長引く空咳
風邪の後などの咳は取れにくいもので、長引くとなかなか治癒せず、喘息様になる方もあります。これに対し漢方薬は比較的得意とする分野でもありますが、体質と関連している場合は簡単に改善しないケースもあります。
34歳女性Kさん、会社で暖房機が入った日から咽の痛み、鼻水、発熱などの風邪症状が出始めました。その後5日ほどで熱や鼻水は治まったのですが咳だけが残り、相談に来られました。
咳の特徴は空咳(乾燥咳)でしたので、<養陰清肺湯>をお使いいただいたところ楽になりました。しかし、飲んだ後1時間程度は調子が良いのですが、その後は再び不調で、繰り返し飲んでもらっていても完治する様子が見られませんでした。
2週間経過後、あまりに長引くので、今度は煎じ薬の<杏蘇散>を使っていただきました。すると、2服ですっかり咳がとまり、その夜は咳き込むことなく良く寝られたとのことでした。もう少し早くこの処方を思いつけば、Kさんも咳で苦しむことがなかったことでしょう。
Kさんは陰虚体質で乾燥傾向があるため、肺系に潤いを保ち咳を軽減する<養陰清肺湯>を使ったのですが、秋の冷えと乾燥による肺系への影響を改善する<杏蘇散>のほうが適していたようです。
薬が合うときは1~2服で治ることを実感しました!
肝硬変の症状
アルコール性肝炎から肝硬変に進行する方は多いのですが、それでもアルコールをやめられないのが現実のようです。
58歳のYさん、以前からアルコール性肝炎で、ビリルビンは5近く、γーGTPも高いときは500、初回来られたときは220というかなり悪い状態でした。腹水もたまり、おなかが張って入るとのこと。
そこで利湿効果のある<分消湯>などの漢方薬と、肝臓の働きを助ける目的で田七含有健康食品をお使いいただきました。その後しばらく来られなかったのですが、今日お越しいただき、使ってから肝機能も良くなってきたと報告いただきました。
今回は身体のあちこちに脂肪がついて、異常に太くなってきたので改善したいとの相談でしたが、それも肝機能の低下によるものですので、同じ健康食品を継続していただきました。当然アルコールを控えることも言いましたが、実行は難しいものと思われます。
病気になってもアルコールをやめることができない方の気持ちは、私も良くわかります m(__)m
OSMC全国大会に参加
昨日はOSMC(オンラインショップ・マスターズクラブ)というネットショップの会の全国大会に参加しました。
時代の最先端の話で、ネット社会の発展が身近なところに及ぶことを痛感します。例えば、本屋さんに行くことなく本を買えるのは当然ですが、これからは自宅でその中味の文章や絵を見て本を選べるようになりそうで、立ち読みは不要になります。
また、家電製品では使い方を動画で見て、使いやすいか否かが判断できますし、ますます小売店に行くことが少なくなりそうです。
当店もメールによる相談が増えていますが、特に海外に住んでおられる日本人の方にとっては、日本語で対応でき、安心してご利用していただいています。今年は海外から不妊相談を受けた方で妊娠した方も数人あり、世界が小さくなって入ることを実感しています。
いい夫婦の日?
今日、11月22日は「いい夫婦」の日だとスタッフから教えてもらい、初めて知りました。
最近は年中何らかの日で、とても覚えきれません。ましてや年々記憶力が低下してくる年代ですので、無理もないですが・・・。
10年来のお客様で85歳の女性Uさん、特に病気はないのですが、いつも元気に楽しく過ごせるようにと漢方薬を上手に使われてきました。そして昨日は少し物忘れがひどくなってきたとの相談を受けましたので、頭がすっきりとするようにと滋養強壮の<能活精>をお勧めし、また寒くなったので補血・温補の<婦宝当帰膠>を併用していただきました。
高齢にもかかわらず、カルチャーや美容室、マッサージなど、毎日ほど出かけられ、話していてもしっかり理解し、ノートに書き留められていることが、老化予防になっているのでしょうか、とても85歳とは思われない方です。
多分、自分が同年代になったとしたら、身体も脳の働きもきっと負けるものと確信してしまいました。
風邪・鼻水・咳の処方
私事でよくある話ですが・・・
夕食後にうたた寝をした為に不覚にも咽の痛みが! しまったと思ったときは時既におそし、急いで板藍根含有健康食品を飲んだものの、あくる朝には鼻水とクシャミの連続でした。これは<風寒>にやられたと考え、定番どおり<小青竜湯>を服用したもののとまらず、さては体の奥にまで入ったと思い、補陽作用の<麻黄附子細辛湯>に変更し、少し小康状態を保ちました。
あくる朝からは咳と痰が始まったので<麻杏甘石湯>と<蘇子降気湯>を併用し、その次の日は乾燥咳に使う<麦門冬湯>に変更してようやく落ち着きました。
自分の状態はよくわかるので、その都度処方を変更しすぎて誤ることもよくあります。本来はそれほど変更せずに対応できるものなのですが、気が焦るための結果です。
漢方の大家が病んだとき、その先生が処方するのでなく、弟子や友人が考えて処方されるようです。私にはそんなことをしてくれる人はいませんが、他人になって客観的に自分を見る余裕が必要であることを感じました。
高齢者の残尿・頻尿トラブル
以前にも頻尿の話は書いていますが、高齢者には多い疾患で比較的簡単に改善します。
73歳のYさん、頻尿で且つ残尿感があり相談に来られました。夜間もトイレの回数が多いとのことで、まずは<猪苓湯>をお使いいただき、1回の尿をすっきり出すことにしました。
1週間で効果は抜群、すっかり残尿感はなくなったのですが、夜間頻尿は改善せず、今度は<牛車腎気丸>をお使いいただきました。
2週間で夜間の頻尿は改善したのですが、再び残尿感が取れないとのこと。そこで<漢方薬G>をj常用し、漢方薬Tを1日1回頓服のように使っていただきました。
牛車腎気丸は<八味丸>の処方に加えて生薬の<牛膝>と<車前子>が増えたもので、八味丸より排尿トラブルにはすぐれた効果を発揮します。
様々な病名と漢方
最近は疾患分類も細かくなり、難しい疾患名をいって相談に来られる方も増えました。
漢方はもとも病名で考えるのではなく、現れている症状やその原因、体質などで決めるものですが、症状が具体的にない場合は難しいものです。
58歳のOさん、病院で<非結核性抗酸菌症>といわれたものの、自覚的症状はなく、心配なので漢方薬を飲みたいと考えて来られました。
この疾患は結核菌以外の抗酸菌による肺の疾患で、免疫の低下や肺疾患から感染する病気とのことです。こんなときは病理を調べ、予後を調べてみるのですが時間がないときは改めて相談に来ていただくことにしています。
今回Oさんの場合は、ひとつは肺の力を付けることを考え肺腎陰虚の漢方薬<滋陰降火湯>をおすすめし、もうひとつは菌の働きを抑制することと考えて抗菌作用のある生薬を含む、咳などに使う<銀翹散>をお使いいただきました。
結果は3ヶ月後の検査によりますが、いずれの場合も免疫力の向上が大切なことを改めて考えました。
