南蛮毛のはなし

昨日のテレビ「あるある大辞典Ⅱ」は、世界あるある最新報告SP として、キレイになれる話があったようです。残念ながら見られなかったのですが、放送後すぐに<南蛮毛・ナンバンゲ>のご注文をたくさんいただきました。

南蛮毛>は、ご存知のとおりトウモロコシの毛(雌花の花柱)を乾燥したもので、昔から民間薬として使われてきました。特に、腎炎の浮腫や妊婦の浮腫に用いられてきました。

テレビでは『むくみをとってスッキリする』ということと思いますので、この場合は1日量10~15gを煎じ、お茶として使います。はと麦茶に混ぜるなどすると、より美味しくいただけます。ぜひお試し下さい。

高齢者のめまい

めまいの話は何度も書きましたが

その原因として圧倒的に多いのが水毒、水分代謝に係わるものです。

しかし高齢者の場合はどちらかというと痩せていて、たくさんの水分が停滞しているという事はあまりありません。このような方のめまいは血流と関係するものが多いようです。

80歳の女性Nさん、以前にめまいで通院したことがあり、以降時々フラッとする時があります。血圧も少し高いので<冠元顆粒>を飲んでおられますが、めまいを感じたときはこの漢方薬をを少し多めに飲むと落ち着くとの事。

冠元顆粒は血流をよくする薬で、これによって改善するようです。血流を良くする薬は他にもたくさんありますが、めまいで<冠元顆粒>や<桂枝茯苓丸>で良くなる例はたくさん経験しています。

風邪の早期改善

寒さが急に強くなり、風邪の方が増えるのではないかと思われます。

風邪薬はたくさんありますが、初期にうまく抜けることが大切で、こじれてしまうと咳が長引いたり、喘息様症状になったりします。短期間に良くするには、思い切ってたくさんの漢方薬を使う場合もあります。

50歳女性Tさん、風邪をこじらせて3日目、微熱があり、咳き込みが激しく、咳のため胸が痛い、痰は少ないと言う症状でした。あくる日に大事な用事があり、早く治したいとのこと。

そこで、柴胡桂枝湯や、麦門冬湯、 咳と咽の痛みをとる<銀翹散>などを2日分使っていただくことにしました。 そして、1日経た今日の夕刻にTさんから電話をいただき、ずいぶん良くなって用事も無事に終えたとの報告を受けました。今回のように多くの種類を使うことは少ないですが、どうしても1日で良くする必要がある場合はこんな方法も有効です。

ストレスによる便秘

ストレスはいろいろなところに影響をあたえますが、その一つに便秘があります。中医学で『気秘』といわれ、肝脾気滞により起こります。

症状としては、お腹が張る、スッキリ出ない、残便感、便が細いなどです。通常の便秘薬を使っても、便は軟らかくなるがなかなか出ないようです。

30歳男性Wさん、営業の仕事をされていてストレスがいつも多く、身体は見た目は元気そうですが、本人はすごく疲れを感じているとともに、ひどい便秘で数日出ないし、お腹が張って苦しくなります。

<大甘丸>など通常の便秘薬ではだめで、<通導散>を使っていただきました。これは<大黄>や<芒硝>などの瀉下剤と<厚朴>や<枳殻>の気剤が合わさったもので、気滞やお血に使うものです。

これに限らず、気のめぐりをよくする理気剤を加えても良いのですが、1種類で済む優れた漢方薬です。1週間後が楽しみです。

病が病を生む

扁桃炎の相談にこられた女性Kさん、今年1月からの扁桃腺炎になり、耳鼻科で治療を受けられてはいるが、いつになっても治らないとのこと。

よーく話を聞いてみると、咽の奥に白い斑点がついていて、少し痛みがある、その後舌が赤くなり、味覚異常がでてきたとのこと。検査データでは味覚異常があるわけでなく、境界値程度です。医師からそういわれたので、そうなったようです。

そこで舌を見せてもらうと、舌の両側の広範囲に苔が無く、中医学で言うところの地図舌で、「気陰両虚」を示していました。心配性で、少し自律神経失調気味ということがわかります。

結局心配が心配を生んでいるだけですので、疎肝剤と、咽の痛みに使う<銀翹散>をお勧めしました。もしかすると薬はなくても、カウンセリングだけでも良くなるのかなとは思ったのですが、薬があるとご本人は安心されるので使ってもらうことにしました。

この経過を振り返ると、風邪⇒扁桃腺炎⇒舌炎⇒味覚異常⇒歯科という順に病気を作っているのです。最初の時のフォロー、患者に安心感や信頼感を与えることが出来なければ、不安になり、そして次の病気を生んでいくという悪いサイクルに陥っていくのです。

病気の方にはとにかく安心感を与えるようにすることが、薬以上に大切なことだと改めて考える機会でした。

ニキビ・吹き出物

オフィス街であり、繁華街でもあるという場所がら、若い方のニキビや吹き出物の相談が多くあります。

圧倒的に女性の方が多いのですが、このとき一番困るのがお化粧されていることです。顔を見てもニキビがどこにあるのかわからないとか、赤くて痛いんですと言われても、状態がつかみにくいのです。丘疹で化膿してクレーター状になっているのも、よく見ないとわからないほどの厚化粧もあります。あまりじろじろ見ると嫌がられますので、適当に聞いていますが判断ミスを生む原因です。

ニキビや吹き出物につかう漢方薬はたくさんの種類がありますが、女性の場合は生理周期の関係やストレスの状態に関連することが多く、男性では食生活に関連する場合がよくあります。早く改善する場合もありますが、難しいものは1年を超える方もあり、簡単な疾患のようであって、なかなか奥が深い?疾患です。

25歳男性Tさん、高校を終える頃から吹き出物が多くなり、ますますひどくなってきたとの事で相談に来られました。化膿し、クレーター状態がアゴ周辺に多くありましたので、まずは化膿ををとることから開始。

<十味敗毒湯>や<黄連解毒湯>などを入れかえながら使い、暫くして化膿はなくなり、赤みも軽減しました。その次は荒れた肌の修復を考え、<桂枝茯苓丸>や<ヨクイニン>などに変更し、肌の凹凸も少しずつですが改善しました。現在も気長に継続しておられます。

ヨクイニンはこのほか背中のニキビ跡をとるのに良いと、お客様から教わりました。毎日が勉強の繰り返しです。

若者の事件に思う

先日来テレビで報道されていました学習塾講師の殺人事件は、当店のすぐ近くの出来事でした。

当日朝、電車に乗ろうと道路を歩いていると、けたたましいサイレンを鳴らしながらパトカーが暴走?していて、付近走行中の運転手も驚くほどでした。そして後で知ったのがこの事件。学習塾で大学生のアルバイト講師が小6の女児を刺殺した、それも計画的な犯行だったとか。

その後来店されたお客様の話で、息子さんが日ごろはおとなしいが、突然暴力的になることがあり、自分の子供と重なって見えると言われていました。

この息子さんは30歳過ぎで、仕事はまじめで、頭も良くて、国家試験を受けようと勉強している方なのですが、家では話の中のちょっとした言葉で急に激高して暴力を振るうときがあるといって、2ヶ月前にお母さんが相談に来られたのです。そして、本人も治したいと思っておられましたので、漢方薬の漢方薬Y>を使っていただきました。

そして1ヶ月経過したころから暴力はなくなり、2ヶ月後には中断していた勉強を再開しようという気になり、ずいぶん落ちついてこられました。

最近の20~30代の方によくみられるケースは、まじめで、外部でストレス発散ができず、家庭で大声をあげ、暴力をふるう、泣き喚くなど、友達や同年代とのかかわりが少なく、母親の過保護が続いていて、独り立ちや成長が出来ていないという方が男女ともに多いことです。

こういった事件をきっかけに、スクールバスの増加や、家庭の過保護、遊び場の減少、登下校時の子供どおしの遊びがますます減ることにより、この子供らが大人になった時に人間関係をうまくもてない人間になるのではと心配されます。

昔のように、子供が安心して遊べる社会を取り戻したいものです。

水分の取り過ぎ

「1日に2Lの水分をとって下さい」、という話をテレビや医師から聞いて実行している方は以外に多いです。

しかし、人によって必要な水分量があるので、一律に2Lというのは問題があると考えます。夏は発汗するので多くとりますが、冬は少なくて良いのは自然の道理です。

漢方では水が身体に滞っていることを『水滞』とか『水湿困脾』とか言い、どこに溜まったかによって対応も変わります。

23歳女性、冷え症と脚の浮腫が悩みで相談にこられました。まずは水の量を聞くと、やはり2Lを飲んでいるとのこと。整体の先生から言われているということで、水を減量するよう説明してもなかなか信じてもらえませんでした。

70歳男性、暑い仕事を長年されていて水も多く飲む習慣ができていました。そのためか、鼻水やくしゃみが多く、ひどいときだけ<小青竜湯>をつかっておられました。また糖尿病もあり、眼の検査を受けたところ、白内障以外に、眼底に白い斑点があるのが見つかりました。さらに再検査により、眼底の腫れ物と水滴?が付いているという診断を受けました。そういえば少し前から涙が出るのがひどくなって来ていました。

これらはまさに水が身体からあふれている状態です。出る部位は異なりますが、水分の改善でよくなる症状は多々あります。もう一度見直してみて下さい。

漢方だけですべて治る??

ホームページをご覧になって、毎日様々な相談があります。

その中でも、西洋医学で病気とされないもの、例えば冷え症などは漢方が得意とする分野です。また、病院の治療を受けているが、症状が改善されないものは、漢方を併用することでよくなるケースが多々あります。

しかし、病院の検査を受けず漢方だけで治したいという方もあります。胃痛や胸痛の方は、単に痛みだけ改善すれば良いというものでなく、その裏に隠された疾患、例えばガンや心臓疾患を見逃さないように、必ず検査を受けていただいています。癌の相談も多くあり、漢方や健康食品だけで治らないですかという方もありますが、先ずは西洋医学的治療が優先するものと考えます。

最近、中国から漢方薬や食品を通販で買っておられる方の話を聞くことが多いのですが、みなさん『西洋医学の治療はやめて、これだけにしてください』とか『○○さんがこれだけで良くなりました』とか言われているとのことです。それだけで治る保障もないのに、無責任な発言をするものだと怒りを感じます。

中国の中医薬大学附属病院でも、ほとんどが<中西医結合>といって、中医学と西洋医学の特徴を生かし、補い合う治療をしています。日本でも<東西合作医療>といって、漢方と西洋医学の両面から考えるのが基本と思います。

漢方や健康食品だけですべて治るという幻想は捨てて、理性的な対応をされることが肝心です。

口臭の話

口臭の相談を時々受けます。

この悩みは他人に聞きにくく、せいぜい聞けるとしたら子供程度でしょうか?そのため一人で悩んでいるという方が多いのです。

ところが実際は気にしている人ほど口臭がなく、逆に他人を気にしない人ほど、実は口臭がするというケースがあるのです。

気にしておられる方が来店されて話を聞いていると、ほとんどの方で口臭がしません。他人に言われたとか、周りの人がなんとなく避けるとかで、すごく神経質になっておられるのです。

まずは「大丈夫ですよ」からはじまり、体調をお聞きし、他に問題がなければ<クマザサ・エキス>を飲んでいただきます。これは、効能書きでは口臭・体臭・疲労回復などがありますが、それ以上に『これを飲んでいると良くなるんだ』と納得してもらうためです。

何も使わなければ、お客様はかえって不安になりますので、長期に渡って安心して使えるものとしては、クマザサのように自然のものがオススメです。