今日の京都

米国のブッシュ大統領が日米首脳会談のため、本日15日夕刻に京都入り。昨日は専用の米軍ヘリが御所(京都御苑)に飛来し、周辺の方はビックリしたとか。そして、大通りでは検問が行われ、駐車場の入り口でも検問、京都駅のコインロッカーは使用禁止、当然今日明日は御所立ち入り禁止など、厳しい警戒態勢になっています。

こんなニュース速報を書くつもりではないのですが、いつも混雑する店頭の道路も正月並みに閑散とし、今日は来客がぐんと減りました。おかげさまで普段出来ない勉強をし、資料を整理することができました。

明日は首脳会談の日で、さらに大統領夫人が京都を移動するとのうわさがあるのですが、交通規制も、コースの予定も全く公開されないため、どうなりますか?

そのころ私は京都を離れて、インターネットに関連する研修会に出かけております。騒然とした京都を離れたい1日です。

リウマチの新薬

リウマチに対する画期的な治療薬で、生物学的製剤の<レミケード>と<エンブレル>というお薬が使われ始めています。

http://www.riumachi21.info/patient/treatment.html

http://blogs.yahoo.co.jp/riumati91

今日来られたリウマチの女性、この治療をするべきかどうかを迷っているとのこと。というのも、この薬は認可されて1年あまりという点と、結核や肺炎などの副作用も心配されるという事です。私はこの事に対しコメントできる知識はありませんが、インターネットなどでたくさんの情報を得て、納得して治療を受けることと、先のことを考えれば過大な期待はしないほうが良いとだけ答えておきました。

一般に新しく開発される新薬は、効果が高いのに比例して、副作用も人によって強く出るケースが多いと思います。また、何年も後にその効果が正確に評価されることも仕方ないことですが、治療効果があった方には夢のような話です。過去にはインターフェロンの例や、肺ガンでのイレッサの例など、時間とともに明らかになってくるものがたくさんあります。

そのようなことを考えると、新薬は数十年から百年、生物学的製剤や遺伝子組み換え製剤は数年の歴史ですが、漢方薬は3000年余りの歴史に裏づけされているということに改めて確信を持ちました。

リウマチのような症状

リウマチによくみられる、手指が冷え、関節が痛み、朝方腫れてこわばる、という症状があるにも関わらず、病院の検査ではリウマチ因子がマイナスとなる場合があります。また逆に、リウマチの診断がおりていても症状がほとんどないという方もおられます。

28歳女性Yさん、6月ごろから指関節が痛み始め、朝方にこわばりが出始めました。気になって9月に病院で検査を受けたのですが、リウマチ因子はマイナス。お薬も出されず、痛みがひどいときにとロキソニン(鎮痛剤)を渡されました。しかし不安が残り、漢方を求めてこられました。

手足の末端部に強い冷えがあり、しもやけができる体質とのこと。以前にも同様の方がおられ、改善した例があったので、まずは抹消を温め、利水する漢方薬を使っていただきました。結果はまだですが、リウマチ発症を抑えられるものと期待しています。

修学旅行シーズン

京都はただいま修学旅行シーズン真っ最中。全国の中学、高校から新幹線で来られ、奈良や大阪を巡られています。

今日のお客様は東北地方からの高校生5人グループ。修学旅行において学んだことをレポートするらしく、漢方の専門店とはどんなところか、どのような相談があるのかなどを聞きたいと、事前に依頼を受けていました。少ない時間でしたが、漢方の特徴や診断の仕方、漢方薬のこと、勉強の仕方、血流測定での体質判断などを学んでいただきました。

最近若い女性の間で漢方がブームになっていますが、高校生まで漢方の裾野が広がり、多くの方にその良さを知っていただくことはとてもうれしいことです。来ていただいた学生さんの中から、漢方を学ぶ方が生まれることを期待しています。

冷えと鼻水

朝夕寒くなり、冷え症の相談がふえてきました。

25歳のSさん、この2年間、朝方になるとくしゃみや鼻水が続けて出る、特に風邪を引いてるわけでもなく、原因がわからないと相談に来られました。

原因は慢性的、長期にわたる冷えしかありません。来られたときは昨年の秋でしたので、冬の冷える間は治りにくいなあと思ってはいましたが、予想通り完治することはありませんでした。

春になって温かくなり、さらに根気良く続けられてきた甲斐もあってかなり改善し、1日3回の漢方薬服用を1回にしても夏はほとんど症状無く順調にすぎました。事務職なので、クーラー冷えが気になったのですが、服装を出来るだけ温かめにし、食べ物や飲み物で冷やさないことなど注意していただきました。おかげで昨年の夏と比べると雲泥の差ということです。

まもなく1年を迎えようとしていますが、<体質が変わる>と言うことは時間をかけて変わるものだということを認識させていただきました。

ストレス性頭痛

頭痛にもいろいろあります。

よく聞くのはズキンズキンの片頭痛ですが、他にも締め付けられるような緊張性頭痛、片側の目の奥が痛む群発頭痛、そして脳に異常があって起こる症候性頭痛などがよく知られています。

漢方では、その原因で分類し、<寒> <熱> <湿> <肝陽> <血虚>などがあります。この中でも、難しいのが<肝>によるもので、いわゆるストレスを引き金とするものです。

42歳男性のSさん、数年前は週に1回程度の頭痛、それも休日に多く起こっていました。病院で頭痛薬をもらい、服用すると治まっていましたが、徐々に効かなくなってきました。そして頭痛の頻度も増したので、薬も変えられて、カフェルゴットが一番よく効いていたのですが、年々量が増えて効果が低下してきました。初期はストレスを受けたときに発症していたのが慢性化し、頻繁になってきました。根本治療にと漢方薬をお勧めしたのですが、このタイプの頭痛には即効性がなく、少しでやめられました。

寒冷による頭痛や、湿気による頭重、緊張性頭痛などには漢方薬でも即効性がありますが、ストレス性はその要因をなくすることが難しく、西洋医学でも難しいようです。

漢方を根気よく続けられないのも頭痛の方によくあり、これが私の頭痛のタネです。

鳥インフルエンザ

昨年に引き続き、鳥インフルエンザの流行が懸念されています。

ロシアやアジアでも徐々に増え、日本では放送を自粛しているのか?あまり話題になりませんが、近日中に大きな問題になるのではと思います。

ウイルスが鳥から人間に感染する段階では患者数は少ないのですが、ウイルスが変異して『人間から人間に感染する』ようになると爆発的な拡大が予測されています。

感染の予防は特定のワクチンですが、現在の技術で創るには、感染が始まってから6ヶ月以上かかるようで、それが全医療機関に渡るに充分な量となると、更に時間がかかります。それまでは自衛するしかありません。うがいするとか、人ごみに入らないとかも大事ですが、いつの時代でも、何のウイルスに対しても、いちばんの予防は<自己免疫を高め、外邪と闘う細胞の働きを高める>ことです。

ウイルスと人間は永年闘い続けてきました。新しいウイルスは際限なく発生するものですから、いつも免疫を良い状態に保つことが求められます。

なお、厚生省の予測では、鳥インフルエンザが人間の間で感染するようなら、その新型インフルエンザで10万人の死者がでると予測しています。

ストレスの腰痛

先日のNHK生活ホットモーニングで「ストレスと腰痛改善」の話題がありました。

その概要は・・・腰痛というと、老化とともに出るとか、無理な姿勢や運動不足により発生すると思われがちですが、それだけでなく実は社会的・心理的ストレスが強く関わっているという話でした。そして、仕事の悩みや人間関係、家庭内のストレスがあるときは注意が必要ということでした。

実は、漢方では以前から腰痛やギックリ腰はストレスに関わるとしてよく知られています。

有名な話で、相見三郎先生は気分の病(現代の言葉では、自律神経失調症に相当する病)による腰痛には<桂姜棗草黄辛附湯>という漢方薬が即効性があるといわれ、以来漢方界ではよく使われて実績があります。

この漢方薬は、体の芯が冷えているのを温め、元気が落ちているのを助け、陰陽のバランスを整えるお薬です。ということは、体が冷えると自律神経が乱れやすく、それにより腰痛が引き起こされるという事です。近年、冷蔵庫やクーラーの普及で身体が冷え、低体温の方が増えています。生活の変化が、腰痛だけでなく精神・神経系の病を増やしているのではないでしょうか。

ストレスと咽のつまり

精神的なストレスで咽が詰まるという症状は、漢方では<梅核気>と言い、西洋医学では<ヒステリー球>といわれます。この話は以前にも書きましたが

さらに、痰がともなうケースがあります。

後鼻漏か、蓄膿か、痰かわからないような症状で、痰が咽につまり、出そうとするが粘っこくて出にくい、夜にひどくなると窒息しそうで、救急で病院に行かれる方もあります。漢方では痰が鬱熱によって粘りを増していると考えます。

Yさん、59歳女性、2年前の夏風邪を引いた後から慢性の鼻炎になり、痰が溜まるようになった。病院では呼吸器系や耳鼻科などの診察を受けたが、特に問題はなく治療もない。咽の奥に痰がたまって通らないので、かき出すように取る時もある。痰をよく出すので舌が痛くなり、不眠にもなる。手のひらが赤く腫れ気味、のぼせがある、全身緊張状態など、漢方では<肝陽上亢>というストレスの症状が見られた。この症状は短期では取れないと説明したが、ご本人はつらく、すぐに来られなくなった。

難しい症状のひとつでした。