しゃっくりには漢方が一番

外科や重い精神疾患になどには西洋医学のほうが優位ですが、耳鳴りやしゃっくり、体質改善などは漢方が得意とする分野です。

しゃっくりも時々起こるものは病的ではありませんが、連続してとまらないしゃっくりは食事もできず大変です。しゃっくりの相談に来られる方のほとんどが入院しておられるか、重い疾患を持っておられる方で、その原因は胃の冷えや水毒、気の上逆(ストレス)によるものです。

民間薬としては昔から柿のへた(生薬名:柿蒂)を煎じて飲む方法が知られていますが、漢方ではこの<柿蒂湯>以外にも<芍薬甘草湯>や<呉茱萸湯>などの処方があります。いずれも胃を温め、気の上逆をとるなどの作用によるものです。

子供のしゃっくりは冷たいものを飲んだときに起こることがありますが、これは熱い砂糖湯でも改善します。

66歳Nさん、肝ガンで入院中にしゃっくりが始まり、止まらないため、担当医師から漢方を探してみてくださいとのアドバイスを受けて、当店に来られました。

詳しく聞くと、ガンによって腹水がたまり、気分的にも落ち込んでいるとのこと。最初は柿のヘタを希望されていましたが、<柿蒂湯>の煎じ薬をお使いいただきました。

結果、2日後にはかなり楽になり、3日後にはしゃっくりは止まりました。その後腹水の改善のため、他の煎じ薬を使っていただきました。なお、肝臓病の方はしゃっくりが出やすいのも特徴です。

しゃっくりを改善する処方はいくつかありますが、早い場合は1日でとまります。これは西洋医学では対応できない、漢方が得意とする分野です。