桜皮のはなし

桜の季節がやってきました。

<桜の花>を愛でる以外にも、桜の花びらを塩漬けにした<桜茶>や、桜の葉を巻いた<桜餅>などがよく知られていますが、漢方では<桜皮・オウヒ>を使います。

桜皮にはフラボノイドのサクラニン、サクラネチンなどが含まれ、蕁麻疹や腫れ物などの皮膚病の治療に用いられます。桜皮が含まれる漢方薬は<十味敗毒湯>で、ニキビや湿疹などによく使います。

でも、勝手に桜の皮は取らないでください。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というように、桜は切られるとそこから腐って枯れる心配があるのです。

鼻水とくしゃみに

花粉が飛散し始め、花粉症の方にはつらい日々のことと思います。

34歳の女性Kさんは、アレルギー性鼻炎で昨年10月に初めて相談に来られました。鼻水、くしゃみ、のどの痒みなどがあったので、体質改善薬で衛気を高める<衛益顆粒>をお使いいただきました。

その後来られなかったのですが、今年2月に再来されたとき「うそのように鼻水とくしゃみがなくなりました」といわれ、今年の花粉症の予防に再び求めていかれました。

そして昨日、やはり<衛益顆粒>を飲んでいるとほとんど症状が出ないと言われていました。個人差はあるものですが、Kさんにはピッタシだったようです。

冠元顆粒の作用

83歳のKさん、10年前に脳梗塞を起こされ、それ以来再発予防に<冠元顆粒>を1日1包使っておられたとのことでした。

そして<冠元顆粒>を眠前に1/2包飲むと良く寝られるとも言われています。一時は睡眠剤も使われていたのですが、朝まで薬の作用が残ってボーっとするので、漢方薬Kを眠剤代わりに使ってみたところ調子が良かったので、それ以来続いているとのことでした。

すべての人にこのような効果があるわけではないのですが、時々同じケースがあります。いわゆる<お血体質>の方には、<効能外の様々な効果>が出るのも漢方薬の特徴です。

産後の貧血

子育てや授乳によって産後は貧血になりがちです。元々母乳はお母さんの血液が変化してでき、お母さんの栄養分が母乳になるのです。そのため立ちくらみやめまい、疲労、不眠などの症状は良く見られます。

Sさんも産後の貧血があり、とてもしんどい状態が続いていたのですが、たまたまお母さんが来店されていたのでSさんのために補血薬<婦宝当帰膠>を買っていかれました。

そして1ヶ月過ぎ、ご本人がこられ、「立ちくらみもなくなり、身体も楽になって、ものすごく効いた。もう止められなくなった!」と喜んでいただきました。不妊症や冷え症などでお越しの方は<婦宝当帰膠>の効果をご存知なのですが、全く初めての方でしたのでとても効果がはっきり感じられたものと思います。

突発性難聴

3年前に耳鳴りが始まり、その後突発性難聴を発症された男性Iさん、すぐに入院され一旦は治まったのですが、3ヵ月後に難聴を再発し、疲れたときにはめまいも生じると相談に来られました。

最初はストレスが原因と思われたので、疎肝薬<加味逍遥散>や補腎剤などをお使いいただきましたが、ネットでいろいろ調べられていて、ハーブティBを併用されることになりました。

その後4年間このハーブティを継続され、一度も再発することなく元気に過ごされています。海外での仕事やストレスの多い仕事で、それに対応する漢方薬を併用されたらと思いつつも、漢方茶Bだけでとても順調と言われています。

突発性難聴の原因はヘルペス・ウイルスという説があり、ヘルペスの薬で治ったという症例もあるようです。今回このハーブティがどのように作用したかは不明ですが、結果が良かったのは確かでした。

ストレスによる様々な症状

最近若い女性の相談で多く見受けられるものに、ストレスによる様々な症状です。

本人はストレスが原因と気づいていないので、いくつかの診療科を巡られるのですが、どこも「異常なし」の診断で、漢方しかないと思い来られるのです。

そこで、よく見られる症状を列記してみました。

下痢と便秘が交互にくる 

胃酸が上がる

右腹部がつっぱる

みぞおちに違和感がある

咽が詰まる感じや塞がる感覚

胃痛や嘔吐

食べてないのに下腹部が張る

舌が痛む

まぶたがピクピクする

額部が痛む

耳閉感がある

いずれも<診察で異常なし>と診断された場合は、ストレスが原因のケースが多く、漢方が良く効く症状でもあります。 あなたにはどれが該当しますか?

花粉の飛散が始まりました

昨日は春の陽気でポカポカ。

花粉が初めて多く飛散したようで、一挙に花粉症の相談が増えました。とはいっても、昨年も、一昨年も来られているお客様が、思い出したようにこの時期に来店されます。

花粉症に使う漢方薬は眠くならないのが特徴で、且つ、様々な症状に対応したものがあるのも特徴です。ですので、毎年お越しいただく方は、上手に使い分け、あるいは併用されています。

まず3月の初期の段階は、やはり<衛益顆粒>からのスタートです。

漢方はやっぱり煎じ薬で

小児からのアトピーで長い間ステロイドを使ってこられたMさん、改善することなく繰り返すのでステロイド軟膏を止め漢方だけで取り組んでみようと相談に来られました。

お肌は乾燥気味で、仕事をしているときは痒みはないのですが、家にいてリラックスしているときは急に痒くなるとのことでした。そこで、乾燥を改善するため補血潤燥の<当帰飲子>や<三物黄芩湯>などの滋陰剤を使ったものの、あまり改善見られませんでした。

しかし滋陰剤が必要なことは明らかなので、エキス剤に代わり<煎じ薬>を使っていただきました。そうすると、今までになく調子がよいとのことでした。アトピーに限らず、エキス剤で余り改善されないときに煎じ薬に変えると良くなるケースがあります。

やはり漢方は煎じ薬が一番と思います。

ふきのとうが出てきました

急に暖かくなって、店の裏庭にふきのとうがたくさん芽を出しました。
 
一昨年に山からフキの根っこを採ってきて、適当に植えておいたものですが、しっかり根をはっているようです。早速そのひとつをとり、細かく刻んで味噌汁の中にいれると、春の香りがいっぱい漂っていました。
 
幸せを感じるひと時です。

背中のこわばり・痛み

肩や首のこりについて先日事例を書きましたが、さらにひどくなると背中がこわばり、腕がしびれたり、痛みが生じる時もあります。

原因の多くはストレスによって筋肉の緊張状態が生じていると思われます。特に中年の女性に多く見られるようです。

57歳の女性Hさん、3年前からご家庭の関係でストレスが多く、その頃から、頭がしびれる、背中がこわばる、肩や首がつまる、胃の上部がつまる感じ、わき腹が痛むなど、様々な症状が出現しました。当然、病院に行ってCTやMRIなど、あらゆる検査を受けられたのですが全く異常は無く、精神的なものであろうと<デパス>を処方されました。その後、服用していたものの症状は完治しないので、漢方相談にこられました。

このような症状はすべてストレスによる<気滞>によって生じていると考えられ、漢方薬は、気のめぐりを改善し、血流をよくし、緊張を緩和する、疎肝作用の<加味逍遥散> や 平肝作用の<釣藤散>をお使いいただきました。このほか<葛根湯>なども使うケースがあります。

2週間ほどで少し変化が感じられるものと思われます。