皮膚掻痒症

皮膚に発疹がなく、痒みだけが生じるものをいいます。

原因は精神的なものや、季節性のもの、全身に及ぶものや局所的なものなど様々です。多く見られるのは、老人性皮膚掻痒症や、妊娠掻痒症、陰部掻痒症などです。

先月来られた25歳の男性Oさん、例年秋の乾燥時期になると頭部が痒くなり、皮膚落屑を生じます。また、額の部分は赤く丘疹を生じます。そしてストレスを受けると悪化しやすいとのことでしたので、Oさんには<柴胡清肝湯>をお使いいただきました。

2週間してかなり落屑は減り、4週間ですっかりなくなりました。思ったよりも短期間で改善し、喜んでいただきました。

この漢方薬Sは、血液を補い、乾燥を改善する、炎症を鎮め解毒する、ストレスの影響を緩和するという生薬類が加わった処方で、ストレスの多い現代人にはよく適するものです。処方を編み出した昔の人の知恵に感嘆します。

減っていくマツタケ

今秋は気温の高い日が続いたため、香りと味覚の王様<マツタケ>の発生も遅れているとのことです。

そのため京都でも、地山産があまり見られず、外国産や岩手産のマツタケが店頭に並んでいましたが、昨日から急に寒くなりはじめ、これから出てくるのでしょうか? ? 年々温暖化によって、マツタケも発生しにくい環境になっているようで、減少の一途をたどっているようです。

マツタケは、免疫を高めるとして有名になった<アガリクス>などのキノコ類の中でも、特に免疫向上に良いと言われていますが、価格も最高レベルですので、年中使うことはできません。年に1度食して、1年分の免疫を確保できれば一番良いのですが・・・それは無理です。

そこで今日はマツタケの代わりに、特に風邪の季節にお勧めの! 安くて! おいしい! 板藍根エキスが含まれた<板藍飴>飴を紹介しておきます。効能は書けませんが、飴でもバカにはできませんよ。

切迫性排尿障害

女性や高齢者に良く見られる症状のひとつで、突然に膀胱が収縮して尿意が突然おき、時には尿漏れが起こることもあります。

原因は脳梗塞など神経が原因になるもの、結石や膀胱がんによるものなど、何らかの神経の変化と考えられています。

60歳の男性Nさん、以前から前立腺肥大があり、手術をされた後も頻尿や切迫尿、灼熱感などが続いていましたので清熱利水の<竜胆瀉肝湯>をお使いいただいていました。

これで頻尿はかなり改善したのですが切迫尿が改善せず、清心火の<清心連子飲>や<半夏厚朴湯>をお使いいただきました。仕事に集中しているときや、休日はあまり気にならないのですが、日によって調子が悪いときがあるので、継続してお使いいただいています。

漢方では、緊張を緩和するものなど、いくつもの種類がありますが、神経に関係しているため<気の持ち様>にも影響します。

尿意を感じたとき、何かきをそらせるとか、肛門を引き締めるとか、深呼吸などですこしおさまる事もあるようですが、いずれも短期間ではなかなか難しいようです。

再び 男性のめまい

56歳の男性Tさん、タバコをやめられてから水をよく飲むようになり、仕事中もイライラするとすぐ水を飲む習慣があり、大きなペットボトルを傍においておられました。
そして、すこし前からなにかフラフラすることが多く、特にビールを飲んだときに酷くなるとのこと。明らかに水毒によるめまいで<沢瀉湯>をお使いいただきました。

もう一人の方、34歳の男性Mさん、仕事が忙しく、飲む機会も多く、また以前より腎臓や肝臓機能が低下していて、むくみが酷いので相談にこられました。そこで<茯苓飲>や<五苓散>をお使いいただき、皮膚のツッパリは改善してきたのですが、今度は強い目まいを起こされ病院に運ばれたとか。体重は85Kgで、やはり水分を多く取られていて、<水毒>が原因になっていると考えられます。

同様に<沢瀉湯>をお使いいただきました。

夏は汗をかくので水分は多めにとる必要がありますが、秋になり汗をかかなくなると摂取する水分も減らすべきです。高齢者で梗塞を心配される方は水分を必要としますが、それ以外の方はほとんどが摂取過剰で、それが胃弱や目まいの原因となっています。

風邪の季節

風邪の方がふえてきました。この時期のなると新型インフルエンザや鳥インフルエンザ、タミフルなどの話題が増えてきます。

また、海外の話題ですが、米食品医薬品局(FDA)の小児医療に関する諮問委員会が、医師の処方なしに買える風邪薬やせき止め薬は、子どもへの効果が確認されていないとして、6歳未満の子どもに使うべきではないとFDAに勧告したとのことです。

感染症も増えると、薬も増えて、副作用も増えると言うのは避けられないことなのです。

そこで、漢方の出番で、特に子供に対しては予防薬としての使い方や、抵抗力を高めるという使い方などを基本としています。昨年のインフルエンザのとき、漢方薬の<麻黄湯>と西洋薬を使い比べてみたところ、漢方薬のほうが早く解熱し、回復も早かったとの報告もありました。

まずは風邪にかからないようにすることですね!

長期のニキビ

ニキビの相談は大変多く、対応する漢方薬もたくさんある疾患です。ピッタリ適合するとすぐに効果が見られますし、合わない場合は1ヶ月使われても全く改善しないケースもあります。簡単なようで難しい疾患です。

32歳の女性Kさん、思春期からニキビが続き、白ニキビや化膿性のものなど大きいのもあり、ケミカルピーリングも受けられたのですが改善せず、ご相談に来られました。

そこで、便秘があり、赤みが強く、化膿もあるので、清熱通便の<清営顆粒>や、排膿のために<排膿散及湯>などをお使いいただきましたが、1ヶ月使ってもほとんど改善せず、再度検討しなおすことになりました。

顔に熱を持ち、便秘も強いようでしたので今度は<清営顆粒>と<十味敗毒湯>などをお使いいただきました。

その後1週程度で便秘も改善し、顔の熱感がとれ、化膿が治まり、今までにない良い状態になってきました。その後も漢方薬を継続され、ますます良くなっています。

お薬が合うときは、ほぼ即効性で目に見えることを実感しました。

いらいら病

このような名前は正式な病名ではありませんが、なにかにつけてイライラするという方があります。子供の場合は<抑肝散>を、女性の場合は血の道症の<加味逍遥散>がよく使われます。

56歳の男性Sさん、ご自分で漢方薬を調べて<抑肝散>を使われ始めたのが1年以上前のことです。その後、仕事の状況により、イライラが強いときは連続してお使いになり、すこし安定している時はお休みをして、上手に使ってこられました。この薬は子供の疳の虫やひきつけによく用いられるものですが、大人でもよく効くものです。

どんな薬でも自分に合った漢方薬は、気分の支えにもなるものです。

今日は時代祭でした

京都の三大祭りの最後を飾る<時代祭り>が行われました。この祭りは明治28年以来続いており、今年は103回目。澄み切った青空の下、色鮮やかな衣装をまとった2000人の行列は2時間に及びました。

 先頭は輝く女性が

京都府知事も・・

明治維新のころ

  新たに室町時代列が加わり

豪華な衣装に包まれて

70人の列に

洛中風俗列も

平安時代の紫式部も

いつの時代か牛車も列に

間隔を広くとって行列が進みますので、じっくりと見られました。

蕁麻疹が短期に改善!

蕁麻疹は、短期間で改善するものから長期間改善しないものまで様々です。

30歳の女性Aさん、2年前に発症し、身体が温まったときやお風呂に入ると蕁麻疹が出るため、病院で抗アレルギー剤をもらっておられましたが、完全には治らないので漢方相談に来られました。

冷え症はなく、普段から温かいとのこと、夏に出やすく冬は少ない、食べ物には影響しないなどが特徴でした。ほとんどの方が、相談に来られたときには蕁麻疹が出ていないため、状態は正確につかめませんが、漢方的には<血熱>と考え、<温清飲>をお使いいただきました。

それから2週間後、蕁麻疹の出る回数も、状態も少なくなり良かったのですが、これは気温が下がったためか、薬が効いてきたのか明らかになりませんが、いずれにしても早い時期に改善して良かったと喜んでいただきました。

体質的原因が正確につかめれば、短期間で改善することはよくあります。

秋の花粉症

最近急に鼻水や鼻詰まりの方がこられるようになり、秋の花粉症が始まっていることを伺わせます。春のように強い症状はないようですが、それでも気になるものです。

いつも来られているYさん、鼻づまりの声で「花粉が飛んでるみたい」とお越しになりました。春の花粉症のときに買われた、衛気を高める<衛益顆粒>が残っていたので、それを使い症状は治まったのですが、なくなると症状が気になりだしたといって、買っていかれました。

この時期の花粉は、イネ科、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラの花粉が飛散しているとのこと、鼻風邪とよく似た症状ですのでお間違えのないように・・・。