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漢方で1日1善【by 漢方の健伸堂薬局】

漢方相談歴30年以上、国際中医師の古村学です。日常の漢方相談の中から、様々な症例とそれに対応する漢方の考え方や処方をたくさん記録して行くように努めています。漢方での疑問な事や知りたかったことなどの参考にしてください。

作者別: 健伸堂

脾胃は元気を保つ基本

2026年7月6日 by 健伸堂

先日「脾胃は後天の本」というブログ記事を書きましたが、再び他の方の症例を紹介します。

42歳の女性Aさん、のぼせによって顔が熱く、肌が乾燥して荒れやすいとの相談をお受けしました。特にフェイスラインに丘疹ができやすく、痒みもありました。

その他には、脚が冷える、口が渇く、身長が160cmあるのに体重は40㎏と少ない、生理は不順で、排卵時期には強い倦怠感が現れるとのこと。

そこでまずは症状の改善を目的に、冷えのぼせには桂枝茯苓丸を、原因となっているホルモンバランスに対しては加味逍遙散などをお使いいただきました。

2週間後、のぼせや痒み、肌荒れが治まってきたので、同じ漢方薬を1か月続けた後、根本治療を目的に、疎肝理気健脾薬をお使いいただきました。

この薬は、補気健脾薬の六君子湯に柴胡・芍薬を加えたもので、少しストレスを受けやすい方や、食欲が変動する方によく適します。

Aさんはその後半年以上、この漢方薬を継続されていて、お肌トラブルもなくなり、体重も増えて元気が増してきました。

すべての疾患に対して、最初は症状改善を中心に考えますが、不調の根本原因となっている脾胃(胃腸機能)を改善することを並行して行うのがとても大事なことです。

脾胃(胃腸機能)は元気の基本であり、健康長寿のポイントでもあります。

ムクゲの花が満開です

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カテゴリー: 胃痛・胸やけ・膨満感 タグ: 加味逍遥散, 柴芍六君子湯, 根本治療, 桂枝茯苓丸, 漢方の基本, 胃腸機能, 脾胃は後天の本

不定愁訴は多様で長く続く

2026年6月27日 by 健伸堂

医療機関で検査をしても病気や原因が見つからないが、様々な症状を訴える状態を不定愁訴と言います。

倦怠感。頭痛、めまい、動悸、イライラ感、不安感、などはよく知られていますが、ご本人にとって辛いのはやはり<痛み>や<痺れ>があります。

50歳のAさん、手の甲や足の指先が痺れる、歯茎が痛む、側頭部が神経痛のように痛むなど、様々な症状が出始めたので相談にお越しになりました。

もちろん病院で検査は受けられましたが、特に疾患は見当たらなく様子を見てくださいとのことでした。

これらの症状は2年前から出始め、症状が現れる時と消える時があるとのこと。

また、これ以外にも、皮膚がムズムズする、顔や手が痒いときがあり、日によっては気にならない時もあるとのことでした。

すべての症状が固定したものでなく、変動していることから、いわゆる不定愁訴と考えられました。

そこで原因となっているホルモンの変動を整えることが根本治療につながると考えました。

Aさんは舌診では淡舌、すなわち血虚体質のため、補気血薬と疎肝薬をお使いいただきました。

また、痛みには清上蠲痛湯や、めまいには釣藤散など、症状に合わせた漢方薬を頓服としてお使いいただきました。

ホルモンバランスが安定するまでには時間がかかりますので、気長な対応が必要となりますが、様々な症状の発生に対してAさんが不安にならないようにすることが一番必要なことと考えています。

   梅雨のひととき

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カテゴリー: 不定愁訴, 更年期障害 タグ: 不定愁訴, 更年期, 根本治療, 漢方薬

夏の冷え症

2026年6月20日 by 健伸堂

冷え症というと冬の症状のように思いがちですが、実は夏の方がエアコンによる冷えが問題になります。

特に会社で働く方の多くは1日の半分弱をエアコンの中で過ごすため、冬以上に身体が冷え切っています。

長く会社勤務されている44歳のMさん、今年は新人が入社されたため配置が変わり、エアコンの吹き出し口が近くなりました。 
最初はあまり気にならなかったのですが、6月に入り気温の上昇とともにエアコンの温度設定も変わり、寒い風が当たるようになりました。

もちろん長袖服に膝掛けなどの対策はされたものの、身体が冷えて寒気がするほどになり、相談にお越しになりました。

Mさんは痩せ型、色白、疲れやすいタイプで、漢方では気血両虚と捉え、補血温補の婦宝当帰膠や活血薬の冠元顆粒をお使いいただきました。

朝の出かける前と帰宅時に使うだけでも寒気は治まり、身体の疲れも軽減しました。

そこで昼も飲めるようにと、小ボトルに入れ手持ちされることになり、冷えはすっかり改善しました。

冷えは万病の元とも言われ、早期に対応することで快適な夏を過ごすことができます。

ご相談はこちらからどうぞ

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脾胃の機能は「後天の本」

2026年6月3日 by 健伸堂

脾胃とは中医学で、飲食物の消化・吸収を担い、全身に気血(エネルギー)を補う大切な消化器系の機能をあらわします。

これによって命を維持し、成長のための重要なエネルギー源を生成する元となり、これを後天(生まれた後)の本といいます。

どのような疾患であっても、回復の基本は胃腸機能を守ることで、漢方相談の基本となります。

64歳のHさん、ウイルス性胃腸炎を何度も繰り返し、その都度整腸剤をもらわれていましたが、治まるまでに毎回1か月程度を要していました。

そこで漢方薬を試したいとお越しになり、胃腸機能を高めるとともに、腸の過剰な蠕動運動を抑制する漢方薬をお使いいただきました。

その後少量で服用を継続されて3年経過しましたが、この間一度も下痢することなく、食欲もあり、快調とのことでした。

胃腸機能が良くなってからは、他の不調もなく、元気に過ごしておられます。

脾胃は健康の源であることを証明している事例でした。

梅雨の季節到来

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帯状疱疹後の神経痛に漢方

2026年5月28日 by 健伸堂

帯状疱疹は潜在するウイルスが免疫低下によって再活性するために発症します。

特に50代以上の高齢者になると発症の確率は高くなり、痛みが長引くなどで治癒が困難になることもあります。

以前からお越しの71歳の女性、左脇あたりにチクチクする痛みが出始めました。

その後小さい発疹が出始めたので帯状疱疹と気付き、病院に行かれました。
そして、抗ウイルス薬と鎮痛剤、外用剤が処方されたので様子を見られていましたが、1週間経過しても痛みは治まらず、相談に来られました。

皮膚の症状もまだ強く残っていたので、漢方薬は<清熱利湿薬>で炎症を治め、水泡を改善するものを使いました。

また、痛みに対しては<経絡を通し、気を巡らせて邪気を除く>もの、そして以前からよく使われている<田七人参>など、漢方系食品を使っていただきました。

さらに根本治療として<免疫を高める>ものを併用していただきました。

2週間後、強い痛みは治まり、チクチク感が少し残っている程度まで改善しました。

その後2週間経過した後、皮膚と痛みもすっかり治まりました。

この方の場合は、漢方薬を開始したのが帯状疱疹発症後10日目からで、少し遅かったかと思われますが、早い時期に西洋医学と漢方薬を併用することで、効果も早く見られます。

最近は高齢者向けに帯状疱疹ワクチンが普及していますが、それでも発症は避けられず、激痛を予防するものとしては有効です。

いずれの場合にも漢方薬をご活用ください。

谷空木(タニウツギ)が鮮やかな季節

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ニキビにヨクイニンを長期使用

2026年5月21日 by 健伸堂

今から十数年前、40代の女性Tさんからニキビの相談をお受けしました。

特に頬や額に赤みを伴う丘疹がるが化膿はせず、少し痒みもありました。
胃腸機能は特に問題なく、年齢やホルモンに関連して生じているのではと考え、清熱解毒作用の「黄連解毒湯」をお使いいただきました。

その後赤みが引いて改善し、1年程継続されていたのですが、漢方薬を長期に継続するのが気になり始めました。

ちょうどその頃は赤みも治まっていたので、黄連解毒湯を中止し、ヨクイニンの錠剤に変更しました。

その後は順調に経過し、十数年間継続されています。
お肌もきれいな状態を維持し、体調も良好とのことです。

ヨクイニンは、お茶として使われる「ハトムギ」の殻を取り除いた種の部分で、種のままの生薬や、粉末になったもの、錠剤タイプなど、様々な製品があります。

ニキビだけでなく、料理に入れて使われる方や、米と一緒に煮る方など使い方は様々です。

なお、薏苡仁(ヨクイニン)は、利水滲湿(体内の余分な水分・湿邪を排出)、清熱排膿(こもった熱を冷まし、膿を排出)する作用があり、関節浮腫、皮膚のトラブル、身体の疼痛、いぼ、ニキビ、胃腸機能改善などに使われます。

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カテゴリー: にきび・吹出物, 湿疹, 生薬・民間薬 タグ: ニキビ, ヨクイニン, 薏苡仁

首の凝りと喉の違和感

2026年5月9日 by 健伸堂

喉の違和感や飲み込みにくい症状の多くは<気滞>が原因とされます。
ストレスなどで気が喉に停滞しているもので、漢方では<梅核気>とも言われます。

これに対して、ストレス要因がなく、肩や首の筋肉(特に胸鎖乳突筋)が硬くなるために喉の違和感が出るケースもあります。

72歳のTさん、昨年10月頃から喉の圧迫感や、喉に引っかかる感じが出始めました。症状は特に朝方が強く出るようでした。

そこで病院で様々な検査を受けられましたが、特に異常はありませんでした。

詳しくお聞きすると、以前むち打ちを何度か経験され、肩や首は慢性的に凝っている、昨年顔面神経麻痺が発症した、逆流性食道炎で服薬した、耳鳴りがある、舌は白苔、などでした。

そこで、逆流性食道炎の原因が<気滞>であることから、まずは化痰降気の半夏厚朴湯などをお使いいただきました。

2週間後、喉がコロコロする感覚は減少したが、圧迫感は変わりませんでした。

これは<気滞>が原因ではなく、朝方不調であることや、昨年に顔面神経麻痺が起きたことも考え、肩こりや筋肉の緊張から生じていると思われました。

そこで漢方薬は、平肝薬や解表薬に変更したところ、喉の症状は改善しました。

当然のことですが、症状だけを見るのでなく、病歴なども勘案することで原因を正確に捉えることができた事例でした。

燃えるようなツツジ

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カテゴリー: 喉の痛み・つまり, 肩こり, 自律神経失調症 タグ: 半夏厚朴湯, 喉の違和感, 柴朴湯, 逆流性食道炎, 釣藤散, 顔面神経麻痺

肩関節周囲炎の漢方

2026年5月2日 by 健伸堂

一般的に、四十肩や五十肩と言われる肩関節周囲炎は、肩の違和感や痛み、腕が動かしにくいなどの症状が現れます。

原因は、運動不足や長時間パソコン仕事などで日常的に肩や首が凝っていることが多いようです。

46歳のSさん、以前から身体は冷えやすく、肩こりも酷いため、補気補血薬をお使いになっていましたが、昨年末頃に肩から腕にかけての痛みが出始め、最近は更に悪化してきたとのご相談でした。

肩は温めても痛みは変わらず、首も動かしにくい、凝りが酷い状態でした。

3月から悪化してきたとのことで、冷えが原因ではなく、陽気が昇ってきたために身体の中も陽気が昇っていると考え、お薬は陽気を抑える平肝剤や、解表薬をお使いいただきました。

結果、服用された明くる日から夜間の痛みは軽減し、腕や肩の動きが改善されました。しかし元々の腕や肩の凝りは残っていたため、今後は根本治療としての活血薬を併用する必要があると考えています。

香り高い自然生えのセリ

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腎移植後の腎機能維持

2026年4月25日 by 健伸堂

人工透析の後に腎移植を受けられる方はよく見られます。
これによって週3回の透析治療が、月1回の治療や検査で済むため生活の質(QOL)が格段に向上します。

60歳のMさん、約13年間の透析治療の後、昨年初めに腎移植手術を受けられました。その後大きなトラブルもなく、免疫抑制剤や降圧剤などを服用しながら、将来の腎機能低下を予防する目的で漢方薬を併用することになりました。

漢方薬は、腎機能を助けるオウギ製剤や活血剤、免疫調整作用のもの、西洋薬の副作用で生じる肝機能障害を抑制するものなどを使いました。

結果、クレアチニンの値は、腎移植2か月後は1.00、その後変動しながらも、1年3か月後は0.88、BUNは18で安定しています。

今後も経過をみながら、漢方薬も調整が必要かと思います。

黄色鮮やかなヤマブキの花

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: 免疫抑制剤, 漢方薬, 腎機能維持, 腎移植

病気不安症(心気症)の漢方

2026年4月18日 by 健伸堂

一つの症状が過度に気になり、不安が強まる状態は、病気不安症や不安障害などに相当します。

そのため複数の医院を訪ねたり、検査を繰り返し受けられるケースもありますが、実際は本人が考えるほど深刻な症状でないことも多くあります。

18歳のFさん、鼻の部分が腫れぼったく、皮脂も多いので心配になりお越しになりました。
詳しくお伺いすると、症状は5年ほど前から繰り返しているが、痛みや痒みはなく、見た目もほとんどわからない程度でした。
それでもご本人は不安感があり、改善したいとのことでした。

それ以外には、息が吸い込めないときがある、考えすぎて頭がいっぱいになる、以前には過呼吸症状があり、急に苦しくなる、時々ドキドキする、などの訴えがありました。

これらから、根本には不安症があり、鼻の症状はそれに伴い出ているものと考えました。

そこで、血圧が低く、舌は淡舌で血液不足もあるため、補気血薬を用いました。
また不安感を軽減し気分を安定させるために竜骨牡蛎薬を併用しました。
過呼吸などの急な症状に対しては、芳香開竅薬を頓服として使うことにしました。

なによりも大事なのは、カウンセリングによって安心感を持っていただく事でした!

その後、安神剤やシベリア人参なども使いながら半年経過、春先には高校を卒業し就職試験を受けられました。

神経過敏で緊張しやすいタイプなので、入社試験が心配されましたが無事就職!
その後もしっかり勤められて、心身のトラブルもなく元気にされています。

結果、将来に対する不安やストレスが、形を変えて鼻の腫れとしての<病気不安症>を生んだのではと思われます。

なお、鼻の症状に対しては少量の清上防風湯をお使いいただきましたが、いつの間にか症状が消えてしまったようです。

香り高いウド

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カテゴリー: 自律神経失調症, 鬱・不安感・神経過敏・ストレス タグ: カウンセリング, シベリア人参, 安神剤, 心気症, 病気不安症, 竜骨牡蛎, 補気血剤
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筆者 プロフィール

古村匡崇(薬剤師)
古村学(登録販売者・国際中医師)

漢方専門の薬局として、永年にわたり漢方相談を行ってきました。
日本漢方と中医学の両方の特徴を活かしながら、日々研鑽を積み重ねています。
少しでも多くの方に喜んでいただけることを目標に。

漢方の健伸堂薬局(京都)

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