情報いっぱいの基礎体温表

基礎体温は、大体同じ時間(朝7時頃)で十分な睡眠(6時間以上)を取った後に、安静のままで測った体温を言います。女性は、生理周期によって体内でホルモンの変化が起こるため、基礎体温が変動していきます。

この基礎体温表にはその人がどんなタイプなのか(無排卵や無月経、冷え性や神経質なども)の情報が詰まっています。

従って、私達は、「不妊」や「生理不順」の相談を受けるときは、必ず「基礎体温表」を持ってきてもらっています。「更年期」などの症状の場合も、基礎体温がどのようになっているのか、見せていただくと症状が起きた原因が判断しやすいのです。

周期には個人差がありますが、理想的な基礎体温は以下のものです。

 ☆低温期と高温期の差が0.3~0.5℃あるニ相性になっていること

 ☆低温期から高温期への以降は、スムースで3日以内

 ☆高温期は12日以上持続すること(16日以上の持続は妊娠の可能性)

基礎体温表より排卵の有無がわかり、タイミング療法には重要な指針となりますし、黄体ホルモンの状態も知ることができます。

もし、黄体機能が不十分で黄体ホルモンが不足していると、高温期は上昇幅が低くなったり、高温期の日数が短かったり、体温の上下が激しくなります。こういうタイプは妊娠しにくく、妊娠しても流産する可能性が大きいのです。

「妊娠」に関係なく、女性は「基礎体温表」をチェックすることで、自分のバイオリズムやタイプを知ることが出来ます。是非、初潮を迎えてから閉経まで、「基礎体温表」で体のリズムをチェックしてください。体温は正直ですので、なかなか楽しいものです。

妊娠しやすい体温表分析

今日は月1回行っている「不妊相談会」の日。

昼の1時から5時までの時間帯で25人が訪れます。当然のことながら予約時間はかなりずれ込み、いつも1時前から相談会を始めますが、終わる時間は6時過ぎ。それでも妊娠されて喜ばれる顔が見たい一心で、じっくりと相談を受けています。

何人か妊娠されていますので、今までの妊娠された人のデータも含め、今一度、基礎体温表を分析してみました。

全体として言える事は、

  ☆ 低温期が安定している

ということです。

「低温期が安定している」ということは、卵胞がしっかり育っている、つまり卵の育ちが良い、ということです。

卵の育ちが良ければ、排卵後、高温期もしっかりとした高温期になりますし、「流産すること」も「胎膿の中の育ちが悪いこと」もまずはありません。もちろん、排卵障害であればこれには当てはまりません。

高温期が安定することも、まず根底にあるのは「安定した低温期」なのです。

低温期が「波状型」であったり、「高めの体温」であったり、「短め」であったりする場合は、まずは、低温期安定の治療を目指してください。

大らかな気持ちで

周期療法で不妊治療を行っていると、いつも気になることがあります。

あまりにも基礎体温表の変化に一喜一憂されすぎる方が多いことです。

周期療法は、「月経期」、「卵胞期」、「排卵期」、「高温期」のそれぞれの周期によってお薬を変え、それぞれの周期で大切な役割をしているものを強めたり改善したりしますので、体温が気になるのは仕方がありません。

しかし、体温は必ずしもそれが絶対ではなく、気候、室温の変化、睡眠時間、前の晩の食事の内容などによってもかなり違ってくるものです。あまりにも気にしすぎると精神が不安定になり、それが原因で乱れてしまうことが多くあります。

必ずしもきれいな基礎体温でないと、妊娠しないわけではありません。

当店でもあまりにも体温を気にしすぎて、いつも13日目に排卵していたはずの排卵が、遅れてしまった36歳のMさんも、体温を測らなくなってから13日目よりも少し遅れて排卵し、そこでちょうどタイミングが合い、そのまま妊娠期間に突入されましたし、

ガタガタの基礎体温表だった32歳のWさんは、いつ排卵したかわからないような体温表でしたし、高温期への立ち上がりも階段状であったにも関わらず、妊娠され順調です。

あまり気にせず、自分を追い込まず、大らかな気持ちで体質改善をされ、妊娠を待たれた方が良いですね。

気にしすぎて

漢方を服用し始めて2周期目を迎えたMさん36歳。

今まで生理後13日目には必ずオリモノがあり、排卵していることが実感でき、その後すぐに高温期になっていてそのサイクルが崩れたことがなかったと言われています。

生理不順など全くなかったものですから、今までは基礎体温表もつけたこともなく過ごされていました。

それが、2周期前より漢方による不妊治療を始めようとされてから基礎体温表をつけ始め、昨日は「もし卵管が詰まっていては話にならない」と思い、病院へ行き、卵管造影もしてもらうなどMさんにとっては、初めてのことばかりがここ最近続いたことにより、Mさんの体に異変が起きてしまいました。

今日は13日目なのにオリモノが全くなかったのです。

「こんなことは今までなかったのに」とMさんは不安でいっぱいになっておられました。

あまりにも基礎体温表や生理の周期などを気にしすぎて、それがプレッシャーになり、自分で自分の体にストレスを与えてしまった結果です。昨日行かれた病院もかなりのショックだったようで、「病院の機械作業のような治療は私には絶対無理だと思いました」とおっしゃられていました。

あまり気にしすぎず、自然体で気持ちもゆったりとした状態でタイミングが合うのが一番です。「体温がどうなったか」が大切なのではなく、あくまでも夫婦ふたりの「気持ち」が大切です。

体温や時期など気にしすぎて、ふたりの「気持ち」を置き去りにしないように。Mさんのような場合は、少し、体温をつけることを止めてみるのも良いでしょう。