医療技術レベルは様々

58歳の男性Kさんは、早足で歩くと心臓が重く息苦しくなるのでA病院で検査を受けたところ狭心症の疑いがありました。

そこで最終的にステントが必要かと言われ、ステント留置術を受けたのですが、狭窄部にうまくガイドワイヤーが入らず1時間で中断。
そのため転院し、遠方にあるB病院で同じ治療をうけ、15分で確実にステントが留置されました。その後3年経過しても再度の狭窄は起こらず、健康に過ごしておられます。

同じKさんは、今年下血をしたため、またA病院で大腸内視鏡検査を受けられたのですが、大腸のうち肛門から一番遠くにある<上行結腸>にまでカメラが入らず、1時間で中断、すべての検査を終えることなく痛いだけで終わりました。

そこで、やはり専門性の高い、熟練した医師を探しC病院で同じ検査を受けました。ここでは局所麻酔を受け、痛みもなくスムースに検査を終了しました。
カテーテルや内視鏡だけでなく、検査・治療の技術の格差は大きく、テレビでは<神の手>として有名な医師が紹介されていますが、すべての人が神の手にゆだねることは不可能な訳で、やはり医療技術の向上が望まれます。
しかし、病院などの医療の現場は長時間勤務で、医師は心身の疲労困憊で研修を受ける余裕もないのが実情のようです。
国民を守るにはよい医療が必要、なかなか国会には声が届かないようですね。

<医師を選ぶのも寿命の内> にはしたくない、みんながよい医療を受けたいものだと思います。

緑内障のご相談

なんとなく見にくくなってきて検査を受けたら緑内障、というケースは多いですね。製薬メーカーの広告で、自分でできる視野欠損のテスト方法が新聞にも紹介されていました。私もやってみて、とりあえず安心しましたが。
48歳の女性Iさん、目を酷使する図面関連の仕事をしておられました。
夏に視野に黒い線状のものが見え、部分的に見えないところ(欠損)もあり、検査を受けられました。眼圧は15~17程度で少し高いので、点眼薬をもらわれていました。
しかし、症状は改善せず、漢方相談に来られました。漢方では緑内障の多くは水の流れと捉え、全身の水分代謝を改善するようなものを多く使います。
Iさんには利水薬の<苓桂朮甘湯>と、<枸菊地黄丸>をお使いいただきました。
その後2ヶ月継続され、眼圧は12~14に下がりました。

それよりも喜んでいただいたのは、老眼が楽になり、字や線が見えやすくなった、視野が明るくなった、夜間の車の運転が楽になった、など、眼全体の力が向上したように報告いただきました。

漢方では病名にこだわらず、その方の体質改善も含め、身体全体の機能向上に繋がることを実感した事例でした。

慢性の湿疹

アトピーとも異なり、春先や花粉の季節などに生じる皮膚炎があります。

35歳の女性Tさんは、首周囲や頬に小さな丘疹と赤みが生じ、相談に来られました。春先に発症し、風や花粉などの外部からの刺激があると赤くなり、また身体が温まると痒みが増すようです。

そこで、まずは漢方で言う<風熱>と捉え、<消風散>をお使いいただきましたが、2週間であまり改善しないため薬を変え、原因は表虚と捉え、<桂枝加黄蓍湯>をお使いいただきました。

飲み始めて少しすると赤みが消え、かなり良くなったのですが完治せず、良否を繰り返していました。そこでこれはアレルギー体質が影響しているとみて、さらに<柴胡剤>を併用していただいたところ、すっかり赤みと痒みが消えて、綺麗になりました。

その後漢方薬を減量しても悪化することなく、順調に改善しています。

今回使った漢方薬は、いわゆる皮膚病薬に分類されていませんが、その方の体質改善を基本とした処方によって、様々な症状が改善されることがよくわかる事例です。