こわい夢

怖い夢を見て目が覚めるという話を以前に書いたかもしれませんが・・・改めて書きます。

強いストレスを受けたときや、過去にストレスが継続していたときに、その記憶が残っていて夢に出てくるという事はよくあることです。しかし、その程度が強い場合、睡眠中に唸ったり、無意識のうちに腕を振ったり、起き上がったりすることもあります。

通常は睡眠中は副交感神経が優位なのですが、この場合は交感神経の興奮状態になっているようで、朝目覚めたときも「寝た気がしない」ので、身体も疲れが残ります。

63歳男性、現在は退職されてストレスも感じないのですが、昔働いていたときのストレスがかなり強かったためか、睡眠中に上記のような症状がでるため相談にこられました。

1月下旬に来られたときに痰湿タイプの体質改善と安神作用の<温胆湯>と肝気の興奮を抑制する<抑肝散>をお使いいただいたところ、1週間で少し改善し次の2週間ですっかり症状はとれました。その後漢方薬の服用を1日1回にして継続されていますが、全く起こる様子もなく完治したようです。

西洋医学ではこのような場合、睡眠剤系が使われると思いますが、漢方はこのような「変わった症状」に適するものはたくさんあるところが漢方の特徴でしょうか。

睡眠時のトラブル

睡眠に関する相談は、不眠や中途覚醒、夢をよく見て寝た気がしないなどはよくあります。

先日、少し変わった症状で、睡眠中に唸る、大きな声を出す、息が荒くなる、という相談がありましたので紹介します。

60歳の男性Nさん、現在は特に大きなストレスはないのですが、会社に勤務している頃はいろいろなストレスがあったようで、本人は意識はしておられないのですが、その記憶が睡眠中に出てきているようでした。

そこで交感神経の興奮状態が原因と考え<抑肝散>と<温胆湯>を使っていただきました。1週間後、奥様の話では少し減ったとのことでしたが、2週間経てかなり改善しました。ご本人も夢を見なくなって、熟睡感があるとのことでした。その後は1日1回だけ服用していただいています。

抑肝散は古くから子供の疳の虫に使うことで有名な漢方薬です。子供でなくとも、神経の興奮状態を鎮めるには最適の薬です。

また、夢をよく見る方は、水分がお腹に残っている状態で睡眠についているというケースが多く、このような方に<温胆湯>を使いますと、化痰作用によって水分がさばかれ、熟睡できるようになります。ビールをよく飲む方には、むくみがとれ、血液をきれいにする薬にもなります。