音楽を楽しむ漢方?

音楽を学ぶ方や、好きでバンドを組んでいる方、そして音楽家も、声がかすれたとか、声がつぶれたと言って漢方相談に来られます。

20代の青年、少し前に大きな声を出したあと声がかすれ、咽に痰がへばりついてとれず、苦しくなったと相談に来られました。このような相談はよくあり、いつもどおり<麦門冬湯>と<響声破笛丸>をお使いいただきました。

<麦門冬湯>は咽の乾燥やかすれ声に適し、<響声破笛丸>は歌などで声がつぶれた時に用いる漢方薬として昔から使われます。

この青年も3日分持っていかれましたが、きっとそれまでに良くなると思います。

子供が風邪を引きやすい

この時期になると『毎年子供がよく風邪をひき、ずっと鼻水を出して大変なんです』という相談があります。ほとんどが、痩せ型、食が細い、水やジュースをよく飲む、寒がりのタイプの子供さんです。

そして、子供の風邪予防には、おなかを強め、風邪をひかない身体を作ることが肝心です。そこでよく使うのが補気固表作用の<黄耆建中湯>といい、子供のための漢方薬といっても過言ではありません。長期間服用しても安心で、この時期お勧めの漢方薬のひとつです。

但し体質によって異なる場合がありますので、ご相談ください。

子供のうつ病

今日の新聞に、北海道の小学校4年~中学1年の生徒を対象に、北大の医師らがうつ病調査を行った結果、4,2%の子供に見られたとの報告が載っていました。

大らかな地域である北海道ですらこの率ですので、東京など競争の激しい地域ではさらに高いのでは?と思われます。

当店にも子供の精神的なトラブルの相談はたくさんあります。神経性の下痢、腹痛、イライラ、不眠などです。漢方では西洋薬のような強い作用はありませんので、子供には安心してお使いいただけます。

よく使う漢方薬は、不安感や不眠のある人に安神作用の<桂枝加竜骨牡蠣湯>を使ったり、イライラが強い場合には<抑肝散>を使います。
また、胃腸の働きを良くするものや、ハーブティで気軽に使える<エゾウコギ含有健康食品>も好評です。これからますます子供に漢方が使われるものと思います。

ストレスが皮膚に及ぶ

ストレスは様々な症状を生みます。

23歳の女性、全身の痒みがひどく夜も寝られないので困っておられました。最初は代理の方が聞きにこられたのですが、本人を見ないと判断できないので、とりあえず<漢方薬U>をお使いいただきました。

その後本人がこられ、何度か話しているうちに様々なストレスがあることがわかり、さらに体重も少なく、<血虚>の体質でもありました。

そこで皮膚の痒みや乾燥を改善する<温清飲>や<当帰飲子>、血虚を改善する<婦宝当帰膠>などを使っていただき、4ヶ月ですっかり痒みは無くなり、お肌の乾燥も改善し、さらにうれしいことには、表情が明るくなったことです。

最初にお越しいただいたときは「いやいや来た」といわんばかりの険しい表情だったのが、いろいろな話をしている間に変化し、やさしくてかわいい女性になっておられました。この方の皮膚トラブルは、漢方薬以上に<精神状態>が効を奏したのかもしれません。とてもうれしい症例でした。

難治性の湿疹 

皮膚病はほとんどが原因不明で、皮膚科にかかって湿疹と診断され、抗アレルギー剤や抗菌剤、軟膏などを処方されるケースがほとんどです。そして改善が見られないとき漢方を求めてこられます。

先日22歳の学生さんの例を書きましたが、その後順調に経過し、再発は見られません。
そこで、再び国家試験にチャレンジしたいが、またストレスによって湿疹が発症しないか心配で、本格的な勉強に踏み切れないとのことでした。

国家試験などは若い間しかできないハードな勉強ですので、思い切って再度取り組んでみることをお勧めしました。そのためにはストレスが直接身体に影響しないよう、疎肝剤や、リラックスハーブティなど、漢方ではいくつも対応する方法があることを説明しました。

結果はこちらも苦労することになるのかもしれませんが、若者の意欲を伸ばしてあげたい気持ちでいっぱいの結論でした。

男性のめまい・ふらつき

めまいやふらつきは圧倒的に女性に多いのですが、男性では水分摂取過剰の方に多く見られます。

Tさんは不安症で抗うつ剤など西洋薬を服用されていて口渇があり、よく水を飲んでおられました。また運動も少ないためか中性脂肪も高めで、医師からは血液が粘らないようにしっかり水を飲んでくださいと言われていました。そこで毎日1リットルのボトルで飲んでおられたところ、最近フラツキが多くなり、相談にこられました。

これは明らかに<水毒>によるもので、<五苓散>などで口渇を軽減し、水はけを良くすることで改善してきました。

西洋医学では水分を多く摂るように言われますが、個人差があり水毒体質の方は控えることが大切です。西洋医学では個人の適正量を指導することはありませんが、漢方では舌診によって水分適正量を判断できるのが特徴です。

胸がモヤモヤ

といっても恋煩いではありません。

66歳の女性Oさん、咽から胸にかけてなにかモヤモヤして圧迫感もあるので、病院で胃の検査、心電図、X線検査などを受けられたのですが何も見つかりませんでした。それでも何かおかしいので,、医師に薬はないか聞くと、病気ではないので薬は出せないと言われて、漢方相談にこられました。

これだけ検査をされて何も問題ないなら<気滞痰凝>しかないと考え<半夏厚朴湯>をお使いいただきました。1週間後お電話いただき、『ほとんど症状が気にならなくなったが、いったいこの薬は何の薬ですか?』と聞いてこられました。原因はストレスに関係していることを説明すると納得していただきました。

西洋医学では治療法がなく、漢方では容易に改善する症状のひとつです。

犬の排尿トラブル

人間だけでなく、犬も高齢になるとさまざまなトラブルがあります。

Sさん宅の犬は17歳の高齢で、夜間頻尿があり、また排尿の力が低下して腹部を押さないとしっかり排尿できないと相談にこられました。

以前にも同様の相談があったので、今回も五苓散をお使いいただきました。この薬は<腎気>を高め、膀胱の働きなどを良くするとともに、利尿効果もあり尿量をふやし、頻尿の改善に繋がります。人間も犬も同様に考え、同じような薬で効果が期待できます。

サルノコシカケ

山に行くと広葉樹だけでなく、松などにも大きな<サルノコシカケ>が付いていることがあり、これらを採ってきて買ってくれないかと持ち込まれる方がありますが、成分が明らかでなく使うことはありません。

当店では、信頼できる生薬メーカーからの<コフキ サルノコシカケ>を<寄生>として販売しています。

かつては民間薬として、解熱薬や心臓病の薬代わりに用いられていたこともあるとか。また免疫にも効果があり、癌の予防にも使われてきました。最近はその他のキノコ製品が増え、また飲みやすく錠剤や顆粒タイプのものがあり、お茶として使うものは少なくなりましたが、日ごろから健康茶として使うには最適の商品です。

高齢者の便秘

便秘は女性に多く、且つ高齢者によく見られます。

先日お越しになったFさんは病院で長い間<カマグ>をもらっておられましたが、調子が変わってきて、頻繁に便意があり、また水様便になるときもあるとのことでした。そこで穏やかな便秘薬の<ハーベルシー>と、腸内の水分を吸収してくれる食物繊維をお使いいただきました。

もう一人のTさんは、病院でもらっていた<漢方薬T>が効かなくなってきたので、何か適当な便秘薬をとこられました。お聞きすると便はコロコロとして、乾燥し硬いとのこと、高齢者によくあるタイプです。そこで、腸内の潤滑をよくする、穏やかな便秘薬の<麻子仁丸>をお勧めしました。

便秘薬はその効果に個人差があり、高齢者の場合はあまり強いものは好ましくないので、主に<麻子仁丸>をよく使います。また便がすっきり出ない方には<食物繊維の健康食品>を併用していただくと、毎日が快適になります。お試しください。