前立腺炎と漢方

70歳のKさんは、数年前から前立腺肥大があり、最近は排尿困難や残尿感、排尿痛などがあり、漢方相談に来られました。
舌診では、黄膩苔の熱を持った状態でしたが、体感は身体が冷えてエアコンも寒いとのことで、身体の中と外のバランスが取れない<真熱仮寒>という状態と思われました。
試しに少しだけ、身体を温める<真武湯>を使うと、寝汗が酷く調子悪いとのことでした。
そこで<竜胆瀉肝湯>で清熱瀉火利湿をし、さらに<補腎利水剤>を併用すると、少し改善傾向が見られました。
真熱仮寒の場合は、黄連・黄ごんなどの薬を使うのですが、まずは尿トラブルの改善から始めています。
複雑な症状だけに、少しずつ様子をみながら対応している事例です。
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切迫性排尿障害

女性や高齢者に良く見られる症状のひとつで、突然に膀胱が収縮して尿意が突然おき、時には尿漏れが起こることもあります。

原因は脳梗塞など神経が原因になるもの、結石や膀胱がんによるものなど、何らかの神経の変化と考えられています。

60歳の男性Nさん、以前から前立腺肥大があり、手術をされた後も頻尿や切迫尿、灼熱感などが続いていましたので清熱利水の<竜胆瀉肝湯>をお使いいただいていました。

これで頻尿はかなり改善したのですが切迫尿が改善せず、清心火の<清心連子飲>や<半夏厚朴湯>をお使いいただきました。仕事に集中しているときや、休日はあまり気にならないのですが、日によって調子が悪いときがあるので、継続してお使いいただいています。

漢方では、緊張を緩和するものなど、いくつもの種類がありますが、神経に関係しているため<気の持ち様>にも影響します。

尿意を感じたとき、何かきをそらせるとか、肛門を引き締めるとか、深呼吸などですこしおさまる事もあるようですが、いずれも短期間ではなかなか難しいようです。

前立腺肥大 2

前立腺肥大によってPSAマーカーが高めになりますが、あまり高いとガンが疑われ、精密検査を受ける必要があります。

6年前にはじめて来られたNさん、前立腺肥大で下腹部痛や排尿トラブルがあり、顔はのぼせのような赤ら顔でしたので、<竜胆瀉肝湯>をお使いいただきました。その後順調なのでしばらくあいていましたが、2年前に細胞診でガンの疑いがあり、密封小線源治療を受けられました。その後PSAは下がったものの、頻尿は再び始まり相談に来られました。

今回は頻尿に加え、切迫性の排尿トラブルもありましたので、今までの経過も考慮し<竜胆瀉肝湯> と、補腎作用の<六味丸>をお使いいただきました。

前回同様、使い始めて2週間で改善しはじめ、その後経過は良好です。前立腺肥大はやはり長い期間服用する必要がありそうです。

前立腺肥大 1

中高年男性に多い前立腺肥大、そしてそれが原因で排尿がスムースにいかず尿量が減少し、回数がふえるという悩みはたくさん聞かれます。

78歳のKさん、以前より前立腺肥大があり、昨年は内視鏡による部分切除手術を受けられたとのことでしたが、今年に再び排尿トラブルが生じたため相談に来られました。この様な相談はたくさんあり、利水作用の<五苓散>や<猪苓湯>をお使いいただきました。

その少し後に、52歳のTさんが2年ぶりに来られ、前立腺炎で下腹痛や頻尿があり、座っていると特に調子が悪いとのことでしたので、以前にもお使いいただいていました五苓散をお使いいただきました。

いずれも1週間程度で改善の兆しが現れますが、前立腺が小さくなるわけではなく、排尿の力をつけてスムースにさせるもので、継続してお使いいただくことになります。

尿が出にくい

高齢者の排尿異常は様々で、尿が漏れる場合と、尿が出にくい場合があります。前立腺肥大の場合を除き、その他はいずれも腎気の低下による膀胱括約筋などのコントロール力の低下に関連します。

82歳の女性Tさん、昨年に尿が出にくくなり、病院で利尿剤をもらっていたが、スッキリでないので相談にこられました。

年齢から考えて、腎気を強め、且つ利尿作用がある<牛車腎気丸>を使っていただきました。1週間後、全く効かないと言って来られましたので、当面は利尿作用の<猪苓湯>を併用いただくことにしてすぐに改善しました。

その後、猪苓湯は中止し、牛車腎気丸だけ継続されていましたが、今日お越しになりすっかり良くなったとのこと。

しかし<補腎>すなわち身体を元気に保っていくために有効な薬であることを理解いただき、継続していただきました。 この薬はよく効くので、私の好きな処方のひとつです。

前立腺肥大と頻尿

前立腺肥大は50歳以上の男性でよく見られます。

原因は男性ホルモンが関連しているようですが、まだ詳細は明らかでないようです。症状は、尿が出にくい、残尿感がある、頻尿、圧迫感などがあります。

Tさん57才男性、2年前に前立腺肥大の診断をうけました。昼間が頻尿で、残尿感があり、立ち仕事をしておられ影響が出て困る、眼のかすみもあり、疲れやすいとのことでした。

電話相談でしたので、まずは牛車腎気丸を使っていただき様子を見ることにしました。1週間後、おなかがもたれ、便秘気味になるとのクレームがあり、漢方薬の成分の<地黄>がおなかに負担になったようですので、香砂六君子湯を合わせて飲んでいただくよう変更しました。

1ヵ月後、尿の出は良くなり、順調との連絡ありました。それ以来身体も元気になり、トラブルも無く、4年来継続されています。