ストレスによる不眠の漢方

不眠の漢方薬はたくさんあり、症状と体質によって使い分けます。
大きく分けて、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などがあり、その原因が推定できます。

50歳のUさんは11時ころに寝付くのですが、4時間程度で目が覚めて、その後寝られなくなりました。その原因は仕事に関するストレスとわかっているようですが、考えないようにしていても考えてしまうとのことでした。

また、不安感が少しあったり、夜間のトイレ回数も増えたようです。

そこで漢方薬は、ストレスを緩和し、気分を安定させる柴胡剤の<漢方薬SK>をお使いいただきました。

2週間で少し良好で夢を見るのも減ってきました。
さらに1か月後にはかなり改善し、その後は眠前に1回服用するだけでも良くなりました。

今回は2週間でその変化が見えましたが、1か月で改善しない場合は見直す必要があります。

また高齢者の不眠は、睡眠時間が5時間で足りるケースもあり、10時に就寝すると3時に目覚めて、その後寝られないと訴えられる方もあります。
不眠ではなく、それで正常な状態とお話ししても理解されないこともあります。

年齢、仕事、性格、ストレス、飲酒、生活リズムなど、様々な要素から適した漢方薬を選ぶ必要があります。

大きなユリが咲きました

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中途覚醒(続報)

以前から中途覚醒で来店されている56歳のSさんの続報です。

<加味逍遥散>と<酸棗仁湯>の併用でしっかり眠れるようになったようですが、朝起きた時にスッキリ感がないということで来店されました。

元々イライラしがちな性格ではありましたが、ストレスを強く感じておられるようでした。前回までは舌の苔が少ない状態でしたが、今回見ると胖大で白い苔があり、ふるえが見えました。

ストレスの影響を考慮し、今回は<酸棗仁湯>と、ウコギ含有健康食品SNを服用していただきました。
すると二週間ほどの服用で朝の目覚めが大分よくなったようです。ストレス要因の改善は難しいようで、その後も継続して服用して頂いております。

健康食品SNは別名エレウテロコック、エゾウコギなどといい、一般によく知られる朝鮮人参よりも優れたアダプトゲン作用(環境適応源)があり、様々なストレス、例えば酸素欠乏、厳しく激しい寒冷、日常生活におけるストレス、疲労、放射線などに対する生体の適応能力を高めます。また、安神作用もあり気持ちを落ち着かせることもできます。

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睡眠時に大声!

以前にもこのような症例を書きましたが
https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2023/05/post-7722.html

ストレスを受けやすい方が過去のストレスを抱え込んで発散できていない場合、睡眠時に無意識で大声をあげたり、腕をふって、周りの方を驚かせるというケースがあります。特に定年退職した後の男性によく見られます。

62歳のHさん、2ヶ月前に退職されたのですが、最近息苦しくなったり、めまいや不安感、不眠があり、病院で心臓などの検査を受けましたが特に異常なしとのことで、相談に来られました。

詳しく聞くと、それ以外にも睡眠中に大声をあげたり、腕を振ったりしするのですが、本人は無意識でしている、また朝起きは寝た気がしないほど疲れているということでした。

そこで、前にも同じようなケースを見ていますので、Hさんには神経症にも使う<温胆湯>と、安神作用の<柴胡加竜骨牡蠣湯>をお使いいただきました。

その後来店されて結果を聞いたところ、薬を飲みはじめてすぐ症状が治まったが、薬が切れると再び同じ症状が出たとのことでした。また、睡眠がしっかり取れて身体も気分も楽になるので、しばらくこの薬を続けることになりました。

原因は前述のとおりで、漢方薬で興奮状態が緩和され、息苦しさも睡眠時のトラブルもすべて解決しました。同じような症状でお困りの方が多いのではと思われます。

眠りが浅い

不眠症のタイプは様々で、寝付かれない、途中で目覚める、夢を見る、物音が気になる、眠りが浅い、などがあります。

53歳の男性Mさん、以前より安定剤や睡眠導入剤をお使いでしたが、それらを減らすように努めておられ、漢方を求めてこられました。

タイプは、寝付かれない、音で目覚めやすい、眠りが浅い、などでした。舌苔は白苔で<脾虚水湿=胃腸が弱く、水分が残りやすい>ために起きている症状とおもわれました。

このタイプには水分の代謝を促進する清熱化痰作用の<温胆湯>がピッタリで、お腹の水分代謝を高め、気分を安定させる生薬が効果を発揮します。Mさんは試しに7日分を適当に使っておられましたが、それでも良好とのこと。熟睡しやすくなったようです。しばらく続けると、さらに改善するものと思われます。

温胆湯は夢をよく見る方や、不安感や驚きやすい方には適する優れた漢方薬です。

こわい夢

怖い夢を見て目が覚めるという話を以前に書いたかもしれませんが・・・改めて書きます。

強いストレスを受けたときや、過去にストレスが継続していたときに、その記憶が残っていて夢に出てくるという事はよくあることです。しかし、その程度が強い場合、睡眠中に唸ったり、無意識のうちに腕を振ったり、起き上がったりすることもあります。

通常は睡眠中は副交感神経が優位なのですが、この場合は交感神経の興奮状態になっているようで、朝目覚めたときも「寝た気がしない」ので、身体も疲れが残ります。

63歳男性、現在は退職されてストレスも感じないのですが、昔働いていたときのストレスがかなり強かったためか、睡眠中に上記のような症状がでるため相談にこられました。

1月下旬に来られたときに痰湿タイプの体質改善と安神作用の<温胆湯>と肝気の興奮を抑制する<抑肝散>をお使いいただいたところ、1週間で少し改善し次の2週間ですっかり症状はとれました。その後漢方薬の服用を1日1回にして継続されていますが、全く起こる様子もなく完治したようです。

西洋医学ではこのような場合、睡眠剤系が使われると思いますが、漢方はこのような「変わった症状」に適するものはたくさんあるところが漢方の特徴でしょうか。

睡眠時のトラブル

睡眠に関する相談は、不眠や中途覚醒、夢をよく見て寝た気がしないなどはよくあります。

先日、少し変わった症状で、睡眠中に唸る、大きな声を出す、息が荒くなる、という相談がありましたので紹介します。

60歳の男性Nさん、現在は特に大きなストレスはないのですが、会社に勤務している頃はいろいろなストレスがあったようで、本人は意識はしておられないのですが、その記憶が睡眠中に出てきているようでした。

そこで交感神経の興奮状態が原因と考え<抑肝散>と<温胆湯>を使っていただきました。1週間後、奥様の話では少し減ったとのことでしたが、2週間経てかなり改善しました。ご本人も夢を見なくなって、熟睡感があるとのことでした。その後は1日1回だけ服用していただいています。

抑肝散は古くから子供の疳の虫に使うことで有名な漢方薬です。子供でなくとも、神経の興奮状態を鎮めるには最適の薬です。

また、夢をよく見る方は、水分がお腹に残っている状態で睡眠についているというケースが多く、このような方に<温胆湯>を使いますと、化痰作用によって水分がさばかれ、熟睡できるようになります。ビールをよく飲む方には、むくみがとれ、血液をきれいにする薬にもなります。