気になる肥満と不妊

肥満は排卵障害の原因になることはすでに知られていますが、一般に肥満女性に多嚢胞卵巣症候群(PCOS)が多く、月経不順や原発性・続発性不妊症のリスクを増加すると言われています。ただし、PCOSの方は必ずしも肥満ではありませんがやはり肥満が多いようです。

女性のBMI(体格指数)が35以上の夫婦は、正常値25の夫婦に比べて26%自然妊娠しにくく、BMIが40を越えると43%自然妊娠しにくいと言われています。

5年位前のこと、奥様の身長155cm、体重79kg、BMI35、ご主人は身長170cm、体重108kg、BMI37のジャンボご夫妻、Cさんが相談に来られました。

「まずは減量からスタートしましょう」とお2人に食事指導や運動療法をご指導しました。しかし、なかなか思うように減量せず困まったことを思い出します。

お2人とも3ヶ月で5kgしか減量できず、そのうちクリニックに行きだしてIVFに挑戦しだしました。もちろん基礎体温表(BBT)はガタガタ、一相性で無排卵です。その身体に排卵誘発剤や刺激療法をされていました。

治療始めてからますます肥え、基礎体温は見るも無残でした。「ホルモン治療よりまずはダイエットです!」の言葉も、 「赤ちゃんがほしい!」という想いの方が強かったのだろうと思います。5ヶ月くらいで来られなくなりました。もう少し知識があれば、先を見越したアドバイスができたのにと悔やまれます。どうされているのでしょうかCさんご夫妻。

肥満と生殖能力の関係はこれから解明されると思いますが、今流行の<メタボ>にならないためにも肥満は避けたいですね。今Cさんが来られたら、PCOS対策として「シベリア霊芝」「桂枝茯苓丸」「温胆湯」「防風通聖散」など<痰湿・お血>の改善に取り組み、肥満を解消させる方策を立てることでしょう。