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漢方で1日1善【by 漢方の健伸堂薬局】

漢方相談歴30年以上、国際中医師の古村学です。日常の漢方相談の中から、様々な症例とそれに対応する漢方の考え方や処方をたくさん記録して行くように努めています。漢方での疑問な事や知りたかったことなどの参考にしてください。

月別: 11月 2025

慢性頭痛の改善事例

2025年11月29日 by 健伸堂

頭痛は多くの人に見られ、その原因によって漢方薬も多くの処方があります。

例えば、風寒頭痛には川きゅう茶調散、内寒頭痛には呉茱萸湯、痰飲頭痛には半夏白朮天麻湯、などを使います。
あるいは頭痛の部位によって、側頭部頭痛には逍遙散、頭頂部には呉茱萸湯、後頭部頭痛には釣藤散、眼の奥が痛む場合には清上蠲痛湯などを用います。

しかし、これらで区分できない複合要因の場合もあります。

51歳の女性Cさん、3年前から頭痛が酷くなり、頻繁に鎮痛剤を使われていました。

頭痛の原因は様々な要因が考えられ、仕事のストレス、身体的疲労、気圧の変化、首や肩の緊張、ホルモンバランスなどが影響しているように思われました。

そこで、仕事の状況や気候の変化に合わせて漢方薬を調整し、釣藤散、五苓散、加味逍遥散、半夏白朮天麻湯などを使ってきましたが、完全に治まることはありませんでした。

そこで本治(根本治療)を考えることとし、下痢をしやすい、おなかは冷たい、などを指標に、胃腸を整えることと身体を温めることに変更しました。

漢方薬は当帰芍薬散、桂枝湯、人参湯などを使いました。
その後徐々に頭痛頻度は減り、3か月後には1か月に1回だけというまで改善しました。

結果、胃腸機能を高めることで水分の代謝が良くなり、身体も温まり、さらにはホルモンバランスにも良い結果を生じたと思われます。

漢方では、標治(症状改善)と本治(根本治療)を併行して行うのが基本ですが、症状改善優先になるとかえって長引くという事例でした。

紅葉真っ盛り

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カテゴリー: 頭痛・偏頭痛 タグ: 人参湯, 当帰芍薬散, 慢性頭痛, 本治, 標治, 胃腸機能

男性更年期に漢方薬が有効です

2025年11月15日 by 健伸堂

男性更年期障害は加齢性腺機能低下症(LOH症候群)と言われ、40歳以降に男性ホルモンが緩やかに低下して起きる症状で、疲労倦怠感、気力の低下、集中力の低下、イライラ感などの精神的な症状や、精力の低下などの様々な身体的症状がみられます。

中国古典の「素問」では、男性は8の倍数の年齢で身体が変化し、8×4=32歳でピークを迎え、40歳で衰え始めるとされています。この40歳からが男性ホルモンの減少時期となります。

これに対して、生命力の源である「腎気」を補うことによって、男性更年期の症状を軽減し、老化を抑制することが出来ます。

54歳のMさん、最近極度に疲れやすくなり、気分もイライラしたり不安だったりする、顔が赤くなりほてる、舌先が痛い、などの症状が出始め、相談にお越しになりました。

舌診では、舌尖が紅、舌苔白、で赤ら顔でしたので、肝気が上に昇っている状態で、いわゆる男性更年期の状態と思われました。

そこで肝気を抑制する<加味逍遥散>と、腎気を補う<参馬補腎丸>をお使いいただきました。

2週間後には、イライラ感や舌の痛みは軽減し、身体の疲れも改善してきました。
しばらく継続が必要ですが、元気になられることと思われます。

なお、加味逍遥散は女性の更年期症状に使うものと思われがちですが、男性にももちろん使えるもので、作用は、疎肝健脾・補血で、気を巡らせ、血を補うものです。

他にも男性更年期に使う漢方薬は様々ですので、体質と症状に合わせて選択することが大切です。

真っ赤なピラカンサ 冬の始まり

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カテゴリー: 精力減退, 自律神経失調症, 高齢者の症状 タグ: LOH症候群, 加味逍遥散, 加齢性腺機能低下症, 参馬補腎丸, 男性ホルモン減少, 男性更年期障害, 腎気, 補腎剤

パーキンソン病と蔵躁

2025年11月7日 by 健伸堂

蔵躁とは、気分がザワザワする、身の置き所がない、など精神不安定な状態を言います。

73歳のTさん、急にザワザワ感が出て落ち着かない状態が出始め、夜間に生じると3時間ごとに目覚めて寝られなくなるため、漢方相談にお越しになりました。

Tさんは10年前にパーキンソン病を発症し、その後筋肉の固縮や振戦もありました。病院からはドパミン製剤の投与を受けておられました。

さらに、夜間は頻尿が続き、時には尿漏れがありました。

そこでまずは、ザワザワ感に対しては蔵躁に使う代表的な養心安神剤の甘麦大棗湯をお使いいただきました。
また、夜間頻尿に対しては八味地黄丸をお使いいただきました。

1週間後、最初の2日間は眠れたが、その後は相変わらずザワザワして眠れませんでした。時には突き上げるような気の上昇があり、治まりません。

そこで再度お伺いすると、症状は周期的に起きているようで、これはドパミン製剤の作用時間と関係しているように思われ、西洋薬の服用量や服用時間の調整をしてもらうことにし、漢方薬は交感神経を抑制する、抑肝散加陳皮半夏をお使いいただきました。

その後すぐにザワザワ感はなくなり、夜間の頻尿も軽減し、睡眠は良くなりました。

西洋薬を使われている方は、その薬の作用時間や副作用なども考慮して漢方処方を考える必要があることを再認識さた症例です。

爽やかな秋の空

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カテゴリー: 免疫不全, 睡眠障害 タグ: ザワザワ感, パーキンソン病, 抑肝散加陳皮半夏, 甘麦大棗湯, 蔵躁

筆者 プロフィール

古村匡崇(薬剤師)
古村学(登録販売者・国際中医師)

漢方専門の薬局として、永年にわたり漢方相談を行ってきました。
日本漢方と中医学の両方の特徴を活かしながら、日々研鑽を積み重ねています。
少しでも多くの方に喜んでいただけることを目標に。

漢方の健伸堂薬局(京都)

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