漢方はやっぱり煎じ薬で
小児からのアトピーで長い間ステロイドを使ってこられたMさん、改善することなく繰り返すのでステロイド軟膏を止め漢方だけで取り組んでみようと相談に来られました。
お肌は乾燥気味で、仕事をしているときは痒みはないのですが、家にいてリラックスしているときは急に痒くなるとのことでした。そこで、乾燥を改善するため補血潤燥の<当帰飲子>や<三物黄芩湯>などの滋陰剤を使ったものの、あまり改善見られませんでした。
しかし滋陰剤が必要なことは明らかなので、エキス剤に代わり<煎じ薬>を使っていただきました。そうすると、今までになく調子がよいとのことでした。アトピーに限らず、エキス剤で余り改善されないときに煎じ薬に変えると良くなるケースがあります。
やはり漢方は煎じ薬が一番と思います。
背中のこわばり・痛み
肩や首のこりについて先日事例を書きましたが、さらにひどくなると背中がこわばり、腕がしびれたり、痛みが生じる時もあります。
原因の多くはストレスによって筋肉の緊張状態が生じていると思われます。特に中年の女性に多く見られるようです。
57歳の女性Hさん、3年前からご家庭の関係でストレスが多く、その頃から、頭がしびれる、背中がこわばる、肩や首がつまる、胃の上部がつまる感じ、わき腹が痛むなど、様々な症状が出現しました。当然、病院に行ってCTやMRIなど、あらゆる検査を受けられたのですが全く異常は無く、精神的なものであろうと<デパス>を処方されました。その後、服用していたものの症状は完治しないので、漢方相談にこられました。
このような症状はすべてストレスによる<気滞>によって生じていると考えられ、漢方薬は、気のめぐりを改善し、血流をよくし、緊張を緩和する、疎肝作用の<加味逍遥散> や 平肝作用の<釣藤散>をお使いいただきました。このほか<葛根湯>なども使うケースがあります。
2週間ほどで少し変化が感じられるものと思われます。