下腹部の張り

病院で検査を受けて特に重篤な疾患がないのに、下腹部が張って酷いときには痛みを伴うという方があります。通常は便秘薬や整腸剤が処方されますが、それでも改善しないため漢方相談にこられます。

34歳のOLのFさんは、下腹部が痛くなり、病院では鎮痛剤を処方されましたが、これでは改善しないので相談にこられました。お腹がゴロゴロしたり、ガスが溜まりやすく、冷えているとのこと。以前に<漢方薬D>を服用したら少しましにはなったが、スッキリ改善しなかったとのことです。

そこで『会社にいるときと家にいるときではどちらが酷いですか』と尋ねますと、『会社にいるときに痛くなり、休日は起こらない』とのこと。これは明らかにストレスによる腹部の緊張が関連していると思われました。

西洋医学ではストレスで下腹部が痛くなるなんて考えられないのですが、漢方では<気滞>がこのような症状を生むことはよくあります。当然冷えもいけませんので、Fさんには<半夏厚朴湯>と<人参湯>を併用いただきました。

比較的若い女性によく見られる症状で、ストレスが無くなるわけではありませんのですぐに治るわけではありませんが、少しづつ楽になるケースがほとんどです。

リウマチの新薬

リウマチに対する画期的な治療薬で、生物学的製剤の<レミケード>と<エンブレル>というお薬が使われ始めています。

http://www.riumachi21.info/patient/treatment.html

http://blogs.yahoo.co.jp/riumati91

今日来られたリウマチの女性、この治療をするべきかどうかを迷っているとのこと。というのも、この薬は認可されて1年あまりという点と、結核や肺炎などの副作用も心配されるという事です。私はこの事に対しコメントできる知識はありませんが、インターネットなどでたくさんの情報を得て、納得して治療を受けることと、先のことを考えれば過大な期待はしないほうが良いとだけ答えておきました。

一般に新しく開発される新薬は、効果が高いのに比例して、副作用も人によって強く出るケースが多いと思います。また、何年も後にその効果が正確に評価されることも仕方ないことですが、治療効果があった方には夢のような話です。過去にはインターフェロンの例や、肺ガンでのイレッサの例など、時間とともに明らかになってくるものがたくさんあります。

そのようなことを考えると、新薬は数十年から百年、生物学的製剤や遺伝子組み換え製剤は数年の歴史ですが、漢方薬は3000年余りの歴史に裏づけされているということに改めて確信を持ちました。

リウマチのような症状

リウマチによくみられる、手指が冷え、関節が痛み、朝方腫れてこわばる、という症状があるにも関わらず、病院の検査ではリウマチ因子がマイナスとなる場合があります。また逆に、リウマチの診断がおりていても症状がほとんどないという方もおられます。

28歳女性Yさん、6月ごろから指関節が痛み始め、朝方にこわばりが出始めました。気になって9月に病院で検査を受けたのですが、リウマチ因子はマイナス。お薬も出されず、痛みがひどいときにとロキソニン(鎮痛剤)を渡されました。しかし不安が残り、漢方を求めてこられました。

手足の末端部に強い冷えがあり、しもやけができる体質とのこと。以前にも同様の方がおられ、改善した例があったので、まずは抹消を温め、利水する漢方薬を使っていただきました。結果はまだですが、リウマチ発症を抑えられるものと期待しています。