漢方の胃腸薬

胃腸薬といっても、たくさんの種類があり、微妙に使い分けます。

例えば<六君子湯>は比較的体力のない胃弱や胃液分泌の多い方に、<香砂六君子湯>は香附子と縮砂が加わった六君子湯で、神経症を持っている気滞タイプに、<半夏瀉心湯>はおなかが鳴る、あるいは下痢するタイプ、<補中益気湯>は疲れやすく、食欲がないタイプなどに使いますが、これらをあわせて使うこともあります。

68歳女性Kさん、元々胃弱でしたが、背骨の圧迫骨折をされたために腹部にコルセットをはめることになりました。かなり腹部を圧迫するため食欲もなくなり、身体は疲れやすく、体重も低下してきました。そこで<香砂六君子湯>と<補中益気湯>を合わせて使っていただいたところ、食欲も気分もよくなりました。

しかし、腸のあたりでゴロゴロといつも鳴り(これを雷鳴といいます)気になって仕方ないとのことで、2回目は<半夏瀉心湯>と<補中益気湯>に変更しました。

1ヶ月でほとんど気にならなくなりました。
ちょっとした処方の変化が正直に現われているようです。