしょう。体を冷やさなくても良い季節であれば「馬の肉」を省けば良いでしょう。

そんなことを考えなくても赤ちゃんは、栄養たっぷりの「母乳」を飲んでいるので、「夏ばて」や「疲れ」などは知らないはずですね。

子育て支援を強化

東京「新宿区」が全国で初めて、児童手当支給対象を「小学4年生から中学3年生まで」と子育て支援を強化すると発表しました。区独自の制度で、来年4月から実施されます。

国の制度としては、児童手当は小学3年生までが対象です。千代田区が「小学6年生まで」としていますが、新宿区の「中学3年生まで」は今回初めて。

ただし、金額や受給資格などの条件は、国の制度と同じもので、第2子までは1人当り月5,000円、第3子以降は月1万円、所得が年収780万円未満が対象です。

もう少しこれらの国の条件が変われば、市町村の制度も当然のことながら変わり、子育ての負担が軽減されることでしょう。

先日の衆議院選挙は自民党が圧勝した結果となりましたが、是非改革により国の財源を増やし、結果として、その予算が「子育て支援」へと回ってくれることを願いたいものです。

化学物質過敏症

その症状が起き始めたのは、Yさんが当時高校2年生の時でした。

Yさんが通っていた高校は、仏教系だったために行事の度に、線香の香りが構内に立ち込めていました。

もともと「匂い」に敏感なYさんは、線香の匂いが大好きでどちらかというと、のめり込んでいたような状態でした。学校でも線香を焚き、家でも線香を焚く・・・というくらいに。

ところが、校舎の老朽化により改築作業が始まった時期からその状態が一変したのです。

きっかけは「塗装の臭い」でした。

塗装のあの刺激臭が敏感なYさんの嗅覚を攻撃し、その結果、Yさんの嗅覚は「化学的な臭い」の全てに異常反応を起こすようになりました。

「化学的な臭い」とは、自然界で作られたものでないものの臭いで、シャンプー、香水、デオドラントスプレー、ヘアースプレー、トニック、煙草など様々なものです。自然界から作られたものでもきついものは駄目になりました。大好きだった「線香」の香りまでも。

症状としては、「臭い」を感じたその瞬間から集中力がなくなり、頭がボーッとしてくると同時に頭痛が起き、起きていられない状態になるために、授業中なら保健室へ、帰宅後なら布団の中へ、といったことが起きるのです。

その頃より、生理が遅れ始め、周期が1ヵ月半や2ヶ月になっていきました。

化学物質過敏症の治療に病院に通われて薬を服用されていますが、なかなか改善されないことと受験を控えていることもあり、何とか東洋医学の力を借りたい、と相談に来られました。Yさんが高校3年生の秋のことでした。

ただ、口にするもののアレルギーも持っているYさんは、漢方薬も口にすることができないために、鍼治療をすることになりました。「灸の匂い」も駄目なために、鍼のみの治療を行いました。

それから1年後の今年の秋、Yさんは、予備校生。今では「臭い」には過敏ではあるものの、寝込むほどになることはなくなりました。

生理周期も29日前後に改善されました。ただ、まだ「臭い」を感じると気持が不安定になるために、基礎体温が不安定になった時は乱れてしまいます。

もう少し「大丈夫だ」という気持ちが強くなって来ると、体温も良くなることでしょう。

「痛み」の原因

10年間「頭痛」が続いているという30歳のSさん。併せて「生理痛」が酷く、「冷え性」がきついことの相談で来店されました。

「子宮内膜症」「卵巣嚢腫」「子宮筋腫」をお持ちですので、Sさんは「お血(おけつ)」症状が強いと捉えられます。

まずは、その「お血」を取り除くようにし、血流がよくなれば「お血」に伴う「痛み」や「冷え性」が和らいできます。「内膜症」や「嚢腫」「筋腫」などに関しては「完全に治る」とは言いがたいですが、それらの原因は「お血」があることに寄りますので、「お血」がなくなっていくにつれ、それらも改善することが期待されます。

Sさんにお勧めしたものは、「婦宝当帰膠」、「冠元顆粒」、「爽月宝」、「CPL」です。

Sさんは上記の漢方薬を3ヶ月服用され、「生理痛が」以前のような酷いものではなくなってきました。同時に「頭痛」も徐々に緩和してきています。

病院では、ホルモン治療をすすめられたようですが、Sさん自身もその治療に不安で疑問を持っているために、今はその治療をせずに漢方薬による更なる改善を期待されています。

「痛み」と一言で言っても、人それぞれに寄って「どの様な痛み」なのかは異なります。キリキリ痛むものには「お血」が関連していることが多いものです。「お血」の処理をすると、緩和されることが多くあります。是非自分に合った「痛み」の解消方法を見つけてください。

いろいろなことが心配で

昨年春にご結婚された30歳のAさん。秋くらいから子供のことを考えたのですが、すぐに出来ると思ったのになかなか妊娠しないので、悶々とされていました。

病院での検査はかなりの抵抗があり、行くのをためらい、半年たった今年の5月より

「ホルモンバランス調整には豆乳が良い」

とどこかに書かれていたのをきっかけに、豆乳を飲み始めましたが、今まで28日周期だったものが31日と遅れ気味になり、生理前よりお腹の張りが出るようになってしまいました。

ますます心配事が増え、どうしたら良いのかわからないという「悶々」を解消すべく、7月末にネットの「相談票」へのご記入により当店に相談をされました。

「相談票」と「基礎体温表」より、Aさんは「冷え性」、「卵胞期がやや長め(16日目くらいに排卵)」「排卵がスムーズにいっていない」ということがわかりました。

「豆乳」による影響は、「大豆イソフラボン」が多少悪さをしたのかもしれませんし、「豆乳」の「冷たさ」がAさんの「冷え性」を増強していたためかもしれません。ただ、影響が出るほど食により摂取することの方が難しいと思われますので、ここ最近の2周期が、31日周期になってしまったのは、偶然でしょう。

Aさんの基礎体温表は、ホルモン調整の力はあり、少し補充をするように漢方薬で調整をすれば良くなるような型でした。

ただAさんのご予算が合わなかったので、初めは「婦宝当帰膠」と「冠元顆粒」で1ヶ月試していただくことになりました。

婦宝当帰膠」を初めて飲まれた次の日の朝、

「まだ低温期のはずなのに今朝は高温期の体温になった!」

とのメールが入りました。「婦宝当帰膠」を8ml服用しただけで「即排卵」ということは考えられませんので、そのまま様子を見ていただく事に。その後、その日だけが高温になっただけで、次の日から低温に戻っていたとの報告を受けました。

そこで次の周期は、低温期に「杞菊地黄丸」、高温期に「至宝三鞭丸」を追加しました。(予算が多くなってしまいましたが。)

すると、この周期はきれいな低温期になり、排卵もしっかりしていて高温期も安定するようになりました。このことから「卵の育ちが良かった」と言えます。

徐々に「いろいろな心配事」も「体質」も改善されている様子が手に取れるように見えるのが、Aさんご本人も私達にとっても大きな喜びとなっています。このまま続けていけば、「体質の改善」も「喜び」も早く得られることでしょう。

イソフラボンの力

イソフラボン」が最近健康によい成分として注目を集めています。

日本人には馴染みのある「豆腐」、「味噌」、「納豆」、「油揚げ」、「五目豆」などのいわゆる「大豆を使った食品」に多く「イソフラボン」は含まれています。

「イソフラボン」の化学構造が、女性ホルモンの「エストロゲン」に似ていることから、『「エストロゲン」の不足や過剰を調整する作用がある』、と考えられています。

ホルモン治療を長く続けていた人が、ホルモン治療を止めた途端に、生理が来なくなり、そのまま「更年期」に突入された、という話は良くあります。また、「生理がそろそろなくなるかな」という時期を迎えようとされている人は、「のぼせる」「だるい」などなどの症状が出てきます。

そんな時は、「イソフラボン」の力を借りると良いでしょう。52歳のTさんは、「イソフラボン」を服用されて、「足のだるさがなくなった」とおっしゃっていました。

ただ、「イソフラボン」にはエストロゲンの作用として、「働きを邪魔すること」と「働きを強めること」の2つの面があるため、「良い」と思って摂取していたことが、反対の作用になっていることもあるかも知れません。

くれぐれも錠剤になったものは、摂取量には気をつけてください。食品から摂取する分には、過剰摂取は考えにくいですが、錠剤のものは過剰摂取になる可能性があります。「イソフラボン」はなるべく食品から摂るように、日本人に馴染みの大豆料理をしっかり食べて、いつまでも元気を保ってほしいものです。

抗リン脂質抗体

昨日、アスピリンを服用されて妊娠を保たれている30歳Nさんの症例を紹介しました。

今日は、先週に妊娠がわかったと連絡があった33歳のMさんを紹介します。Mさんも「抗リン脂質抗体」が「陽性」のために、現在は管理入院をし、アスピリンを服用し安静にされているようです。

Mさんは8月に来店されたばかり。2周期目で目出度く妊娠されました。Mさんは今年の1月に妊娠され、9週目で流産されました。「抗リン脂質抗体」によることが原因と思われます。

Mさんは虚弱な体質のため、西洋薬のクロミッドやカバサールの副作用が辛いために、「もっと体に合ったものを」と漢方薬を求めて来られたのです。

漢方薬を服用し、西洋薬の副作用から離れてから2周期目に吉報を聞けて、非常に嬉しく感じているわけですが、Mさんの場合は、これからが大切です。

流産しないように、これからも漢方薬を服用し続けていただくように指導しています。

Mさんの場合は、「婦宝当帰膠」、「衛益顆粒」、「田七人参」をすすめています。

何とか、アスピリンの治療だけでなく、子宮内膜の状態を良くして、漢方薬にて血栓や流産を予防し、妊娠継続を望みたいと考えています。