ストレス性頭痛

頭痛にもいろいろあります。

よく聞くのはズキンズキンの片頭痛ですが、他にも締め付けられるような緊張性頭痛、片側の目の奥が痛む群発頭痛、そして脳に異常があって起こる症候性頭痛などがよく知られています。

漢方では、その原因で分類し、<寒> <熱> <湿> <肝陽> <血虚>などがあります。この中でも、難しいのが<肝>によるもので、いわゆるストレスを引き金とするものです。

42歳男性のSさん、数年前は週に1回程度の頭痛、それも休日に多く起こっていました。病院で頭痛薬をもらい、服用すると治まっていましたが、徐々に効かなくなってきました。そして頭痛の頻度も増したので、薬も変えられて、カフェルゴットが一番よく効いていたのですが、年々量が増えて効果が低下してきました。初期はストレスを受けたときに発症していたのが慢性化し、頻繁になってきました。根本治療にと漢方薬をお勧めしたのですが、このタイプの頭痛には即効性がなく、少しでやめられました。

寒冷による頭痛や、湿気による頭重、緊張性頭痛などには漢方薬でも即効性がありますが、ストレス性はその要因をなくすることが難しく、西洋医学でも難しいようです。

漢方を根気よく続けられないのも頭痛の方によくあり、これが私の頭痛のタネです。

鳥インフルエンザ

昨年に引き続き、鳥インフルエンザの流行が懸念されています。

ロシアやアジアでも徐々に増え、日本では放送を自粛しているのか?あまり話題になりませんが、近日中に大きな問題になるのではと思います。

ウイルスが鳥から人間に感染する段階では患者数は少ないのですが、ウイルスが変異して『人間から人間に感染する』ようになると爆発的な拡大が予測されています。

感染の予防は特定のワクチンですが、現在の技術で創るには、感染が始まってから6ヶ月以上かかるようで、それが全医療機関に渡るに充分な量となると、更に時間がかかります。それまでは自衛するしかありません。うがいするとか、人ごみに入らないとかも大事ですが、いつの時代でも、何のウイルスに対しても、いちばんの予防は<自己免疫を高め、外邪と闘う細胞の働きを高める>ことです。

ウイルスと人間は永年闘い続けてきました。新しいウイルスは際限なく発生するものですから、いつも免疫を良い状態に保つことが求められます。

なお、厚生省の予測では、鳥インフルエンザが人間の間で感染するようなら、その新型インフルエンザで10万人の死者がでると予測しています。

ストレスの腰痛

先日のNHK生活ホットモーニングで「ストレスと腰痛改善」の話題がありました。

その概要は・・・腰痛というと、老化とともに出るとか、無理な姿勢や運動不足により発生すると思われがちですが、それだけでなく実は社会的・心理的ストレスが強く関わっているという話でした。そして、仕事の悩みや人間関係、家庭内のストレスがあるときは注意が必要ということでした。

実は、漢方では以前から腰痛やギックリ腰はストレスに関わるとしてよく知られています。

有名な話で、相見三郎先生は気分の病(現代の言葉では、自律神経失調症に相当する病)による腰痛には<桂姜棗草黄辛附湯>という漢方薬が即効性があるといわれ、以来漢方界ではよく使われて実績があります。

この漢方薬は、体の芯が冷えているのを温め、元気が落ちているのを助け、陰陽のバランスを整えるお薬です。ということは、体が冷えると自律神経が乱れやすく、それにより腰痛が引き起こされるという事です。近年、冷蔵庫やクーラーの普及で身体が冷え、低体温の方が増えています。生活の変化が、腰痛だけでなく精神・神経系の病を増やしているのではないでしょうか。

ストレスと咽のつまり

精神的なストレスで咽が詰まるという症状は、漢方では<梅核気>と言い、西洋医学では<ヒステリー球>といわれます。この話は以前にも書きましたが

さらに、痰がともなうケースがあります。

後鼻漏か、蓄膿か、痰かわからないような症状で、痰が咽につまり、出そうとするが粘っこくて出にくい、夜にひどくなると窒息しそうで、救急で病院に行かれる方もあります。漢方では痰が鬱熱によって粘りを増していると考えます。

Yさん、59歳女性、2年前の夏風邪を引いた後から慢性の鼻炎になり、痰が溜まるようになった。病院では呼吸器系や耳鼻科などの診察を受けたが、特に問題はなく治療もない。咽の奥に痰がたまって通らないので、かき出すように取る時もある。痰をよく出すので舌が痛くなり、不眠にもなる。手のひらが赤く腫れ気味、のぼせがある、全身緊張状態など、漢方では<肝陽上亢>というストレスの症状が見られた。この症状は短期では取れないと説明したが、ご本人はつらく、すぐに来られなくなった。

難しい症状のひとつでした。

メタボリック・シンドローム

昨日は定例の社内研修会。

漢方だけでなく西洋医学の基礎と臨床を学習しようと、3年前より某病院の元院長先生を講師にお願いして続けてきました。この間、心臓病、腎臓病、肝臓病、血液学、生活習慣病など、広範囲に学んできましたが、すべて理解するには難しすぎ! 少しでも頭に残ればとスタッフ共々頑張っています。

今回のテーマは、最近新聞でもよく掲載されています<メタボリック・シンドローム>についてです。

言葉の意味は、「過栄養と運動不足を基盤にして、増加しつつある心血管病の予防対策として決められた疾患の概念」です。簡単に言えば、『ウエストサイズが男性85以上、女性90以上で、且つ血圧や中性脂肪が規定値以上の場合、将来心臓が危険ですよ』という指標です。他の病気の予防でも同様ですが、根本は食事の摂生と日常的な運動の必要性、そしてストレスの緩和、この3つであなたが健康になるか、死に近づくかが決まります。

なかなか出来ないこととは思いますがお互いに頑張りましょう!。

ひまわりの会 秋の企画紹介

当店のお客様を中心として、東洋医学や自然に親しみを持つ方々の集い『ひまわりの会』の秋のイベントを紹介します。

今回は漢方、東洋医学とは全く関係なく、☆西洋文化☆を楽しむ企画です。

11月18日(金) 19:00~ 京都駅前にて
『アモーレ・カンターレ・マンジャーレ(恋して・歌って・食べて)』

と題し、テノール歌手<葭村洋平>先生によりますカンツォーネの夕べです。葭村先生は、コンサートや音楽指導などで活躍されている新進気鋭の若手テノール歌手です。

また、後半は<青春スタンダードナンバー>をみんなで一緒に歌い、元気を持ち帰っていただく企画です。なお、ただいま『ひまわりの会』会員募集中です。詳しくはメールにてお問合せください。  

葭村洋平 先生

ストレスと目の痛み

目の奥が痛み、しばらくすると頭痛になるという方があります。

漢方で『肝は目に開竅す』といい、何らかの原因で肝血が不足すると目の乾燥を生み、肝の働きに問題があると、目が赤い、目の奥が痛いなどの症状が出ます。主に自律神経失調の方によくみられます。

Yさん75歳女性、50歳のころから不眠やうつ傾向があり、安定剤や抗うつ剤を使われてきました。出てくる症状は様々で、頭重感、皮膚の痙攣、痺れ、脱力感、不安感、動悸などと<目の痛み>、それに伴なう頭痛です。最初のころは西洋薬も効いていたようですが、量が増え、種類が増えるとともに効かなくなってきました。

漢方薬も症状にあわせ、様々変えて使っていただくものの、自然に緩解したのか、薬が効いたのかわからない間に過ぎていきます。

一般的にこのような頭痛には、<清上蠲痛湯>がよく使われますが、この方の場合は<肝に働く漢方薬=疏肝剤>を続けていただいています。いずれもスッキリすることなく、大変難しく苦労する症例です。

突発性難聴とストレス

突発性難聴は西洋医学でも原因が明らかになっていませんが、ウイルス説と内耳循環障害説が言われています。

治療はステロイド剤や血管拡張剤が使われますが、短期間で治癒しない場合は治療方法がないようです。漢方では、血流とともに、ストレスと疲労が大いに関係していると考えます。

フライトアテンダントをされている、Kさん35歳女性。2ヶ月前に左耳が突然難聴になり、回転性めまいが発症しました。すぐに入院されてステロイドと血管拡張剤による治療を受けられましたがほとんど改善せず。その後、針灸治療を受け少し改善しましたが、まだまだの状態です。

漢方では血行をよくする漢方薬やストレス緩和作用のもの、リラックスハーブティなども使います。Kさんの場合は、時間経過も長く難しいように感じています。

受験のストレス

当店の近くに経理・税理専門学校があります。

そこの学生さん、とはいっても18歳から30歳くらいまでの方が、税理士を受験するため勉強に励んでおられます。国家試験は毎年8月上旬にあり、その前の3月頃から当店に来られます。

勉強のストレスで気鬱になる、昼夜逆転し睡眠不足、食欲低下、疲労感がある、そして目の疲れも増え、ドライアイなど様々な症状を言われます。

こんなとき、よく使ってもらうのがエゾウコギ含有健康食品です。気分がホッとすると、女性に人気です。なぜ女性に喜ばれるのかは不明ですが・・・。

私も時に飲むのですが、確かに『ホッとする』ことが実感できます。

ストレスとめまい

ストレスはどこにでもあるものですが、夫婦間の場合は一生持ちになります。

男性は年々細かく、うるさくなり(私もそうですが!)定年退職しようものなら、家の中にいてちょっとした事でも目に付いてしまうのです。そのため奥様は神経が疲れ、外に出ようとされます。

しかし! 外に出るとき「どこに行く?何時に帰ってくる?」など聞かれると、出るのも億劫になるようです。結局ストレスはたまる一方なのです。ご主人がゴルフにでも出てくれればラッキーなのですが、身体がしんどくなるとゴルフの回数が減るというもの。こんな悩みはよく聞かされます。

Mさん73歳女性、ご主人が会社の会長さん。といっても、ほとんど仕事は社長に任せて、本人は自宅におられることが多いため、奥様は出られず。お花の先生をされているので、その指導や展示会の時は出かけられるのですが、家にいる時間の方が長く神経疲れのためかめまい、不眠、動悸など様々な症状が現われます。

そこで精神神経症状を緩和する安神作用の<桂枝加竜骨牡蠣湯>や疎肝薬の<加味逍遥散>を使っていただき、症状は改善しますが、根本治療にはストレスがかからなくすることで、時間がかかりそうです。