漢方の軟膏 3
漢方軟膏で最も有名?なのは「紫雲膏」ではないかと思います。
S軟膏は、やけどの時に<すぐに> <たくさん>塗っておくと水泡ができてもすぐに引いていくようです。また、乾燥してひび割れした皮膚に塗ると、短期間でつるつるになります。しもやけになりやすい方は、夜寝る前に塗っておけばこれで大丈夫。痔の方は周囲に塗ってもよいし、<座薬タイプ>を使うと内痔核にもよいし、痛みがある方ならすばやく治まります。
これだけ使い道があるのに、成分は<紫根=熱をさまし、解毒する> <当帰=消炎や血流をよくする> <ミツロウ=解毒、生肌作用> <豚脂=乾燥をとる>などで、幅広い効果があるのです。
また漢方軟膏は口に入っても安全なことも大きな特徴です。もっと見直したいものですね。
漢方の軟膏 2
生薬を主成分とする軟膏は以前はたくさんあったのですが、医薬品製造における品質管理規制が厳しくなり、製造業の免許を維持しようと思うと大変な設備投資が強いられるため、廃業に追い込まれる零細製造業者がたくさんありました。
軟膏としては良いものもあり、少し臭いが強いとか粘度が高くて塗りにくいとかありますが、何よりも歴史があって安全性が高い、人間に優しいことが特徴です。
このような歴史があるものを残すことなく、新しい規格と新しい化合物を求めていく現在の制度は、長い目で見て! 本当に人間のため、地球のためになっているのでしょうか? 環境ホルモンが問題になっていますが、人間が生んだもので人間が滅びていくというのは、一面滑稽な感じがします。
漢方の軟膏 1
黄柏はミカン科の高木、キハダの樹皮で、その作用は抗菌、抗炎症、降圧、健胃作用があります。昔から胃腸薬の原料として用いられ、信州の「百草丸」、吉野の「陀羅尼助」、山陰の「練熊」として用いられてきました。
この黄柏の粉末を求めてこられた方、子供の<とびひ>や<あせも>に使いたいとのことでした。黄柏の入った軟膏はいくつか発売されていますが、黄柏だけを求めてこられる方は初めてでした。
黄柏を酢で練って軟膏とし、湿疹や打撲の外用薬として昔から民間で用いられてきましたが、昨今は軟膏は化学物質(西洋薬)が主で、自分で軟膏を作られる方はほとんど無いと思います。
世の中には、いまだに民間薬に親しみ、詳しい方がおられるということに、なにか頼もしく、とてもうれしい気持ちになりました。
栄養素のはなし
栄養士さんや給食関連の方は別として、通常の食事で栄養素を考えることはほとんどないと思います。しかし、腎臓病や透析をされている方では、様々な栄養素が問題になりますので、注意が必要です。また、意外な食物に意外な成分があるということもあります。
透析を受けておられるSさん、最近血液検査でリンが高くなってきたと指摘を受けられました。生活上、特に変わったこともなかったので、漢方薬はどうなのかと聞いてこられました。漢方薬も腎臓病には気をつけながら、データの変化を聞きながら使っていますが、特にリンが増えるものは思い当たりませんでした。結局、夏になって枝豆を毎日食べておられたことがわかりました。
リンが多く含まれるもの=代謝に影響⇒大豆、いんげん、えんどうなどの豆類、玄米、そば
カルシウムが多いもの=骨や神経や筋肉に⇒ひじき、わかめなどの海藻類、ごま、パセリ、しじみ
マグネシウムの多いもの・・・海藻類、ぬか、コーヒー、抹茶
鉄の多いもの=血液の成分⇒海草類、ココア、ごま、ほうれんそう
亜鉛の多いもの=性機能向上⇒牡蠣(かき)、ごま、ひじき、こうしてみると、海草やごまは手軽で安い!貴重な栄養源なのですね。
海外からの問合せ
ホームページを開き、メールマガジンやブログなどを書いてきていますが、これらを見て海外におられる日本人の問合せがよくあります。そして、ネットの時代で世界は狭くなっていることを実感する機会でもあります。
海外からの相談もメールのやりとりで何も問題はないのですが、いざお薬がきまり、見積りした段階でほとんどがダメ!になります。一つは海外におられて金銭的にも楽な状態ではない場合と、発送するに当たり送料がかなり高くつくためと思われます。
先日も、メールが来た段階で、送料が高くつくためキャンセルされるケースがほとんどですと申し上げたのですが、相談したいとのことで受けてしまいました。そして結果はいつもどおりで、金額が高いということでキャンセルになりました。すごい時間をかけて検討し、親身になってメール返信した結果がこのようになるのは、大変残念です。
国内でもそのようなことは日常的ですが、海外の方はその比率が高いのは、ネットは距離に関係ないといえども、やはり遠方で信頼感が生まれにくいのではと思いました。直接お会いするのに対し、メールだけでは信頼感は生まれにくいものでしょうし、さらに遠方ほど難しくなるというところに、インターネットの限界を感じています。
めまいと水分の関係
めまいにもいろいろなタイプがあります。前にもブログで書きましたのであわせてご覧下さい。 https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2005/07/post-52.html
その中で、水分のとりすぎが原因になっているケースもよくあります。TVや新聞で、充分水分をとりましょうと聞いて、1日3リットルも飲んでいる方がありますが、人により必要な量は異なりますので、必要に応じて飲むというのが正しい飲み方と考えます。
漢方の先生方はほとんど <水を控えなさい> と指導しておられることと思います。誤った知識が病気を生んでいると思うからです。
70歳女性、朝方にめまいがする、頭が重いことが多い、首の後ろがつまる、まぶたが腫れる、脚がむくむ、などの症状を訴えられました。聞いてみると、寝る前に血が固まらないように水をしっかり飲むとのことでした。そして夜間尿はないので、水は体にたまって、様々な症状の原因になっていると思われます。
とりあえず夜間は水を控え、寝る前はコップ1杯だけにしてもらうことにしました。1週間で良い結果が聞けるものと期待しています。また報告します。
夏バテ
朝夕涼しくなって、体調がおかしくなった方が続きます。いわゆる夏バテでしょうか。
35歳、女性のケースですが、食欲がない、なんとなくムカムカ吐き気がする、食べたら下痢になる、時々胃が痛い、だるくて仕方ない、口は渇くが水を飲むと下痢気味になるので飲まずにがまんしている・・・などが、他の方と共通する症状です。
胃腸の疲れがまとめてきているようなので、胃気を高め、水をさばくという漢方薬を服用してもらいました。1週間ほどで解決すると思われますが、報告に来てくださるお客と、調子が良くなったので来られない方もあり、いろいろな症例を集めるには難しい症状ですね。
さらに9月にかけて風邪の方も増えてきます! みなさん、ご注意ください!