ダラダラ出血

37歳Oさん。周期療法による不妊治療を漢方のみで続けて3周期目。

いつも月経期間が1週間以上続くために、子宮内の環境が早くに整わないのか、卵胞期が20日以上と長く、その卵胞期に育つ卵の質に問題があるためか、黄体期が短いという月経周期となっています。

Oさんの場合の質の良い卵が育たない原因としては、月経期が長いということばかりでなく、卵胞期も少し体温が高めであることもあげられます。

Oさんにはそれらの原因を徐々に改善していくために、周期により漢方薬を調整しました。

子宮内に小さな子宮筋腫が存在することもあり、前周期までは月経期に「水快宝」を使っていましたが、その破血作用によりより出血が続くものと思われるために今回は「冠元顆粒」と「田七人参」を調整し、ダラダラと続く出血の改善を計りました。人によっては、「帰脾錠」を使用して調整することもあります。

また卵胞期の安定には「杞菊地黄丸」などを使用しました。

まだ今、卵胞期途中ですが、今のところダラダラ出血は前周期ほどもなく、安定した卵胞期を保っています。今周期は「質の良い卵」が期待できそうです。

しっかりと「質の良い卵」ができれば、排卵もスムーズに行われ、高温も安定することに繋がります。この卵胞期の時期にストレスを少なくし、無理なく過ごすことが大切です。ちょうど今週末より仕事もお盆休みの期間に入りますので、ちょうど良い時期なのではないでしょうか。楽しみです。

思わぬトラブル

いつもは起こらない「痔」。妊娠後半になってくると、「痔」が発症することがよくあります。

妊娠後半になると、お腹が張ってくるので「便秘」になることが多いものです。反対に下痢になるのは危険ですので、便秘の方がまだ良いのかもしれませんが、やはり便秘は辛いもの。そして便秘になるだけでなく、それがきっかけとして、肛門や直腸静脈の流れを妨げることになり、うっ血することで「痔」が起こってしまいます。

でもそんなときに西洋薬の「下剤」を飲めば、「下痢」になる可能性があるために危険です。そんな時は、なぜ便秘になったのかの部分を個人に寄って見極め、調整してくれる漢方が安心です。

さて、「便秘」を通り越して「痔」になってしまった時、これも早くに対応しなければなりません。

もし「便秘」もまだあるのであれば、原因となった「便秘」を先に治します。「便秘」を治しつつ、「痔」には外用薬の「紫雲膏」を塗るか、座薬の「紫雲膏座薬」を使うことで、早期に改善します。

妊娠に関わらず、少し頑張り過ぎたときに「痔」が発症する人には、根本治療として「槐角丸」を続けることで再発しないように体質の改善が可能です。

妊娠すると、自分の弱い部分に負担がかかり、常のトラブルが起こりやすくなります。また「飲んで良いお薬」にも制限がかかります。できれば常の体のトラブルは、妊娠前に改善しておきたいものです。

ご主人様も漢方で

今度人工授精を予定されている30歳Tさん。

ご主人の検査結果が、あまりよくない数値であったことを改善する漢方をご希望です。

しかしご主人の検査は、たった1回のみ。1回ではそのときの体調により、数値がかなり変わってきますので、1回の検査だけで判断しない方が良いと考えます。何回かの検査を行い、判断した方が良いです。

「睡眠不足」「休み明け」「ハードワークの後」・・・などではその数値にはかなりの差があります。

何回の検査により、やはり衰えが見られる場合は、是非漢方の力を借りてください。

Tさんの旦那様の場合、夜遅い食事をされるために胃腸機能にストレスがかかっていること、その他もかなりのストレスがあること、などから体力の衰えにつながっていると思われましたので、「補中益気丸」と「イーパオ」を使ってもらうことにしました。

通常、一般的に男性の場合の代表的なお薬としては「イーパオ」を使用します。それに加えてその人の体質により何が原因に加わっているのかを判断し、お薬を加えていきます。

同じ悩みを持っているご主人様は、せっかくのタイミングや人工授精を成功させるためにも、是非、漢方の力を借りてみてください。きっと自信につながります。

一見は良薬?!

今日は月1回行っている不妊の相談会の日でした。

毎回多くの人が遠くからご相談に訪れます。今日も今まではメールでのやり取りにて漢方を続けていた人達が、相談会に足を運んでくださいました。

メールやお電話でのやり取りでも充分に症状や状況は把握できるのですが、やはり「百聞は一見にしかず」とは良く言ったもので、お顔を拝見して改めてわかることが多くあります。

それはこちらサイドのことだけでなく、漢方を飲まれている人サイドでも言えることで、相談に応じている先生や電話の応対をしているスタッフの顔を見ることにより、安心感を得られることと思います。

周期療法を続けているお会いしていない多くの人達は、もし、1回でもお会いできる機会があれば、是非、お会いできれば良いのにな、といつも感じています。

本日来られたCさんも、とても安心され、今まで「諦めかけていたこと」にまた改めて挑戦する意欲が出たと喜んでおられました。

Cさんは今まで内膜症やチョコレート嚢腫があり、腹腔鏡による手術をされ、その後体調がよくなるものと期待していたにも関わらず、ますます体調は悪くなるばかり。治療はどんどんエスカレートし、薬漬けになり、その結果約2年間で出来上がったものはホルモンバランスがすっかり崩れてしまった身体でした。もうダメかもしれない・・・。と行き着いたのが、漢方の道だったのです。

そんな不安いっぱいのCさんでしたので、尚更のことだったかもしれませんが、Cさんにとってはお顔を拝見して話をじっくりすることがとても大切なことだったのです。

Cさんにはホルモン治療などで「陰の気」が不足し、低温期の力が足りなくなったための改善としてのお薬を服用してもらっています。それに加え、「水快宝」を少量調整することにしました。

今回、お顔を拝見したことの「心の安心感」と今回すこし処方が変わった効き目が相乗効果となり、今周期は「陰の気」がますます強くなることでしょう。「陰の気」が質の良い卵を育てます。質の良い卵ができれば、排卵もスムーズになり、高温も安定します。

今回得られたCさんの「心の安心感」が、とても強い味方になることは言うまでもありません。きっと今周期の体温に、その効果が現れてくることでしょう。

治療を受けていることに、何かの「不安」や「憤り」を感じることがあれば、それがプラスになることはありません。自分の中に芽生えた「不安」は必ず、解消して、次のステップに進むことが大切です。これはどんな治療にも言えることです。「心の安心感」を得て初めて、良い治療効果が得られるのです。途中で、確認することなく諦めたりしないようにしてください。明るい未来のために。

日本だけではない問題

「少子化社会」の対策に頭を痛めている現象は、日本だけではなく、「韓国」「台湾」「シンガポール」「中国」「タイ」などの中国・アジア諸国でも起こっています。

その中でも一番出生率が低いのは「韓国」。韓国では社会風土の背景も加味していますが、不妊治療の「人工授精」や「体外受精」がさかんなことは知られていることです。

しかしなぜ、このようにアジア中心にその現象が広がっているのでしょうか?

どこかに問題点があるはずです。

韓国での調査でわかったことは、経済危機後に結婚や出産を先延ばしにする傾向になったこと、女性の社会進出による価値観の変化、などがその原因として大きいようですが、教育費も重荷になっていることもあげられています。

これは日本にも言えることで、男女平等の社会という考え方が広まる中、女性の総合職の定着、そして管理職への道が開けたこと、などから晩婚化が進み、結果として子供を産まない、一人っ子になる・・・といった現象が起こっています。一人っ子なら教育費をたくさんかけることができ、反対に、かけてしまうことになり、多くの子供を持つことが負担になってしまうのです。

ではこれを改善するためには、育児・教育費の支援を強化すること、児童手当の導入、不妊治療の支援拡大・・・などの対策で果たしてこの流れを食い止めることができるのでしょうか?

中国で1979年に「一人っ子政策」を導入してから27年。あの頃の中国での子供に対する扱いは、かなり変わってしまったことでしょう。そういった中国を含めてここ20年ほどの人間の価値観の変化は、そう簡単には変わらないでしょう。

もっと根本から社会のいろんな意味での安全・安心を提供する対策を提示しなければ、この流れは食い止めることはできないのではないでしょうか。

冷房病に

月経前症候群(PMS)の症状で、月経前になると「むくみ」、「イライラ」、「鬱症状」、「下腹部痛」の出ていた25歳Mさん。

生理2週間前から生理まで「婦宝当帰膠」を飲んでもらいました。冬は冷え性ではないのですが、夏になると冷房により冷え性の仲間入りをするということ、緊張症、などのことから「気血の巡りが悪い」ことが伺えました。

そして試した1周期目より、それらの症状が軽減し、快適に月経前を過ごせるようになりました。そして、ここ最近は、「冷房病」に加えて「夏ばて」をするというので、その対策として体調に合わせて「コエンザイムQ10」の入った製剤である「玄武顆粒」、「人参乾姜粒」を症状が起こる時期に合わせて使ってもらいました。もっと体力が弱っている人なら「活命参」もオススメです。

Mさんの場合は、それらをうまく組み合わせることで、すっかり症状がなくなり、この夏、快適に過ごすことができそうです。

「冷房病」と一言に言っても、その症状は「冷え」だけでなく様々です。過度の冷房により、自律神経失調症が起こり、「頭痛」「肩こり」「めまい」「腹痛」「むくみ」「生理不順」などの症状を引き起こします。

冷房病による「めまい」などの症状は、耳鼻科の検査ではなにも問題は見つかりません。その場合に、西洋医学では「病名」がつきませんので、治療ができません。そこで強い味方が東洋医学です。

「冷房病」も甘く見てはいけません。それを機に夏だけでなく、その後も自律神経失調症と付き合っていくことになるかもしれません。そうならないように、気をつけてほしいものです。是非、東洋医学による治療を行われることをオススメします。

夏の湿疹

だんだんと日本列島は暑くなってきました。梅雨が明けることを待ち望んでいたものの、こう雨が1滴も降らないとなれば、夕立後の水打ちの涼しさが恋しくなってしまいます。

汗をたくさんかくことにより、「汗疹」「軽い湿疹」「痒み」といった肌のトラブルが出てきます。特に産まれたばかりの赤ちゃんは、自分で汗をぬぐうことができないために、手足の節目の皺の間に汗が溜まり、湿疹になってしまうことは多くあります。

また妊婦さんもお腹の大きな体では、普通の体の時以上に汗をかきやすいことと、妊婦であることの疲労から湿疹がでることもしばしば。

その原因は「汗」だけれなく、それと「何か」が合わさったものなのです。

多いのは「汗」と「衣類」による接触皮膚炎。次も接触皮膚炎で、ネックレス、腕時計、ピアスなどの「アクセサリー」によるもの。次には「日光過敏症」や「疲労によるもの」です。

普段なら何でもないことなのに、「汗」と合わさることで症状へと繋がるようです。

それらの改善には、その原因となることを除去したり遠ざけること。

そしてケアとしては、「桃の葉」を煎じてその煎じ液をお風呂のお湯に混ぜて入ったり、湿疹の箇所にローション代わりに塗ったりすると良いです。

この時期「湿疹」「痒み」が気になる人は、是非お試しください。

活性酸素は大敵!

「活性酸素」は様々な要因により発生しますが、それは「老化」「動脈硬化」「癌」などを引き起こす悪者です。またそれがたくさん存在すると、不妊の原因になる、とも言われています。

それもそのはず、「動脈硬化」を引き起こすイメージから、血液がドロドロになる、その結果、血液中のごみを掃除してくれ、菌と闘ってくれる「白血球」の動きが悪くなる、免疫力が低下する、体力がなくなる・・・となれば、そんな体では力強く元気な赤ちゃんを授かり、産むことはできないでしょう。

不妊脱出のためには、血液サラサラで、気も血もスムーズに流れる若々しい体になることが大切です。

そこで、活性酸素を発生させる原因となるものに気をつけましょう。

不規則な生活スタイル、晩遅い食事、運動不足はもちろんのこと、この時期、ますます強くなる紫外線も活性酸素を増やすものの1つです。

それらのことに気をつけると共に、お薬では、「紅サージ」「冠元顆粒」などがオススメです。

また、日常の食事では、活性酸素を取り除いてくれる「カロチン」を多く含む食べ物を摂取すると良いでしょう。例えば、動物性のものであれば、「レバー」、「ヤツメウナギ」など。植物性のものであれば、「ニンジン」、「モロヘイヤ」、「春菊」、「小松菜」、「かぼちゃ」など。

その中でも今の時期だと「モロヘイヤ」や「かぼちゃ」が旬です。どんどん食事に取り入れて、活性酸素の少ない元気な体を作ってください。