月別: 8月 2005
栄養素のはなし
栄養士さんや給食関連の方は別として、通常の食事で栄養素を考えることはほとんどないと思います。しかし、腎臓病や透析をされている方では、様々な栄養素が問題になりますので、注意が必要です。また、意外な食物に意外な成分があるということもあります。
透析を受けておられるSさん、最近血液検査でリンが高くなってきたと指摘を受けられました。生活上、特に変わったこともなかったので、漢方薬はどうなのかと聞いてこられました。漢方薬も腎臓病には気をつけながら、データの変化を聞きながら使っていますが、特にリンが増えるものは思い当たりませんでした。結局、夏になって枝豆を毎日食べておられたことがわかりました。
リンが多く含まれるもの=代謝に影響⇒大豆、いんげん、えんどうなどの豆類、玄米、そば
カルシウムが多いもの=骨や神経や筋肉に⇒ひじき、わかめなどの海藻類、ごま、パセリ、しじみ
マグネシウムの多いもの・・・海藻類、ぬか、コーヒー、抹茶
鉄の多いもの=血液の成分⇒海草類、ココア、ごま、ほうれんそう
亜鉛の多いもの=性機能向上⇒牡蠣(かき)、ごま、ひじき、こうしてみると、海草やごまは手軽で安い!貴重な栄養源なのですね。
海外からの問合せ
ホームページを開き、メールマガジンやブログなどを書いてきていますが、これらを見て海外におられる日本人の問合せがよくあります。そして、ネットの時代で世界は狭くなっていることを実感する機会でもあります。
海外からの相談もメールのやりとりで何も問題はないのですが、いざお薬がきまり、見積りした段階でほとんどがダメ!になります。一つは海外におられて金銭的にも楽な状態ではない場合と、発送するに当たり送料がかなり高くつくためと思われます。
先日も、メールが来た段階で、送料が高くつくためキャンセルされるケースがほとんどですと申し上げたのですが、相談したいとのことで受けてしまいました。そして結果はいつもどおりで、金額が高いということでキャンセルになりました。すごい時間をかけて検討し、親身になってメール返信した結果がこのようになるのは、大変残念です。
国内でもそのようなことは日常的ですが、海外の方はその比率が高いのは、ネットは距離に関係ないといえども、やはり遠方で信頼感が生まれにくいのではと思いました。直接お会いするのに対し、メールだけでは信頼感は生まれにくいものでしょうし、さらに遠方ほど難しくなるというところに、インターネットの限界を感じています。
めまいと水分の関係
めまいにもいろいろなタイプがあります。前にもブログで書きましたのであわせてご覧下さい。 http://www.kanpou-ichizen.com/2005/07/post_39a6.html
その中で、水分のとりすぎが原因になっているケースもよくあります。TVや新聞で、充分水分をとりましょうと聞いて、1日3リットルも飲んでいる方がありますが、人により必要な量は異なりますので、必要に応じて飲むというのが正しい飲み方と考えます。
漢方の先生方はほとんど <水を控えなさい> と指導しておられることと思います。誤った知識が病気を生んでいると思うからです。
70歳女性、朝方にめまいがする、頭が重いことが多い、首の後ろがつまる、まぶたが腫れる、脚がむくむ、などの症状を訴えられました。聞いてみると、寝る前に血が固まらないように水をしっかり飲むとのことでした。そして夜間尿はないので、水は体にたまって、様々な症状の原因になっていると思われます。
とりあえず夜間は水を控え、寝る前はコップ1杯だけにしてもらうことにしました。1週間で良い結果が聞けるものと期待しています。また報告します。
夏バテ
朝夕涼しくなって、体調がおかしくなった方が続きます。いわゆる夏バテでしょうか。
35歳、女性のケースですが、食欲がない、なんとなくムカムカ吐き気がする、食べたら下痢になる、時々胃が痛い、だるくて仕方ない、口は渇くが水を飲むと下痢気味になるので飲まずにがまんしている・・・などが、他の方と共通する症状です。
胃腸の疲れがまとめてきているようなので、胃気を高め、水をさばくという漢方薬を服用してもらいました。1週間ほどで解決すると思われますが、報告に来てくださるお客と、調子が良くなったので来られない方もあり、いろいろな症例を集めるには難しい症状ですね。
さらに9月にかけて風邪の方も増えてきます! みなさん、ご注意ください!
海外からのお客さん
当店は京都の中心で便利な場所にあるので、海外からの方が多く来られます。
このとき通訳の方が一緒だといいのですが、そうでないとカタコト英語や中国語で対応せざるを得ません。時には「薬局店頭英会話」という辞書を引きながら話すことになります。語学力の必要性を感じています。
先日は英国から来られた男性、有名なソングライター&ミュージシャンで、日本にきてから診察を受けたところ、精密検査が必要とのことでした。彼は自然派? で漢方薬をと思われたのですが、症状が強くて心配なので専門医を紹介することにしました。当然ここでも病院の通訳を依頼することにしました。
あとで調べたところ国際交流協会というのがあって、病院限定でボランティア通訳を派遣してくれるようでした。観光都市・京都ゆえに、もっと自由にサポートしてくれる体制がほしいものです。
ドライアイ
ドライアイの症例ですが・・・
目が乾燥してヒリヒリするという学生さん。真面目な感じで、勉強で目を酷使するのは常でしょうが、他にも目の奥から始まる頭痛があり、肩こりと後頭部の頭痛もおき、疲れやすいとの相談でした。疲れがひどいと、夕方まで身体がもたないとのことでしたが、見た目は健康的なのですが・・・。
そこで、漢方でいう「気虚=エネルギー不足」と「気滞血お=ストレスで血流が悪い」ととらえ 目のトラブルに<杞菊地黄丸> と補陰作用の <麦味参>を服用していただきました。
次の検査で、涙の量が増えて、自覚的にも楽になり、頭痛も改善しました。
乾燥を改善する成分だけでなく、自分の力を引き出すものや、ストレスを緩和するものの総合作用が良かったようです。
目の乾燥感
眼の乾燥のため、まばたきを頻繁にする、ヒリヒリする、涙が出ないなどの相談がよくあります。病的なものはシェーグレン症候群などがありますが、単なるドライアイの方も多いようです。年代は中年女性から若い男性まで幅広く発症します。
漢方ではファーストチョイスに麦門冬湯が使われます。この薬は滋潤剤といって、潤いを増す働きで、対処療法としては良いのですが、その症状を生んでいる根源を改善しないと、根本治療(本治といいます)になりません。
発症の原因は、ストレス、血液不足、血の流れなどがあり、それぞれに異なる漢方薬を用います。
よく、乾燥⇒麦門冬湯として本に紹介されていますが、その原因と体質判断をして根本的に治しておくことが必要です。
明日は症例を書きます。
夏の花粉症
花粉症は春と秋の2回に集中しますが、この暑い時期にもアレルギーはあります。今はイネ科の植物、アシやススキでも起こりますし、ブタクサもこれから増えてきます。
たまたま、昨日と今日にかけて眼がかゆいという症状の方が3人来店されました。春の花粉症と同様に対処し、咳こむことや喉の症状があったので<銀翹散> などを使っておさまりました。症状は軽いので気にならない方も多いと思いますが、長い眼で見て体質改善が必要ですね。
ところで、年間通して花粉の飛散を測定している方ってあるのですね。参考に見てみましたのでどうぞ。