脇の痛み

いろいろな部位の痛みの相談があります。

脇腹の痛みや張りは、漢方で『胸脇苦満』といい、ストレスに影響して起こるものや肝臓に関係したものなどがありますが、いずれも<柴胡>という生薬の含まれる漢方薬を用いるのが基本となっています。

Yさん60歳才女性、半年前から右脇腹が痛み、背中の方まで硬く凝っている、医師で様々な検査を受けたが異常なし、漢方医で漢方薬をもらったが良くならず、鍼灸治療も受けたがそのときだけ楽になり、後は同じ状態になり改善せず、相談に来られました。

タイプは神経質で「気にしい」の方、これは更年期の不定愁訴の様でもあり、<加味逍遥散>をと思いましたが、医師から柴胡剤をもらったが効かなかったということでした。そこで再考し、長期にわたる緊張があるとみて、活血作用の<血腑逐瘀湯を合わせて使っていただきました。

2週間後、ほとんど痛みは消えた!と喜んで来られ、ホッとしました。

古くからの(永い間の)症状は必ずお血(血の滞り)を伴っていると考えたのが奏功したようです。患者さんに良い勉強をさせていただきました。感謝!

前立腺肥大と頻尿

前立腺肥大は50歳以上の男性でよく見られます。

原因は男性ホルモンが関連しているようですが、まだ詳細は明らかでないようです。症状は、尿が出にくい、残尿感がある、頻尿、圧迫感などがあります。

Tさん57才男性、2年前に前立腺肥大の診断をうけました。昼間が頻尿で、残尿感があり、立ち仕事をしておられ影響が出て困る、眼のかすみもあり、疲れやすいとのことでした。

電話相談でしたので、まずは牛車腎気丸を使っていただき様子を見ることにしました。1週間後、おなかがもたれ、便秘気味になるとのクレームがあり、漢方薬の成分の<地黄>がおなかに負担になったようですので、香砂六君子湯を合わせて飲んでいただくよう変更しました。

1ヵ月後、尿の出は良くなり、順調との連絡ありました。それ以来身体も元気になり、トラブルも無く、4年来継続されています。

頻尿の悩み

先日の、頻尿の話の続きですが、

https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2005/10/post-117.html

頻尿のために睡眠不足を訴えられる方は多いです。一時の冷えによるものはすぐに改善しますが、慢性的な冷えの場合は難しいこともあります。

Wさん46才女性、昼間も尿回数は多いほうですが、夜間も3~4回で眠る間がないようでした。経脈を温め、冷えをとるポピュラーな補血・利水の<当帰芍薬散>を使っていただき、最初は良くなったのですが、しばらくするとまた不調になりました。

今度は腎陽虚とみて補腎・利水の<真武湯>を使っていただき改善しましたので、しばらくはこの2種を交互に使っていたのですが、再び不調に・・・。

そこで同じ腎陽虚を改善する漢方薬で<海馬補腎丸>に変更し、現在は順調にいっています。しかし、この冬は再びお薬を変更することになるのではと今から思案しています。

薬の慣れが出てくるのか、なかなか難しい例です。

糖尿病の中医学 3

糖尿病における血糖値のコントロールは重要ですが、特に食後血糖をいかに抑えるかが大事です。

通常3食をとり、さらに夜遅くに食べる方は4食になります。食事をしている時間と消化吸収の時間を合わせると、1食に2時間、4食の人は8時間にわたり血糖が上がる条件があります。要は寝ている時間以外は、血糖により血管が傷められっぱなし状態です。これをインスリンで抑制できない方は、早く血糖を下げる必要があります。

いろいろな健康食品が出ていますが、その中でも、桑の葉とグアバ葉や菌糸体が含まれたうバランスのとれた食品が良いようです。

食品ですので、ここには記載できませんが・・・。

糖尿病の中医学 2

糖尿病の改善は、微小循環の改善(血液をサラサラにして、細い血管までよ~く血が流れるようにすること)が大切なのです。

中医学では細いところを通りよくするものは、細いものと考えます。例えばミミズ! 生薬で<地竜>といいます。梗塞などによって不随や麻痺を起こした方で、早い時期に使うと回復を助けてくれる<補陽還五湯>という漢方薬がありますが、これにも地竜が含まれています。

地竜は昔から子供の解熱剤としてもよく使われってきましたので、ご存知の方もあると思います.

動物や昆虫などを原料とする生薬は、植物系生薬よりも効き目がシャープで、これから見直されるものも出てきそうです。「眼には眼を」という言葉は良い意味には使われませんが、ちょうど同じような表現で言うと

『胆のうのトラブルには胆汁を』

『血管のトラブルには細い地竜のようなものを』

『精力増強には動物の生殖器などを』

利用するという漢方古来の考え方がおもしろいのです。

糖尿病の中医学 1

昨日は東京で糖尿病の中医学的治療に関する専門講座を受けました。ちょうどその前日に糖尿病がテーマのメルマガを発行したところでしたが

その内容が不十分だったかなと思っています。というのは、もっと大変な病気であることをお知らせできていなかったかな?と思ったのです。

糖尿病は血液と血管の病なのですが、よく言われる3大合併症だけでなく、脳と心臓血管に及ぶため死に至る病気ということです。一般的な心筋梗塞や脳梗塞は、血管の部分的に障害が起こり、症状もはっきりと出るのですが、糖尿病の場合はすべての血管が狭くなり、動脈硬化を起こし、梗塞状態になるのです。それも通常の狭心症のように自覚症状が出てくるのでなく、知らない間に進行していくのも糖尿病の特徴です。

人間の血管は、細い血管を合わせると約10万Km=地球2周半もの長さがあり、あちこちで見えない間に問題を起こしているのです。食べすぎとストレス過多の人は悪化も早く、そのような方は改善する意思も弱いケースがほとんど。今からでも遅くありませんので、よーく生活を見直してください。

冷えと頻尿

朝方の冷え込みが気になる季節になりました。この時期の相談は冷えや頻尿が増えます。特に年齢が高くなるにつれて冷えの影響も出やすくなります。

Kさん66才女性、9月末に来店。「1週間ほど前から頻尿になり、1時間に1回トイレへ行き寝る間もないほどで、さらにすっきり出ないため下腹部に違和感があり困っている」と相談に来られました。

冷えによる膀胱炎の様子でしたので、身体を温め、排尿の力をつける温腎利水の<牛車腎気丸と、尿をすっきり出させる<猪苓湯>を組み合わせてお使いいただきました。

結果、4日後にはすっきり治り、お薬はやめられていたのですが、今週に入って再び同じ症状が出てきました。今回は<牛車腎気丸>だけをお使いいただき、しばらく続けるようにしていただきました。

冷えによる頻尿や膀胱炎はこれから増えてきますが、中から温める漢方薬を基本とし、少し利尿作用を加えるだけで短期間に改善します。

漢方の歴史小説を詠んで

漢方を扱う医師で、黒川達郎先生(大分県・黒川クリニック)が漢方の歴史小説を発刊されました。

この先生は月刊誌などにコラムを連載されている読書家で、視点も鋭く、風刺風でとても面白い文章を書かれるので、すぐに買ってみました。

内容は、吉益東洞や山脇東洋など、江戸時代に京都の街に住んでいた漢方の医家の日常を創作したもので、書くまでにかなり史実も研究されたようです。そしてその人間を上手に表現されていて面白いものでした。

江戸時代の大家と言えども、初期は皆生活に苦労し、人形つくりや内職で生活を繋いでいたといわれます。そして藩に重用されるなどで初めて世に出たようです。

これらの大家に共通していることは、勉強家であり、清貧で、人のために【医術】を学び、【仁術】を求め、【算術】を求めなかったからこそ、後世まで名を残す人物となったと思います。

この本をきっかけに、江戸の漢方大家から学ぶことは大変多いです!

黒滝ライブ・コミュニティ

昨日の続き・・・

山あいの25軒の村から更に奥に言った入った6軒が中心となって初めて行ったイベントの<黒滝ライブ>。どんどん過疎化していく村に外部からの人がきてほしいとの想いも込めて行われました。

ギター、指笛、太鼓、セミプロ歌手の歌など、たくさんの人がボランティアで出演し、たこやきや焼き鳥などとビールで秋の夕べを皆で楽しむというもの。手作りでありながらもなかなか立派なイベントで、心温まるものでした。

新しいコミュニティの誕生です。

田舎暮らし

田舎にログハウスを建てて自然を楽しんでいる友人がいます。仲間で地元の祭りを企画したと案内を受け行って来ました。

このハウスは15年前に自力で建てられたもので、そばにはごえもん風呂とパン焼き釜、そしてもう1棟のハウスが増えていました。これだけのものを造るには大変な労力を要したと思われますが、いつも人生を楽しむことを実践している点はうらやましく、且つ学ばされます。