次に、高血圧の人以外には使えないかという問題ですが、ほとんどの漢方処方が作られた中国やその時代には「血圧」という概念もなければ測定することもできませんでした。ですから基本的に、血圧の高い低い関係なく使うことができます。 では、なぜ高血圧が効能に記載されているかというと、経験的に高血圧の人に応用して効果があったという説が有力です。また、この他にも高血圧に適応のある漢方薬がありますが、どれも西洋医学の降圧剤のように強制的に血圧を下げるものはありません。漢方薬は血圧を高くしている体質や体の不調を改善して、血圧を上がりづらくするという解釈が無難であると思われます。したがって、もともと正常な血圧や低血圧をさらに下げるということは漢方の理論ではありえませんし、経験的にもありません。 例えば「黄連解毒湯」という処方には、あるメーカー(A)の効能効果には「皮膚炎」と記載があるのに、他メーカー(B)には「皮膚炎」の効能効果の記載がないのです。皮膚炎の症状を治したくて来たお客さんにメーカー(B)の「黄連解毒湯」を勧めると、「皮膚炎に使うという効果が記載されてないじゃないか」と言われることがあります。 投稿者:iwasaki
漢方薬の効果・効能の記載は、漢方薬を全く知らない人が選ぶとき、とてもよい指標になることは確かです。しかし、それだけに囚われていると、実際効果的なものも使えなくなってしまいます。
もちろん説明しますが、漢方薬を理解していただくのが難しいケースもあります。
いずれにしても、漢方薬を選ぶときは専門家に相談して納得した上で服用することをお勧めします。
生薬・民間薬の最近のブログ記事
今や、ドラッグストアに行っても手軽に漢方薬を購入できる時代になりました。商品名からは漢方薬とはわかりづらいものもありますが、テレビでも漢方薬のコマーシャルが普通に流れています。
ところで、漢方薬の効能・効果を詳しく読んでみると、ドラッグストアの他の医薬品や病院の西洋薬とは違うところがあることに気付きます。それはどんな時に使うかという症状だけでなく、体質の記載があることです。例えばある漢方メーカーの防風通聖散は、効果・効能...「体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、吹き出物(にきび)、肥満症」と記載されています。実をいうと、同じ漢方処方名でも、メーカーによって効果・効能の記載に違いがあるのですがそれはまた別の機会に・・・。
一般の人がこの記載を読むと、体格が良く・便秘がちで、高血圧か、動悸、肩こり、蓄膿症ふきでもの、のどれかがあるなら自分にも効果があるのかなと解釈もできるのではないでしょうか?「便秘」と「肥満」という文字が2回でてくるのでちょっと混乱しますが、便が軟らかい人や痩せている人は問題外、低血圧の人はこの漢方薬は高血圧の人に使うのだからさらに血圧が下がってしまうのではないか、と考えてしまいます。本当にそうでしょうか?
「防風通聖散」の原典≪宣明論≫によると、漢方でいうところの表実証と裏実証を兼ねるときに適応するとあります。実証の症状の中に「便秘」はありますし、実際に大黄という下剤効果のある生薬が配合されているので下痢気味や軟便気味の方は避けたほうが無難です。ただ、肥満の人に実証の方が多いという事実もありますが、実証=肥満ではありません。よって、体型がふつうの人や痩せている人でも実証であれば使います。

投稿者:iwasaki
時々お問い合わせを受ける<マクリ>は別名:海人草という海草です。
昔から回虫の駆虫薬として使われてきましたが、最近は成分のカイニン酸とサントニンをあわせた駆虫薬が販売されていて、マクリはあまり使われなくなりました。それでも年に何回かお問い合わせを受けることがあります。
なお、産後間も無い赤ちゃんに飲ませる胎毒下しは、このマクリに他の生薬を加えたものが一般的です。参考にご覧ください。
http://www.kanpou.info/blog/ichizen/2007/04/post-468.html
熊胆(ユウタン)はツキノワグマやヒグマの胆のうを乾燥させたもので、昔から貴重な民間薬として知られています。最近は動物保護のため、ワシントン条約で規制され、入手しにくくなっていますが、昔からの愛好者もおられます。
熊胆は、胃腸薬、胆石、発熱、痙攣、炎症などに効果があります。乾燥して硬くなった胆のうを小さく刻み、1回0,2g程度、口に含んで舌下吸収させるように服用します。味は極めて苦いのですが、ほのかな甘みもあります。成分量に差異があり、味も効果もばらつきがあるのですが、時には偽者もあるようです。
いつもお使いになっているAさんは、一口なめるとその効果の良否がわかると言われます。
自然保護をしながら、こういった貴重な薬も守って行きたいものです。
近年あまり使われなくなった<サフラン>は、別名:番紅花といい、活血、通経の漢方生薬として使われてきました。
しかし、花柱を1オンス=30g集めるのに4300本の花が必要とされて、高価なためにあまり使う機会がありません。作用は、鎮静、鎮痛、通経などがあり、生理痛や生理不順、産後の腹痛に用いられるとともに、清心といい、気分の落ち着かないときにも使われる生薬です。
今日もお客様からお問い合わせをいただいたので、書いてみました。
お正月を利用してある地に行ってきました。それぞれの国や地域には様々な<変ったもの>がありますが、今回は<梹榔・ビンロウ>を知りました。
ビンロウは椰子科の植物で、葉っぱに石灰を塗りつけ、ビンロウの実に巻いたものが道路際にたくさん売られていました。元は台湾の先住民族の嗜好品といわれますが、今は台湾では煙草と同じような嗜好品として売られています。
このビンロウには覚醒作用があり、興奮状態や目覚ましの効能があると言われ、運転手に好まれます。ビンロウを噛むと真っ赤な唾液が出てきます。これは飲まず吐き捨てます。そのあと、汗が出てきて、神経を刺激しているのがわかります。しかし、美味しいものではありません。
日本では麻薬に分類されているようで持ち込み禁止ですが、台湾では合法で18歳未満の者だけ販売禁止となっています。農家の貴重な収入源ですので、台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う状況のようです。
なお、漢方では檳榔子の果皮である<大腹皮>という生薬を、整腸作用や利水作用に利用し、腹痛などのときの薬として使われます。
梹榔の実と石灰を塗った葉
出来上がった<梹榔>
噛んだあとの真っ赤な口
先日のテレビ朝日「たけしの本当は怖い家庭の医学」は、食物繊維と血糖値の話題でした。
糖尿病の要因としては、家族性、過食、糖分の摂りすぎ、運動不足などがありますが、特に注意することは食後血糖値が急激に上がらないようにすることです。日本人の主食の米飯には100g中に約32gの糖分が含まれますので、意外と知らないうちに糖を摂っているのです。
そこで番組では、血糖値の上昇を緩やかにする<水溶性食物繊維>を豊富に含んだ食材を組み合わせて取る、たとえばひじき、キノコ類などがよいと紹介されていましたが、毎日継続することが大切になります。
当店では、食事や運動などの生活改善に加え、オオバコの種皮成分であるサイリウム(ほとんどが水溶性食物繊維)を多く含む健康食品<イサゴール・プラス>を、食後にとることをお勧めしています。
食物繊維は大腸に生息するビフィズス菌の栄養源となり、悪玉菌の増殖を抑える働きもあります。
1日に必要な食物繊維量20g以上を摂ろうとすると、干しシイタケで50gとか、切干大根の乾燥したもの120gを食べる必要があります。もちろんその他の野菜で摂取できるのですが、意識的に食べないとなかなか必要量にならないようです。お通じを良くするためにも必要な栄養素なのです。
日本の民間薬はたくさんありますが、その中でもよく問合せを受けるのが<メグスリノキ>です。かすみ目や疲れ目などにお茶として使っていただいていますが、最近は白内障や網膜症などの予防効果も言われています。
この植物はカエデ属カエデ科の落葉広葉樹で、東北地方に多いと聞きます。この樹皮に含まれる成分のロドデンドロールが、肝機能を高め、解毒作用があると言われいます。漢方では肝臓と目は強く関係していると捉えますので、メグスリノキも肝臓に働いて目に作用するということがわかります。
当店で一番長くお使いになっている58歳の男性Kさんは、今から13年前に野球をしていてボールが目に当たり、病院では網膜剥離寸前の状態との診断を受けました。その後<メグスリノキ>と<杞菊地黄丸>を13年間根気よく続けられ、現在も全く異常なく過ごされています。
メグスリノキが効いたのか、杞菊地黄丸が効いたのか、あるいはKさん自身の治癒力によるものなのかはわかりませんが、結果として失明することなく元気に過ごされていることは本当にうれしいものです。民間薬は作用は穏やかでお茶として使われますが、長期に続けることによって効果を発揮するものもたくさんあります。先人の知恵を活用したいものです。







最近のコメント