流産から3年を経て

ようやく授かった命が何の前触れもなく消え去り、失望の中に当店を訪れてくれた36歳のYさん。色白で小柄で細く、本当に弱々しい感じのYさん。気丈に「体調を整えていきます」と話された心中を察し「丈夫な体にしましょうね」とお茶を勧めたのが3年前でした。

Yさんはそれから時々漢方薬を服用しながら、お仕事に精を傾けていました。Yさんとの関係は「周期療法でこれをしっかり服用してください!」と言うよりも、「お腹の弱い身体を建て直し、消化吸収のよい状態をつくっていきましょう!」との方針で声かけしていました。

流産してから2年も経過しますとご本人はもとより私の方も「何とか…」の気持ちで焦りがちになりますが、平静さを装い「元気になりましょう!」とばかり申していました。顔色も少しずつ良くなり、冷えも改善してきた1月、妊娠が判明しました。うれしかったですね。流産から2年の長い道のりでした。年令も38歳になってしまいました。

しかし、漢方薬を飲む前に通っていたART(生殖補助医療)から離れ、何と5年かかって2度目の自然妊娠をされたのです。残念ながら初めてのお子さんは天使になってしまいましたが、その2年後、自然妊娠で新たな命が授かったのです。

そして今、Yさんの胸には元気なRちゃんが抱かれているのです。うれしい光景です。新米お父さんが本当に優しく抱いてあやしている姿を見せてくれました。私も抱かせてもらいました。ずっしりとした重み(体重だけではなく)が伝わってきます。お二人の「赤ちゃんが欲しい」思い、「流産の悲しみを乗り越えてきた」重み、「ひたすら漢方薬を信じてきてくれた」重みが、幾重にも重なりずっしりと応えました。

「ありがとうございました」とあたまを下げてくれたお2人。反対に私の方が感謝の気持ちで「こちらこそありがとうございます」と伝えました。幸せになってくださいね。

Rちゃんは素敵な名前をつけてもらいキット素敵な人生を送ることでしょう!平和な世の中で育って欲しいと願っています。