72歳の男性Oさんは、年齢のわりにはとても元気で体格もよく、スポーツジムに通っておられましたが、昨年8月頃から右の脇腹の辺りが痛くなり、寝返りすると痛みで目が覚めるほど強くなってきました。
そこで病院でCTや血液検査を受け、鍼灸や整体にも行かれたものの、全く改善せず、今年4月に相談に来られました。
詳しくお聞きしても、特にその原因が思いつかないとのことでしたので、「ご家族の問題は何かありませんか?」とお伺いしたところ、奥様がその頃から大きな病気になられているとのことでした。そこで『やっぱり!』とすぐに判断でき、<大柴胡湯>をお使いいただきました。
1週間過ぎた頃には、かなり痛みが軽減し、2週間ですっかり痛みが取れて驚かれました。
漢方ではよくみられるケースで<胸脇苦満>といい、季肋部や肋骨弓下部の筋肉が緊張状態になっているためです。そして、これに対する漢方薬は、体質に合わせていくつかの種類がありますが、いずれもストレスを緩和するような<柴胡剤>を用いることで、短期間に改善するケースがほとんどです。
西洋医学で半年以上不明な症状が、2週間で改善するという、漢方が得意な分野です。