しゃっくりには漢方が一番

外科や重い精神疾患になどには西洋医学のほうが優位ですが、耳鳴りやしゃっくり、体質改善などは漢方が得意とする分野です。

しゃっくりも時々起こるものは病的ではありませんが、連続してとまらないしゃっくりは食事もできず大変です。しゃっくりの相談に来られる方のほとんどが入院しておられるか、重い疾患を持っておられる方で、その原因は胃の冷えや水毒、気の上逆(ストレス)によるものです。

民間薬としては昔から柿のへた(生薬名:柿蒂)を煎じて飲む方法が知られていますが、漢方ではこの<柿蒂湯>以外にも<芍薬甘草湯>や<呉茱萸湯>などの処方があります。いずれも胃を温め、気の上逆をとるなどの作用によるものです。

子供のしゃっくりは冷たいものを飲んだときに起こることがありますが、これは熱い砂糖湯でも改善します。

66歳Nさん、肝ガンで入院中にしゃっくりが始まり、止まらないため、担当医師から漢方を探してみてくださいとのアドバイスを受けて、当店に来られました。

詳しく聞くと、ガンによって腹水がたまり、気分的にも落ち込んでいるとのこと。最初は柿のヘタを希望されていましたが、<柿蒂湯>の煎じ薬をお使いいただきました。

結果、2日後にはかなり楽になり、3日後にはしゃっくりは止まりました。その後腹水の改善のため、他の煎じ薬を使っていただきました。なお、肝臓病の方はしゃっくりが出やすいのも特徴です。

しゃっくりを改善する処方はいくつかありますが、早い場合は1日でとまります。これは西洋医学では対応できない、漢方が得意とする分野です。

慢性鼻炎の改善

花粉症の時期になりオウギ製剤を頻用していますが、慢性鼻炎の方に長い間使っていただき、期待以外の効果がでたので紹介します。

この方は関東にお住まいの45歳のMさん、京都に住んでおられるお父さんの紹介で、慢性鼻炎に使う薬として<オウギ製剤>を送ることになりました。

毎日点鼻薬を使い、抗アレルギー剤を併用しておられたのですが、その後症状は改善し、点鼻薬が不要になりました。

それ以上に驚いたのは、子供の頃から白血球が少なく、風邪をひきやすい体質だったのですが、漢方薬Eを飲みだしてから半年後、白血球が正常範囲を保つようになり、合わせて風邪をひかなくなりました。

それもあって鼻炎はますます良くなり、もう漢方薬も要らないほどになったとして、大変喜んでいただきました。その後も免疫維持のために、1日1包だけ継続してもらっていますが、それでも体調は良好で、血液検査もすべて正常になっているとのことです。

生薬オウギは外部からの風邪(ふうじゃ)を防ぐという作用があり、様々なことに使われます。

かすれ声

乾燥や花粉によるアレルギーで咽が炎症を起こし、声がかすれ、出にくくなる方があります。

咽をよく使う方に多く、以前にも書きましたが、謡曲や歌を趣味にしている方、セールストークをされている方、講演をする方、そしてお坊さんです。

50歳の女性Yさん、セールスの仕事をされていて時々声が出にくくなるとのことで来店されました。前回は補陰作用の<麦味参>を使っていただき改善しましたが、散剤は飲みにくいとのことで、今回は錠剤の<麦門冬湯>をおすすめしました。

謡曲をしておられる女性は、<麦門冬湯>を飲んでいるときは声の通りがよくなるということです。趣味でカラオケをしている男性も、使っていただいています。

いずれも生薬:麦門冬の滋陰・補肺による、乾燥の改善と呼吸器の強化作用によるものです。

花粉症が本格化!

花粉症が本格化してきました。京都は今日も良い天気で、多分多くの花粉が飛散しているものと思います。

花粉症の症状改善には様々な漢方薬を使いますが、やっぱり<オウギ製剤>が基本です。

昨年<オウギ製剤>初めて使っていただいた男性Tさん、今年は早めに使い始められたので、世間では花粉症がいわれているが自分は大丈夫といっておられました。毎年この時期しかこられない女性Hさん、これだけでは鼻水がとまらないということで<小青竜湯>を少し加えるとよく効くということで、3月上旬から始められています。

経験的に、花粉症の相談でこられる方の約半数はオウギ製剤でもほとんどの症状が治まります。

生薬<オウギ>は衛気を高める作用があり、風邪(邪悪なもの)の身体への侵入を防ぐという考え方です。

手荒れ・湿疹

主婦の水仕事で手が荒れたり、湿疹になるケースはよくありますが、それ以上に酷いのが美容師さんの薬品カブレです。最初は手のひらにひび割れや水疱が現れますが、酷くなると腕や全身に湿疹が出ることがあります。

27歳の美容師さん、手と腕に湿疹ができ、痒みもあって夜に目覚めてしまうほどで、相談に来られました。

手を見るとすぐに美容師さんという仕事であることがわかるほどです。ひび割れはひどく、一部は出血していて、とても痛そうでした。そこで、乾燥をとり潤いを得るため補血作用の<婦宝当帰膠>などの漢方薬をお飲みいただくことにしました。

また外用には、昼間の仕事中は臭いのあるものは使えないので、消炎と保湿効果のある漢方クリームSの薬用クリームを、夜間は寝る前に消炎と肌の再生効果のある<紫雲膏>を使っていただきました。

仕事をしながらですので、1ヶ月でどの程度回復するかわかりませんが、過去の例ではかなり改善しています。しかし、全身に及ぶ湿疹の場合は仕事をやめないと完全に治癒しないというケースもあります。美容師さんの職業病で、難しい問題です。

女性のニキビ・吹出物

ニキビや吹出物は、日常的で最も多い相談です。

特に女性にとっては大きな悩みです。原因は様々で対処方法もたくさんありますが、多いのは便秘やホルモン分泌に関連するもので、生理の前に悪化するタイプです。赤み、ジクジク度、圧痛の有無、出ている部位などで対応方法を考えます。

28歳女性Bさん、吹出物が続く。以前に医師から漢方薬をもらい、1年間飲んで良くなったが再び悪化したとのことで相談にこられました。頬部に赤みがあり、ジクジクするときもある、生理は不順で、生理の前はイライラし偏食をすることもあるとのこと。

皮膚の状態から<消風散>と、生理を整える<加味逍遥散>を服用していただき、2週間後の2月上旬に来店されました。結果、新しい吹出物が全くでなくなり、今までのものは赤みが引いていました。再度同じお薬を使っていただきました。

女性のニキビや吹出物には皮膚に使うお薬と、生理を整える<加味逍遥散>を併用することで、予想以上の効果を現すケースがよくあります。女性のお肌トラブルは、必ずホルモンバランスとの関連を考えることが大切です。

チャングムの料理

NHKの番組「チャングムの誓い」を毎週金曜日に見ています。

いつも番組の最終は、ハラハラで終わり、次回には解決しているが、またハラハラで終わるという、実にうまくストーリーができています。

それはさておき、昨日のストーリーでは、糖尿病を患った明国の使者に、チャングムが野菜と魚を中心とした料理を作り、使者が身体が軽くなり喜んで帰ったというシーンでした。いつも食事が人の健康の基本をつくるという話に、改めて納得しています。

番組の最後に出てきた冬虫夏草の料理の紹介では、漢方薬として使う天然の<冬虫夏草>とはちがい、人工的な培養?でできたもののようで、韓国では料理店で食べられるようです。機会あったら食べにいってきますね。なお次回は『甘酢』を使った料理とのこと、楽しみにしています。

看護学校で講義をしました

毎年この時期に、京都にある高等看護学校の講師をしています。

担当は『医学概論』科目の中の『東洋医学』に関する部分です。

以前は<看護婦>さんは女性ばかりでしたが、最近は<看護師>に変わり男性が年々ふえてきました。また学生の1/3が社会人からの入学と、様変わりしています。

講義内容は、東洋医学の理論や診察方法、薬草の話などで、みなさん興味深く聞いてくれました。最前列にいた男子学生には鍼灸のモデルになっていただき、突然のことで緊張させてしまいましたが、痛くなかったとのこと!?。

看護師としてこれから多くの患者さんに接していく中で、東洋医学のことを少しでも思い出し『手当て』してくれたらと思いつつ、今年も充実した時間を共有しました。(記:古村滋子)

高血圧のはなし 2

血圧の話の続きです。

女性の場合は50歳代、いわゆる更年期を境に体調が変化し、血圧も高くなる方や、高低差が大きく変動する方などがあります。

61歳女性Kさん、56歳の閉経以後に血圧が上がり、降圧剤を服用中ですが、イライラすると上り気味になるので相談にこられました。

普段の最高血圧130程度から高いときには180になるときもあり、血圧を測定しようとすると上り、夜間に動悸もあるということでした。最初は活血作用の<冠元顆粒>と、動悸を目標に<柴胡加竜骨牡蠣湯>を使い、少し安定してきました。その後、胸がもやもやする、不安感があるということで、さらに継続しました。

動悸、不安感が軽減しましたので、その後血圧の下が高いので<釣藤散>に変え、継続服用されています。

血圧の相談では、同じ薬を継続することが多いのですが、この方の場合は主訴の変化に合わせて薬を変えつつ、調子よく過ごしていただいています。