幻覚や幻聴

頻度は少ないですが、統合失調症や認知症の方で<幻覚や幻聴>の相談にこられるケースがあります。

当然病院にて診断され、治療を受けておられるのですが、服薬によって眠くなることを改善したいとか、さらに良くなりたいと思われて来られます。

2年前に来られた30歳のMさん、周囲の声が気になる、イライラするなどの症状で病院からの薬を飲まれていましたが、漢方薬も併用したいと来られました。最初は<抑肝散>や<エゾウコギ含有健康食品>をお使いいただいたところイライラは改善してきたのですが、プレッシャーがかかると幻覚が出るというので<甘麦大棗湯>に変法し、継続していただきました。そして10ヶ月でほとんど改善し、その後は1日1回の服用でも悪化することなく過ごしておられました。

ところがこの春、仕事の状況が大きく変化し、ストレスが増えるとともに再発したため、再びしっかり漢方薬を服用していただくことになりました。あわせて、ストレス源を軽減するように進めていただいています。

ストレスの多い社会だけに、再発を避けることが難しいものと感じています。

ストレスによる様々な症状

最近若い女性の相談で多く見受けられるものに、ストレスによる様々な症状です。

本人はストレスが原因と気づいていないので、いくつかの診療科を巡られるのですが、どこも「異常なし」の診断で、漢方しかないと思い来られるのです。

そこで、よく見られる症状を列記してみました。

下痢と便秘が交互にくる 

胃酸が上がる

右腹部がつっぱる

みぞおちに違和感がある

咽が詰まる感じや塞がる感覚

胃痛や嘔吐

食べてないのに下腹部が張る

舌が痛む

まぶたがピクピクする

額部が痛む

耳閉感がある

いずれも<診察で異常なし>と診断された場合は、ストレスが原因のケースが多く、漢方が良く効く症状でもあります。 あなたにはどれが該当しますか?

イライラと夫婦げんかに

いつもお越しになる女性Tさん、子供の世話に追われ心身ともに疲れてイライラが多くなり、それに伴いご主人もイライラするようになり、夫婦げんかがふえたとのこと。

そこで平肝作用の<抑肝散>をお使いいただいたところ、少しイライラ感が軽減して来ましたが、ご主人はまだ変わらないようです。原因は、お母さんが子供に時間をとられ、ご主人まで気が回らないと思われましたので、『ご主人も大切に!』と声をかけておきました。

奥様のイライラがさらに軽減することが先決のようですね。

いらいら病

このような名前は正式な病名ではありませんが、なにかにつけてイライラするという方があります。子供の場合は<抑肝散>を、女性の場合は血の道症の<加味逍遥散>がよく使われます。

56歳の男性Sさん、ご自分で漢方薬を調べて<抑肝散>を使われ始めたのが1年以上前のことです。その後、仕事の状況により、イライラが強いときは連続してお使いになり、すこし安定している時はお休みをして、上手に使ってこられました。この薬は子供の疳の虫やひきつけによく用いられるものですが、大人でもよく効くものです。

どんな薬でも自分に合った漢方薬は、気分の支えにもなるものです。

ストレスが皮膚に及ぶ

ストレスは様々な症状を生みます。

23歳の女性、全身の痒みがひどく夜も寝られないので困っておられました。最初は代理の方が聞きにこられたのですが、本人を見ないと判断できないので、とりあえず<漢方薬U>をお使いいただきました。

その後本人がこられ、何度か話しているうちに様々なストレスがあることがわかり、さらに体重も少なく、<血虚>の体質でもありました。

そこで皮膚の痒みや乾燥を改善する<温清飲>や<当帰飲子>、血虚を改善する<婦宝当帰膠>などを使っていただき、4ヶ月ですっかり痒みは無くなり、お肌の乾燥も改善し、さらにうれしいことには、表情が明るくなったことです。

最初にお越しいただいたときは「いやいや来た」といわんばかりの険しい表情だったのが、いろいろな話をしている間に変化し、やさしくてかわいい女性になっておられました。この方の皮膚トラブルは、漢方薬以上に<精神状態>が効を奏したのかもしれません。とてもうれしい症例でした。

漢方は多面的に効きます!

元々神経を使い、緊張しやすく、特に外出しようと思うと胃腸がおかしくなり、トイレに行きたくなる方は多くあります。学生で登校しようとするとトイレに何度もいく方と同じです。

原因は緊張によって、腸が刺激を受けるものと思われますが、こんなときに漢方では<桂枝加芍薬湯>を用います。

30歳のNさん、前述のような症状で相談を受け、冷えもありましたので<婦宝当帰膠>と<桂枝加芍薬湯>をお使いいただきました。そして2ヶ月程度でこれらの症状は改善したのですが、それ以外にも、よく眠れるようになり、美容効果もあるようで、肌の調子もいいし、髪の毛も調子が良くなったと喜んでいただきました。

漢方薬に共通しているのは、単に症状改善だけでなく、体質改善に繋がっていくことが特徴ですので、上手に活用してください。

対人緊張症

毎日たくさんのメール相談をお受けしますが、顔が見えないだけにお薬の処方も難しく、慎重に且つ充分にお聞きして対応します。それだけに、改善したとのメールをいただく時はとても嬉しいものです。

42歳のSさん、少しのことで緊張し、外出することに不安感を伴い、また咽が詰まり、息苦しいという訴えでした。また貧血や冷え症もあったので、<婦宝当帰膠>と <半夏厚朴湯>をお使いいただきました。

その後3ヶ月間の服用で症状はかなり改善され、「神経の過敏さがほとんどなくなり映画なども楽しめるようになりました」とのお礼のメールをいただきました。お礼のメールは次の方の処方を考える励みになり、糧となる嬉しいものです。

花火が怖い!

8月に入ってあちこちで花火大会が行われていますが、当地(京都・宇治)でも宇治川花火大会が昨日行われました。少し高台に登ってゆっくり夏の風物を楽しみました。

少し以前の話になりますが、40代の女性から花火の音が怖いといった相談がありました。もちろん花火だけでなく、大きな物音や電車に乗ることも怖いとのことでした。漢方では<心胆気虚>といい、胆気不足でいわゆる<胆が小さい>状態です。

そこで、<帰脾湯>を使っていただき、時間とともに改善したことがありました。この薬は元気をつけ、気分を安定させる働きがあり、神経過敏な方に使われるものです。

花火をきっかけに思い出した話です。

抗精神薬と漢方薬

抗うつ剤や安定剤を服用している方は、薬の副作用のため口渇が強くなる場合があります。そのため、水分をたくさん摂り、おなかがジャブジャブ、胃腸機能が低下し、下痢気味になり、睡眠も悪くなる、というコースをたどることがあります。

29歳のYさん、複数の安定剤を服用されていて、口渇がはげしく、よく水を飲んでおられました。長期に渡るとおもわれましたので、漢方薬の併用をすすめ、補気補陰の、虚労に使う<麦味参>をお使いいただきました。

その後、口渇が楽になり、水の量が減るとむくみも少なくなり、身体も楽になったとのこと。

漢方薬は西洋薬の副作用軽減に役立ち、時には薬を減量するように使える場合もあります。

なにもないのにイライラ感

ちょっとしたことでもイライラする方はありますが、思い当たる原因が何もないのにイライラするという方があります。

よく見られるのは更年期の症状を伴うケースです。このような場合<加味逍遥散>がよく使われますが、体質や状況によっては様々な漢方薬を使います。

49歳の女性、Iさん、わけもなくイライラし、のぼせがあるため鼻血が出るときもあるとのこと。当然<加味逍遥散>は以前からお使いいただいていましたが、あまり効果がはっきりしないとのことでした。

そこで、いわゆる陰虚による<虚火上炎>ととらえ、<滋陰降火>を基本にした<瀉火補腎丸>を使っていただきました。更年期と捉えるより、年齢とともに身体の水分のめぐりが悪くなり、身体の上と下の間で熱のバランスが崩れて、のぼせやイライラがでるケースと考えています。