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漢方で1日1善【by 漢方の健伸堂薬局】

漢方相談歴30年以上、国際中医師の古村学です。日常の漢方相談の中から、様々な症例とそれに対応する漢方の考え方や処方をたくさん記録して行くように努めています。漢方での疑問な事や知りたかったことなどの参考にしてください。

腎臓病

腎移植後の腎機能維持

2026年4月25日 by 健伸堂

人工透析の後に腎移植を受けられる方はよく見られます。
これによって週3回の透析治療が、月1回の治療や検査で済むため生活の質(QOL)が格段に向上します。

60歳のMさん、約13年間の透析治療の後、昨年初めに腎移植手術を受けられました。その後大きなトラブルもなく、免疫抑制剤や降圧剤などを服用しながら、将来の腎機能低下を予防する目的で漢方薬を併用することになりました。

漢方薬は、腎機能を助けるオウギ製剤や活血剤、免疫調整作用のもの、西洋薬の副作用で生じる肝機能障害を抑制するものなどを使いました。

結果、クレアチニンの値は、腎移植2か月後は1.00、その後変動しながらも、1年3か月後は0.88、BUNは18で安定しています。

今後も経過をみながら、漢方薬も調整が必要かと思います。

黄色鮮やかなヤマブキの花

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: 免疫抑制剤, 漢方薬, 腎機能維持, 腎移植

高齢者の透析を避ける漢方

2026年4月13日 by 健伸堂

高齢になると五臓すべての機能は低下しますが、特によく見られるのが腎機能低下。

血清クレアチニン値の上昇によるeGFRの低下で、この値が15未満になると末期腎不全と診断され、透析が検討されます。
しかし、透析によって生活の質(QOL)が低下するので避けたいものです。

95歳のKさん、3年前にはクレアチニン3.8を超え、eGFRは12.1になったため、透析を勧められましたが、漢方で避けられないかと相談にお越しになりました。

そこで、活血剤や黄耆製剤、免疫調整作用のものなどをお使いいただき、2か月後にはクレアチニンが2.4まで下がり透析は避けられました。

このことは以前のブログにも書きましたが、その後の経過を紹介します。

漢方薬を飲み始めてから2年半経過し、この間データの変動はあるものの、現在はクレアチニン2.2まで下がり、eGFRは21になって透析の話はすっかりなくなりました。

ただし、貧血が進行してきたので、補血剤を使うなど状況によって漢方薬を調整してきました。

結果、体調は良く、現在も畑仕事をされています。

高齢者の透析は、認知症の進行、足腰の弱りと歩行困難、通院の交通手段の問題など、若い方に比べて多くの問題が伴います。

腎機能は完治することはありませんが、透析を受けずに元気に過ごせることが重要なこととなります。

山菜タラノメの季節

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: eGFR, オウギ製剤, クレアチニン, 免疫調整, 活血剤, 腎機能低下, 補血剤, 透析

四季の血圧変動と漢方

2026年3月24日 by 健伸堂

高血圧人口は、成人の3割、50歳以上では5割以上の方が高血圧と言われます。
その多くの方が降圧剤を服用されていますが、季節によってもかなり変動します。

45歳のHさん、昨年秋ごろから血圧が上昇し、最高血圧が150を超える日もあったので病院の降圧剤を服用し始めました。

その後血圧は130程度に治まっていたのですが、先月頃から降圧剤を飲んでいるにもかかわらず最低血圧が高くなりはじめ100を超える時もありました。

肩がこったり、のぼせのような症状が出始めたので、相談を受けました。

詳しくお伺いした結果、<肝陽上亢=肝の陽気が上に昇る>によるものと考え、釣藤散をお使いいただき、その後血圧は落ち着いてきました。

血圧の変動は季節の変化により大きく影響を受けます。

春や秋の高血圧は、季節の変わり目で気温や気圧の変動が大きいため、それが自律神経に及ぶことで血圧が不安定になります。

特に春は陽気が増すために<肝陽上亢>により最低血圧が上昇しやすくなります。この時は釣藤散などを使います。

また、春先は生活環境の変化に伴うストレスが原因となるケースも多く、この場合は疎肝剤・柴胡剤を使う事もあります。

夏の高血圧は、発汗と脱水による血液濃縮などで高くなりやすく、この時は補気補陰剤などを使います。

冬の高血圧は寒さによる血管収縮が影響しやすく、血管拡張や血流改善のための活血薬を使います。

漢方の考え方では、季節に合った対応方法が基本になり、これらは降圧剤と併用できることも特徴です。

漢方では血圧のコントロール目的以外に、それに伴う合併症の動脈硬化や梗塞、心臓病、腎臓病、などの予防に様々な漢方薬を使います。

春の始まり・万作の花

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カテゴリー: 脳梗塞・脳溢血・脳卒中, 腎臓病, 血管疾患, 高血圧 タグ: ストレス, 合併症予防, 四季の高血圧, 漢方, 肝陽上亢, 血液濃縮

泡立つ尿の改善

2026年3月17日 by 健伸堂

尿が泡立つ原因は、脱水で濃縮された時や、糖尿病や腎臓病によって蛋白尿が生じた時に見られます。

特に高齢者ではよく見られる症状で、連続する場合は検査が必要です。

83歳のYさん、尿がよく泡立つので心配になり、病院で尿検査を受けられたところ、尿中蛋白が多いとの診断でした。

Yさんは元々腎機能低下があり、以前には漢方薬をお使いでしたが、改善していたので中断されていました。

ちょうどクレアチニンも 0.95 と少し高くなり始めていたので、再度漢方薬を使うことにしました。

お薬は、黄耆製剤や地黄製剤、霊芝製品などをお使いいただきました。

そして2か月後の検査では、クレアチニン、尿素窒素、蛋白尿とも下がりeGFRも改善し、安心されました。

なお、尿が米のとぎ汁のように濁っている場合は炎症がある印ですので、漢方ではこの尿を<膏淋>といい、消炎作用と利尿作用のある<五淋散>の適応となります。

尿は普段気にしないものですが、時々よく見ることも大切ですね。

鮮やかな黄色の姫立金花

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カテゴリー: 腎臓病, 頻尿・膀胱炎 タグ: クレアチニン, 地黄製剤, 泡立つ尿, 腎機能, 蛋白尿, 霊芝製品, 黄耆製剤

IgA腎症による蛋白尿

2026年2月19日 by 健伸堂

IgA腎症は風邪などの感染症の後に見られる、免疫グロブリンのIgAが腎臓の糸球体に沈着し慢性炎症を起こす疾患です。
症状はほとんどなく、検査で血尿や蛋白尿が見られ、進行すると慢性腎臓病になります。

35歳のTさん、数年前の検診で蛋白尿と尿潜血が見つかり、その後治まらないので漢方を使ってみたいとお越しになりました。

発症の原因は不明で、自覚症状もなく検査でわかったとのこと、体質は冷え症、神経質気味、緊張しやすく、睡眠は浅い、抜け毛や白髪があるとのこと。

そこで過剰免疫を抑制するものや免疫調整作用のもの、止血作用のあるもの、冷えや白髪があるので補陽・補腎薬、などをお使いいただきました。

3か月後、尿中蛋白は127㎎/dl から11mg/dl に減少、潜血反応は変わらず3+でした。

その後も尿中蛋白は正常範囲を維持し、尿潜血は2+に低減しました。
一般的に潜血反応が消えるまでは時間がかかりますが、尿潜血による貧血などの症状がない場合は時間を要しても問題ありません。

Tさんの場合はかなり早い改善でしたが、IgA腎症の改善は個人差があり、もっと時間がかかることもあります。

いずれにしても、慢性腎臓病や腎不全にならないよう、早く治めることが大切です。

 真っ白な水仙

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: IgA腎症, シベリア霊芝, 免疫抑制, 八味地黄丸, 尿潜血, 柴胡剤, 蛋白尿, 補腎陽

腎臓移植後の漢方薬

2025年6月30日 by 健伸堂

60歳のMさんは13年前から透析を受けられてきました。

しかし倦怠感が酷くなり、4年前に漢方相談をお受けしました。
症状は、身体がだるい、脚がよく攣る、息切れしやすい、食欲低下、吐く事が多い、身体が冷える、などでした。

そこで漢方薬は、補気剤の補中益気湯や、活血剤の冠元顆粒、冷え(腎陽虚)には真武湯など、状況に合わせて様々な漢方薬をお使いいただきました。

そして昨年、腎臓移植を受けることになり、漢方薬も一旦中止しました。
その後しばらくして、移植を受けた腎臓の機能が少し低下し始めたとの相談を受けました。

腎臓移植のメリットは透析が不要になり、格段にQOLが向上することにあります。
一方デメリットは、移植腎の機能が維持できない場合や、拒絶反応が起こる可能性があります。

Mさんも移植後4カ月で腎機能が下がり始め、クレアチニン値が1.0、BUN値が24になったため、早速に機能維持できるよう、オウギ製剤、利水薬、免疫調整などの漢方薬をお使いいただきました。

1か月後、クレアチニンは0.88、BUN値は20まで下がりました。
また腎機能だけでなく、貧血傾向や肝機能も改善していました。

まだまだ不安定な状態とは思われますが、確実に改善し、安心していただきました。

腎臓のこともご相談ください。

真っ白なあじさいが美しい

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: オウギ製剤, 免疫調整, 利水薬, 腎機能低下, 腎臓移植, 補腎薬, 透析

腎機能低下による透析と漢方薬

2025年6月5日 by 健伸堂

透析を受けておられる患者数は2024年で34万人と言われます。その多くが、週3回の通院をされています。

透析によるQOLの低下は、通院の時間だけでなく、低血圧や疲労感、感染症にかかりやすいなどのトラブルがあります。

漢方では、これらの問題に対応できるものがあります。

58歳のTさん、今から20余年前に透析を受け始められました。
その後は様々な不調が現れ、その時々に適した漢方薬をお使いいただきました。

特に疲労感が強い時には補中益気湯、貧血が強くなったときには当帰芍薬散、身体が寒く、むくみが酷くなったときには真武湯や苓散等々、その時の症状、状態により多種使い分けてきました。
最近は今後トラブルが起きないように血管保護のための活血薬や、腎臓を守るオウギ製剤なども使っています。

この間、他のトラブルもほとんどなく、仕事も継続されて、元気に過ごされてきました。

透析は途中で止めることはないので、トラブルや他の疾患の併発を避け、いかにQOLを維持できるかが重要になります。

透析の漢方はご相談ください。

庭の赤い実・ユスラウメ

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: QOLの向上, むくみ, 倦怠感, 冷え, 透析の漢方

高齢者の腎臓病に対する漢方薬 3

2025年5月31日 by 健伸堂

引き続き、腎機能低下の方の症例です。

76歳のMさん、4年前に人間ドックで腎機能低下を指摘されて、その後経過を見ておられましたが、昨年春にはeGFRが14.8、クレアチニン値が3.39になり、心配になってきました。

知人から漢方薬が効くと聞き、相談にお越しになりました。

Mさんは狭心症があり、時には胸痛や息苦しさがある、体重が多くBMIは25を超えている、高血圧、高血糖、尿酸値が高いなど、腎臓にとっては良くない条件が様々ありました。

そこでまずは腎機能を改善することから始め、血圧や血流の改善を中心に<活血剤>を優先し、さらに<オウギ製剤>や<利水剤>、さらに糖代謝を改善するものなどをお使いいただきました。

2か月後、検査を受けられた時は、eGFRが23.7、クレアチニン値が2.19まで下がり、早い効果が見られました。

しばらくはデータが変動することと思われますので、そのまま継続いただいています。

Mさんは仕事も忙しく、食生活のコントロールが難しいため、血圧や血糖などの影響は避けられそうにありませんが、現状維持ができれば良いかと思われます。

また活血薬の服用によって胸痛などが無くなったとのこと、漢方薬は他の症状にも効果があり、喜んでいただきました。

腎機能低下はご相談ください。

ドクダミの花が一面に咲いています

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高齢者の腎臓病に対する漢方薬 2

2025年5月26日 by 健伸堂

前回に引き続き、腎機能低下の方の症例です。

93歳のKさん、20年前から腎機能が低下し始め、昨年にはeGFR値12、クレアチニンが3.8になり、透析を勧められました。

Kさんは昔から農業をされていたこともあり、年齢は高いが身体は元気ですので、透析は避けたいと相談にお越しになりました。

自覚的な症状は特になく、他の疾患としては高血圧、冠動脈のステント留置だけで、特に腎機能に影響する疾患はなく、元々の<瘀血体質>や高齢化に伴うものと考えられました。

そこで漢方薬は、オウギ製剤や活血薬、免疫調整作用ある製品などをお使いいただきました。
その後2か月後に検査を受けられ、クレアチニンは2.44まで低下しました。

かなり改善されたので、その後も継続されています。もちろん透析は見送りになり、喜んでいただきました。

腎機能低下は完治することはないので、漢方薬や食生活の改善などで良い状態を上手に維持することが大切です。
腎機能低下はご相談ください。

芍薬の根は漢方生薬です

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カテゴリー: 腎臓病 タグ: オウギ製剤, 冠元顆粒, 活血薬, 田七人参, 瘀血体質, 腎機能低下

高齢者の腎臓病に対する漢方薬 1

2025年5月22日 by 健伸堂

高齢化社会に伴い様々な疾患が増えていますが、そのうちのひとつに腎機能低下があります。

腎機能を表す指標のeGFRは、血清クレアチニン値、年齢、性別などから計算される数値で、10未満になると透析の対象となります。

しかし高齢者の透析は、合併症併発や認知症の進行など多くの問題があり、できるだけ避けたいものです。

漢方では、それらの問題を避けるため、クレアチニン値やBUN値を改善することが可能です。

80歳のHさん、クレアチニン値が一昨年より上昇し続け、2.93になったので心配になり漢方相談にお越しになりました。

Hさんは昔から高血圧傾向があり、10年前には脳梗塞を起こされ、昨年も再発されたとのこと、また高脂血症や前立腺肥大もありました。
漢方では、<痰濁瘀血>体質と見られましたが、まずは腎機能改善を優先することとしました。

そこで漢方薬は、活血薬や利水薬、オウギ製剤などをお使いいただきました。
そして3か月後の検査ではクレアチニン値が2.34にまで低下しました。
体調も良く、その後も継続服用されています。

また、食生活の見直しもアドバイスをしています。
腎機能低下は、漢方薬だけでなく、食事や運動も関連しますので、様々な面から考える必要があります。
腎機能低下はご相談ください。

連翹(レンギョウ)の花が満開(4月の写真)

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筆者 プロフィール

古村匡崇(薬剤師)
古村学(登録販売者・国際中医師)

漢方専門の薬局として、永年にわたり漢方相談を行ってきました。
日本漢方と中医学の両方の特徴を活かしながら、日々研鑽を積み重ねています。
少しでも多くの方に喜んでいただけることを目標に。

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