この時期のお腹の張り

特別病気ではないが、お腹がパンパンにはって苦しい、ガスがでるというケースはよくあります。

原因は<気滞=神経的な疲れ>や<お腹の冷え>によるものが多く、この季節は冷えによって生じる方があります。

35歳の女性Sさん、昨年の10月にお腹が張り、苦しくなる、少し下痢気味との相談を受けました。これは冷えから生じたものと考え、温中散寒の<大建中湯>や、補気健脾作用の<参苓白朮散>を少し使っていただき、5日ほどで治りました。

そして1年ぶりに今日お越しになり、同様の症状が出たとのことで、前回と同じ漢方薬を使っていただきました。今回も短時間で改善することと思います。

先日のブログでも書きましたが、気候の変わり目で夜中や朝方にお腹が冷えやすい時期ですので注意が必要です。

のどがつまる

咽がつまり、息苦しくなったり、声がかすれたりする症状はよくあるものですが、病院で検査を受けても異常ない時は打つ手もなく、ユーウツになります。

この症状を漢方では「梅核気」といい、梅の種が咽につまっているようなものと言います。いくつかのタイプがありますが、イライラしたり、めまいがする、痰が多く胸ぐるしい、咽が乾燥して咳が出やすいなどが多いようです。

26歳の男性、鉄道関係に勤められ1年余り、いろいろ気苦労も多いようで、春先からこの症状が気になり始め、検査を受けたが異常なしとのこと。夏からきつくなり相談にこられました。

体質から判断し、<半夏厚朴湯>を中心に使っていただきました。2週間程度で楽になってきましたが最近再び不調になったため、今回は疎肝・理気降逆作用のある<柴朴湯>を使っていただきました。

ストレスや緊張が原因になっている症状ですので、仕事の状況や環境により症状の変化が現れます。そして短期間での解決は難しいですが、お薬の調整をしつつ、安心感を持っていただくよう努めています。

ボディ・エンザイムとは

先日のTV番組「あるある大辞典Ⅱ」では、アメリカでブームの<ボディ・エンザイム>を紹介していました。これは、体内で働く酵素を外から摂取したり、体内で作りやすい状態にしたりする健康法です。

そのためには腸内をきれいにし、酵素の働きを良くする必要があるというもの。そして、溜まった便をを出すため、粉寒天やヨーグルト、オリゴ糖を含むハチミツなどをとると良いようです。

腸内の善玉菌は、いつも失われて減っていきますので補充が必要なのです。そこで手軽なのは当店でお勧めしている健康食品<イサゴール>は、<食物繊維・オリゴ糖・ビフィズス菌>が合わさって入っていますので、簡単で便利です。

NHKでも、大腸癌の予防には、食物繊維が必要で、これが腸内の善玉菌を育てる作用があり、且つ便通をよくするとの紹介がありました。

最近は肉食が多く、野菜の摂取、すなわち食物繊維の不足が大腸癌の増加に関連しているといわれています。

働きすぎを抑える漢方?

以前に日本人は働きすぎとよく言われましたが、今でも団塊の世代はその習慣が直らず、仕事ばかり考えている人が多いようです。

59歳の男性、神経が過敏で、以前にはパニック障害といわれたこともあったようですが、最近特にハイな状態が続き、奥様が心配して相談に来られました。

とはいっても、精神的に異常なわけでなく、休み無く働き、且つ遊ぶと言うことで、身体が持たないのではないかと思われたようです。

そこで、気分が高揚しやすいのを抑制するため<抑肝散>を使っていただきました。1ヵ月後、その様子をお聞きしたところ、おとなしくなり、しゃべるのも少し少なくなり、落ち着きを取り戻してきたとのこと。

抑肝散は小児の疳の虫や神経症によく使われますが、おとなでも同様に効果があるようで、カッカしやすい方にはお勧めの漢方薬です。

長年の不眠症

不眠症の相談は多いのですが、すぐに改善できるタイプと、いくつかお薬を変えていってもうまくいかないケースがあります。

主に若い方や、夢を見る方、太っている方の不眠は改善が早く、高齢者の永年の不眠は難しいものです。

72歳の女性Oさん、ずいぶん昔から不眠の相談を受けていましたが、なかなかすっきり改善せず、時々薬を変えて使っていただいていました。この間その他の目的で漢方はいろいろお使いいただいていましたが、最近再び不眠が気になるとのこと。

そこで漢方薬はひと通り使い切ったので、今回は<健康食品S>をお勧めしました。ところがこれが良くて2日目から眠れるようになったとの報告をうけました。

この<健康食品S>は、気分がユーウツな方や、不安感がある方で、特に女性にはよく効く経験があり、今回も女性だから合うだろうと思い使ったところ、良い結果を得られました。
非科学的で漢方とは無縁な話ですが、すばらしい商品であることを実感しました。

口周囲の湿疹

昨日の話にも関連しますが、先日中国におられる方と<skype>によるビデオチャットで対応しました。

32歳の女性Kさん、中国に留学中ですが、夏ごろに当地の果物をたくさん食べた後、口の周囲に湿疹が発症、赤く腫れて、ジクジクし、口唇の皮膚がめくれてくるというものでした。

その後日本に一時帰国し、医師の診察を受け、薬も服用されていましたが改善せず相談にこられました。

食物によるアレルギーだけでなく、ストレスによる肝熱と考えて、疎肝薬の<逍遥丸>や清熱解毒の<銀翹散>を使っていただき、小康状態を保っていましたが、その後再び中国に戻られた後、再度悪化。

そこでskypeによるビデオチャットで話しながら処方を検討し、衛気を高める<衛益顆粒>、胃熱をとる<茵陳蒿湯>、頭部に上っている熱をさます辛涼解表薬を使っていただきました。また、外用に漢方クリームSを併用していただき、すっかり改善しました。

ビデオチャットは状態判断にとても役立つことを実感しています。

インターネットによるご相談

毎日たくさんの相談をお受けしていますが、特にこの夏多かったのが多汗症です。

いずれの疾患でもその体質的な原因はいくつもありますので、相談票で体質を判断し、それに対応する漢方薬を考えますが、多汗症の場合は複合要素が多く、難しい部類に入ります。

たとえば、身体に湿熱がこもっている場合は、熱を冷まし、湿を取り去るという方法で考えられますが、緊張により発汗するという精神的な要素が加わると、過敏な反応を抑制する漢方も必要になります。また、先天的な要素が含まれることもあり、メールでのご相談ではこれらがわかりにくいものです。携帯で写真を送っていただく場合もありますが、やはりできるだけご来店をお勧めしています。

皮膚病も同様で、状態を正確に把握するためには写真か来店をお勧めしていますが、現在<skype>や<messenger>でカメラを使い通信している方もありますので、今後さらにカメラを活用していきたいと思います。